第11回記者会見要旨:令和元年 会議結果

西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:令和元年11月13日(水曜日)18時57分~19時42分
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

本日の経済財政諮問会議の概要について御説明いたします。
最初に、「消費税率引上げに伴う対応の進捗状況」について、続いて、「経済再生・財政健全化の一体的な推進強化」として地方行財政と教育・科学技術について、議論を行いました。
まず、前半の「消費税率引上げに伴う対応の進捗状況」についてですが、内閣府から次のように説明・報告させていただきました。
キャッシュレス・消費者還元について、1日当たりの平均還元額で見ても、対象決済金額で見ても順調に利用されている一方で、参加登録の遅れについて、店舗で申請しているけれども、その手続が遅れているということについて、政府として、申請中の店舗ができるだけ早く事業に参加できるよう、決済事業者の審査の迅速化を要請しているところ。
それから、プレミアム付商品券についてですが、想定対象者の2,450万人のうち、申請者等は1,000万人を超え、対象者のうち42%となっております。引き続き一人でも多くの方に活用していただけるよう、更なる周知、広報を実施していきます。
自動車・住宅といった耐久消費財については、各種措置の効果もあり、駆け込み需要は現時点で前回引上げ時ほどではない。
消費者物価指数の引上げ前後の動きは、前回引上げ時は非連続に上昇したが、今回の上昇は小幅に留まっている。
以上のように報告・説明をした後に、民間議員から、次のような意見がございました。
対応策の効果もあって、駆け込み需要・反動減は小幅に留まっている。足下だけではなく、先を見据えた対応が必要。
冒頭に私から、総理から今回の経済対策の指示があったことの説明に関連して、民間議員から、今回の経済対策はしっかりとした内容と規模にすべき。昨年が、補正予算で一次、二次合わせて4兆円であることに対して、今年は臨時・特別の措置で2兆円あり、4兆円分にはなっておらず、足下の経済から考えると、こういったことも参考にして、しっかりとした内容・規模とすべきという御発言がございました。
消費の先行きが心配である。キャッシュレス化・ポイント還元が6月に終わる予定ですので、その後の切れ目ない消費の活性化策が大切。こういった御意見がございました。
この切れ目のない消費の活性化策については、先般来、党の方で10月のスタートという検討がなされているということを申し上げましたけれども、1か月程度の前倒しスタートを視野に入れて、補正予算での対応も検討していきたいと考えております。
次に、地方行財政についてですけれども、次のような意見がございました。
徹底した地方行政サービスのデジタル化は、人口減少に直面する地方にあって、持続可能で高品質な地域住民サービスを提供できる切り札である。また、住民サービスを含め全ての行政サービスにおいて、広域化・集約化や民間アウトソーシングの積極的取組が不可欠である。これらの思い切った投資に積極的に取り組む自治体に対して、地方財政面からの優遇措置や、財源も含めた国の主導的な支援を講じるべき。
次に、教育・科学技術についての議論ですけれども、次のような意見がございました。
Society 5.0時代にふさわしい成長基盤は、AI・ICT人材の育成にある。学校のICT化に当たっては、STEAM教育の強化等も含めて総合的に取り組むとともに、予算配分も含め施策にメリハリを付けながら、外部専門人材の積極的登用など、従来の延長ではない形で環境整備を進めるべき。民間投資受入れや研究促進効果に意欲的な目標を設定し、官民が連携してSDGs等の社会課題に対応した質の高い研究開発投資を加速させるべき。こういった議論がございました。
私から、学校のICT化についてですけれども、国内の機会均等、格差是正の観点から、そして、国際競争力の観点から、学校のICT化は急務であると発言しました。
総理からも、国家意思として進めるとの御発言があったところです。
総理の最後の御発言でも、大胆に加速するようにという指示が萩生田文部科学大臣に下りたところですけれども、正に大胆に加速すべく、補正予算での対応を検討していきたいと思います。
私からは以上です。




