第7回記者会見要旨:令和元年 会議結果
西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨
- 日時:令和元年9月30日(月曜日)17時20分~18時02分
- 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室
1.発言要旨
私から、経済財政諮問会議の概要について御報告いたします。
本日は3つの議題について議論を行いました。「新内閣において重点的に取り組むべき今年後半の課題」、「社会保障分野のこれまでの成果と今後の重点課題」、「日米貿易協定の共同声明を受けて」についてです。
最初の「今年後半の課題」につきましては、次のような意見がございました。
日本経済は、内需を中心に緩やかな回復が続いているが、通商問題など海外経済の動向と政策に関する不確実性が高まっている。内外経済状況をこれまで以上に丁寧に点検し、リスクが顕在化する兆しがある場合には、機動的なマクロ経済政策を躊躇なく実行すべきだとの意見がございました。
また、私から、明日からの消費税率引上げに当たり、各地で引上げの準備に当たる現場の視察や意見交換を行うなど、経済状況を把握してきた内容について御報告をしました。
具体的には、全体としては2014年のような大きな駆け込み需要は見られていないこと、事業者の現場レベルの話として、地方の商店街、小さな個店においても、キャッシュレス化を積極的に導入しようという動きがあること、あるいはプレミアム付商品券について、一人でも多くの対象者に購入・利用いただくために、国・地方が連携し一層の周知を図っていくこと。他方、消費税率の引上げが消費者マインドにネガティブな影響を与えることも懸念はありますので、公式データの公表を待つことなく、引き続きヒアリングや視察等を実施しながら、週次のデータや日次のデータの活用なども含めてきめ細かく経済状況を把握し、分析し、経済財政諮問会議にも報告したいということを申し上げました。
次に、「社会保障分野のこれまでの成果と今後の重点課題」ですけれども、次のような御意見がございました。
安倍内閣では、経済再生と社会保障分野の歳出改革を一体的に推進することで、大きな成果を実現してきた。経済財政諮問会議における社会保障改革の議論に当たっては、全世代型社会保障検討会議とも連携しつつ、経済再生への効果、国民生活の質の向上、財政面の効率性といった観点から検討を深めるべきといった御意見がございました。
また、「日米貿易協定」につきましては、次のような御意見がございました。
日米貿易協定について、双方ウィンウィンとなる最終合意がなされたことは、日米両国にとって大きなプラスであり、世界の自由貿易体制の基盤強化に大きく貢献するものであること、安定的な直接投資や輸出の実現を通じ、我が国の潜在成長率を高めるとともに、外需をてこにして我が国の経済成長路線を更に推進すべきといった御意見がございました。
総理からの締めくくり発言につきましては、お聞きいただいたとおりです。
詳細については、後ほど、事務方から説明をさせていただきます。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)民間議員からの「今年後半の課題」のペーパーで、リスクが顕在化する兆しがある場合には、機動的かつ万全な対応をとるようにと求められているんですけれども、大臣はこれまで、「リスクが顕在化する場合には」とおっしゃっていて、「兆し」という言葉を使っていなかったと思うんですけれども、政府としても、兆しの段階で経済対策をとっていくということでよろしいでしょうか。
(答)繰り返しになる部分もありますけれども、経済の統計データは、例えば10-12月期の1次QEのデータは2月になります。その他、様々なデータも1か月、2か月後に出てくるということになりますので、そのデータをどう分析するかという点が、まずあります。これはそれを兆しと見るのか、もう顕在化していると見るのかというその時の判断もあると思いますけれども、それを待っていては対策は後手後手に回るという観点から、週次のデータ、日次のデータも活用しながら、その方向性、兆しはしっかりと捉えていきたいと思っております。その上で、現場にも足を運んで、これは私のみならず、副大臣、政務官にも、あるいは事務方にもいろんな情報収集に行ってもらい、現場の声も聞きながら、その経済の方向性、変調の兆しをしっかりと見極て、必要だと判断すれば、躊躇なく対策を打っていきたいと考えております。
(問)社会保障について、今回、経済財政諮問会議でも議論されたと思うんですけども、改めて全世代型社会保障検討会議との役割分担についてお教えいただけますか。
