第4回記者会見要旨:令和2年 会議結果

西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:令和2年4月7日(火)20:52~21:45
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

先ほど、総理から緊急事態を宣言する旨の発表がございました。
緊急事態宣言による措置は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて、本日4月7日から5月6日まで、7つの都府県で実施します。
この特措法に基づく緊急事態宣言による措置は、いわゆる欧米で行われているロックダウンとか都市封鎖と呼ばれるものとは異なります。
まず、外出が禁止されて、外に出れば罰則があるというものではありません。強制力があるものではありません。むしろ、散歩やジョギングは、健康維持のためにも必要なものだと思っています。それから、交通も遮断されたり、止めたりするものではありません。
もちろん、先ほど総理も記者会見で言われていましたが、自分の身を守る、そして他人の命も守る、そういう視点から、むやみに外出することなく、また、東京、大阪、この7都府県から不要不急の帰省や、旅行することも避けていただきたいと思います。
万が一、感染した人が多く地方に行ってしまえば、高齢者が多い地方で感染が拡大する恐れもありますし、地方の病院の医療体制は、それに対して十分準備ができているわけでもありません。是非、冷静な対応をしていただきたい。
それは、食料品についても同じであります。食料品は在庫がいっぱいあります。むしろ、飲食業が厳しい中で農水産物が余っているわけでありますので、全く心配することはありません。買いためなどに走られる必要もありませんので、是非このことは御注意いただきたいと思います。
しかしながら、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」に書かれていますとおり、人との接触を最低7割、極力8割まで減らすことを目指しています。
それができれば、専門家の皆さんの試算によれば、いわゆる実効再生産数という感染者が何人に移す数が1を下回る、つまり、1人が1人に移さなくなりますので、新規の感染者の数が増加しない、減少に向かうということであります。
そうした状況を作るためにも、この1か月間、国民の皆様には、人との接触を8割避けることを目指して、是非、不要不急の外出を自粛し、活動を自粛していただくというお願いをしたいと思います。
今日の諮問委員会の場に経団連の方も来られておりました。また、経済財政諮問会議で中西経団連会長にもお会いしました。私からもこの趣旨を改めて申し上げて、多くの企業がBCP、事業継続プランとして、4割の従業員の方が不在でも継続していけるプランをつくられています。
でも、これでも足りないのです。是非、多くの皆様にこのことを御理解いただいて、企業の方々にも、もう一段の努力をお願いします。
実は、これまでも自粛をかなり行ってもらっていました。
週末と平日でいくつかのデータをとっていますが、週末のデータで言いますと、渋谷のセンター街は、かなりの数が減っています。それでも49%です。これは、3月8日の日曜日と、1か月後、つい先日の4月5日の日曜日を比べたものです。
銀座周辺は67%まで落ちています。これも3月7日の土曜日と4月4日の土曜日を比べたものです。
また、山手線の利用率・乗客数、これも前年と比較して、3月28日・29日を比較したものですが、7割減っています。
是非、もう一段、8割を目指していただきたい。
休日、週末の外出自粛を皆さんにそれぞれの知事がお願いされて、こういう成果が出ているのだと思いますが、平日はどうか。新橋周辺の、これは3月6日金曜日と4月3日の金曜日、1か月間で比べてみますと、これはドコモの位置情報からの総合的なデータですが、4割減っています。
都営地下鉄では、1月20日の月曜日から24日の金曜日までのトータルと、3月30日から4月2日までのトータルは、33%減っています。
山手線も、2月上旬と3月30日から4月3日までの、それぞれピーク時の比較をして4割減っています。でも、これでも足りないのです。
もちろん、人との接触ですから、必ずしも乗客数とか出歩いている人の数では計れず、必ずしも一致するものではありませんが、とにかく外出を自粛していただいて、8割を目指すというところを国民の皆さんには、是非もう一段の努力、御協力をお願いしたいと思います。
そして、これは緊急事態宣言の対象地域となりました7都府県ではもちろんのことですが、それ以外の道府県が何もしなくてもいい、もう俺たちは安心だということではなくて、むしろそれ以外の道府県でも感染者が発生していますし、その数も少しずつ増えているところが多いです。
