第6回記者会見要旨:平成27年 会議結果

甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨

  • 日時:平成27年5月19日(火曜日)19時10分~19時45分
  • 場所:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室

1.発言要旨

第6回経済財政諮問会議につきまして申し上げます。
本日は、榊原議員は海外出張のため欠席でありました。
まず、概要として、本日の議論を受けて、最後に私が取りまとめた点を先に御紹介を申し上げます。
「まず、各歳出分野ともに、公的分野の産業化、インセンティブ改革、見える化といった取組を進めるとの点で一致した。また、民間議員から、KPIと工程表の設定について提案があった。本計画の取りまとめ段階で書き込めるものは書き込み、その後さらに専門調査会も活用して具体化したいと思う。
さらに、社会保障や地方公共サービスといった分野の産業化は、本計画の重要課題である。優良事例の全国展開の具体化を含め、経済再生を推進する具体的提案を次回、民間議員からお願いをしたい。
社会資本整備に関しては、太田国土交通大臣には、総理指示を踏まえ、重点分野における優先度とその時間軸の明確化について経済財政諮問会議に御報告をいただきたい。
民間議員の御提案の取組の必要性・重要性については、合意が得られたと思う。具体的に進めていくため、1.PPP/PFIについて優先的に検討する仕組みについて関係者とよく相談しつつ、検討に着手したいと思う。2.太田国土交通大臣には、見える化の観点から一定規模以上の新規のインフラ、公共施設等の後年度の維持管理コストを明確化することについても御検討を願いたい。また、既存ストックの有効活用のためのKPIや再投資の仕組みなど推進のための具体的仕組みをお考えいただきたい。また、本日の経済財政諮問会議での議論も踏まえ、次期国土形成計画の策定をお願いしたい。3.高市総務大臣には、各自治体の固定資産台帳等のストック情報の整備を、各自治体や住民自ら、簡単に比較ができる形で推進をしていただきたい。また、地方行財政改革のKPI、さらには公共施設等総合管理計画をインフラの効率化等に資するものとするための体制づくりの案やインセンティブの在り方を示してほしい。」
次に、本日の具体的な議論について、御紹介をさせていただきます。
本日の議論の一つ目は、塩崎厚生労働大臣に参加いただき、経済再生と両立する財政健全化計画の策定に向けた論点整理の各論について議論を行いました。伊藤議員から資料1-2、新浪議員から資料1-3の説明、問題提起があり、その後、意見交換を行いました。
議員の方々からいただいた主な御意見を御紹介申し上げます。
まず、塩崎厚生労働大臣から、「社会保障費の増加を高齢化要因の範囲に抑制すべきとの提案は、経済成長や医療技術の高度化を抑制するおそれがある。社会保障を持続可能なものとしていくという問題意識は共有するが、高齢化要因か否かという二元論に陥らない考え方が重要である。後発医薬品の使用促進については、現在の進捗状況を踏まえ、新たな目標を設定することが必要である。一方で、成長戦略の実現に向けたイノベーションの推進策も必要。次回の会議において、両者をパッケージで提示をしたい。窓口負担増などについては、過度な歳出抑制は、経済成長率や税収の伸びを下押しする効果があることに留意をすべき。公的年金の改革におけるマクロ経済スライドや受給開始年齢に関しては、歳出改革というよりは、将来世代の給付水準の確保の観点から議論をすべきである。」
続いて高市総務大臣から、「地方交付税は、地方の固有財源。地方は、諸外国に比べ多額の債務残高を抱えており、約33兆円の交付税特別会計借入金や約50兆円の臨時財政対策債の償還を法定率分から行わねばならず、法定率の見直しを行う状況にはない。PPP/PFIの導入の原則化については、地方団体ごとに事業規模や置かれた経済状況が異なること、公共投資・公共施設等の性質からみて、PPP/PFIに必ずしもなじまないものがあることに留意が必要である。まず、国で率先導入し、官民双方の作業負担が少ない仕組みを構築すべきである。財政力指数は、標準的な歳出や地方税収の動向により決まるものである。地方歳出の大半が法令等により義務づけられている経費や国の補助事業であるので、財政力指数の目標を議論するためには、将来にわたる国の歳出や歳入の動向が明らかにされることが必要である。」
