第14回記者会見要旨:令和元年 会議結果

西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:令和元年12月19日(木曜日)17時41分~18時37分
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

お疲れさまです。
まず、全世代型社会保障検討会議の中間報告につきまして御報告します。
本年9月に本検討会議を設置しまして、全世代型社会保障の在り方について検討を進めてまいりました。
ライフスタイルが多様となる中で、高齢者についての画一的な捉え方を変え、高齢者だけでなく、子供たち、子育て世代、さらには現役世代まで、広く安心を支えていくために、働き方も含めた社会保障全般にわたる改革を検討してまいりました。今日は5回目の検討会議です。これに加えて、一度、車座の会議も行っています。本日の中間報告は、本検討会議における現時点での検討成果について、中間的な整理を行ったものです。
まず、年金についてですが、働き方の形態に関わらず充実した社会保障制度を整備する必要があります。このため、厚生年金の適用範囲を、50人を超える規模の企業まで拡大し、スケジュールは、2022年10月に100人を超える規模まで、さらに、2024年10月には50人を超える規模まで拡大することを基本といたします。この際、中小企業・小規模事業者の生産性向上支援などへの配慮を図ってまいります。
その他、受給開始時期の選択肢を、75歳まで引き上げるとともに、60歳から64歳に支給されている在職老齢年金について見直しを行います。
労働につきましては、70歳までの就業機会確保について、事業者に努力を求める法案を次期通常国会に提出いたします。この際、個々の労働者の多様性を踏まえることとします。
医療につきましては、団塊の世代が2022年には75歳以上の高齢者となり、現役世代の負担が大きく上昇することが想定されております。元気で意欲ある高齢者が、生涯現役で活躍できる社会を創るために、75歳以上の高齢者であっても一定所得以上の方は、その医療費の窓口負担の割合を2割とし、現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代が安心できる制度を構築していきます。
最終報告に向けて、高齢者の実態を踏まえた具体的な所得基準とともに、長期にわたり頻繁に受診が必要な患者の方々の影響を見極め、適切な配慮を行うことについて、検討します。
外来受診時定額負担につきましては、外来機能の明確化と、かかりつけ医機能の強化を図る観点から、他の医療機関からの紹介状無しで大病院を外来受診した場合に定額負担を求める制度について、対象病院を、外来機能に応じて病床数200床以上の病院に拡大し、支払額を増額します。そして、増額分を新たに公的医療保険に繰り入れるように改めることで、現役世代の負担上昇を抑えていくこととします。
総理からは、来年夏の最終報告に向けて、与党の意見を聞きつつ検討を深めていくので、私をはじめ関係大臣で更に具体的な検討を進めるよう御指示があったところです。
続いて、経済財政諮問会議の概要についてですが、本日、議題は2つありまして、最初に、年末までに改定することとなっておりました「新経済・財政再生計画 改革工程表」について、次に、「令和2年度の経済見通し」について、議論を行いました。
「新経済・財政再生計画 改革工程表」の改定におきましては、本日、経済財政諮問会議として「新経済・財政再生計画 改革工程表2019」を決定いたしました。
今回決定した本年の改革工程表につきましては、「改革工程表2018」に盛り込まれた各施策のKPIの進捗状況を点検・評価し、更なる進捗に必要な取組を盛り込むとともに、次世代型行政サービスの早期実現など「骨太方針2019」等に新たに盛り込まれた施策についてKPIを設定し、各年度ごとの取組事項を明記したところであります。今後、この改革工程表に沿って、引き続き、経済・財政一体改革に着実に取り組んでまいりたいと思います。
「令和2年度の経済見通し」につきましては、昨日の臨時閣議で閣議了解されました内容を報告したところであります。
なお、年内の経済財政諮問会議は今回で終わりとなる予定であります。本年は、平成から令和に変わる中で、20回開催し、民間議員の方々に熱心に御議論いただきました。来年も、年明けから経済財政運営全体や主要政策について、より一層、中身の濃い議論を進めてまいりたいと考えております。
総理からの締めくくり発言については、お聞きいただいたとおりであります。
詳細につきましては、後ほど、事務方から説明させていただきます。
私からは以上です。