日本全国で、東京・大阪から地方に飛び火し、クラスターが飛んでいる例も過去に見られています。是非とも御理解をいただいて、日本全国で1か月間こうした努力を重ねていただければと思います。
もちろん、どうしてもの活動、会社に行く方もおられます。先ほど申し上げたように、企業側にはテレワークや、あるいは時差出勤や、あるいは交代での様々な工夫をしていただいて、通勤する方を減らす努力をお願いしたいと思いますし、このことは経済三団体に対して明日以降、私から改めてまたお願いをしようと思っております。
会社に来た方や何らかのどうしても出なければいけないことがある方も、「三つの密」、すなわち「密閉・密集・密接」を避けていただく、これがこの基本的対処方針の中で何度も書かれていることです。
これを徹底するように是非ともお願いしたいと思いますし、会社に来ても、今日のこういう記者会見もそうですが、人と人との距離をとることで感染のリスクは大幅に下がりますので、人との接触の機会を8割減らすために、どうしても何かで外出したとしても、人との接触を減らすことでお願いしたいと思います。
「三つの密」が重なる場のリスクが一番高いということですが、密閉というのが1つ最初にあります。例えば、巣鴨の商店街であったり、谷中の商店街であったり、外で多くの方がそこに集まっておられる。しかし、オープンな空間であっても、近い距離で会話をすれば、これは感染のリスクが高まります。
接触を減らすということでありますので、買い物をされる時もできるだけ接触を減らしながら、そしてマスクを着けることによって飛沫感染は防げる、お互いに自分の身を守りながら、うつすこともしないことになりますので、こうした一つ一つの小さな積み重ねが、新型コロナウイルス感染症を封じ込める最も強力な手段でありますので、是非とも多くの皆さんに御理解いただいて、あらゆる場面において実践していただきたいと思います。
政府としても、明日、時間を調整しておりますが、7都府県の知事の皆さんとテレビ会議でこうした基本的対処方針の考え方、今日まとまった考え方について私から説明し、それぞれの都府県の取組も確認しながら、緊急事態宣言の地域の感染拡大を防ぎ、そして全国の皆さんにも御協力いただいて、何とかこの1か月間で新規の感染者数が減っていくように取り組んでいきたいと思います。
是非とも皆様方の御協力をお願いいたします。
続いて、経済財政諮問会議の概要を申し上げます。
本日は、正に「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を臨時閣議で決定いたしまして、それを裏付ける補正予算案の編成を急ぎ、1日も早く成立させ、実行に移していくことで現在の難局を乗り越えていきたいと考えております。
緊急経済対策の内容につきましては、2つのフェーズがあります。
1つは「緊急支援フェーズ」ということで、国民の命を守る医療体制を整備していくこと、治療薬の開発といったところに力を置いた政策、そして、資金繰り支援であったり、2つの給付金であったり、こうしたものを早く成立させて、できる限り早く本当に困っておられる世帯に、そして、中小企業にお届けしたいと思っております。
それから2つ目のフェーズが、収束後を見据えた「V字回復フェーズ」です。これは、もう何度も申し上げているように、収束した後には、国内の観光・消費・イベントを喚起していくこと、それから、マスクや防護服を中国に依存していたことを、国内回帰も含めてサプライチェーンを再構築していくこと、そして、私が中心になって進めております「デジタル・ニューディール」によって、デジタル化・リモート化を新たな社会の変革、進化につなげていく。こうした予算を盛り込んでおります。
あわせて、地方公共団体が地域の事情に応じて必要な事業をきめ細かに実施できる臨時交付金を創設しております。同時に、遠隔医療、服薬指導、遠隔教育などを進める規制改革も盛り込んでおりますので、文字どおり、財政・税制・規制改革の全てを総動員して、この難局を乗り越えようという意志の現れである経済対策であります。
規模についても、もう既に数字が出ております。財政支出39兆円、そして、事業規模108兆円程度の過去最大規模の経済対策であります。しっかりと実行していきたいと思いますが、引き続き、事態の収束までの期間、新型コロナウイルス感染症が広がり、それがまた経済や国民生活へどういう影響を与えるのかを注意深く見極めながら、必要に応じて時機を逸することなく、臨機応変に必要な対策を果断に実行していきたいと考えております。
経済財政諮問会議や「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の詳細については、後ほど事務方から説明させたいと思います。