財務大臣から、「税制の構造改革の提案については、確かに人口構造の変化などを踏まえた総合的な改革を検討すべき時期に来ていると感ずる。財政健全化計画で方向性を示していただき、税制調査会で具体的な検討に着手できればと考えている。」
続いて宮沢経済産業大臣から、「前回の会議では、歳出改革で5~6兆円程度歳出を減らすべきだという御提言があったが、本日のような改革効果の試算値を積み上げると5~6兆円になるということなのか。マクロフレームの全体像について数字で議論する必要があるのではないか。」
民間議員から、「塩崎厚生労働大臣には、社会保障の改革について「集中改革期間の2016年から2018年度」、そして「2020年度まで」、さらには「2025年度まで」等、時間軸を分けて次回提示をしていただきたい。政府はどういう改革を行っていくか明らかにするため、KPIを骨太方針に掲げるべきである。事例も100ぐらい提示をし、横展開をしていくべきである。一律のシーリングは有効性、持続性に疑問があり、シーリングの仕組みは変えるべきではないか。」
同じく民間議員から、「歳入改革を考える際、世代間だけではなく、世代内の差を考えるべきである。したがって、フローだけではなくストックである資産についてもみていく必要がある。」
続いて、2番目の議事といたしまして、太田国土交通大臣と山谷国土強靱化担当・防災担当大臣に参加いただき、計画の策定に関し、社会資本整備に関し議論を行いました。また、3番目の議事であります国土形成計画についても関連が深いので、併せて議論を行いました。
まず、高橋議員から資料2、太田国土交通大臣から資料3、高市総務大臣から資料4、山谷国土強靭化・防災担当大臣から資料5について説明、問題提起がありまして、その後、意見交換を行いました。
主な御意見を紹介します。
まず、麻生財務大臣から、「安倍政権の下、厳しい財政状況の中で、実質的な公共事業関係費は横ばいで推移をしてきた。PB黒字化達成に向け、歳出改革の取組を継続することが重要である。人口減少が進む中で、公共事業関係費については増加を前提としないということが肝要である。集約・縮減、長寿命化、選択と集中、民間資金の活用による公的資金の抑制などをしっかり行っていくことが重要である。」
民間議員から、「公共投資は安定的に実施していくことが大事だが、今後も経済対策として使われることもあるだろう。その際のためにも重点分野や時間軸があらかじめ社会資本整備重点計画等の中で示していただけるようにお願いをしたい。また、公共投資のほか、地方及び民間の投資についてどの程度の規模になるのか示していただけないか。」
太田国土交通大臣から、「民間投資は景気に左右されるところが大きいものである。また、公共投資がなされることで、民間の投資が誘発されることもある。」
民間議員から、「PPP/PFIの実施に当たり、PPP/PFIの担当大臣である甘利大臣は、総務大臣、国土交通大臣と連携して、その拡大に努めていただきたい。」
最後に私から、「メリハリのついた公共施設の集約化、長寿命化も喫緊の課題。民間議員提案にあったような交付金の優先配分といったインセンティブの仕組み、インフラの情報開示・見える化も関係大臣にご検討をお願いしたい。
PPP/PFI担当大臣として、民間議員提案について、いろいろ困難なこともあると思うが、一定規模以上の事業や大きな自治体等では、PPP/PFIを優先的に検討する仕組みを構築することが重要である。国土交通大臣、総務大臣、金融担当大臣等の力も借りて検討を進めたい。」
総理から発言がございました。ポイントをご紹介いたします。
「経済・財政一体改革に向けて、重点的に取り組むべき各分野の論点を整理いただいた。いずれの分野でも、経済再生や必要な公共サービスを維持しつつ、歳出抑制を実現するため、インセンティブを重視した改革や公的部門の産業化を進める必要がある。そのためには、公共サービスの「現状、コスト、政策効果」の徹底した見える化を強力に推し進めたいと考えているので、よろしくお願いしたい。
社会資本整備については、民間活力を大胆に取り入れ、マネジメントを含めた効率化を計画的に推進し、経済再生と歳出抑制の両立に向けて最大限努力することが求められる。国土交通大臣には選択と集中を徹底するため、社会資本整備重点計画等において、重点分野における優先度、その時間軸を明確化していただきたい。また、PPP/PFIなどの取組も飛躍的に進めていただきたい。
また、関係大臣におかれては、本日の議論を踏まえ、公共施設の計画的な集約・縮減、公的ストックの有効活用など、さらに議論を深めていただきたい。引き続き、「骨太方針2015」の策定に向け、精力的な審議をお願いしたい。」
以上です。

