第10回記者会見要旨:令和2年 会議結果
西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨
- 日時:令和2年7月8日(水)18:22~19:12
- 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室
1.発言要旨
経済財政諮問会議の概要について御報告します。
本日は、まず、私の下で開催してきました懇談会である「選択する未来2.0」の中間報告について、私から御報告した後に、今後取りまとめに入る骨太方針の原案について議論しました。
本年の骨太方針の原案は、この「選択する未来2.0」の理念も踏まえつつ、総理から御指示を受けた新たな経済社会の姿の基本的な方向性を示す内容となっています。また、昨年よりも簡素化し、昨年に比べて分量を半減しています。感染症への対応の中で、内容を絞り込み、結果として社会変革に挑む政府に意志を強く打ち出すものとなっています。
まず、総論部分の第1章において、今般の感染症拡大に伴い、我が国の課題やリスク、これまでの取組の遅れや新たな動きが浮き彫りになったということを指摘した上で、この数年間で思い切った改革ができるか否かが我が国の未来を左右するとの切迫した危機感に基づいて、感染症拡大の対応と経済活動の段階的引上げという「ウィズコロナ」の経済戦略を示すとともに、新たな日常の早期実現に向けた5つの柱を示しています。1番目に、デジタル化への集中投資、いわゆるデジタルニューディール。2番目に、多核連携型の国づくりと地域の活性化。3番目に、生産性向上の鍵となる人材投資・イノベーション。4番目に、包摂的な社会の実現。5番目に、新たな世界秩序の下での活力ある日本経済の実現という柱を明確にしています。
以上の5つの柱について、さらにポイントを申し上げます。
まず、1番目のデジタル化は、様々な政府の感染症対応の中で、今回浮き彫りになった課題であり、一丁目一番地でデジタル化を加速して進めるということです。
そして、2番目である地方の活性化と一極集中の是正も長年の課題でした。デジタル化に加えて、地方に今、重点を置いていくということが今回の5つ柱の中でも2つの大きな方向性です。デジタル化を進めることによって、地方でも研究開発やワーク・ライフ・バランスの実現など様々な仕事ができます。この2つのデジタル化と地方は、いわば横串です。
その下で、3番目は人材投資とイノベーションということで、成長面に対応しており、4番目が包摂的な社会ということで、分配面に対応しています。先ほどのデジタル化と地方の活性化を進める中で、成長と分配の好循環を更に進めていくという大きな方向性を打ち出しています。
そして、5番目として、新たな世界秩序、様々な動きがある中で、活力ある日本経済の実現や日本のリーダーシップを記しています。
その上で、これらの柱の主な施策項目については、年内に実行計画を策定し、断固たる意志を持って実行に移す旨を明記しています。今すぐ行わなければならない規制改革などはもう既に着手をして実行していますが、時間が掛かりそうな様々なものについても、年内に計画を作った上で実行するということです。
第2章と第3章は各論です。第2章においては、当面の短期的な対応として、感染症拡大への対応と経済活動の段階的引上げについて4項目に整理して書いております。第3章においては、今、申し上げた5つの柱から構成されています。
骨太方針については、本日御議論いただいた内容と明日から始まる与党調整を踏まえ、次回の経済財政諮問会議で取りまとめたいと考えております。
総理からの締めくくり発言についてはお聞きいただいたとおりです。詳細は後ほど事務方から説明いたします。
それから、小池東京都知事とのやりとりについてです。
先日来、御質問を頂いております。本日、小池知事もぶら下がり記者会見において次のような言い方をされているようです。「都外への外出等々については、特にお体の具合が悪い方は出張等々あるかもしれませんけれども、他の地域にいらして何かがあるということに気を付けていただきたい」。この旨、発言されたと伺っております。
今日、私も小池知事と本件についてもお話ししました。十分に意思疎通を図り、正に先ほど紹介した小池知事の御発言が、私が申し上げてきた内容と認識が一致しているということを申し上げます。
いずれにしても、一人一人がしっかりと感染防止策を徹底していくということが大事です。感染防止策と経済活動を両立していくわけです。この感染防止策をどこかで怠れば、感染が広がり経済活動が継続できなくなるといった事態にもなりかねないわけですから、感染防止策をしっかり講じていただき、経済活動のレベルを引き上げ、両立を図っていくということです。
