なお、投資環境の整わない途上国では、先進国で開発された技術を導入する投資やそれを使いこなす人材育成が十分でないため、むしろ先進国との間の生産性、生活水準が拡大していくこともあり得るが、一方で、先進国で開発された技術が導入される環境がひとたび整えばキャッチアップの過程が開始され、成長率が加速(「離陸」)し、急速な成長を遂げることが可能となる。本章では、先進各国間の比較に焦点を当てているため、こうした途上国のキャッチアップ過程については触れない。