(答)はい。全世代型社会保障検討会議は、御案内のように、社会保障に関係する政府内の会議の代表者の方々に集まっていただいて構成しております。骨太方針で大きな方向性が既に示されておりますけれども、その中でもより骨太な大きな方向性について基本的な考え方と具体的な方針を取りまとめていくことを考えております。
一方で、経済財政諮問会議における社会保障改革の議論はこれまでもなされてきておりますけれども、経済再生、これは所得・雇用、投資、人材確保など様々な視点を踏まえながら、その経済再生への効果、それから国民生活の質の向上、それから財政面の効率性といった観点から既に検討がなされておりますし、更に今後検討を深めて、2025年度の財政健全化目標の実現に着実につなげていくということにしております。
経済財政諮問会議の代表の方にも入っていただく形で全世代型社会保障検討会議も議論がなされていきますので、連携しながら議論を進め、深めていきたいと考えております。
(問)先ほど出ていた大使の方への説明会の御講演の中で、様々な社会保障政策を打つに当たっても、安定した経済が大前提とおっしゃっていましたけれども、それは、経済が下振れる場合には社会保障政策にも相応の影響があるということなのか、そうではなくて、経済を万全にするためには必要な量を確保するということなのか、お願いいたします。
(答)今日の経済財政諮問会議の資料にも、これまでの安倍政権下における社会保障の成果、経済の成果なども書かれておりますけれども、正に経済が成長することによって失業率が2.2%まで今、足元で低下しておりますし、2018年の数字までで500万人もの生産年齢人口が減る中で384万人の就業者が増えていると。この数字を足元で見ますと500万人近く増えているわけですけれども、その新しく増えた方々、職に就かれた方々が様々な形で年金なり医療なりの財政の支え手の方に回っていただいているわけであります。
それから、賃金が上がること、6年連続で今世紀最高の水準で賃上げが続いておりますけれども、賃金が上がることによって当然、社会保険料収入は上がっていくわけですので、そういったことを総合して経済が成長することによって支え手が充実し、年金・医療の財政は極めて良くなっております。協会けんぽの財政であったり組合の医療保険、健康組合の財政状況も非常に良くなっております。
あわせて、厚生年金に入られる方も400万人以上増える中で、その方々の将来の年金もより充実するということで、そういう状況が起こる中で、そうした方々も社会保障の安心が得られれば消費も増えるという、いわゆる経済と社会保障の好循環、成長と分配の好循環がこれまで我々も実現してきていると思いますし、さらに、財政再建も国債の毎年の発行額を減らし、税収が62兆円という過去最高となる中で国債も減らしてきております。
そういう意味で、今日の中でも、この経済成長と社会保障と、そして財政再建の好循環を是非作っていこうという前向きな発想でおりますので、我々としては、経済成長をしっかりと実現していくことを、経済第一に政権運営をやっていくという安倍総理の考え方の下、進めていきたいと考えております。
(問)民間議員からのペーパーの中で、今回の消費増税で採られている臨時・特別の措置について、来年度予算の在り方について検討すべきという趣旨の文言があったと思いますが、今日どのような議論が出されてたか。あと、この件に関して大臣の現在の御所感を教えていただけたらと思います。
(答)詳細はまた事務方から後でブリーフィングさせていただきますけれども、臨時・特別の措置を講ずるという方向で予算編成が年末に向けて行われると理解しております。
その中で、臨時・特別の措置でありますけれども、しっかりと成長につながるように、そしてまた今日の議論の中でもありましたけれども、生産性の向上につながるような、そんなワイズ・スペンディングと言われるような方向性を是非模索していきたいと思います。
やはり賃金を上げていくこと、この賃上げの流れを引き継いでいくということは非常に大きなテーマですし、地方や中小企業を含めて人手不足の中で生産性を上げ、賃上げを実現していくという視点も含めて有効な形で予算編成がなされればと考えております。
(問)消費税が、今度10月1日から上がるわけですけども、10%に上がって社会保障を充実させていくという、既にもう今決まっている部分もあると思うんですけども、今後、新しいことを考えていく可能性があるのかどうか。また、考えるとしたら、どんな日程感で考えていくのか、この辺りのお考えをちょっとお聞きしたい。
(答)既に経済財政諮問会議ではこれまでも議論が行われてきておりますし、その成果は骨太方針で大きな方向性が示されております。
ですので、ここに書かれている内容は、それを着実にやっていくという趣旨と、今後、全世代型社会保障検討会議の中で様々な大きな方向性の議論が行われるのと連動しながら、誰もに安心してもらえる社会保障制度をしっかり作っていこうという趣旨であると理解しております。
