改革の進展

改革はこれから本番ですが、現在の進展状況は以下のとおりです。

1. 不良債権処理・金融再生・産業再生

昨年10月30日に示した「金融再生プログラム」、同プログラムの時間軸を示した作業工程表に従い、不良債権問題に全力で取り組み、平成16年度までに不良債権問題を終結させます。併せて産業再生を図る観点から産業再生機構を設立するとともに、産業再生法を抜本的に改正し、民間の叡智と活力を最大に活かしながら産業再編や事業の早期再生に向けて取り組んでいます。

2. 政策決定プロセスの改革

15年度予算編成においてトップダウンの意思決定を強化し、国民から見て分かりやすい予算編成を行うなど、政策プロセスの改革に取り組んでいます。具体的には、「基本方針2002」を踏まえ、歳出の見積もり、重点分野への予算の配分などを明らかにする「予算の全体像」を示し、さらに総理指示の下、各閣僚がトップダウンでまとめた改革案について「制度・政策改革集中審議」を開催しました。
また、積極的な「国民との対話」を通じて、新しい社会、新しい未来を創造していくため、関係閣僚などが出席するタウンミーティングを実施しています。更に、「小泉内閣メールマガジン」【首相官邸ホームページへ】別ウィンドウで開きます、ラジオ番組などによる国民との対話を通じて、国民が政策形成に参加する環境を盛り上げています。

3. 歳出改革

21世紀にふさわしい簡素で効率的な政府を作ることが財政構造改革の目的です。そのため、平成15年度予算は、歳出全体にわたる徹底した見直しを行い、一般歳出及び一般会計歳出全体について実質的に平成14年度の水準以下に抑制しました。その中で、雇用や中小企業のセーフティ・ネットに配慮しつつ、民間活力を引き出し雇用の創出につながる分野や、科学技術など将来の発展の基盤となる分野に大胆に重点配分しました。

4. 税制改革

平成15年度税制改正では、現下の経済・財政状況を踏まえ、持続的な経済社会の活性化を実現するための「あるべき税制」の構築に向け、次の改革を一体として行いました。
具体的には、我が国産業の競争力強化のための研究開発・設備投資減税の集中・重点化、次世代への資産移転の円滑化に資する相続税・贈与税の一体化及び税率引下げ、「貯蓄から投資へ」の改革に資する金融・証券税制の軽減・簡素化、土地の有効利用の促進に資する登録免許税等の軽減、人的控除の簡素化等の観点からの配偶者特別控除(上乗せ部分)の廃止、消費税に対する信頼性・透明性を向上させるための免税点制度等の改革、法人事業税への外形標準課税の導入、酒税及びたばこ税の見直し等を行いました。なお、この改革の実施により、平成15年度において1.8兆円程度の減税となり、多年度においては税収中立となります。

5. 規制改革・構造改革特区

「官製市場」(医療、福祉、教育、農業など)、「都市再生」、「労働市場」などの分野を中心に、規制改革の加速的推進を図ることにより、新規需要・雇用の創出、豊かな国民生活の実現を図ることとしています。また、小泉内閣の構造改革を更に加速させるための突破口と位置付けられる構造改革特区については、本年4月からの構造改革特別区域計画の認定が始まります。今後も、特区で実施できる規制の追加など、制度の一層の充実を図ることとしています。

6. 地方自立・活性化

国と地方の関係については、「国から地方へ」の方針の下、国の関与を縮小し、地方の権限と責任を大幅に拡大していきます。国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分について三位一体で検討し、その一部は平成15年度予算に反映させましたが、それらの望ましい姿とそこに至る具体的な改革工程を、本年6月を目途に取りまとめます。

7. 日本の魅力再生

わが国には、歴史に根ざした文化や伝統、優れた人材や企業が各地にあります。地域が持つ潜在力や魅力を引き出して、日本の魅力再生に取り組みます。
14の都市再生プロジェクトを推進し、44の都市再生緊急整備地域において優良な民間都市開発を支援します。また、観光振興に取り組み、日本を訪れる外国人旅行者を2010年には倍増させることを目標にしています。生活産業創出・都市再生・「動け!日本」の各プロジェクトを「明るい構造改革」として推進しています。更に、日本を外国企業にとって魅力ある進出先とするため、5年後には日本への投資残高の倍増を目指します。

8. 暮らしの構造改革・持続可能な社会保障制度

2005年には世界最先端のIT国家を目指しています。また、食の安全確保に取り組んでいます。社会のバリアフリー化を促進し、年齢や障害の有無にかかわらず国民が安心して生活できる社会を築いていきます。
医療制度については、国民皆保険を守り、将来にわたり良質で効率的な医療を国民が享受できるよう、先般、大幅な改革を行いました。また、持続可能な年金制度を構築するため、給付と負担の在り方について正面から取り上げ、国民的な開かれた議論の下に、改革を行っていきます。

9. デフレ克服と「大胆かつ柔軟な対応

デフレは、安価な輸入品の増加、内需の弱さやマネーサプライの伸びの鈍化などの要因が総合的に物価の下落に作用していると考えられます。政府は、デフレ克服が当面の最大の課題であると認識しており、日本銀行と一体となってデフレ克服に取り組んでいます。
また、構造改革推進に当たっては、内外の不確実な経済情勢に的確に把握する必要があります。昨年末には、「改革加速プログラム」を策定し、補正予算を編成するなど、目まぐるしく変化する経済の実態に合わせ、大胆かつ柔軟な対応をとっています。