2.質疑応答

<民間議員提出資料の位置付け>

(問)まず、この民間議員の提言が、論点整理という形で出されましたけれども、事実上これをたたき台にしながら議論を進めていくというご認識でいらっしゃるのか。この位置付けをどうお考えになっているのか教えてもらえますか。

(答)議論の土台として民間議員から提案がなされました。もっと数値化していけとか、具体化していけとか、いろいろ指摘や議論がありましたけれども、これを土台として、関係大臣から次なる指示、指摘を踏まえた具体的な検討結果がなされるであろうと思います。
このキャッチボールをしながら、具体的に、できるだけ姿形のみえる方向にしていきたいというふうに思っております。


<公共事業について>

(問)今日は公共事業について議論されたのですが、公共事業については今回で終わりという認識なのでしょうか。

(答)大臣から、具体的に、今日の指摘を踏まえた対応が出てきますから、そこについてまた議論をするということになろうかと思います。


<民間議員の提案に対する反応について>

(問)社会保障と地方財政のところですけれども、今日出たペーパーの中でも、厚労省や総務省としてはなかなか請け負えないようなものもあるのかなと思うのですが、その辺の反応というのは、大臣からあったのでしょうか。

(答)厚労大臣からも、総務大臣からも、なかなか指摘どおりには簡単にはいかないという答弁がありました。総理指示を踏まえてより具体的な、そしてかなり厳しい要求をしていくつもりであります。
そういった中で、何もできないということであるならば、では何をすれば良いのかという話になります。社会保障と地方財政の分野はロットも大きいということがありますから、そこに手がつかなかったら、とてもプライマリーバランスの黒字化計画は成り立たないわけであります。全て成長で黒字化を目指すということはなかなか厳しい話になりますし、また、成長した分だけ配分をというような議論になってしまったら、元も子もないわけでありますから、そこは厳しくやらせていただきたいと思います。


<財政健全化計画における数値目標について>

(問)諮問会議の中でも、例えば先ほどおっしゃっていた5兆円とか6兆円とかという数字など、具体的に数値化した方が良いのではないかというような意見もあったのですけれども、最終的に出てくるメニュー、例えば年金の支給を高額所得者に関しては減らすなど、一つ一つのメニューについて、どういう効果があるのかということを示しつつ積み上げていくイメージで最終的に決着していくのか、それとも、具体的な数字は、出すかどうかも含めてまだペンディングということなのか教えてもらえますか。

(答)2020年までのプランに、数字が全く入らないということはないと思います。現に民間議員からは、2年前には既に赤字幅1%というものを提示すべきだと提言されており、もうかなり厳しい数字が入っています。それを各論でどう割り振っていくかということと、それから、産業化、インセンティブ、あるいは横展開というものが、どれくらい具体的な数字になっていくのか。今後詰めていく中で、かなり幅を持った数字になるのか、それともかなり具体的にフォーカスを絞り込んだものにできるのか、そこは今後検討していきたいと思っています。


<薬価改定について>

(問)一点、少し個別の話ですけれども、民間議員の提案の中にある社会保障、医療のところなのですが、薬価の改定の頻度について、毎年改定をするように求められています。毎年改定については、昨年度の骨太でも、頻度を含めて検討すべきという話が入ったと思いますが、その後1年経ちまして、流通への影響とか、新薬創出への意欲を削ぐとか、いろいろな課題も出てきていると思いますが、今回の民間議員の提案について、大臣はどのように受け止めており、今後どのように対応されるお考えがあるのかということをお聞かせください。