(問)先ほどの全世代型社会保障検討会議との関連なんですけれども、大臣の説明ですと、社会保障改革の具体策については主に全世代型社会保障検討会議の方で進めて、経済財政諮問会議の方ではそれを受けてより全体的に経済財政対策を考えていくという役割を分担するのかなと聞いたんですけれども。
(答)全世代型社会保障検討会議は、社会保障に関わる政府のいくつかの会議から代表者が集まって、そこで議論して、大きな方向性を決めようということであります。
それぞれの会議は、それぞれの任務が与えられた検討課題を持っています。労働政策審議会もあれば、社会保障審議会もありますので、こういった審議会にあっては、議論する中で大きな方向性が出れば、より具体的な制度を制度化して、法案を作っていくという作業になっていくわけでありますし、一緒に連携しながら議論していくということになります。
経済財政諮問会議は、やはりマクロ経済、マクロ政策を担当するという大きな任務がありますので、そういう意味で経済運営に万全を期すという視点から、今申し上げたような経済と社会保障の好循環もありますし、それから、財政再建に向けて様々な取組の議論もこれまでもなされてきていますし、そういう任務で今後も議論していくということになります。
そうした観点から、先ほど申し上げた経済再生への効果とか、国民生活の質の向上とか、あるいは財政面の効率化とか、こういった観点で検討を深めていくということになります。
(問)そうしますと、全世代型社会保障検討会議の方では、当面、来年の骨太方針2020に向けて取りまとめということはありますが、それで一応区切りというよりも、検討会議は更に継続して社会保障改革についての検討を進めていくと。
(答)全世代型社会保障検討会議の一応のターゲットは、年内に中間報告をまとめて、来年夏に最終の報告をまとめると。大きな骨太の方針の中でもより骨太の大きな方向性について、基本的考え方や具体的な方針をまとめていくということになっておりますので、そういうタイムスケジュールで、まずは議論していきます。
(問)消費増税の関係の駆け込み需要のところなんですが、先ほど、全体としては大きな駆け込みはないとおっしゃったと思うんですけれども、それをもう少し具体的に言うと、どういうニュアンスなんでしょうか。
(答)様々な統計データを見る限り、前回の8%に増税したときに比べて、この増税前のこの期間の住宅、自動車、それから様々な品目の大きな需要増は見られないというのが、全体としての判断です。
ただ、ここのところ家電を中心にいろんなセールも行われておりますし、それから、週末もいろんなテレビの報道もございました。家電製品、白物家電などで若干売上増が見られるところはありますし、週末の報道を見ておりますと、セールなどで非常に活況を呈しているという報道もございました。
そういったところもよく見なきゃいけませんけれども、全体としての数字としては、大きな駆け込み需要はないという判断をしておりますし、各地あるいは経済団体からの意見、あるいは本日の経済財政諮問会議でも全体としては落ち着いているという声が非常に多いという、そんな認識をしております。
(問)民間議員ペーパーの「社会保障分野のこれまでの成果と今後の重点課題」の2のところで、「予防・健康づくりや創薬等でのイノベーションの推進、データヘルス等を通じて社会保障面から経済再生やQOLの向上を牽引」云々とあるんですが、これはこうした予防・健康づくりや創薬、データヘルスなどの産業振興に対して、社会保障の財源を振り向けて、これを経済再生に結び付けるとも読めるんですが、こうした社会保障の財源をまた別のこういった予防・健康づくり等に振り向けていく、新たに追加的に振り向けていくというようなイメージを大臣としてはお持ちでしょうか。
(答)医療分野において今後、全世代型社会保障検討会議で様々な議論が行われていくと思いますので、あまり取りまとめ役である私から「これとこれとこれ」というテーマは言わない方が良いと思っておりますけれども、ただ、一般的に、予防・健康づくりが大事だというのは多くの方々と共通認識であると思いますし、本日も正に経済財政諮問会議の民間議員としては予防・健康づくりは大事だという認識で、これまでもそうした議論が行われてきております。
その中で、そこにもありますけれども、データヘルス、データを活用しながら一人ひとりの健康管理を行っていく、あるいはその分析や予防に関するサービスといった分野で新しい産業を、民間の力も借りて、そういう分析を行ったり、新しいサービスを行っていく、そういう産業化はあるのではないかという御指摘であります。
ですので、これからデータ、第四次産業革命的ないろんな技術を医療分野でも使っていくことになりますけれども、そうした中で正にデータを活用する産業分野、産業が新しい産業を生み出していく、あるいは新たなそうしたサービスが生み出されていくということも期待しているという指摘ですね。
