第12回記者会見要旨:令和元年 会議結果

西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:令和元年11月27日(水曜日)18時47分~19時38分
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

お疲れさまです。諮問会議の概要について御報告いたします。
本日は3つの議題、「令和2年度予算編成の基本方針」の原案について、それから、「就職氷河期世代支援プログラムの実行」について、三つ目に、「次世代型行政サービスの推進強化」について議論を行いました。
まず、予算編成の基本方針の原案については、お配りをしていると思います。ご覧いただきまして、その後、財務大臣から、財政制度等審議会の建議について御説明がありました。その後、民間議員からいくつか議論がございました。
経済の好循環を実現していくことが重要であり、競争力の向上につながる技術への投資や人材育成に重点化すべき。
建設国債のルールは、戦後すぐに作られたものであり、令和の時代に合わせて見直すべきで、企業の投資も、そのように変わってきている。それから、これは日本銀行総裁からですけれども、プライマリーバランスについては、建設国債と赤字国債の区別はしていないという御発言がございました。
総理から、感想として、「今の時代は、御指摘のように変わってきており、生産性向上や人材への投資についても、将来に残せるものとなっている」というお話がございました。
それから、「就職氷河期世代支援プログラムの実行」については、主に次のような議論がございました。
就職氷河期支援プログラムの実行計画の策定・推進に当たっては、昨日開催した「全国プラットフォーム」の場も活用しながら、支援の現場の声に耳を傾け、縦割りを排した取組を進めるべき。それから、都道府県プラットフォームの効果的かつ安定した継続的な運営が可能となるよう、地域独自の取組への支援など新たな工夫を講じるべき。企業がそれぞれの実情を踏まえ、中途採用拡大の方針を掲げて多様な人材採用を進めるよう、経済界挙げての取組を後押しすべきといった御意見がございました。
それから、「次世代型行政サービスの推進強化」についてですけれども、次のような御意見がございました。
本日の提案を、「改革工程表2019」に反映し、年内に閣議決定を予定している「新デジタル・ガバメント実行計画」にも盛り込み、全ての事項の実現に強くコミットすべき。それから、国・地方を通じた各分野の業務プロセス・情報システムの標準化・共有化と、全ての地方自治体における標準化されたデジタルインフラの整備を国が主導していくべき。また、民間や海外の動きに後れをとらず、スピード感を持って推進するため、新法の制定も視野に取り組むべきという御意見がございました。
最後の総理の締めくくりの御発言は、聞いていただいたとおりです。
詳細については後ほど、また事務方からブリーフさせていただきます。
私からは以上です。




2.質疑応答

(問)就職氷河期に関してお伺いいたします。国や地方の公務員の中途採用に関して、民間議員からの御提案で、別途、明確な目標を掲げるべきという提案があったと思いますが、細かいところは事務方ブリーフィングもあるとは思うんですけれども、ここに関してどういった御議論がなされましたでしょうか。また、国や地方公務員の中途採用に関して、大臣御自身はどうあるべきとお考えになってますでしょうか。


(答)まず、今日の経済財政諮問会議で、昨日の全国プラットフォームの紹介もいたしまして、中西議員はそこにも参加しておられ、非常に評価しておられます。そうした中で、中途採用に当たって、採用の実績の公開のようなことを今、議論しているところでありますけれども、それについて、民間議員からでありますけれども、明確な目標を掲げて取り組むべきということで、全体として、今日の資料にも示しましたけれども、各地方自治体で数人とか、そういった募集がある中で、1,800人とかを超える多くの人が応募したりしておりますので、全体として民間、地方、それから国も含めて、全体として一定のボリューム感を持った形で、計画的にそうした取組ができないかといったようなことを、私からも発言いたしましたし、そのような議論がございました。
それから、いずれにしても、昨日も申し上げましたけれども、支援プログラムに書かれているものを実行していく上で、強化や加速化するべきものを、経済対策に盛り込んでいきたいと思いますし、また、来年度予算もありますので、こうしたものを含めて、3年間で30万人という目標を掲げておりますけれども、これはこれで、今、非正規の方々が正社員化していくところをしっかりと応援をしていくということでありますし、意欲はあるけれども、まだ正社員の就職の経験がないという方も、今日の資料を見ても、かなりの人数おられますので、こうした方々への支援、それから、引きこもりの方々へ、むしろ福祉的なことも含めて、一人ひとり寄り添った形で支援していきたいと思いますので、今よりも社会と関わることを含めて、より良い環境になっていくということ、昨日も居場所をまず作るべきだという御議論もいただきました。そうした、それぞれの事情に応じて寄り添った形で是非進めていきたいと思いますので、全体として、今、3年間で30万人という目標が掲げられていますけれども、何か数値的な目標を掲げるということよりかは、一つ一つ丁寧に、お一人お一人に丁寧に寄り添える、そうした支援が行えるような環境を是非、作っていきたいと思います。



