第13回記者会見要旨:平成27年 会議結果

甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:平成27年7月22日(水曜日)18時25分~18時46分
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

第13回経済財政諮問会議について概要を申し上げます。
本日の議題の一つ目は、「予算の全体像」と平成27年度の経済動向についてであります。
まず、内閣府事務方から資料1の年央試算の説明、私から資料2を説明し、「平成28年度の予算の全体像」を案のとおり経済財政諮問会議として取りまとめたところであります。
次に、平成28年度概算要求基準につきまして議論を行いました。内閣府事務方から資料3、麻生議員から資料4について説明の後に意見交換を行いました。
主な意見を紹介申し上げます。
まず、経済産業大臣から、「中長期試算については、歳入増に関する踏み込んだ分析が必要と考える。また、推計期間について、2023年のその先を示すことも課題ではないか。」
内閣府事務方から、「今後検討させていただきたい。」
続いて、民間議員から、「収支改善は良いことであるが、これで改革の手を緩めてはならない。2017年4月の消費税率引上げや海外の経済動向など不確定な要素があって楽観すべきではないこと、2020年度黒字化は通過点の目標であって、債務残高の対GDP比を引き下げていかなくてはならないことを念頭に置いてしっかりと改革の推進に取り組んでいくべきである。」
同じく民間議員から、「歳入増が続く改革の継続が重要である。民間設備投資などのロードマップの策定なども検討課題ではないか。」
同じく民間議員から、「概算要求基準について2点申し上げたい。全ての経費について、聖域を設けることなく、施策・制度の抜本的見直しを行うことが示されているが、これが肝であるので、この点を踏まえた査定を財政当局にはお願いしたい。優先課題推進枠が裁量的経費削減の埋め戻しに使われたり、削った経費が補正予算に逃げ込むことがないように厳しい査定をお願いしたい。」
同じく民間議員から、「将来に向けた中長期試算と同時に、例えば、過去2、3年くらい安倍政権発足時まで遡って、予定した成果が上がったか否かなどしっかり検証を行い、今後に活かしていくことが重要である。」
民間議員から、「経済再生の実現には労働力供給の問題が大きい。女性の活躍同様、高齢者の活躍促進が重要であり、これらの活用を阻害する要因を分析し、対処していくことが必要である。」
次に、3番目の議事といたしまして、今後の経済財政諮問会議の取組について、前回の御議論も踏まえ、私が取りまとめました資料5について説明いたしました。また、伊藤議員より、7月17日の政策コメンテーター委員会の報告会について、説明がありました。
主な御意見を紹介いたします。
民間議員から、「プレミアム商品券などにより地域の消費活動の活性化が図られているが、その効果をきちんと検証することはPDCAの観点からも重要である。」
同じく民間議員から、「民間の消費と投資を伸ばすには、政府と民間のコミュニケーションをもっと図ることが必要である。そのために産業競争力会議と連携すべきである。」
麻生大臣から、「労働力不足に関連して、アメリカではレジに人がいないセルフレジが多いが、日本ではどこまで人を減らせるものか。」
これに答えて民間議員から、「日本でもかなり進んでおり、地域によって難しいところもあるが、サービス産業ではそういう方向に進んでいくと思う。」
ここで、総理から発言がありました。
「本日、概算要求基準の設定等に向けて、「平成28年度予算の全体像」を取りまとめていただいた。民需主導の景気回復が見込まれる中、28年度においても、着実なデフレ脱却・経済再生に向け取り組むとともに、PB赤字の対GDP比の改善を実現していくことが重要である。関係大臣には、この「予算の全体像」を踏まえ、「経済・財政再生計画」の初年度である28年度予算編成過程において、歳出改革等の具体化を進めていただきたい。また、本年後半の経済財政諮問会議について、甘利大臣に今後の取組方針を取りまとめていただいた。この方針に基づき議論を深め、デフレ脱却・経済再生を確実にするとともに、経済・財政一体改革を強力に推進してまいりたい。」
なお、本日説明のあった「中長期の経済財政に関する試算」及び「内閣府年央試算」について、私から、今後の閣議で報告することといたしております。
以上です。

2.質疑応答

<PB黒字化の実現可能性について>

(問)今回示された試算では、この間、骨太の方針の財政健全化計画で示された2020年度のPB黒字化というものが盛り込まれていないということで、まだ赤字が6.2兆円残るということですが、このことに関してまず受け止めと、黒字化達成の道がこれを見るとかなり難しい、曖昧という指摘もあるかと思うのですが、その辺はどのようにお考えなのか、お聞かせ願います。

(答)今回の改定を見ますと、黒字化達成の道が前回試算よりは改善されているということであります。
歳出について、専門調査会が設置されて、本格的な改革を実行していくこと、あるいは公的サービス、社会保障サービスのイノベーションに関するプラットフォームを政府統一の仕組みとしてつくってベストプラクティスを実施していくことをこれから始めるわけです。
改革前の状態でかなりの改善が見られており、これは二つの要素からです。
一つは、税収の上振れがあって、発射台がかさ上げされたということ、それから前回は2016年度の歳出に物価高を単純に織り込んでいましたが、今回は半分を削減していくことを織り込んでいますから、その二つの要素によって9.4兆円が6.2兆円の幅に縮まっています。
民間議員からの指摘もありましたように、アベノミクスの効果によって既に2020年度の改善幅が縮まっていることで、手綱を緩めてはいかぬということで、むしろそれを超えて改善する、つまり2020年がゼロをむしろ超えていくというくらいの気概でやってほしいということでした。
これから本丸であります公共サービス、あるいは社会保障サービスの改善、その横展開に向けて仕組みができていきます。手綱を緩めることなく、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。