2.質疑応答

(問)消費増税に伴う対応策についてお聞きしたいんですけれども、大臣の所管でありますプレミアム付商品券について、現状の42%という数字は、大臣として、どうお受け止めになっているのかということと、総理からも指示がありましたが、今後、一人でも多くの人に利用してもらうための取組として具体的にどういったものを念頭に置かれているんでしょうか、併せてお願いします。


(答)はい。プレミアム付商品券事業につきまして、1団体を除いて全ての自治体でもう購入・利用が開始されてます。1団体は、長年、昔から独自の商品券を11月下旬から開始しており、それに合わせてプレミアム付商品券も扱いたいという広島県の三次市であり、そこを除いて全ての自治体でスタートをしています。利用した方々からは、「負担軽減につながっている、利便性も高い」といった声も頂いているところであります。
お話ししましたとおり、10月25日時点で想定対象者数の約42%ということであります。いわゆる住民税非課税者分の申請者数で見ますと、対象者に対して約34%ということでありますので、しっかりと多くの人に使っていただけるよう、これから更に広報していきたいと思ってます。できるだけ多くの方に、まだ理解をされてないのか、あるいは使いにくい面があるのかを含めて、ヒアリングもしながら、自治体と連携しながら進めていきたいと思いますけれども、いずれにしても、広報をしっかり10月に続いて、11月にもテレビCMを活用して集中的に広報を行いたいと思いますし、自治体の側でも、10月下旬から11月中旬頃にかけて、住民税非課税者への再度の個別周知などを含めて、改めて対象者への呼び掛けを行っていただいております。国・自治体が連携して一人でも多くの方に周知をして使っていただけるように努力していきたいと考えております。



(問)今のプレミアム付商品券のお話に関連して、大臣の今の御説明の中でもありましたが、住民税非課税世帯と子育て世代とで引換券が自動的に送付されるかどうかとか、かなりの性格の違いがあると思われるんですが、その状況をまとめて42%という数字にまとめられるこの意義に関して、改めてどうお考えになりますでしょうか。


(答)住民税非課税世帯の方々におかれては、過去もそうなんですが、どうしても、一回、手続を踏まなければいけない部分がありますので、これは申請を行ってもらうという形になります。ここはやむを得ない部分がありますので、その一手間が掛かる分をどうお考えになっておられるかというところが、どう受け止められているかというところはございますけれども、ただ、一度に2万円分ということではなくて、分けて購入もできますし、一つひとつは500円の券ということでもありますので、できるだけ利便性には配慮したつもりであります。理解していただければ使っていただけるのではないかと思っておりますが、まだ3分の1ぐらいの方々でありますので、これからしっかりと広報をもう一度やって、一人でも多くの方に使っていただけるように、負担が消費税率分が上がっているわけでありますので、その負担軽減につながるように、引き続き、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。



(問)経済対策が途切れた後のつなぎの話で、プレミアム付商品券を使ったポイント還元の話についてなんですけど、1か月程度前倒しを視野に入れて補正予算での対応を検討したいとおっしゃっていたように聞こえたんですけど、これは補正でいいんですか。


(答)はい。



(問)来年の話だから、2020年度本予算の話かなと思ったんですけど。


(答)まず、キャッシュレス化でポイント還元するのが、一応、来年6月までで終わる予定になっております。その後は、マイナンバーカードを使ったポイント還元の仕組みを党の方でも考え、総務省の方で検討を進めているところでありますけれども、そのシステムを構築していかなければいけませんので、それに一定の期間が掛かるということで、来年度予算で組むと、どうしてもそれに6か月程度掛かるとすれば、予算成立後だと10月からのスタートになってしまうということですので、その準備のためのシステムを作る予算をもし補正で対応できれば、補正予算が早く成立できれば、その分は少し前倒しができますので、その意味で1か月程度は前倒しできるのではないかということを視野に入れて、補正予算での検討を考えていきたいということです。