2.質疑応答

(問)ちょっと気になったのですが、自民党で、人生100年時代戦略本部の取りまとめというのも大いにベースになりながらこの中間取りまとめがまとまったと思うのですが、この自民党のペーパーで、健康づくりの抜本強化というところで、健康は大事であることは間違いないのですけれども、なお、健康でない者を差別することがあってはならず、安心して治療を受けられる環境を維持・強化することは当然であり、また、健康的な活動を強制することにならないような留意が必要であるという、私から見ると大変見識のある一節が入ったのですが、この中間報告の中には、そういった健康でない人を差別してはならないとか、安心して治療を受ける環境を維持・強化することが前提になっているというような一節が見受けられなくなってしまっているのですけれども、これはなぜでしょうか。
一方で健康、例えば健診を受けなければペナルティを課すとか、そういったことをやっている企業もあるようなので、その辺り、大臣としてはどういうふうに考えられているか教えていただけますでしょうか。


(答)まず、与党からそれぞれ御提言を頂いておりますけれども、それを全て100%同じに書いているわけではございませんので、その意図するところを酌みながら、また調整をしながら中間報告を今回まとめさせていただいたということです。
当然、まず、自分自身の生き方は、これは、それぞれの選択に沿って生きていくというのがもちろん自立し、自己の意思の下で生きていくというのは当然のことです。ただ、これは健康を害する、病気になるというのが、どういう事情でそういったことが起こるのかというのは、いろんな理由があると思いますので、病気になった人あるいはがんになった人、この方々が何か社会から排除されるようなことが無いようにもちろん進めていくというのは、これは他のいろんな会議でもそうした方針を政府でも示しているところだと思いますので、そこは私はそういうふうに理解しております。
他方、それぞれの考え方ですから強制はできませんけれども、やはり健康で長生きをするというのは、私は共通の価値観としてあるんじゃないかなと思います。誰もが健康を望み、自ら病気になりたいと思っている人は恐らくいないのだろうと思いますので、そうした中で健康について、もちろん御自身が管理をしながら、気を付けながら健康であり続けるというのは大事なことだと思いますし、あわせて、いろんな環境の中で、運動ができる環境であったり、予防のいろんなことができる環境であったり、あるいはいろんなところで自分の健康状態を確認してそれをチェックできる環境であったり、こういったことも整備をしていくことは大事だと思いますし、結果として健康で長生きされることが、また、個人の幸せでもあるでしょうし、社会全体として少子高齢化が進む中で、医療費全体、適正な形で推移する。今、ものすごく医療費が増大することが心配されている中でそういった議論があるわけですので、できるだけ多くの人が健康で長生きしてもらう。そのために、最後のところにも書いておりますが、地域医療構想であったり医師の偏在であったり、医師の働き方であったり、こうしたものも含めてしっかりと改革を進めながら、地域の実情に応じた医療をしっかり提供していこうということですし、それぞれの、これは参議院の自民党でまとめられたものも取り入れていますけれども、国民の不安にもしっかり寄り添いながら、こうした様々な施策を進めていこうということです。



(問)大臣は、健康で長生きする人が増えると医療費は削減できるというふうにお考えですか。


(答)健康で長生きされた後、最期どのような形で終末期を迎えられるか、看取りを迎えられるか分かりませんので、一概には言えませんので、それぞれの人の幸せとして、健康で長生きというのは、多くの人が望んでいることだと思いますし、もちろん生き方は選択ですから、強制はできませんけれども、私はそう思っております。



(問)後期高齢者の医療費の窓口の2割負担にする人の水準について、今後、議論をされていくと思いますが、今後の議論を進めていく際に、大臣として、一番水準を決める時に大切だと思う基準、もちろん財政のこともありますし、高齢者の方々の生活、こういったものもありますが、どういったことを水準にしてお考えなのでしょうか。公明党は、基本は1割でというのを明記するようにとも言っていたわけですけど、1割になる人が、2割の人が例外になるのか、それとも、ある程度、応能負担ということで、生活水準を見ていて余裕のある方には、数ではなくて生活水準で負担を求めていくのか、そこら辺の基準というものについて、西村大臣が今どういうふうにお考えかをお聞かせください。