2.質疑応答

(問)先ほど大臣から、知事との会談の話がありました。そこで、都道府県知事が休業を要請する対象の業種について、例えば、東京都は理美容店やホームセンターを含めていますが、今日、大臣は国会でそれらは対象にならないと答弁されました。
この齟齬を今後どのように調整していくのか、他の都道府県との連携の在り方も含めて、併せてお聞かせください。


(答)まず、2つのことを申し上げたいと思います。
一つ目に、先ほど申し上げましたけれども、今回この緊急事態宣言を発出して、最も取り組まなければいけないことは、正に接触機会を減らすということですので、全ての国民の皆様に、最低でも7割、極力8割、接触機会を減らすことをお願いしたいということです。 このまん延防止の第一の策が第45条1項に基づく外出自粛の要請であり、これによって8割減を目指します。
繰り返しになりますが、こうしたことを、明日、7都府県の知事とのテレビ会議で、認識を共有したいと思っています。基本的対処方針の考え方を私からしっかり説明して、認識を共有したいと思っております。
一方で、知事は第45条2項から4項に基づき、施設の利用制限及び使用制限の要請・指示、従わない事業者の公表を行うことができます。
これらについては、外出自粛の要請によって国民の行動がどのように変容していくのか、その成果がどのように上がっていくのか、そういったことを見極めながら、専門家の皆様の御意見も伺いつつ、措置をとっていただきたいという趣旨で、基本的対処方針に書かれています。 そのため、こういった考え方を既に小池東京都知事にお話ししています。知事からは、今日、直ちにこうした使用制限を行うわけではなく、少し様子を見て、調整しながら考えたいというお話を頂いています。
その上で、そうした措置がとられる場合の対象施設の考え方は、基本的対処方針の最後のページに、安定的な生活を継続・維持していくために、継続を求められる事業について、事業者としてのリストが挙げられています。
今日、私もこの中の事業について専門家の皆様の意見も伺ったところ、この中に、例えば、4番のところで、食堂・レストラン・ホームセンター、それから6番の生活必需サービスのところで、銭湯・ランドリーなどと並んで理美容店と明記されております。安定的な生活をしていくために、維持のために必要な事業ということで位置付けています。
したがって、もちろん、こうした事業を行うに際しても、「三つの密」を避ける努力をした上で継続していただくことになりますので、理美容店の場合は当然接触しますので、マスクを着用して飛沫感染を防ぐとか、また、多くのお客さん密室に入れるということではなく、換気を良くして、それぞれに努力も工夫をしていただきながら継続していただきたいと考えておりますので、基本的には、理美容店・ホームセンターは、こういった考えの下で継続していただこうと考えています。
なお、理容に関して、既に政令で、1,000平米以上の理容業については、いわゆる使用制限の対象になり得るということが指定されていています。ただ、いわゆる理容室で1,000平米以上の店舗は滅多にありませんので、日常的に、我々が生活する地域の理容業は対象にはなっておりません。しかも、この1,000平米以上という基準は、厚生労働省の告示で下げることができるのですが、それも考えておりません。
ホームセンターは、そもそも政令の対象ではありません。また、美容も政令の対象ではありませんので、政令を改正してこれらを対象とすることは考えておりませんので、使用制限の対象にはならないです。
もちろん、特措法の第24条9項があり、これは緊急事態宣言の有無に関わらず発令できる一般的な法に基づく要請は個人にも団体にも知事の権限で発令できますが、今回の専門家の基本的対処方針に示された考え方を都にも連絡して、調整しているところですが、都としても、理美容店・ホームセンターを対象としない方向で調整していると聞いています。
いずれにしても、こうした考え方について、それぞれの都道府県知事としっかり連携をとりながら、また、専門家の基本的対処方針に示された考えも伝えながら、連携して感染症の封じ込めに全力を挙げていきたいと考えています。



(問)最大の心配は雇用の問題だと思うのですが、この新型コロナウイルス感染症緊急経済対策では、6月までにどの程度の雇用不安が発生し、この対策で、例えば100万人とか200万人とか、どの程度の規模を対象として救っていこうとしているのか、西村大臣には一にも二にも雇用の問題に取り組んでいただきたいと思うので、考えをお聞かせください。