(問)今の関連で、キャッシュレス決済が6月、ポイント還元が6月末で終わります。10月から始まるマイナポイントの制度を1か月前倒しすると、9月からというイメージでよろしいでしょうか。そうすると、7、8月と間が空いてしまいますが、これは切れ目なくということで言えば、この2か月はどのようにお考えになりますでしょうか。


(答)元々の発想では、7月24日にオリンピックがスタートし、パラリンピックの終了が9月6日であり、この間はインバウンドの方々も相当、日本に来られ、また、オリンピック開始前からキャンプを張られたりもありますので、7、8月は相当な方が日本に来られるということもあって、その間は一定の消費が見込まれるだろうという発想がそもそもあり、現在のマイナポイントの開始予定の10月では、9月の1か月間が空くということもあって、前倒しができないかという検討を今しているところであります。もちろん、他に何か消費全体の下支えをする方法がないのかということで、今、各省で検討してくれておりますので、各省からのいろんなアイデア、そうした対応の検討状況をよく聞いてみたいと思ってます。



(問)今の関連で、ポイント還元が終わると、消費の先行きが心配だというのは、言い換えると、ポイント還元によって実質的に減税になっている部分が終わると、実質的に増税になるから、そういう意味で、駆け込みと反動減みたいなことが起こるのではないかということが心配なんでしょうか。何が心配なのかを教えていただきたく思います。


(答)当然、支援措置はどこかで終われば、永遠に続けるわけにもいきませんから、消費税として頂いたお金をしっかり社会保障の充実に使っていくということでありますので、経済の駆け込みや落ち込みが無いように、そして、緩やかな成長軌道に乗せていくようにということから、そのような措置を講じているわけでありますけれども、特に前回の反省に立ってやっており、どこかで終了しなければいけないということですけども、その時に、大きな崖ができないように、来年は東京オリンピック・パラリンピックもあって、繰り返しになりますが、多くのインバウンドの方、外国人観光客の方も来られるでしょうし、そういったことを見据えて、駆け込みや落ち込みがないように、なだらかな経済成長の軌道に乗っていくように、という思いでおりますけれども、もちろんキャッシュレス化が相当進展してきておりますので、この政府の支援措置が終わった後も、このキャッシュレス化の効果で売上を拡大し、インバウンドの方などもそれを使って、いろいろサービスや商品の購入をしてくれるでしょうし、そういった意味での拡大も期待できます。
経済産業省の報告によりますと、今、キャッシュレスの手数料を、今3.25%以下にすれば、その3分の1を補助していますが、6月に終わった後も、何らかの形で低い手数料を継続する事業者もそれなりにあって、平均すると2%台半ばになるのではないかという報告を受けておりますので、そういう意味で、支援がなくなったからといって大きな崖ができるわけではありませんけれども、しかし、5%還元など一定の支援があります。そういう意味で経済運営には万全を期していくという観点から、東京オリンピック・パラリンピック終了後に、またマイナンバーの普及ということも視野に入れながら、そういった措置を講じるということですね。



(問)そうすると、確認ですけれども、その新たな活性化策をとらなかったら、大きな崖が起きると思っていらっしゃるということで良いのか、大きな崖は起きないけれども、念のためにやるということなのか、どちらなんでしょうか。


(答)今もこの対策を講じていることも含めて、軽減税率とか様々な対応をしてますので、これによって大きな駆け込みと落ち込みは、前回ほどは見られないという認識を持っております。もちろんどこかで施策を止めると、それは何らかの多少の影響はありますから、その影響もできるだけ小さくしていくという、なだらかな経済成長の軌道をしっかりと確保していきたいという観点です。



(問)来年の6月の時点では、まだそこが小さいというところにいかないので、対策をとるということでよろしいんですよね。


(答)そこが小さいというのは。



(問)要は、小さければ、そこで対策を止めるわけですよね。だけど、来年止める時にはまだ小さいと思えないので、対策をとるということなのではないんでしょうか。


(答)まあ、それはいずれにしても、対策や施策があって、それが終わる時には、当然、その日で終わるわけですから、その前に、じゃあ少し多めに買っておこうかとか、そういうことは出ると思います。これは当然あると思いますので、そういったいろんなことも考えながら、経済運営に万全を期していきたいという思いです。