いずれにしても、東京都とも緊密に連携を図りながら取組を進めたいと考えております。
今日、小池知事からも電話で、本日は都内の感染者数が75名ということを御報告いただきました。まだ十分に分析ができていないようでしたが、50名が20代・30代と伺っております。あわせて、豊島区において、9店舗あるホストクラブのうち、1店舗は既にPCR検査を受けているそうであり、残りの8店舗の従業員の方々にPCR検査を勧奨していくということで東京都と豊島区が連携していく。新宿区での取組を豊島区に更に広げ都内のそれぞれの区と連携していく、横展開を他の区にも広げていくというお話がございました。
いずれにしても、政府としては、東京都、それぞれの区と連携して、それぞれの地域のクラスター対策、特にバーやクラブなどの接待を伴う飲食業の方々にPCR検査を勧奨しながら二次感染を防いでいくということに全力を挙げていきたいと思っております。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)今年の骨太方針は記載内容を絞り込むという方針で策定を進められていると思いますが、今後、与党との調整の中で、個別具体的に記載内容を追加で盛り込むよう要望が出ることも予想されます。調整方針については、どのようにお考えでしょうか。
(答)基本的には、今後の経済社会の基本的な姿を示すものとして、今後の社会改革への政府の意気込みを打ち出すものにしたいと思っております。様々な議論があると思いますが、今回、目次の後に「『経済財政運営と改革の基本方針2019』のうち、本基本方針に記載がない項目についても引き続き着実に実施する」と書いておりますので、昨年の骨太方針に記載されている内容については引き続き推進するということで御理解を求めていきたいと思っています。
もちろん様々な議論があると思いますので、与党とはよく調整を行いながら進めていきたいと考えています。
(問)骨太方針について2点伺いたい。一点目は、2025年度にプライマリーバランスの黒字化という目標を2年前に掲げられましたが、このことに変わりないか改めて大臣からお言葉を頂きたい。
(答)今の状況は御案内のとおり、この厳しい状況にある経済を感染防止策と両立しながら回復させていかなければならず、4月・5月を底に内需主導で回復させていきたいという状況です。当面は厳しい状況にある企業・事業・雇用・生活をしっかり守り抜いていくことを何よりも最優先にして取り組んでいきたいと考えています。
そのために、第一次補正予算・第二次補正予算を組んだところであるため、迅速な執行を行っていきたいと思います。今後の状況次第で長引くことや様々な事態も想定されますので、当然、予備費の活用も含めて、臨機応変に、かつ時機を逸することなく対応していきたいと思っています。
その上で、「新たな日常」、「新しい生活様式」、そして、今、申し上げたようなデジタル化を一丁目一番地で進めていく。そうした中でワーク・ライフ・バランスの実現、あるいは地方の活性化や地方創生を実行していく中で質の高い経済社会の実現を目指していきたいと考えています。
そうした中で、「経済再生なくして財政健全化なし」という基本的な考え方の下で、骨太方針2018・骨太方針2019等に基づいて、デジタル・ガバメントの加速など、正に優先課題の設定、あるいはメリハリの強化といったことも行いながら経済・財政一体改革を推進していく。本年末までに改めてその工程の具体化を急ぎたいと思いますが、事態が収束した後には、デフレ脱却と経済再生への道筋を確かなものとすると同時に、歳出・歳入の両面の改革を続けることで、財政健全化もしっかりと進めていきたいと考えています。
中長期の経済財政の姿については、感染症の状況や世界経済などの世界の情勢にも留意が必要ですが、最新のデータを踏まえて、「中長期試算」を今月中にもお示ししたいと考えています。
(問)今日の骨太方針の中で、雇用のところで1点伺いたいところがあります。第二の就職氷河期を作らないという大臣が極めて力を入れている分野ですが、ここで経済界に様々な採用を働き掛けると同時に、自衛隊の新規採用もしたいというようなことの記載がありました。ここはなぜ公務員の採用ではなくて、自衛隊員と絞られているのか、もし、御所見があれば教えていただけないでしょうか。