(答)今回の緊急経済対策の一番の狙いは、雇用・生活を守り、中小企業を始めとする事業をしっかりと継続してもらうことです。
雇用については、様々な施策を講じているところでありますが、一番大きな施策は、やはり雇用調整助成金です。解雇することなく雇用を維持してもらえれば、その企業が仮に従業員を休ませたとしても、中小企業であれば、その休業補償の10分の9を、大企業でも、5分の4を国が負担するという内容です。
休業補償は、事業者が6割以上出すことになっているのですが、全額出してもらえれば、その額の9割を国が負担するため、従業員を、仕事が減ったなどの理由で休ませても、国がしっかり支援して、雇用を維持してもらうということです。
今回、事業の継続のために、無利子融資を、地銀・信金・信組といった民間金融機関にも拡充して、県の制度融資と連携して支援を行いながら、また、本当に厳しい中小企業には、200万円の給付の支援もありますので、事業を継続してもらいながら、雇用をしっかり維持してもらおうと思っています。
リーマンショックのとき、2年から3年にわたって、雇用調整助成金が1兆円程度使われています。今回もしっかり手当をして、雇用を維持できるように考えていきたいと思います。
昨年の末ぐらいまで、雇用・所得の環境は非常に良好でした。むしろ、人手不足という声も多く聞かれたくらいです。今、求人件数が急速な勢いで減っているため、今後の雇用情勢については懸念を持っていますけれども、しかし、忙しくて人手を必要としていて、この機会に人材を増やそうという前向きな取組をしている企業や団体もありますので、そういったところをしっかりと応援しながら、何とか雇用を維持し、生活を守っていきたいと考えています。
生活を守ることについては、既にお話のある30万円の給付金がございます。それから、緊急の小口資金も既に行っております。2人世帯であれば、最大80万円まで資金の給付がありますが、条件付き返済免除ですので、厳しい状況が続けば、返済が免除になります。
さらには、様々な公共料金について、納税猶予や延納を認め、これまでは求職活動している離職した人を対象にしてきた住居を確保するための家賃補助の要件を緩和して、厳しい状況にある方にも適用できるようにします。
こうして総合的に支援することで、何とか雇用・生活を守っていきたいと考えています。



(問)先ほどの総理大臣の記者会見で、このペースで感染者の増加が続けば、2週間後には1万人、1か月後には8万人を超えるとの試算を公表されました。これは中国やフランスに迫る感染者数ですが、この試算に対する西村大臣のお考えをお聞かせいただきたい。また、感染者数が1万人・8万人になった時のそれぞれの推計死者数が試算されているのか、試算されているとすれば、その数字を教えてください。


(答)今、感染者数が2倍になる日数は東京で5日間程度、日本全国では7日程度です。これは1か月前と比べると短くなっています。もし、これが2日とか3日とかになれば、あっという間に感染者数は大きくなっていく。
東京はニューヨークのようになるのではないかとネット上でも指摘されています。ただ、東京での感染者数が2倍になる日数は、まだ5日間あります。専門家の皆様は、これまで何とか持ちこたえてきたけれども、ここで国民の皆さんに接触を8割削減してもらうという大変強い要請をすることによって、この倍増のスピードが落ちていくので、これでやるしかないという御意見でした。感染者数が倍増するということは、1人が多くの人に感染を広げているということでもありますが、1人が何人に感染を広げるかは、オーバーシュートしてしまい、医療が崩壊するような国では、1人が2人、3人にも感染を広げてしまい、オーバーシュートしていくということが判明しています。
そのため、今、接触を8割削減できれば、安倍総理が記者会見でおっしゃったように、2週間で結果が出てくる。
そのため、現在の5日間という倍増のペースが、もっと短くなるかもしれない。1.7という1人が感染を広げる実効再生産数も、今後、もっと高くなるかもしれない中で、最悪の事態を考えれば、数値が指数関数的に増加していくことに、安倍総理は危機感を示されたのだと思います。
我々はそうはならない。国民の皆さんの一人一人の努力の積み重ねで、小さな積み重ねが大きな成果を上げて、この感染症に打ち克ち、感染症を封じ込め、2週間後には、新規の感染者数が減り、必ず、下がった数値が見られることになる。これが専門家の皆様が自信を持って我々に示してくれたデータであり、また、今回の提言です。
そうした専門家の御意見を聞いて、今回、緊急事態宣言を行ったわけですので、別に楽観的に考えているわけではありませんが、オーバーシュートするような事態にならないように、我々は全力を挙げて都道府県知事とも連携して取り組んでいきたいと考えています。



(問)死者数の推計は出されていないのでしょうか。


(答)死者数の推計は承知していません。



(問)2点お伺いします。1点目、先ほどの質問とも重複しますが、小池都知事から、今日は直ちに制限せず、様子を見たいという話があったということですが、要するに政府側との調整がまだ済んでいないという理解で良いのか。理容室とホームセンターは、東京都も対象にしない方針という話があったということだが、これ以外の他の業種で調整がついていない部分があるということなのでしょうか。まず1点目、お願いします。


