ECBは、当該措置は「量的緩和」ではなく、既に実施してきた資金支援を拡大したものであるが、金融危機により影響を受けた特定資産の市場機能を回復させることから、「信用緩和」と呼ぶこともできるとしている(「量的緩和」と「信用緩和」については、第1章第2節のコラムを参照)。また、トリシェECB総裁は、政策理事会後の記者会見において、カバードボンドの買取規模は600億ユーロ程度と述べている。ECBはこの他にもEIB(欧州投資銀行)をECBによる資金供給オペの対象とすることも発表した。EIBは欧州経済回復プランによる中小企業への融資や中・東欧支援等で資金需要が高まっているとみられ、こうした活動を側面支援するねらいがあるとみられる。なお、措置の詳細は09年6月4日の政策理事会後に発表される予定となっている。