42 余永定( 2004) 。この方法はクローリング・ペッグ制度と呼ばれる。これは自国と主要な貿易相手国との間の過去のインフレ格差に基づいて公定レートを定期的に調整することで実質為替レートの変動を回避しようとするもので、固定相場制よりは自由度があるものの、過去の実績値に基づいて調整がなされることから、調整が一方向に向かって行われやすく、故に期待形成を偏らせ投機を呼びやすい。したがって当該制度を単独で採用している国はほとんどない。