ヨーロッパの住宅ローンの形態が、アメリカで主流の「ノン・リコース型」とは異なり「リコース型」が主流であることも消費抑制の一因となろう。リコース型では、借り手が住宅ローン返済不能に陥った場合、担保設定がなされた住宅が、強制的手段や任意売却により処分がなされて住宅ローンの返済に充当されても、当該ローンの残額があればその返済義務は免除されない。バブル期で住宅価格が住宅ローン残高を上回っていれば、住宅の処分によりローンが完済されるが、バブル崩壊過程においては、住宅資産を喪失した上にローンも残るため、借り手はローン返済を優先させて消費を節約する傾向がより強いものとなる。