(答)今回の改革は、負担能力に応じて御負担をお願いするというものですので、一定所得以上の方が対象となるということです。これについては、今後、夏の最終報告に向けて検討を更に進めていきたいと思いますし、社会保障審議会におきましても並行的に議論が行われると思っております。
あわせて、骨折や関節症など病気の種類によっては、年間に何回も通院せざるを得ない高齢者の方がおられるという、そういう可能性もございます。中間報告では、窓口負担割合の見直しに当たって、こうした方への配慮を行うという必要があるかどうかについても、今後検討を行うということとしておりますので、そういったことも含めてしっかり議論していきたいと思います。



(問)今回、全世代型と銘打ってつくられた検討会議ですけれども、社会保障制度の安定の下につながる少子化対策のメニューが今回は少ないように見受けられますが、そこの理由と、最終報告に向けての大臣としてのお考えをお聞かせいただけますでしょうか。


(答)まず、先ほど申し上げた考え方の中で、現役世代の負担上昇を抑えていくということも今回ありますので、高齢者のことだけを議論しているわけではなくて、全体を見ながら議論しているということですし、それから、御指摘の少子化対策については、この検討会議で議論が始まる前から様々な形で議論を行ってきておりまして、御案内のとおり、この10月からは幼児教育・保育の無償化がスタートしておりますし、また、待機児童の解消に向けた取組、これを強力にまた前倒ししながら進めてきているということも是非、御理解いただきたいと思いますが、必要があれば、新たな項目について排除するものではないということです。



(問)夏に安倍総理が、今後10年間は消費税率引上げは必要はないというような発言をされましたが、結果として、今回の会議でも財源の議論というのは全くなされませんでした。やはり持続可能な社会保障にするためには、財源の議論というのは避けて通れないかと思いますが、この点について大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。また、今後のこの会議の議論の中でも、そういった消費税率引上げを含めた財源については議論していく予定はないのかどうかを教えてください。


(答)まず、安倍政権においては、社会保障制度の持続可能性の確保に向けて、これまでも様々な形で議論を進め、また、実行もしてきております。医療・介護の提供体制の改革とか、あるいはこの10月から現に消費税率を引上げてきたということもあります。そういう形で、社会保障の安定財源の確保等を含めて、全体として持続可能な制度を実現すべく進めてきているということを是非、御理解いただきたいと思います。
安倍総理が御自身の任期を超えてまでは責任を持てませんがという前提の上で、今後10年間は必要ないのではないかという御発言をされました。これは、私ども内閣府で、いわゆる「中長期の経済財政に関する試算」を出しておりますので、これによりますと2028年度までの試算期間内にプライマリーバランスが黒字化して、更に改善していくという姿が描かれておりますので、そういったことを頭に置きながら御発言されたと思います。消費税率引上げについて議論する予定はありません。