(答)これは防衛省の方で、採用が厳しい中で、例えば2年とか3年とか、任期付きで採用して、詳しい制度は防衛省で考えているのだと思いますが、そういった枠組みを検討したいということでお話がありました。具体的な取組は今後、防衛省で様々進められると思いますが、どうしても来年に向けての採用が厳しくなる中で、自衛隊としてもそういった取組を進めたいというお話ですので、そのことを記載させていただいております。当然、マッチングとか様々記載しておりますので、そういった取組は強化していきたいというように思います。
(問)私も骨太方針の原案について1点お伺いします。9ページにある医療提供体制等の強化という部分についてPCR検査や抗原検査の件数などの数値目標が盛り込まれていないと思いますが、この点、盛り込まれなかった事情や、どういう議論があったか含めて、経緯を御解説いただければと思います。また今後、決定までに改めて盛り込むことは検討されているのかどうか含めてお教えください。
(答)まず、これまでも申し上げていますとおり、PCR検査、それから抗原検査を含めて、検査体制を戦略的に拡大していくという方向性については、当然、政府内でも一致もしておりますし、先般の新型コロナウイルス感染症対策分科会において尾身分科会長からも提案がございました。そうした方向性の詳細がこの骨太方針に書いておりますので、この考え方で拡大していきたいと思っております。
その上で、分科会において尾身先生も更に議論を深めたいとおっしゃっていることもございます。政府・与党内でも様々議論を行っているところでもあります。ここは、今後、議論して最終的な方向性を決めたいと思っております。
(問)先ほど大臣から御披露があった防衛省での採用のことですが、これは新卒採用を対象にしたものか、それから年間どれぐらいの人を採用するか、規模感があれば是非教えてください。
(答)詳細については事務方からお話しさせていただきます。
(問)連日、新たな感染者数が100人以上確認されている中で、野党側からは、政府は国民に感染防止を呼び掛けるが無策なのではないかという厳しい批判もあります。また、この時期に全都道府県、とりわけ都を含む4都県でイベントを開くことについても、おそらく随分批判があると想像しますが、そういった批判をどう受け止めているか、お聞かせください。
(答)日々、尾身先生をはじめ専門家の皆さんとも議論し、そして都知事とも電話でお話しし、また、新宿区や豊島区、あるいは他の県とも事務的にも緊密に連絡を取り合いながら、対策を強化していくという取組を、今、進めているところです。
その一つとして、PCR検査を前広に行い、二次感染を防ぐ取組を強化しております。先ほど御紹介したように、新宿区では既に毎日30人から40人の方が受けに来られているということ、あるいは豊島区で店舗に呼び掛け、症状が無くてもPCR検査を受けるよう勧奨していく取組が進められようとしています。そして、さいたま市でも約100店舗のキャバクラ店舗に対して、その従業員の方々にPCR検査を受けるよう勧奨していくということです。今、新たに感染が確認されている方の半分程度がいわゆるバー・クラブなどの接待を伴う飲食店の従業員の方々、あるいは、そこから濃厚接触された方々、そこから派生した方々ですので、その部分を抑えていく、その部分のウイルスを封じ込めるのが何より肝であるということで、専門家の皆さんからの御指摘も頂いております。
新宿区など保健所の負担が重くなっているところへ、厚生労働省を中心に負担軽減のための人材を派遣するといった取組も行いながら、クラスター対策と同時に封じ込める対策を強化しているところです。
もちろん、こうした対策を進めて結果が出るのは2週間後であり、今、我々が見ているのは2週間前の姿ですので、もう1日たりとも怠ることなく、徹底してこの対策を行っていくことが将来につながってくるということで、こういったことをできる限り丁寧に説明したいと思いますし、そうした発信の仕方も少し工夫する余地があり改善していきたいと考えております。
そして明日にでも、また知事会の代表の皆さんと、今、御指摘のあった7月10日からイベントについての緩和がなされますので、そのことについて、是非、認識を共有しながら対策も連携して取り組んでいければと思っております。東京の状況についてもしっかりとお話をしたいと思っております。
(問)来年の4月に予定されている薬価改定についてお伺いします。
先般の経済財政諮問会議でも一部意見が出されていたようですが、今回の骨太方針の原案では関連記載が特に無いようにも見えるのですが、どのような整理としたのか大臣の考えをお聞かせください。