(問)先ほど、補正予算の関係の御発言があったと思うんですけど、改めてなんですが、編成の時期について、年末も近づいているわけですけども、現時点で時期についてのお考えをお聞かせください。


(答)今、各省において、以前にも申し上げましたけど、災害復旧から東京オリンピック・パラリンピック後の経済を見据えて、という三つの柱に基づいて、それぞれの省庁で政策を考えてくれておりますので、個別にいろいろ相談しながら進めている分もありますけれども、よく詰めていただいて、しっかりとした対策を打っていただきたいと思っていますので、これはじっくりと各省の検討を待ちたいと思います。



3.多田内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

それでは、令和元年第11回の経済財政諮問会議について概要を報告します。
3つの議題でした。
最初の議題について、私から資料1の説明を行い、各議員から御発言がありました。先ほど、大臣の方からも主な御意見・御紹介ありましたけれども、いくつか補足的に申し上げます。
まず、麻生大臣から、消費税の役割が一層重要だといった話。それから、軽減税率については、引き続き状況を注視して、制度が十分に理解されて円滑に実施されるよう、周知・広報含めて取り組んでいきたいといった御発言がありました。
その後、民間議員です。世界的に輸出国を中心に、成長が落ちている。先を見た成長につながる対応が重要。前回も申し上げたとおり、特例国債も必要になるのではないか。規模感として、昨年あった補正予算4兆円の部分がまだ出てきていないと。GDP比で1%を少し欠けるくらいの大きさに当たるので、これが全く落ちてしまうと大きな影響が出てしまう。切れ目のない対応のためにも、補正予算を適切に講じるべきだといった御発言がありました。
別の民間議員です。マクロの景気の不透明感の議論はあるけれども、目の前、足下では手堅く、その意味では消費税の影響は比較的軽微であったと考えている。消費の形態が大きく変わっており、消費の変化を真正面から捉えて取り組んでいるといったお話がありました。
今回の消費税率引上げについては、上手く乗り切っていると思う。ただし、地政学的なリスクはある。今後のプラス成長というものを維持していくためにも、切れ目なく対応していくべき。
オリンピック・パラリンピックで盛り上がるけれども、その後の不安に対応していくために、マイナンバーによるキャッシュレス推進を早く実現してほしい。その際には、ポイントの相互の交換ができるように、マイナポイントだけで使えるポイントであってはならないということだと思います。
それから、この年末は大事な時期なので、就業調整で12月になるとパートの方々が仕事しなくなるといったことが生じないようにしっかり対応してほしいといったお話がありました。
別の民間議員です。これもポイント還元について、切れ目の対策が重要だけれども、キャッシュレスの促進は将来のデジタル化にもつながる。成長戦略にもつなげて取り組んでいくことが必要。その観点から、マイナンバーカードを普及させて、マイナポイントの活用を促し、今後のデジタル化の布石にしていくべき。その際には、先ほどの民間議員の御意見を踏まえてだと思いますが、民間の取組とWin-Winとなる仕組みを創るべきだといったお話がありました。
次に、二つ目の議題、「地方行財政」ですけれども、柳川議員から資料2の説明があり、その後、各議員から御発言がありました。主な意見を御紹介します。
高市総務大臣です。資料の説明があったわけですが、その冒頭で先ほど西村大臣からもお話のあったマイナポイントについて御発言がありました。切れ目のない経済対策として、マイナポイントを活用した消費の活性化に取り組みたい。官民連携の意見交換の場でも議論していただいているところであるけれども、令和2年10月では切れ目ができてしまう。もし補正予算を活用できれば9月からの実施が可能。9月からでも、オリンピック・パラリンピックが9月6日に終わるが、9月の頭から実施ができれば国内経済の下支えにもなるのではないかと考えているといった御発言がありました。
その他については、資料の御説明でしたので、御発言の詳細は割愛したいと思います。