(問)今朝の自民・公明両党の幹事長、国会対策委員長会談で森山先生が、国家の意思として進めたいものについては、経済対策では基金が望ましいという御意見をおっしゃったんですけども、具体的にはパソコンの話と中小企業対策ということでしたが、この辺については、大臣としては同意されるということなのか、まだ議論は時期尚早ということなのか、御所見をお願いいたします。


(答)まず、学校のICT化については未来投資会議でも議論が行われましたし、今日の経済財政諮問会議でも来年度の「予算編成の基本方針」についての議論の中で、一部にそうした議論もなされました。前回、総理から、国家の意思として、これは進めるという御決意の表明もございましたので、そういう意味で、森山国会対策委員長は、その部分を頭に置きながら発言されたんだろうと思います。
国家の意思をどう見るかはありますけれども、どういう形で補正予算の編成がなされていくか、今、経済対策を取りまとめているところでありますので、様々な与党からの御議論もいただいております。岸田政務調査会会長からも、中小企業についても基金化を視野に入れながらという、そうした御提案も昨日、頂いておりますので、そうした様々な与党の御意見を踏まえながら、しっかりとした、そして力強い経済対策をまとめていきたいと考えております。



(問)冒頭の御発言で、総理の感想というものも御紹介いただきましたけれども、これは国債発行のルールなどについて、何か今後検討していきたいというお考えということなんでしょうか。


(答)いえ、そういうことではありません。民間議員の方からは、法律上は特例公債という表現になっていると思いますが、今は形に残るものという意味で建設国債という言い方をしているわけですけれども、実は、人材として、あるいは技術として、後に残っていくものもあるのですが、それは建設国債の対象ではないということで、今の時代に合った、正にSociety 5.0とか、未来への投資を進めていく上で、建設国債、あるいは、赤字国債、法令上は特例公債ですが、この区別があまり意味がないのではないかという御指摘があって、その上で、総理は感想として、今、申し上げたような趣旨で、技術や人材は後にも残りますねということを言われたということです。



(問)では、特に今後、議題として取り上げるとか、そういうことではないということでよろしいですか。


(答)その予定はありません。



(問)経済対策について、今、いろいろ御検討中だと思うんですけれども、国民が安心感を持っていく上で、一定の規模感というものは必要と考えておられるかどうか、大臣のお考えをお聞かせください。


(答)はい。総理からも、しっかりとした規模で経済運営に万全を期すようにと言われてますので、私としては、力強い経済対策をしっかりまとめたいと思います。これは与党からも御意見いただいておりますし、調整しながら、まとめていきたいと思っております。
特に、今日も民間議員の方から、海外経済についての減速についての御指摘がございました。IMFのゲオルギエバ専務理事ともお会いしましたけれども、世界経済について下方修正されております。先般は、OECDも見通しを下方修正されてますので、そうした中で、日本としてそうしたリスクが顕在化した時に、しっかりと備えができるようにということでありますので、こうしたことに果敢に、チャレンジングに取り組む中小企業とか、地方も含めてしっかりと応援していきたいと思います。そういう意味で、足下の経済の、世界経済の減速に対する対応、それから、東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた、先ほど来申し上げている未来への投資ということも含めて、国民の皆さんに安心していただける、そうした力強い経済対策をまとめていきたいと考えております。



(問)昨日、自民党から出された重点項目を全てやるとかなりのボリュームだと思うんですけれども、いつもおっしゃっているワイズ・スペンディングとどのように組み合わせていくとお考えですか。


(答)もちろん、我々、財政再建も大事な課題でありますので、財政健全化に向けて、プライマリーバランス黒字化に向けて、この道筋はしっかりと歩んでいきたいと思っておりますので、そうした中で、項目としてたくさん頂いておりますし、各部会からいろんな議論をいただいておりますので、そうしたものもよく精査しながら、ワイズ・スペンディングという考え方の、これはもう大きな方針でありますので、これはとりつつ、しかし、未来への投資ということで、必要なものについては、しっかりと対策の中で盛り込んで安心できる、していただける力強い対策を作っていきたいと考えております。