(答)薬価改定のサイクルは、消費税等を含めて、2016年度、2017年度、2018年度において、毎年改定をするという工程に既になっております。そういう中で、コストと削減効果を、事実として検証できていくのではないかと思っています。


<働き方に中立的な税制について>

(問)税制改革の部分について伺いたいのですけれども、働き方に中立的な税制ですとか、資産課税の見直しという点、昨年もかなり踏み込んだ議論がなされて、細かい議論も含めてなされたと思うのですが、今日の議論、あるいは今後の議論でどの程度、更に踏み込んだ議論を進めていくべきなのか、またこの問題についての大臣の御所見をお聞かせください。

(答)働き方に中立的な税制に関しては、できるだけ早く結論を出したいと思うのですが、少し時間を要するのではないかと思います。今年いっぱいというわけにはなかなかいかないのかと思います。


<診療報酬体系の見直しによる影響について>

(問)民間議員の提案の病床再編について2点お伺いいたします。ペーパーの中で「地域医療構想の実質的前倒し」に向けた「診療報酬体系の見直し」という文言があるのですけれども、その診療報酬による医療提供体制の誘導というのは、一定の効果が期待されると同時に、過度な影響があるのではないかということを懸念する声もあるのですが、その点についてどんな御認識をお持ちでいらっしゃるのかということを教えてください。
それと同じところで、「医療費適正化の改革が進まない地域における診療報酬の引下げも活用する」という文言もあるのですけれども、これを文字通りに行いますと、地域によって医療サービスの価格が異なるということになりかねないのですが、その点についても御所見をお伺いします。

(答)基本は社会保障全般について、一人当たりにかかっているコストは相当差があります。確か、医療費で言えば5割以上、介護等で言えば数倍というぐらいの差があるはずです。それは一体どこから生じているのか。もちろん、地域によってバックグラウンドが違うということは配慮、加味しても、こういう条件でやっている県どうしであれば、あるいは地域どうしであれば、ほぼ同じコストでできるはずだということがあると思います。ですからこれは、ベストプラクティスの横展開ということで、全く違うことをやっているなら別ですけれども、例えば人口密度が違うなどという場合は、同じような県をグラフ等で比較してみますと、同じような条件の自治体でも格差が出ています。その原因はどこにあるのかということをひもといて、ある県がやっている対応はよその県、あるいはある自治体でやっているのがよその自治体でもできないはずがないわけでありますから、やっていることを横展開してやってもらいます。


<地方行財政改革について>

(問)今のお話に関連して、地方財政の話で、インセンティブで改革をしたり、いろいろ横展開というお話でしたけれども、これで地方が一所懸命頑張ったところで、その成果は国が召し上げる構図になっているのではないかなとみてとれるのですけれども、それで一所懸命やってくれるものでしょうか。

(答)インセンティブというのは、それをやると得になるということですよね。それはこれから国保の運営が県主体になっていきますけれども、当然それぞれ足りない部分を賄っていくという現状の中で、こういう取組をやったらこういう特典があるということを通じて、行動を、背中を押していくということになっていくのではないかと思います。その設計についてはもちろん自治体側に立って、どういうインセンティブ設計がいいのか、しっかり考えていきたいと思っています。


<税制の構造改革について>

(問)歳入改革のところ、税制の構造改革というところに書かれていることなどは、基本的には増税を意図して盛り込まれたものではないという理解で良いのですか。

(答)消費税引上げ云々という意味合いはありません。例えば医療でいえば、例えば糖尿病とか高血圧とか、ロコモティブシンドロームという、膝関節等の障害によって行動が制約されると、そういう疾病について、健康維持産業が生まれることによって、医療費が1兆2,000億円削減され、そしてその周辺産業が4兆円起きる。その周辺産業が4兆円起きるということは税収を生み出すということになるわけです。ですからこの公的サービスの産業化、これは社会保障の分野も含めて、そこが産業化することによって、医療費自体が削減されると。その周辺産業を使って、まあ健康指導等いろいろあるのだと思いますが、そこから産業が生まれ、そこから税収が生まれてくるという発想であります。