民間議員からの御発言です。
5Gの基盤整備は、インフラが無いと民間の取組が立ち上がっていかないので非常に重要。AI等の共同利用やシステムの共有化は進んでいないけれども、これについては仕切り直して取り組んでいくべき。
地方都市インフラ輸出、これは民間議員ペーパーの中に書かれている話ですが、若干、道が遠い話のように感じるけれども、都市間の国際競争がどんどん激しくなっている。スマートシティといった時になぜ国内の自治体が積極的に手を挙げてこないのか、この辺りは自分で勉強してみたいといったお話がありました。
先ほどの道が遠いと言った話について補足すると、地方都市のインフラ輸出の話を民間議員ペーパーには書いてあるけれども、いろいろな人の話を聞くと、中国でやった方が早く、中国で都市づくりに参加して、それを国内に輸出した方が早いのではないかといった議論も出ているので、そこに若干危機感があったのだと思います。
別の民間議員です。地方行財政を考えていく時には人口減少問題が深刻。これが大きな問題で、人口が減少していくスピードと、それを何らかの形でカバーしていくスピードとその2つのスピードの競争である。この危機感を共有できるようにしていくべきであり、特に災害などが生じた時に、ユニバーサルサービスをキープできるのかといった見極めが大事。そのためには広域化とコンパクトシティによる都市設計を行うことが重要。マイルストーンをもう一回作っていくべきだといった御指摘がありました。
また、地方公営企業の公益化が全く進んでいない。今回は問題提起に留まったけれども、これも次の予算編成に向けて検討していくべき課題だといった御指摘がありました。
別の民間議員です。高齢化や人口減少の対処への答えはスマートシティの実現。クラウド化に早く着手して実現してほしい。民民の問題としてベンダーロックインの問題もあるけれども、早く行うことが大切。スマートシティの実現には大学の役割が非常に重要だということで、地域の課題解決にその大学の力を使っていくとことが大事。
会津のスマートシティは、仕事・雇用の場を東京から持ってきている。受け皿があれば企業としても仕事を流していけるので、そういう街を作ってほしい。
それから、農業も非常に大事で、植物工場が都市部にできてきている。高齢者が働く場を持つことができれば、社会保障という観点でも健康増進という観点でもプラスになるといったお話がありました。
これらの民間議員の発言を受けて、高市総務大臣からお話がありました。ベンダーロックインについては、これまでも述べてきているように、システムの効率化などの観点から課題があると認識している。一方で、システムの更新時期は各自治体ごとに様々なので、総務省としては標準仕様書の作成・公表に取り組んでいるけれども、他の行政分野についても各省庁と連携して取り組んでいきたいといったお話がありました。
西村大臣からは、そこでクラウド化にも取り組んでほしいといった発言がありました。
以上が二つ目の議題です。
最後に、「教育・科学技術」について竹森議員から資料4の説明があり、その後、各議員から御発言がありました。
主な御意見を御紹介します。
萩生田大臣ですが、基本的には資料の御説明でした。子供たち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育とICT環境を令和時代のスタンダードにしたい、端末・通信ネットワーク・クラウドをセットにして整備に取り組むといったお話がありました。
もう一つは、官民連携によるイノベーション創出を促進したいといったお話で、こちらについても資料に基づいてお話がありました。
竹本大臣からです。資料に基づいて御説明がありました。その中で、研究力強化の鍵は競争力のある研究者の活躍で、特に若手研究者の取り巻く環境が厳しく、研究者の魅力が低下しているということで、研究者の魅力を高めていくことが必要だといったお話が多く聞かれたように感じます。詳細は割愛させていただきます。