<改革によるPB黒字化>

(問)先ほどの質問とも関連するのですけれども、6.2兆円の赤字が残るわけですけれども、骨太の方針に沿った改革を進めれば、黒字化達成は視野に入ったという認識なのでしょうか。そのあたり御所見をお願いします。

(答)今の時点で視野に入ったとか入らないというよりも、これは安倍政権としてコミットしていることですから、これに向けて確実に取り組んでいくということであります。
ただ、前回の試算のときよりは努力幅が小さくなったことでありますけれども、黒字が達成されたわけではないですから、これによって政府、あるいは与党内に歳出拡大の主張が出てくることは厳に慎まなければならないと思いますし、民間議員からも警鐘を鳴らされたと思っております。


<歳出削減策について>

(問)中長期試算では歳出の方も2020年度に1兆円程度縮んでいると思うのですけれども、これは16年度の歳出削減分を見込むということでしょうか。今まで物価で見ていたものを半分にするということですが、これは、かなり削減策をやっていって減らすというイメージなのでしょうか。

(答)先般骨太方針を取りまとめた際、アローワンスを見るとしています。物価・賃金アローワンスという表現をしました。過去3年間の社会保障、そして社会保障外の歳出の伸びは、社会保障について言えば高齢化要因以外はほぼ横ばい、社会保障歳出以外はほぼ横ばいで来て、1,000億円のプラスぐらいだったと思います。それに脱デフレでインフレに持っていくわけですから、その物価のアローワンスや、当然、賃金上昇も物価上昇に従ってなされていかなければなりません。その経済の状況変化の幅は見ていこうということで骨太方針ができています。しかし、あくまでも物価上昇を丸ごと飲み込むということではなくて、削減努力は当然していくということが打ち出されているわけです。その方針でいきますと、今回お示しをしているような改定値が出てくるということであります。あくまでも、公的サービスの産業化や公共サービス、社会保障サービスのイノベーション、あるいはインセンティブ改革にこれから取り組んでいくわけであります。その改革努力のメインは構造改革ですから、残りの部分の6.2兆円を縮めていくということになろうかと思います。
民間議員から示された過去の発言を見ますと、9.4兆円も、成長と歳出カットで埋めていこうということでした。その手綱を緩めないということになろうかと思います。
ですから、残りの6.2兆円については、構造改革努力、今回示した部分については従来型の無駄をなくす、見直す等々を徹底的にやっていくということと、それから、本格的な構造改革はそれから先の部分が主要に担っていくというふうに思っております。

(問)特に前回より下がるということで、歳出もその分甘くなるなどということはないですか。

(答)それは、民間議員からの指摘もありましたけれども、厳に慎むと。今回の改定値をないものとみなして、歳出の削減努力、構造改革努力はやっていき、その結果、過剰達成になればなったで、それはいいことではないかという発言がありました。
ただし、我々が一年一年を括らないで3年間で見る、あるいは、そのときに、それから先の経済の状況をしっかり勘案して、それ以降の目標を達成していくと申し上げたのは、3年目でマイナス1%、そして5年目でプラスゼロということに向かっていく際に、経済成長が財政再建を牽引するという基本がぶれてしまっていないかということを常に頭に入れながらやっていきますから、あくまでもこの2020年度のPBはプラスゼロを達成して、それから上乗せ部分について成長を失速させないような前提で、その余剰達成をしたとしたならば、それをどう使うかということは、成長が再建を牽引するという基本路線をしっかり見つめながら、経済成長を揺るがせにさせないという基本路線の上に、財政再建が乗っかっていくのだと思っています。


<消費税率引上げの可能性について>

(問)2020年度に6.2兆円がまだ赤字のままであると。しかし、今度の財政再建計画の中身をある程度織り込んだ上で、6.2兆円と。ここから、さらにゼロになるという見通しは本当にあるのか。2018年度にもう一回見直すというときに、もし、成長を中心にしながらやっていくというところができないのであれば、例えば更なる消費増税ということも考え得るのかどうか。
今のところはやらないという路線でいくということになっていますが、2018年度になればそういう可能性もあり得るのかどうか、を教えてもらえますか。

(答)基本は、2020年度にPB黒字を達成するスケジュールの中で、消費税率を10%から更に引き上げていくという考え方はとっておりません。税収増の考え方として、単に消費税率を引き上げるという以外に、いろいろなツールがあるかと思います。2018年度で達成状況を検証しながら、歳出、歳入についての対応をそこで検証することになろうかと思います。
基本は、消費税率を10%以上に、2020年までの間にコミットするということは、ありません。


(以上)