(問)与党の議員の先生から、政府は10兆円規模の補正予算の方向で努力していると認識していますとの発言があったと思うんですけど、その10兆円の補正予算の規模の大きさは、大臣はどう考えておられるのでしょうか。


(答)与党のそれぞれの先生方がいろんな御発言をしているようでありますけれども、その一つ一つ全部を承知しているわけではありませんけれども、今、申し上げたように、私としては関係省庁と連携しながら、そして、また与党の御意見も聞きながら、総理からの御指示、正に、しっかりとした規模ということも念頭に置きながら、力強い経済対策をまとめたいと努力をしているところであります。



(問)就職氷河期世代の支援の目標についてお伺いします。
先ほど、大臣の方で、3年間で30万人という目標があるというお話の中で、数字的な目標というよりは、丁寧に寄り添える環境を作りたいとおっしゃられていたんですが、これは3年間で30万人という目標は、今後も維持されていくということは、これはこれでよろしかったですか。


(答)はい。今、正規社員になりたいけれども非正規、これはたまたまタイミングが悪くて、バブル崩壊後の時期に当たって、採用が少なくて、正社員採用が少なかった時期に、非正規としてこれまで頑張ってこられた方々が、正規社員を目指して頑張っておられる人たち、こうした方々が3年間で30万人正社員になれるように、これは目標として維持したいと思いますので、しっかり応援したいと思います。
ただ、様々な事情・状況の方がおられますので、その方々にも、できる限り一人ひとり寄り添いながら、しっかりと支援ができるように取り組んでいきたいと考えています。



(問)そうすると、今日こちらに出ている別途、明確な目標を掲げて取り組むべきというのは、これは数値目標ではなくてということで、先ほどおっしゃられていたんですか。


(答)これは国と地方の中途採用に当たってということの目標として、民間議員から、こういう御指摘を頂いております。昨日も申し上げましたけれども、国としても、これは内閣人事局、人事院とも相談しなければいけませんが、連携、調整しながら、今年度にも採用することができれば、何ができるか、これをしっかりと考えたいと思いますし、その後も調整した上で、国としても取り組んでいきたいですし、地方としても、今、それぞれ何人かずつ採用があちこちで始まっておりますけれども、これは総務省ともよく連携して、全体として、あるボリューム感を持った規模で採用ができるようにしていきたいと考えています。