麻生大臣です。学校のICT環境の整備は、僻地でも遠隔オンライン学習により最先端の教育が受けられるといった目指すべき次世代の教育の姿を達成する上で極めて重要だと発言されました。ただし、義務教育における学校の管理・運営は、自治体が主体的に行うべきもので、現時点だと自治体のやる気に温度差がある。自治体の理解を得ていくことが不可欠であり、今後、国として更なる支援を行う際には、好事例の創出を通じて、こうした自治体の理解を促進することが最も重要で、その上で地方財政措置を活用しながら普及を図ることが効果的ではないか。
逆に言うと、そうした自治体の理解に差がある中、国として更なる支援に取り組むことについて、少し懸念を持っているように感じました。
国が速やかに直接整備すべきといった御意見もあるけれども、約10年前に学校ICT化の一環として国が支援を行った時には、例えば整備された電子黒板が結局活用されなかったという例もあると聞いている。したがって、ハードインフラだけではなく、教員の研修体制など、ソフトインフラの整備と時間軸が合っているかどうか、また、国が整備した後、自治体において自己負担を含め、持続可能な運用がなされているかどうかといった観点から、やる前によく検討していく必要があると考えているといった御発言がありました。
これを受けて、文部科学省大臣からは、確かに学校のICT環境の整備は今までも地方財政措置でやってきたけれども、なかなか進んでこなかったのは事実。1人1台のパソコンの整備が先か、教員の人材育成が先かという、「鶏が先か卵が先か」という議論はどうしてもあるが、しっかり取り組んでいきたいといったお話がありました。
そこで、総理が、ここは国家的な意思を示すことが必要ではないかと発言されました。
その後、その格差是正等々の他に国際競争力の観点からも大事だといったお話が西村大臣からありました。
民間議員です。
地域によって差が出る点について、現場の教員の仕事の見直しも併せて必要だということで、地域でリーダーが育つような環境作りをしっかりしてほしいといったお話がありました。
それから、研究開発については基礎部分にお金を入れることが大切だといった御発言がありました。
別の民間議員です。
産学連携・官民連携について、企業から大学や研究機関に資金が向いていないのは、企業のR&D投資自身は相当増えてきているので、企業側にも大学側にも両方に課題がある。
研究の在り方も随分変わっている。個別の事例として御紹介がありましたけれども、これまでは大学の先生が決めたテーマにお金を出してきたが、そうではなくて、研究テーマそのものに企業側のトップも参画する形で決めていく、議論をしていく。そうなってくると、大学側も一つの研究室や学部ではとても対応できなくなり、学部を越えながら研究していく。そうやって研究を進めていけば、政策提言と技術開発の両方が同時並行的に進んでいく。こういったことが期待され、民間企業としての機運も高まっていると思うので、しっかり後押ししていきたいといった御発言がありました。
別の民間議員です。
教育のオンライン化・ICT化は、将来の課題ではなく現在必要であり、これは格差是正の切り札である。1人1台は必要条件で、それに見合ったソフトパッケージが必要であり、教育負担の軽減、専門家を学校に入れていくべき。外部人材を登用すべきだといった話だと思います。
リカレント教育については年齢にこだわらない時代、どんな年齢であっても、オンライン化によって、必要な時に必要な教育を受けられる。社会に出てから、10年経って大学に戻れるような環境作りが必要だということです。
それから、研究の仕組みも変わってきているので、大学の枠組みは柔軟化が必要。研究者支援のパッケージは非常に大切で、特に若者の疲弊している姿を見ると、研究者に対する支援が非常に重要だといった御発言がありました。
日本銀行総裁から御発言がありました。御自身が大学に2年おられた経験ということで、OECDの統計を見ても、日本は、国際比較で、初等・中等教育はそれほど劣っていないけれども、大学教育では明らかに劣っている。
児童の数も減ってきているので、初等・中等教育の質は落とさないようにしながら、大学の方にもう少しお金を掛けることができるのではないか。文部科学大臣にはメリハリのある取組をお願いしたい。
民間資金の活用も確かに大切だけれども、国として大学の基礎的な研究にもお金を投入するべきだといったお話があり、最後に総理から締め括りの発言がありました。
私からは以上です。

(以上)