3.多田内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

それでは、経済財政諮問会議について御報告いたします。
2つの議題です。
最初に、「新経済・財政再生計画 改革工程表の改定」について、事務方である井上統括官から資料1の説明があり、その後、各議員から御発言がありました。
主な御発言を御紹介します。
まず、麻生財務大臣です。改革工程表は「新経済・財政再生計画」を具体化し、歳出改革を進めていくための極めて重要なツール。今回改定された工程表に従って、着実に改革を進めることが経済成長と財政健全化への道筋。そうした観点から、関係省庁の取組をしっかり検証し、より高いアウトカム・ベースで成果を確実に出していく必要があるといった発言がありました。
続いて、民間議員です。今回の改革工程表の中で次世代型行政サービスの早期実現について、具体的な工程化ができたことが一つの成果。デジタル・ガバメントの推進、地方自治体の情報システムの標準化、これらについて、国・地方・民間の役割を毎年度具体化していくことができた。この改革項目を工程表に沿ってしっかりと進めてほしいということでした。
この次世代型行政サービスの中では、標準化がポイントであり、国全体の足並みを揃えてやってほしい。そして、アウトカム目標の達成を見据えて取り組んでもらいたい。見える化のデータ提供もお願いしたいといったお話がありました。
民間議員の2人目です。やはり次世代型行政サービスについての御発言で、国・地方一体の標準化について、工程表にしっかりと盛り込まれたことを評価する。そのきっかけは、総務大臣が法制化に言及したことであると思う。法律を定めて、その下で予算を決めていくことで、民主主義の下で初めて物事が進んでいくと理解している。その意味でも、今後は予算について検討していく必要があるが、まずは、工程表に盛り込まれた取組について、関係省庁でしっかりと実行してもらいたいといった御発言でした。
民間議員の3人目です。工程表を実行に移していくこと、2021年度、そして、2022年度の取組を盛り込んでいるけれども、その多年度の取組を実行に移すプロセスについて、今後の尽力をお願いしたい。次世代型行政サービス、社会保障、いずれの分野も1つの省庁だけでは足りない。省庁間の連携プロセスをしっかりやってほしいといったお話でした。
次に、「令和2年度の経済見通し」について、私から資料3について説明した後、各議員から御発言がありました。主な御発言を御紹介いたします。
閣僚の御発言はございませんでした。
民間議員の御発言です。経済見通しの中で、消費も投資もそれを実現していくことが重要。
消費については、オリンピック・パラリンピックの前に需要が盛り上がっていくと思うけれども、民間から見ていると雇用所得が上がるからイノベーティブな商品を出していくといったことが必要。マイナンバー等の様々な施策ももちろん大切だけれども、要するに民間企業の方がこうした機会を生かしていくことが大切。その意味で所得がしっかり増えていることを国民の皆様にPRしていくことも大切ではないかといったお話がありました。
次に、投資については、企業としては環境投資をしていくことが必要な時代になってきている。企業としてやらざるを得ない状況をどうやって後押ししていくか。政府としてはこの後押しが重要。いわゆるESG投資についてのお話です。
それから三つ目に、働く女性についてのお話がありました。働く女性の活躍は、企業の生産性にとっては確実にプラスであり、女性の社会進出を促す施策をもう一段踏み込んでやってほしいといったお話がありました。
2人目の民間議員です。
来年度の経済見通しの数字について、米国の大統領選挙などもにらんで見ていると、海外経済の環境の風潮が変わってくれば、これは実現できると思う。他方で、世界の長期的な見通しは混沌としてきている面もある。
イギリスの総選挙の例もそうだけれども、世界的に、戦後の仕組みをサポートする政治勢力が小さくなってきている。逆に、変化を求める勢力が強くなってきている印象を持っている。
そうした中で、今後、新しい秩序を創り上げていく必要に直面していく中で、日本という国はルールメーキングしていく絶好のポジションにある。これを自国の発展の原動力にしていくべきだといったお話がありました。
また、この長期的な見通しを考えた時に、教育や人材育成も重要。先の経済対策に盛り込まれたことはプラスである。中小企業対策も多年度で取り組む必要があるけれども、これも省庁連携で進めていく試金石にしていくべきだといったお話がありました。
3人目の民間議員です。経済見通しの実現には改革の実行が大切で、それが一大前提であるといった認識の紹介があった上で、加えて2点の指摘がありました。
1点目は、国際経済環境への対応。外需が不安定化してきていることへの対応という意味で、一つは今の民間議員からお話があったように、ルールメーキング役になっていくということ。もう一つは世界のリソース、特に、人的リソースが、今、安全を求めており、そうした環境の中で日本という国がその受け皿になるべきではないかといったお話がありました。
それから、2点目です。民需を動かす主体はやはり民間であり、今回、様々な対策が組まれているが、民間がリスクを取りやすくする取組を行うのが政府の役目。そうした中で、リスクを取りやすくする観点からも人の流動化が大切。それから、女性の活躍について、一般的に働く女性は自らが属する企業との関係でも、そこのしがらみにとらわれず、チャレンジしている人が多いように思える。そういった人をサポートしていくことが大事。
それから、3点目、人への投資は研究開発投資と同様に、上手くいく場合もあるし、上手くいかない場合もある。会社側がしっかり受け止めてくれればチャレンジできるといったお話がありました。
以上であり、最後に総理から締めくくりの御発言がありました。



(以上)