4 92年に締結されたマーストリヒト条約において、97年までに以下の基準を達成することとされた。(1)物価安定:直近1年間における物価上昇率が加盟国中最も低い3か国の平均値を1.5%ポイント以上上回っていないこと、(2)財政安定:原則として、一般政府財政赤字がGDP比3%以下であり、累積債務残高が同60%以下であること(ただし、十分な速度で減少し、60%に近づきつつあれば良いとされた)、(3)金利安定:名目長期金利が、加盟国中最も物価上昇率が低い3か国の平均値を2%ポイント以上上回っていないこと、(4)為替安定:統合参加前の2年間、通貨切下げを実施せず、直近1年間において通貨が欧州為替相場メカニズム(ERM)の許容変動幅内に収まっていること。98年5月の臨時欧州委員会において、11か国(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ベルギー、オーストリア、フィンランド、ポルトガル、アイルランド、ルクセンブルク)が基準を達成したと認められ、99年1月から統一通貨ユーロが導入された。