第1回経済審議会21世紀世界経済委員会議事概要
1 日時
平成8年6月7日(金)14:00~16:00
2 場所
経済企画庁 特別会議室(1230号室) (第4合同庁舎12階)
3 出席者
(委員会) 佐々波委員長、
浦田秀次郎、金井務、河合正弘、関志雄、小島明、張富士夫、西和彦
林紘一郎、藤原作弥、星野昌子、村上英亮、村田良平、最上敏樹、
山影進 、吉野直行、若杉敬明、若杉隆平 の各委員
(事務局) 清水政務次官、小林事務次官、竹島官房長、金子経済研究所長、
新保審議官、土志田総合計画局長、小林審議官、五十嵐審議官、
志賀計画課長、浜田計画企画官、服部計画官、大前計画官、筧計画官
鵜瀞計画官
4 議題
- (1) 21世紀世界経済委員会の公開について
- (2) 21世紀世界経済委員会における主要な論点等について
5 審議内容
- (1) 本委員会の公開について、次のとおり決定された。
- i. 原則として議事録を1ヶ月以内に公開する。ただし、発言者名は公開しない。
また、原則として議事要旨を2日以内に公開する。 - ii. 配布資料は、原則として議事録と併せ公開する。
- iii. 開催日程は、事前に周知を図る。
- i. 原則として議事録を1ヶ月以内に公開する。ただし、発言者名は公開しない。
- (2) 本委員会における主要論点についての主な意見は次のとおり。
- グローバリゼーションを考えるに当たっては、国と国との間の制度の問題を視野に 入れ、市場を規定する制度と、その制度の中で活動する経済主体との相互の関わり 合いを議論する必要がある。
- グローバリゼーションにより各政策の効果が異なってくると思われるため、グロー バリゼーションの中で政策をどう立てたらよいのか、その有効性はどうなるのかを 考える必要がある。
- 国際通貨の問題についても考える必要がある。為替レートの大きな変動がグローバ リゼーションにどのような意味を持っているのか。
- 国というものがあって、グローバリゼーションがあるため、国の概念を明確にしな いと議論が進まないのではないか。
- 国によってインターネットの使い方が異なってしまい、インフラがあっても使いこ なせないという大きな問題が生じる。
- 産業の性格からすると流通は通信と似ているが、流通において「買う」ということ 自体が電子化されることがあり、これをどう考えるか。
- グローバル化していく経済のなかで女性、子供、貧困者等への影響を配慮していく べきである。
- グローバリゼーションは事実先行で進んでしまっており、制度、考え方、思想等が 追いついていないのが現状である。グローバリゼーションを進めるに当たっては、 日本人としての姿勢を議論すべきではないか。
- 企業が最適事業環境を求めて国・システムを選ぶことを、日本としてどう考えるの か。また、グローバル化している世界における日本の潜在的競争力、国・社会とし ての競争力を踏まえて議論すべきではないか。
- グローバリゼーションと空洞化はどういう関係にあるのかを整理する必要がある。 本来、市場経済が上手く機能していれば、海外に進出するのは何ら問題がないが、 空洞化が議論されるということは、市場が不完全であり、歪みが生じているためで ある。
- 日本から日本企業は外へ出るばかりでまた外国企業も入ってこないが、これは国内 に規制が多い等の理由による。このように日本国内はグローバル化していない、と いう点を踏まえて議論してほしい。
- 中国のエネルギー問題、アジアのインフラ整備等地球的規模とも言える問題につい ても、アジアにおける日本の政策を考える際には、必要なのではないか。
- グローバリゼーションが所得分配、技術面に及ぼす影響を考える必要がある。
- グローバリゼーションが及ぼす好影響ばかりではなく、それによって起こる歪みな ど悪影響も議論の必要がある。
- グローバリゼーションにアクターとして係わっているNAFTA、APEC等の機 構の役割はどうあるべきか検討が必要。
(以上)