IMF(2008b)では、ドルの名目実効レートの減価がドルベースの商品価格の上昇をもたらすとしており、その経路として、(1)通常、国際商品はドル建てで取引されるため、ドル安はドル以外の通貨圏の需要者にとって商品価格を割安にするため需要増をもたらすことや、供給側でドル以外の通貨圏の供給者の収益を圧迫するため価格上昇圧力が発生すること(購買力・コストのチャネル)、(2)ドル安はドル建て金融資産の外国通貨に換算した収益率を引き下げ、またアメリカにおいてインフレ圧力を高めることで実物資産の魅力を高めること(資産チャネル)、(3)ドル安はドルペッグ制をとっている国等で金融緩和につながり、金利低下や流動性の増加によって国際商品の需要が高まること、等を挙げている。