3.多田内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

最初に、「令和2年度予算編成の基本方針」の原案について、私から資料1、それから麻生大臣から資料2の説明がありまして、各議員から発言がありました。
主な御意見を御紹介いたします。先ほど大臣の方から御紹介があったことと少し重複する面もありますが、一人ずつ御紹介したいと思います。
まず、一人目の民間議員ですが、アベノミクスで実現してきた経済の好循環を持続していくことが至上命題である。一度経済が後退してしまうと、取り戻していくのは至難である。財政の健全化のためにも経済の好循環を絶やしてはいけないという御意見がありました。
今回のこの予算編成の基本方針の中に、皆さん御案内のとおり、15か月予算などの話が入っていることの関係で、皆さん御発言していたと理解しています。
今回の対策は、東京オリンピック・パラリンピック後も見据えて行うもので、その意味では先手先手で万全の対応をするべき。その観点から、2つ提案したいということで、一つ目は、競争力の強化のところに重点を置くべきだということで、その例示として教育のICT化や、大学への研究活動資金支援。あるいは、中小企業の生産性向上支援、さらには就職氷河期世代の支援といったことなどを例示されておりました。
こうしたものは時間をかけて対応していかなければいけないので、単発でやるということではなかなか難しいだろうと。その意味で基金というものも一つのアイデアだと思うけれども、他方で、財政の規律も大変重要。なので、そうしたPDCA、あるいはEBPMの考え方でやっていく、PDCAを回していくことを経済財政諮問会議でしっかりチェックしていくことがいいのではないかといったお話がありました。
それから、これは同じ方ですけれども、先程、大臣からも紹介があった建設国債についてのお話がありました。
建設国債のルールというのは、戦後すぐ作られたものであり、令和の時代に合わせた、ふさわしいものに見直しをしたら良いのではないかというお話でありました。
それから、政府がワイズ・スペンディングをすれば、企業もそれについていくと、そういう意味で、呼び水になる。政府が呼び水となるということもあるので、企業のその後押しをするという意味で、しっかりとした対策としたらいいのではないかというお話がありました。
以上が一人目です。
二人目、OECDのレポートでは、世界同時不況とかそういうことだと思いますが、世界経済の同時的な低迷や不況リスクに触れられている。もし、同時不況が起こった時には、リーマンショックの時とは違って、金融政策の発動の余地というのも少なくなっているし、中国の対応力にも限界があるのではないか。
その意味で、世界経済から日本の経済が足を引っ張られるということもあるかもしれないし、日本経済がそのきっかけを作るということになってはいけない。そういう意味で、不況リスクを一掃するような経済対策というものが、こういう非常に微妙なタイミングを考えると大事じゃないかということでありました。
「前回も言ったんだけれども」という話で御発言がありましたが、前年度は補正で4兆円、これはGDP比で0.7%に対応すると。これが今回、無くなってしまうと大きな影響が出てしまう。大事なことは、需要を埋めるのみならず、未来への投資へつなげていくことである。今は、有形資本ではなくて人的投資などの無形資本、インタンジブルというものに重点が移っている。
その意味で、前の方がおっしゃったことにもつながるが、建設国債への縛りを見直して、供給力を高める投資に振り向けるということで、それで企業投資につなげていくことが重要ではないかというお話がありました。
別の民間議員です。企業投資ということで、どういうふうにお金を使っていくのかということも重要だけれども、最近はその使い途がデジタル化、あるいは人材の投資、あるいはM&Aなどのソフトな使い方になっている。
IT投資もこれまでは合理化、効率化がメインだったけれども、今は戦略にどう使っていくか重要になってきている。それが日本の競争力を上げていくことにつながる。企業は今、申し上げたような発想でやっているので、国の方も建設国債という発想にとらわれるべきではないのではないかといったお話がありました。
日本銀行総裁からですけれども、大学間教育にもっとお金を掛けるべきであると。一方で初等中等教育については児童の数も生徒の数も減ってきているので、質を維持するという前提の中で予算を減らしていく、そういったメリハリを付けることが必要ではないかといったお話がありました。
それから、国債についてはいろいろ議論が出ているけれども、赤字国債と、建設国債についてはプライマリーバランス上は区別していないというふうな御指摘がありました。
以上が「予算編成の基本方針」に関する議題についての意見交換です。
次に2番目の議題として、「就職氷河期世代支援プログラムの実行」について、竹森議員から資料3の説明があって、その後、各委員から意見がありました。主なものを御紹介します。
厚生労働大臣です。一人ひとりに合ったきめ細かな支援を行っていくことが重要で、ハローワークに専門窓口を設置し、専門担当者のチーム制による一貫した伴走型の支援、さらには地域若者サポートステーション、いわゆる「サポステ」の対象年齢を39歳から49歳へと拡大する、それから自立相談へのアウトリーチ支援の強化、こうしたことに積極的に取り組んでいくことにし、今般の経済対策にも必要な対策を盛り込むよう作業を進めているという御紹介がありました。
