19 規模に関して収穫一定を前提とした伝統的な貿易理論では、技術水準の相違(リカード・モデル)や要素賦存の違い(ヘクシャー・オーリン・モデル)による比較優位の差が貿易利得の源泉であり、産業内貿易は説明できない。これに対し、収穫逓増を前提とした独占的競争モデルでは、製品差別化のもとでの産業内貿易を定式化し、貿易により家計の消費生活が多様化し、効用が高まることを示している。