<働き方に中立的な税制の狙いについて>

(問)その増収の部分というのは、そういう社会保障の改革等で出てくる部分で、例えば、働き方に中立的な税制というのも、やり方次第では増税になる可能性もあると思うのですけれども、そういうことは意図していないのでしょうか。

(答)働き方に中立的な税制というのは、主婦などの女性が働きに出る、あるいは出ないことに対して中立的な税制というものです。それは議論がちょっと違うと思うのですけれども、家庭で支える、あるいは働きに出る、どっちが得か損とかじゃなくて、どっちも中立的に対応する。つまり女性の社会進出の足も引っ張らないし、無理やり家庭から追い出すこともないということで、そういう意味で中立的な税制です。


<財政健全化が導く未来について>

(問)全体のざっくりした話になるのですけれども、財政健全化という話だから仕方ないのかもしれないのですが、ちょっと明るさが足りないかなという感じがするのですけれども、これをやったら、こういう明るい未来があるのだとか、その辺というのはどうでしょうか。

(答)その辺もしっかり描きたいと思います。先程来申し上げているインセンティブ改革とか、これをやるとこういう良いことがあると。それから国民運動として、要するにみんなが意識を持つということ。今日もテレビで、重複受診の薬が余って、全部飲むと病気になるみたいなことを放送していましたけれども、そういったことが事実としてあるわけですね。あれによって薬剤費が相当、兆円単位で余計に支払われているのだと思います。それは、もらってこられる皆さんの孫が負担するのですよということで、自分が気をつけることによって、自分の孫やひ孫の苦しみを少し和らげることができるのだという意識をみんなが持つというのは、これは国民運動ですよね。
それから、従来型のカットも、一律カット方式というのは、要するに全体を強引に押し下げますから、それは何が起きるかというと、人件費と物件費コストを強引に下げるということになります。これは、我慢が何年続くかということで跳ね返ってきますから、そうではなくて、上から押し下げるのではなくて、横を縮める。人件費、物件費コストはちゃんとみながら無駄は省きますから、個々の人件費を下げるということではなくて、全体の人件費は下がるけれども、無駄がなくなるということで、縦で押し下げるのではなく、横を縮める、高さは変わらないということですね。そういう改革が大事だということと、それから歳出カットが歳入を生むという逆転の発想を持ち込むということ等、これは明るい材料になってくると思います。ただ我慢の行革じゃなくて、工夫の行革ですということを訴えたいと思います。
明るくなる、暗くなるという点に関しては、私は厳しいことを諮問会議で言い続けますから、友達はなくなるし、暗くなっていくのですけれども、それは犠牲としてしようがないと思います。


<PPP/PFIについて>

(問)PFIについてお伺いするのですが、PFI自体、そもそもPFI法とか法律ができてからかなり時間が経って、その頃から民間活力という形で活用していこうということを言われていますが、思ったほどまで伸びていないという感触が結構ある中において、今回もかなり大胆に進めていこうという話があるのですが、逆の見方で、なぜそこまで進展しないのかというところ、そこら辺の意見というのは何かしら出たりはしないものなのでしょうか。

(答)今回、一定規模の自治体で一定額以上の事業については、原則PPP/PFIとしてはどうかという提案がなされているわけですね。ある枠組みとして、これ以上の条件に当てはまる場合は活用することをまず第一に、ということを最初に示さないと、どっちでも良いからやってみてくださいということでは、なかなか気持ちが吹っ切れないのだと思います。
今日の会議でも、あまり小さい自治体にそういうのを強いるとコストがかかるとか、小さい事業についてはむしろコストが大きくなってしまうという御指摘がありましたから、それを踏まえて、一定規模以上の自治体、一定規模以上の事業について、これは民間の知恵と資本が入ったほうが効果は上がると。
一定の公共事業を確保するということについてフラクチュエーションがあると人材の確保ができないという、国交大臣から指摘がありました。要は、一定の必要な量はちゃんと算定するのでありまして、それを公的資金でやるか、民間資金を投入してやるかの違いだと思うのです。民間資金を投入してやる分だけ、公的資金が節約できますし、なされた事業の量は変わらないということになりますから、そういう知恵を使いたいと思っています。


(以上)