それからプラットフォームに関してですけれども、来年度から都道府県については経済団体や業界団体等に参画いただいて、雇用機会の拡大に取り組んでいただくことを考えていることと、市町村レベルでは支援機関などに参加していただいて、関係機関が連携したきめ細かい個別支援を行うこととしていると。こうしたことを全国的に整備していきたいという御紹介がありました。
民間議員ペーパーに書いてあった様々な御提案についてもお答えいただきまして、民間事業者のノウハウを生かした不安定就労の方への就職支援については、より長期にわたって就職後の定着支援を行う方向で検討しているとの。
それから、特定求職者雇用開発助成金についても失業者だけではなくて、非正規雇用で働く方も対象とすることを考えているという御紹介がありました。
それから3点目で、民間の職業紹介事業者では年齢を限定した募集ができない、求人ができないという話に関連して、こちらについては速やかに検討して答えを出したいという御発言がありました。
高市総務大臣です。前回も御紹介のあった地方自治体における通知の話がありましたが、それは割愛します。
中途採用全体の動向を見ると、現在調査している都道府県と指定都市に限っても、平成19年の約570名から平成29年には1,570名に増加しているという話がありまして、こうした中途採用者層に就職氷河期世代を取り込むことが支援の鍵だと思っているというお話がありました。今後はまず年内に令和元年度における先行地方自治体の採用実績、あるいは見込み、さらには好事例というものを取りまとめて、就職氷河期世代を対象として募集する際のポイントや留意点などを情報提供して、更なる取組を地方自治体に要請することとしたいという御紹介がありました。あと、今、中途採用の実施状況は都道府県と指定都市に限られて把握しているわけですが、それを全地方自治体に拡大していくようにしていくといった御紹介もありました。
経済産業大臣からです。経済産業省としても就職氷河期世代の方々の支援にしっかり取り組んでいくということで、具体的な事例として、IT分野におけるキャリアアップ支援や人材マッチング等の取組を進めていくということ。中小企業とのマッチング支援だとか社会課題解決のための実践的能力の開発を行うリカレントプログラムの開発に取り組んでいくというお話がありました。
閣僚に続きまして、民間議員からです。昨日のプラットフォーム会合に参加された方で、幅広い課題を公開の形で議論できたということが非常に良い雰囲気を作ることができたというふうに思うという発言がありました。企業側としても、今後の対応に向けて一層検討を深めていきたいと、そしてそれをアクションにつなげていくことが重要であるというお話がありました。
先ほど厚生労働大臣から就職氷河期世代限定の採用について検討するというお話があったということを受けて、こういう人たちとのコミュニケーションの前提となると、その年代を限って求人をするということについてです。それは採用の前提にもなるので、チャネルを作ることが大事だということで是非検討してほしいというお話がありました。
別の民間議員であります。コンビニ経営をしていた時に、アルバイトをされていた方が氷河期世代の方で、いろいろ話を聞いてみると、今、非正規だけれども、そこからすぐ正規になったことについて、いろんな各自の思いがあると。まあ今のままでいいのではないかとか、変えることについてどうだろうと。そうしたことについて、いろんな思いがあるように感じたと。そういう意味では、やはりコミュニティでそうした方々と対話の場を持つことが非常に重要じゃないかと。その意味で、NPOだとかNGOの活用、さらには高齢者の方が、「きっと良いこともあるよ」と、「そんな捨てたものではないよ」ということを若者の方々にアドバイスすることも有意義なのではないかといった御指摘がありました。
別の民間議員です。一度正規のルートから外れてしまうと、正規に戻れないというのは、やっぱり社会として理不尽ではないかと。その社会を変えていくことが大事だと。経験が無いから採用されないとか、正社員として働いたことがないから正社員として採用できないとか、それは、そういうのもある意味理不尽ではないかということで、今回作った就職氷河期の支援のプログラムを通じて様々な経験を積んでいっていただくことが大事。単に就職するということではなくて、技能を高めていくということをしっかり考えていかなければならなくて、それを継続的に結び付けていく仕組みが大事。
それから、この問題は雇用システム全体を変えていくこととも関係しているということで、ペーパーにも書いてありますが、中途採用の拡大方針を掲げているけれども、その中でも、とりわけ経営人材の流動化が重要である。トップの方は非常に革新的であっても、そのすぐ下の経営層が保守的であるということがままあると。この保守的だということが、経営人材が流動化すれば、また新しい人、全く別の人が来るなど、自分がその上に上がっていくということ以外のキャリアを考えられるという意味で、その保守的であることが変わる意味でもこの経営人材の流動化が重要だという意味でおっしゃったのだと思います。それで、中途採用方針を掲げてそれを開示していくことを進めていくべきだという御発言がありました。
ここで、総理が御発言をされました。昨日のプラットフォームでの会話も受けてだと思いますが、就職氷河期世代の皆さんは、経済状況が悪かった時に就職の時期を迎えられた方々で、この方々にしっかりと、今一度チャンス、機会を感じていただけるプラットフォームを作って取組を昨日進めた。その昨日の話をお伺いしていると、やはり一人ひとりの状況は相当違う。画一的な見方をしたり、我々行政側の思い込みで取り組んでも、それは適切ではないのではないかというお話がありました。