(答)薬価改定に関して、骨太方針2018、2019の中で、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に基づいて、国民負担を抑制するために毎年薬価調査を行い、その結果に基づき薬価を改定することとされています。
今年の骨太方針は、先ほど来、申し上げているとおり、新型コロナウイルス感染症の感染症の拡大を受けて、正に新しい経済社会の方向性を示すということで、感染症対策と経済活性化の両立に向けた課題への対応などについて記載しているところです。
御指摘のようにこの薬価調査・薬価改定に関する具体的な記載はしておりませんが、骨太方針2018・骨太方針2019に基づき引き続き社会保障制度改革を順次実行するという旨を記載しており、これまでの対応方針に変更はございません。
3.多田内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明
令和2年第10回経済財政諮問会議の概要を報告します。
「選択する未来2.0」の中間報告について西村大臣から資料1を御報告いただいた後、「骨太方針の原案」について私から資料2を説明し、意見交換を行いました。
まず、財務大臣から、世界レベルでの競争が求められるデジタル・グリーン・研究開発など、官民が連携して取り組むべき分野については、政策効果が高く、国民や市場にも評価される取組を重点的に進める必要がある。その際には、EBPMも活用して、真に政策効果の高い施策に注力できるようにすべき。それから、これまでの改革課題については、新型コロナウイルス感染症への対応があっても、決められた方針に沿って、今後も、後退させることなく検討を進め、経済再生と財政健全化の両立にしっかりと取り組んでほしいというお話がありました。
民間議員からの御発言です。
一人目から、日本は感染症をコントロールしているにもかかわらず、国民にはその実感が無いため心配している状況にあるのではないか。心配や不安を払拭していくべきだが、新たな未来をどのようにアピールしていくかが重要になる。また、企業においては、各国との対話の頻度が上がっている。政府でも対話を増やしていくことが大事であり、企業からのインプットも活性化させていきたいというお話がありました。
二人目から、世界は、変わりつつあるということではなく、確実に変わった。デジタル化のスピードを早め、世界のスピードに追い付かなければいけないというお話がありました。
三人目から、最近お読みになった論文の御紹介として、生産性が上がっていないある国では、成果に基づかない給料の仕組みや不透明さが原因にあるというお話がありました。デジタル化は社会の在り方そのものを変え、その潜在的能力も上げてくれる。デジタル化を活用する人が成果を挙げるとともに、自分の家でも仕事ができるため、地方でも働けるようになるといった効果がある。日本国内で観光が盛んになるきっかけにもなるだろう。それから、労働時間で人の働き方を評価するのではなく、社会の透明性を高め、成果に応じて所得が決まるという仕組みを作るべき。他方で、デジタル化について議論すると、必ずデジタルデバイドの問題になるが、その要因は、富の格差と教育の格差である。その意味では、教育を充実させることが重要になるが、授業時間数ではなく何を学んだかによって評価すべきというお話がありました。
それから、東京一極集中の是正を打ち出したことは大変評価できる。東京からの人を地方で受け入れるという声が、地方から起こってくることが大事。ただ、今はまだ地方に少し懸念があるのではないかというお話がありました。
四人目から、足下で感染者が増えている。検査の徹底や感染者の隔離が重要。今回の感染症への対応を機に明らかとなったことへの改革を後戻りさせずに進めることが大切。その上で2点ありました。一点目、東京一極集中の問題について、スマートシティを実現すべきであり、その際、再生可能エネルギーの導入や、STEAM人材の育成を行うべき。二点目、デジタル化に関連して、人材の移動が重要であり、これを可能にするためにも、リカレント教育が重要だというお話がありました。
加えて、ブロードバンドのユニバーサルサービス化やオンライン教育の格差の解消も重要。オンライン診療については、決して後戻りさせてはならない。骨太方針にデジタル化をしっかり書いていることは良いことだというお話もありました。
総務大臣からは、激甚化・複合化する災害への対応という部分については、独立した章を設けなければならないほど重要な話だが、ボリュームの制約があるため原案で了承しているというお話がありました。
再度、民間議員からの御発言です。