(答)小池東京都知事というか、東京都としては、様々な案で報道もされています。おそらく、様々な紙が出ていたのではないかと想像していますが、いろんな考えを整理されていたのだと思います。
私どもとの調整が終わる前に様々な紙が出ていたのではないかと想像するが、それが報道につながっているのだろうと思いますが、昨日も今日も小池都知事とも連絡をとって、この基本的対処方針の考え方もしっかりお伝えしてあります。したがって、小池都知事は理解されていると思います。
ですから、今日の時点で何か利用制限の要請なりを行うということは、されないと理解していますので、この何日かの間に調整を行いながら、また、状況も見極めながら判断されると思います。
様々な施設を対象として、いろいろお考えがあったようで、先ほど申し上げたように、理美容やホームセンターについては対象としない方向で調整が進んでいると聞いておりますし、多くの部分で調整が進んでいると思いますが、しっかりと事務的にも調整を進めたいと思います。



(問)2点目、これも先ほどの質問にありましたが、1,000平米以上の施設が使用制限としての対象になるということですが、加藤厚生労働大臣は5日の番組で、1,000平米以下も対象にするよう、政府内で検討しているというお話があったと思いますが、この話は無くなったということなのでしょうか。


(答)整理して言いますと、今、政令では1,000平米以上の施設として様々な大規模な施設が入っています。その中に理容も入っていますが、興行場であったり、それからナイトクラブであったり、いくつかの施設がずっと列記されています。
最後の項のところに、その1,000平米という規模を、厚生労働省の告示で下げることはできるという規定があります。その規定を使って、今後、様々な事態が生じた時に備えて、それらの規模の全てではなくて、いくつかの項目について厚生労働省が規模を下げようという検討を進めているところです。その中でも、今も理容も政令対象になっているのですが、理容については1,000平米を下げる方向は考えていないとのことです。



(問)本日の参議院議院運営委員会において、今回、愛知・京都・北海道に関しては、専門家の中でも議論があったけれども、見送ったというようなことをおっしゃっていたと思うのですが、その3つに関しては、ぎりぎりの判断であったという認識でよろしいでしょうか。
それとあわせて、これも議運の中で必要に応じて新たな追加する指定の対象の地域も、必要に応じて考えていくということもおっしゃっていましたが、これはどのぐらいのスパン、例えば、1週間であるとか、どういうふうな程度の区切りで見ていく、判断されていくことになるのでしょうか。2点、よろしくお願いします。


(答)ちょっと正確な数値を見ながら説明した方が良いと思いますので、専門家の皆様が示されている数字を見ながら申し上げます。
まず、京都につきましては、4月5日の時点で累計の感染者数は100を超えています。他方、感染者数が2倍になる日数も5日前後ということで、それなりのスピードはありますが、感染経路不明、リンクが追えない、どこから感染したか分からないという割合が30%強であり、御案内のとおり、京都産業大学の学生さんの経路やクラスターを追えるものが、比較的多いわけであり、要はこの感染経路不明が増えてくると、街の中にいろんな感染者がいるかもしれない、多くの感染者がいるかもしれないということになりますので、専門家の皆さんは、このトータルの累積の患者さんの感染者の数、それから倍化していくスピード、それからこの不明の数、割合といったところを重視しながら判断されています。
京都は100を超えていますが、そういった数字の評価の中で、今回は対象としないということですが、他方、それで安心だということではありませんので、むしろ議論となったのは京都、愛知、北海道で、こういった道府県については専門家の皆様で、かなり議論がなされました。私も毎日意見交換をして、情報確認・状況確認していますが、そうした中で、より注意してもらう道府県の一つだという認識をしております。
したがって、専門家の皆様とは、もう、日々そうした状況確認を行っておりますので、いつ、どういう形で感染経路不明の人が、バッと増えるかもしれませんし、あるいは倍化のスピードも速くなるかもしれませんので、そういったことは日々確認しながら、専門家の御意見を聞いて、適切に判断していきたいと思います。
例えば、福岡も急に100人を超えてきて、倍化のスピードが2.8日で、感染経路不明が70%を超えるということでしたので、つい1週間ほど前までは、福岡はあまり議論には上がっていなかったのが、この2、3日でそんな状況になりましたので、そういう意味では、引き続き緊張感を持って、日々、専門家の皆様の御意見を聞いていきたいと思っています。