その上で、民間議員ペーパーの参考資料の表の方に出ている地方自治体の採用状況というか、募集状況の表に言及をされまして、宝塚市や三田市などが採用していただいている。たくさん募集が、応募がなされているということで、自治体だけではなくて、企業の方々も採用しているといった情報、採用している事例があるといったことを、この就職氷河期の方々に、自治体に手を挙げている方々にしっかりと情報伝えていくといったことも大事じゃないかと。いずれにしてもコミュニケーションを進めて、モチベーションを高めていただけるようにしていくことが大事だというお話がありました。
それを受けて、西村大臣から先ほど御質問に答える形でありましたけれども、地方自治体、それから民間企業、それから国自身、それぞれまとめると相当な規模があると、募集の規模というものがあるということを示しながら進めていくことが必要じゃないかと、こういう御発言がありました。以上が2つ目の議題です。
3つ目、「次世代型行政サービス」でありますが、柳川議員から資料4の説明があって、その後、各委員から発言がありました。主なものを御紹介します。
まず閣僚でありますが、竹本IT政策担当大臣。デジタル・ガバメントについては、国だけでなく、地方公共団体、民間も含めた新たな実行計画を、本年内を目途に閣議決定するという御発言がありました。その計画に基づいて、政府情報システムの一元的なプロジェクト管理の強化、グランドデザインの年度内の策定、デジタル手続法に基づく手続のオンライン化や添付書類の省略の順次の実現、地方公共団体のデジタル・ガバメントの推進などについて、目標をしっかり設定して実行していくというお話がありました。
それから、次、厚生労働大臣です。厚生労働行政は地方自治体に担っていただいているものが多く、業務プロセス・情報システムの標準化も、そうしたことに役立つものであると認識しているというお話であります。
国民健康保険について、他制度に先行して、平成30年度の制度改革の際に標準システムを構築している。まだ平成30年度から257市町村が導入しているだけではあるけれども、今後は約半数の市町村が導入する意向を示している。標準システムを導入した場合に、将来にわたって市町村自身でのシステム改修が不要となるなどの効果があるので、こうしたメリットを引き続き、市町村に対して、周知していくということと同時に、標準システムの機能を改善するなど、使い勝手を良くしていきたいというお話がありました。
他方で、介護関係などの業務の標準化の推進に当たっては、まずは来年度、その前提となる情報システムの現状把握や課題の整理を行って、標準仕様書作成等の検討を順次進めていく。こちらは少し遅れてやっていくというお話であります。
高市総務大臣であります。システム標準化などの自治体行政のデジタル化については、関係府省庁と連携して、法制上の措置も視野に、地方自治制度との関係の整理を行っていくという御発言がありました。
それから、「自治体行政の重点分野、事業を明確化し、その取組を工程化」しようという御提言が民間議員ペーパーに書いてありましたが、それについて、住民記録システムの標準化については、標準仕様書の作成に取り組んでいく。地方税共通納税システムについては、対象税目の拡大について検討を進めるお話がありました。市町村の基幹税務システムについては、来年の夏以降、住民記録システムの取組も参考にして、標準仕様書の議論を進めていくといったお話がありました。
地方自治体のデジタル化・クラウド化の展開については、盛り込むべき内容・スケジュールなどの基本的な方向性について、今後、改革工程表の中で提示していくという話がありました。
最後は、個人情報保護基準の標準化について、約2,000通りのバラバラだといったことが民間議員ペーパーに書いてあるわけでありますけれども、先般、個人情報保護委員会において、自治体の個人情報に関して、法律の制定を含めた検討を行うための懇談会を設置したと承知している。総務省としても、この取組に協力していく。それから、国の行政機関及び独立行政法人の個人情報保護に関しても、官民の規定の集約・一体化などについて、検討していくというお話がありました。
民間議員からです。この分野は法律と予算がきちんと用意できて初めて動いていく。自治体におけるデジタルインフラの早期整備については、5年くらいのサイクルで更新していく、そのサイクルを待つという話では明らかに遅い。システム更新を前倒す時の財政的支援を国は自治体に対して行っていくべきだという御指摘がありました。
もう一人の民間議員です。クラウド化の前提はBPRと標準化。それは民間ではやっている話。これを徹底していけば、従来の5分の1、10分の1のコストで、システム整備が可能となる。ベンダーロックインもなくなる。今、そういう方針をしっかり掲げて動いていくべきだという話でした。
もう一人の民間議員ですが、BPRを通じて互換性を高める。これは仕事のやり方を合わせるチャンスであり、働き方改革にもなるといったお話がありました。
日本銀行総裁です。クラウド化に関してですが、最近、アジアのある小国の金融機関が、システムのクラウド化をするに当たって、プライバシーの保護のための統一ルールを定めたという話を聞いた。システムのクラウド化をしていくに当たって、バラバラにするわけではなくて、そうした先進的な取組と言いますか、個人情報保護のルールをしっかり定めているような例も参考にしながら、所管省庁がしっかり取り組んでいくことを検討したらどうかといったお話がありました。
以上でありまして、最後に総理から締めくくりの御発言があって終わったところであります。
私からは以上です。

(以上)