(問)それはやはり財源として、社会保障財源も視野に入れながら、そういった産業振興を図っていくということなんでしょうか。
(答)産業振興を図るというか、これはビジネスとしてデータを分析したり、新たなサービスを提供するというのは、もうあちこちで既にビジネス化がなされている部分もありますし、世界でも進んできている部分がありますので、これはこれで民間のサービスとしてしっかりと産業化がなされていけば良いと考えております。
3.多田内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明
それでは、本日開催されました令和元年第7回経済財政諮問会議について、概要を御報告します。
先ほど、大臣から御紹介がありましたように、今日は3つの議題でした。
「新内閣において重点的に取り組むべき今年後半の課題」については中西議員から資料1、「社会保障分野のこれまでの成果と今後の重点課題」については事務方の井上統括官から資料2、新浪議員から資料3に基づいて説明があり、これら2つの議題について、まとめて意見交換を行いました。
主な意見を御紹介します。
まず、閣僚からですが、厚生労働大臣からお話がありました。5月に取りまとめた、2040年を展望した社会保障・働き方改革本部取りまとめに関連して、多様な就労・社会参加の環境整備、健康寿命の延伸、それから医療・福祉サービスの改革、こういった3つについてお話がありました。
先般、全世代型社会保障検討会議で議論が開始されたが、人生100年時代を見据えて、全ての世代の安心につながる全世代型社会保障制度を議論するには、今申し上げた3つの観点を含めて、年金・医療・介護など、社会保障の在るべき姿を考えていくことが重要。その際には、2025年の先、団塊ジュニア世代が高齢期を迎えて、生産年齢人口の減少が加速する2040年頃を見据えた社会保障改革を考えるべき、そうした中の制度の持続可能性の問題も議論していくべきだといったお話がありました。
続いて、麻生財務大臣です。麻生財務大臣は、2つの議題それぞれについてコメントがありました。年後半の課題に関して、明日からの消費税率10%への引上げに当たっては、前回の経験と反省を踏まえて、軽減税率や思い切ったポイント還元を始めとする十二分の対策を講じたところであり、これらを遺漏なく実施していくことで消費をしっかりと下支えし、経済の回復基調を確かなものにしていきたい。その上で、海外発のリスクも含め、経済状況を丁寧に点検するとともに、東京オリンピック・パラリンピック後も視野に入れて、経済財政運営を進めていくことが重要。日本は人口減少・少子高齢化という大きな課題に直面しており、民需拡大と生産性向上につながるような構造改革を加速して、希望ある社会を創っていかなければならない。今後の予算編成過程では、経済財政と財政再建の両立が着実に実施されるよう、各府省としっかりと議論を行いながら、質の高い予算編成をしていきたいといったお話がありました。
社会保障の関係では、団塊の世代が後期高齢者となり始める2022年度以降、医療・介護を中心に社会保障関係費の急増が見込まれる。この前立ち上がった全世代型社会保障検討会議と連携しながら、地域医療構想の実現や薬価制度の抜本改革など、改革工程表に沿って改革を速やかに実行していく必要があるといったお話がありました。
続いて、高市総務大臣からお話がありました。民間議員のペーパーに関連して、AI・IoTの活用と地域の企業に対する支援を総務省としても行っており、アドバイザーの派遣などもしている。それから、来年度に向けて5Gに取り残されることがないように、ローカル5Gにも取り組んでいきたい。デジタル・ガバメントに関連しては、自治体システムの標準化に取り組んでいるといった話があり、併せて、業務の標準化についても取り組んでいきたいということでした。
その上で、サイバーセキュリティが非常に大切であり、コストという観点からだけではなく、国際競争力の強化にもつながる。特に命に関わるような分野では非常に大切であり、例えば医療関係というところのシステムの攻撃も増えている。こういったところにはしっかりと厚生労働省にも、あるいは厚生労働省関係の団体にも、協力を頂きたいといったお話がありました。
その後、西村大臣から、最近の現場での把握についてのお話がありましたが、これは先ほど、大臣御自身から御紹介がありましたので、私からは割愛したいと思います。
その後、民間議員から、それぞれ御発言がありました。