(問)先ほど大臣が冒頭の中で、接触を防ぐであったり、距離という言葉を使っていましたが、欧米では、ソーシャルディスタンスが基本的なルールになっている国が多く、人々が外出する時に一人一人の間の距離を2メートルぐらい離れるという措置ですが、日本の場合は、国民が外に出られる時には、一人ではどれぐらいの距離を設ければ良いのかについて何か考えがありますか。


(答)これまで、専門家の皆様のお話あるいは専門家会議で示されている提言の中では、手と手を延ばして触れない範囲という言い方をされています。もちろん子供と大人や身長などで違いますが、だいたい欧米で言われている2メートルに近い感じかなと思います。正に接触の機会を減らすということは、ソーシャルディスタンス、社会的な距離を取るということと同じ意味で使っていると思います。



(問)2点お伺いします。1点目、先ほどから質問があった東京都の緊急事態措置案についてですが、多くの部分で調整がもう済んでいらっしゃると先ほどおっしゃっていましたが、これまでその未調整の事業について、国として都側にどのような意見・注文を伝えてきていたのかということを1点、お伺いしたい。
2点目、緊急事態宣言のタイミングについて、総理記者会見でも質問にありましたが、世間からは遅過ぎたという批判がある中で、一部報道では政府内において経済への影響を懸念する中で、慎重論があったということもありますが、担当大臣として、そういった総理官邸内での議論をどう見られていたのかということもお伺いします。


(答)まず、1点目の都との調整については、事務的にかなりの部分が済んできていると理解していますが、若干、その定義が難しく、施設などについて様々な議論が行われていると聞いています。今日、直ちにということではありませんでしたので、明日もまた調整したいと思います。
それから、タイミングにつきましては、基本的には、政治が何か恣意的に判断できるものではありません。専門家の皆様と私も、もう連日、このところ毎日ずっと議論して、専門家の皆さんが各地域の感染状況を見ながら、先ほど申し上げたような、それぞれのデータを見て、これはどういう状態にあるのかといったことを見ながら、また、全国のデータも見ながら、判断して、専門家同士でも様々意見が分かれるところもありました。
そういった中で、専門家が一致して、そういうタイミングに来ているということで、昨日、総理のところに尾身会長が準備に入るべきだということで来られてお話をされたところです。
附帯決議にも、この緊急事態宣言については、私権の制約を伴うものであるから、専門家の意見を慎重に聞いて、慎重に判断するという、基本的な考え方が国会で示されております。私権の制約を伴う、先ほど申し上げた施設の利用制限といった措置がありますので、私もできることなら、そういったことにならないようにしながら、国民の皆様のそういう自粛によって何とかできないのかとずっと考えてきたところですが、一方で国民の皆さんの生命・健康を守るためには、これはやるしかないという時に、緊急事態宣言に基づく措置を行わなければいけないため、ずっと緊張感を持って、日々データを見ながら、また専門家の皆様と議論しながら、それを重ねてきたところです。
その専門家の皆さんが一致して、このタイミングだということになり、昨日来られたわけですので、私は専門家の御判断を尊重して、このタイミングになったものと理解していますし、先ほど申し上げた倍化のスピードは、東京が5日間ぐらいになっているとか、日本全国で7日になっております。このスピードが2、3日になったらオーバーシュートしていく。その手前のところで、これをやらなければいけない。兆しが見えたら、すかさずやらなければいけないという姿勢で臨んできましたので、私は専門家の皆様の意見を尊重して、このタイミングになったと理解しています。



(問)休業要請の対象業種についてお伺いします。
7都府県、特に隣接する都府県においては、要請の内容と異なると混乱も予想されます。例えば、東京のみ理髪店を休業した場合、神奈川の理髪店に東京に住んでいる方が集中するということも考えられます。政府としては、各知事が休業を要請する対象の業種やその開始の時期については、できるだけ統一的であるべきとお考えでしょうか。