一人目からは、今回の感染症をきっかけに、大きな財政・金融政策を進めているところだが、予算を上手に使って、ワイズ・スペンディングを進めていくことが重要であり、EBPMがその基盤になる。決して歳出改革だけのためにEBPMを行うのではなく、エビデンスを分析してリターンがあるものや効果が上がるものに予算を付けていき、それを最終的に国民のQOLの向上につなげるという効果が上がっていないものについては、その理由などを見極めていく。その意味で、今回の感染症への対策も、しっかり分析して次の教訓にしていくべき。また、政策の重点化や複数年度の仕組みにもこのEBPMを使っていくべきではないか。経済財政諮問会議の下にある経済・財政一体改革推進委員会に有識者を入れてEBPMを進める枠組みを作っていきたい。EBPMの結果を毎年度の予算編成につなげていく際には、税務情報などのビッグデータの活用も進めていくべきというお話がありました。
また、企業の経営人材の確保が大事であり、地域の金融機関からの移動が進むような環境整備を進めるべきというお話がありました。
さらに、海外からの出入国において、例えば唾液によるPCR検査を含む水際対策を徹底してほしい。国境での人の出入りについてのプロトコール・ルールの策定を日本が主導してほしいというお話がありました。
二人目からは、3点ありました。一点目は出入国の話について、政府内でも検討が進んでいると伺っているが、もう一歩突っ込んで議論が進むと良い。各国の大使からも要請されているというお話でした。二点目は防災・減災の話について、気候変動との関係もあるかもしれないが、毎年様々なことが起こっていることを考えると、防災・減災と言っても、治山・治水についてもう一歩踏み込んで見直すべきというお話がありました。三点目は、非常時の医療体制について、自民党から提言が出ていると聞いているが、その内容を見ると非常に良いことが書いてあり、それを実現する、あるいは盛り込むことが必要ではないかといった御指摘がありました。これは、国家のガバナンスの強化が必要だという観点からの御意見でした。
三人目からは、今回の感染症が発生してからの出来事を考えると、日本の企業が様々なものづくりの能力の高さを示している。日本企業の場合、こういうものが欲しい、こういうものが必要だというはっきりとしたアジェンダが分かると、その能力を発揮できる。そのため、成功例をしっかり分析して取り組むべきというお話がありました。
それから、昨年の骨太方針と比較すると、国際化のインパクトに関する記載が薄まっているのではないか。そうした中で、やはり人の往来を元に戻していく際の考え方として、ビジネスなどで本当に必要な人を選択的に受け入れていくことも考えるべきではないか。海外の人材を活用するという文脈の中でも、戦略的に人材を受け入れていくべきというお話がありました。
四人目からは、安心を確保しながら経済を段階的に引き上げていく、必要に応じて臨機応変に対応していく一方で、財政健全化の確保もポイントである。ただ、財政健全化といっても、現時点では拙速的なことは避けるべき。それから、EBPMを使ってワイズ・スペンディングを行い、中長期的な財政の持続性を確保すべき。また、オンライン教育やオンライン診療といった改革を後戻りさせてはいけない。経済学でもEBPMの分野は最近研究が進んだ分野であり、日本の財政が厳しい状況になっている中で、これをしっかり使っていくべきというお話がありました。
書面・押印について、原則として脱却という記述があるが、「原則として」と書くと例外が考えられるため、例外について、きちんと説明すべきである。さらに、スマートシティや二地域居住という地域社会づくりのところに書かれていることについても、しっかりと進めるべきというお話がありました。
財務大臣からは、デジタル化は政府ではなかなか進展が無かった。経済界から、政府相手では稼げないと思われてきたからではないか。最近、デジタル化に政府が真剣に取り組んでいるとして、政府が変わってきていると期待を寄せる声が経済界に出てきているというお話がありました。
総理からは、デジタル化は、これまでも進めるべきと言われてきたが、なかなか進まなかった。今回、様々な試行錯誤を行ってみて必要性が分かったが、特に地方の良さが実感できたのではないか。日本はこれまでも外からのインパクトを力に変えてきた国だと思う。その意味で、今回の感染症についても、そのインパクトをチャンスに変えていきたいというお話がありました。
最後に総理から締めくくりの御発言がありましたが、割愛させていただきます。
私からは以上です。
(以上)