まず1人目の民間議員です。ペーパーの中で、リスクが顕在化する兆しがある場合に、機動的なマクロ経済政策を実行していくことが重要だという指摘。その時のポイントが二つあるということで、軽減税率やポイント還元などで短期的には混乱が生ずるかもしれないけれども、その話と内外経済のリスクといったものは分けて考えるべきだということ。それからもう一つは、機動的な対応の中身として、将来の成長力の改善につながるものとするべきだというお話がありました。
これは二つ目の資料とも関係しますが、経済・財政・社会保障の三つは相互に関係しているので、良循環をもたらす全体としてのプランを経済財政諮問会議として示すべきだというお話。そして、恐らく将来の成長の改善につながるものの具体的なお話として御紹介があったのだと思いますが、デジタル化の実装が決定的に重要であり、現場レベルの実行を促していくような提言をしていくべき。個々の人たちが何をすれば動くのか、そういったところを考えるべきだということ、それから、やはり人が重要であり、兼業・副業を含めて部分的でもいいけれども、地域で活躍してもらうような工夫を考えるべき。
それから、規制の見直しやデジタル化を通じた産業化といった取組が大事であり、また、社会保障については、そのデータを使った効率化で負担の減る効果も期待されると。これは将来的にということかもしれませんし、今の人かもしれませんが、若者になじられるといったたことのないようにしっかり課題に取り組んでいくべきだというお話、以上が一人目の民間議員です。
続いて、別の民間議員です。消費税率の引上げと、リスクへの対応については、臨時・特別の措置がある。その活用が謳われているという中で、これは財政の厳しい規律から、ある意味で自由に考えられる部分かもしれないと、そこは日本経済の活性化にとって非常に大切であり、上手く活用することが大事。
論点はたくさんあるが、いろいろ考えてみると、全部に通ずる一つの共通事項がある。それは何かというと、中小企業の生産性向上ではないかということで、これについては自分としてもしっかり勉強して、課題対応を検討して提案していきたいといったお話がありました。
三人目の民間議員です。3%引上げ時と比べて比較的冷静であると受け止めている。これはラグビーの話だと思いますけれども、アイルランドに勝ったことは大変良いことで、「景気は気から」ということもあるので、そうしたところを意識してほしい。QOLを上げていくということにもしっかり取り組んでいくことが必要だ。
これからの日本の将来を考えていくと、労働力人口が永続的に増え続けていくということはないだろう。投資が弱含んでいることも踏まえて、投資減税などもしっかりと検討してもらいたい。サンドボックス制度というのも大変良い仕組みだが、まだまだ国民の中に知られていない。そうしたところの広報活動も政府はしっかり取り組んでいくべきだということと、実証段階から実装に移していくことが大事。
中途採用助成金も大幅に拡充すべき。潜在的に有望な人材が中小企業の方に流れていくような政策を打つべきで、その際には特に金融機関のシニア人材などの活用を考えるべきだと。ドイツと比べて輸出振興の部分が弱く、日本の場合もアジア、インドへの輸出振興の支援に取り組むべきだといったお話がありました。
最後に、総理から簡単に御発言がありました。中小企業の生産性向上に関しては、実態を詳しく分析することが必要ではないか、そしてその新しい人材が中小企業に行きやすくするようにしていきたいといったお話がありました。
以上が議題1と2の意見交換の内容です。
次に、「日米貿易協定の共同声明を受けて」についてです。こちらについては、まず茂木外務大臣から御発言・御報告があった後、竹森議員から資料4の説明があり、その後、意見交換がありました。
意見交換の中では、菅原経済産業大臣から御発言がありました。今回の両首脳間での最終合意を確認することができたのは喜ばしく、経済界からも評価を頂いているといったお話がありました。
また、経済産業省としても、巨大な市場でビジネスチャンスが獲得できるよう、支援していくことが重要。その際には地方の中堅・中小企業がEPAなどを一層活用できるように、具体的な情報提供や相談対応の充実・強化、「新輸出大国コンソーシアム」によるワンストップの海外展開支援の充実などを通じて、拡大するデジタルビジネスの分野を含め、我が国企業の新市場の拡大を全力で支援していきたいといったお話がありました。
民間議員からの発言です。今回の日米交渉の成果は総理と茂木大臣の粘り強い交渉の結果であり、今後もRCEPをはじめ日本が自由貿易の旗頭として旗を振り続けていくべきであるという御指摘がありました。
別の民間議員です。日本はデジタル貿易についてのルールづくりに先導的な役割を果たすべきである。地方中堅・中小企業が世界に踏み出す大きなチャンスであり、その点に焦点を当てて取り組むべきだというお話でした。
以上です。
最後に、総理から締めくくりの御発言がありましたけれども、こちらについての紹介は割愛したいと思います。
私からは以上です。
(以上)