(答)まず、それぞれの都道府県知事にそれぞれの措置を講じる権限が付与されています。都道府県知事にはそれぞれの都道府県の住民の皆さんを守る責任もあると思いますし、都道府県知事の御判断もあると思います。それはそれで私は尊重していきたいという基本的な姿勢です。
他方、この法律は基本的人権の尊重というのが第5条に書かれていまして、私権の制約を伴うそういった措置を講じる時も、必要最小限にしなければいけないと示されています。
国には総合調整の権限がございますので、知事のとられる措置が適切な措置であるよう適切に判断していただけるように、私の立場から専門家の御意見を聞いて、しっかりと意思疎通を図りながら、それぞれの知事がそれぞれの地域の事情・状況を見ながら専門家に御判断いただいて、適切な措置をとれるように、調整をしっかりと行っていきたいと考えています。




3.多田内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

本日の第4回経済財政諮問会議では、緊急経済対策について議論しました。
西村大臣から緊急経済対策の概要を御説明し、北村規制改革担当大臣から緊急経済対策に盛り込まれているオンライン診療と遠隔教育に関する緊急の対応措置について御発言があり、その後、各議員から御発言がありました。
梶山経済産業大臣からは、3点の御発言がありました。政府系金融機関で実施している無利子・無担保、かつ最大5年間の元本据置の融資を民間金融機関にも拡大するということ、特に厳しい状況にある中小・小規模事業者の皆様に対して、事業を継続するための給付金制度を創設すること、さらに、既に実施している措置も含めて、公共料金や社会保険料、国税・地方税等の延納措置による可能な限りの支払の最小化と、それに併せて事業者が事業継続に希望を持てるよう対策を講じていくというお話がありました。
閣僚からの御発言は、北村大臣からのお話と、今、御紹介した梶山大臣からのお話で、残りは民間議員からのお話です。
1人目、感染防止の観点から経済活動が低下していくことになるが、それに対応することとして、まずは、治療薬・ワクチンの開発、それからオンライン取引への転換と、経済活動が少し低下している間の雇用事業の維持が重要であり、経済財政諮問会議に提出した緊急経済対策の冊子の後ろに付いている数字をご覧になりながらの御発言だったと思いますが、この雇用の維持や事業の継続といったところに、80兆円規模の事業規模が盛り込まれていることは大変良いことだという御評価を頂きました。
それから、これからの見通しについては、現在の経済活動の低下がどれほど長引くかというような不確実性があるので、仮に次の措置があるのであれば、それはしっかり間断なくできるように準備を進めるべきだというお話がありました。
それから、国際連携が重要だという御発言もあり、特に、来年、オリンピックを開催する時までにしっかりとパンデミックを収束させているというメッセージを出せるようにしていくべきだというお話がありましたが、G20諸国において、需要をしっかりと盛り上げていくことが重要だというお話もありました。
もう一方の民間議員です。産業界の方だということが分かってしまいますが、7都府県で在宅勤務を徹底していると。それ以外のところでも経済活動を止めないよう、かつ「三つの密」にならないようにしていきたい。他方で、諸外国に比べて危機意識が足りないと感じている。その意識を高めるための再度の徹底が必要だと考え、力を入れていきたいというお話がありました。
もう一方です。個人や中小企業の方々の不安感を解消するためには、どういった支援措置が受けられるのか、具体的な支援メニューが簡単に理解できるような仕組みが必要だ。厚生労働省でのLINEを通じて調査が非常に上手くいっているので、そうしたものを参考にしながら、SNSで個々人に合ったメニューが送られるようなアプリのようなものを開発したら良いのではないかという御提案がありました。
2点目、今すぐに支援が必要な人に早急にその支援の手を届けるということが今は難しい。この機会に、所得や資産を、随時、マイナンバーに紐付けて把握できるようなシステムを構築すべきではないか。
それから、3点目として、テナントの賃料の負担が課題になってきており、中小企業がこの点で苦しんでいるため、より踏み込んで、家賃の一部保証を手当したらどうかというお話がありました。
もうお一方の民間議員ですが、一人一人の方にどのようなメリットがあるのかがしっかり伝わるような工夫をするべきではないかというようなお話がありました。分かりやすさというだけではなくて、簡便な形でやるということも大事だというお話があり、そのために、テクノロジーやデジタル化を活用していくべきだ。この方もマイナンバーには触れていたかと思います。
また、今後を見据えていくと、第2・第3の対応ということも考えていかなければいけないかもしれないというお話がありました。
最後に、北村大臣からのお話に触れ、今回、短期間で規制改革推進会議において物事が大きく進んだことは大変有り難いことだという感謝の言葉があり、民間議員の発言は終わりました。
その後、総理からの締めくくりの御挨拶がありましたが、割愛させていただきます。




(以上)