第1回 経済審議会構造改革推進部会議事概要
1.日時
平成8年7月3日(水)14:30~16:15
2.場所
経済企画庁特別会議室(1230号室)(第4合同庁舎12階)
3.出席者
部会
小林部会長、井堀利宏、角道謙一、川勝堅二、岸輝雄、清家篤、橘木俊詔、長岡實、奈良久彌、成瀬健生、南部鶴彦、深海博明、福井俊彦、藤原まり子、堀勝洋、宮島洋、吉川洋、鷲尾悦也、和田正江の各委員
事務局
田中経済企画庁長官、清水政務次官、糠谷事務次官、竹島官房長、水谷日銀政策委員、鹿島企画課長、坂本総合計画局長、小峰審議官、五十嵐審議官、志賀計画課長
4.議題
- 構造改革推進部会の審議の公開について
- 構造改革推進部会の進め方について
- 「構造改革のための経済社会計画」進捗状況について
5.審議内容
- 本部会の公開について、次のように決定された。
- 原則として議事録を1か月以内に公開する。ただし、発言者名は公開しない。また、原則として議事要旨を2日以内に公開する。
- 配布資料は、原則として議事録と併せ公開する。
- 開催日程は事前に周知を図る。
- 構造改革推進部会の進め方について
- 構造改革推進部会の進め方に対する意見は次の通り。
- 構造改革を進める仕組みの問題について踏み込んで考えていく必要がある。つまりどういう社会構造や合意形成システムの下で構造改革を進めていくかについての議論が必要である。
- 構造改革の議論に際しての視点を絞っていくことは経済審議会としても効率的である。つまり内外価格差是正や国内の高コスト構造是正等の構造変化が着実に進行していることを踏まえ、個々に施策の推進状況を見ていくだけではなく、開放的で市場メカニズムの働きやすい、マクロ経済の新しい姿の実現に有効な施策が全体として行われているかを見ていくことが重要である。
- 財政・社会保障の問題については、特別に少人数のワーキング・グループを設けて分析の基礎となる現状認識や将来予測を行っていくことが決定された。尚、ワーキング・グループの取りまとめは宮島委員にお願いすることも併せて決定された。
- 構造改革推進部会の進め方に対する意見は次の通り。
- 「構造改革のための経済社会計画」進捗状況について
主な意見は以下の通り。- 数々の構造改革がマクロの数字にどのような影響を与えていくのか、ということは押さえておくべきポイントである。構造改革が進んだ場合にどういうロジックで成長率が引き上げられるかという中間項のロジックがあるはずであるので、進捗してる構造改革がどの程度、その中間項に影響を与えているのかということを明確にすべきである。
- フォローアップに際して、経済計画をとりまく環境条件の変化(国際的な要請等)を如何にして進捗状況の評価に組み込んでいくかというのは非常に重要である。
- 財政・社会保障問題を検討するに際しては、経済計画策定時からの状況変化等もあり、「豊かで安心できる経済社会の創造」のフォローアップの枠内には議論が収まりきらないので、その枠組みを越えて検討してはどうか。
- 規制緩和の効果について、ある規制緩和がどういうルートでどの様に経済に影響を与えていくのか、という枠組みをはっきりさせ、閉鎖していたルートのうちどのルートが開通したのかということを検討すべきである。本来、規制緩和は企業の行動が変化することにより結果につながるものである、ということで評価するべき。
- このまま出生率の低下が進めば、21世紀は少子・高齢社会の到来は確実であるため、現時点での重点施策の中に、経済活力維持のため人口激減防止のための施策を明確に打ち出すべきである。
- 規制緩和等の進捗状況については、進捗した分野だけではなく、全く進捗を見ない分野、手の付けられていない分野をはっきり指摘するべきである。
- フォローアップに際して重要なことは「成長期待7分野」がうまく育成されるよう一貫して見守っていくことである。
- 科学技術に関しては、科学技術基本計画が閣議決定され、一定の進展を見ているところであるが、世界と比較しても未だその研究環境は劣悪である。特に、研究者間の競争を促進し、また、それを評価するシステムの欠如が問題である。科学技術は経済社会の発展に対する基盤であるということをもっと明確にしてもらいたい。
- コスト構造を考えるに当たっては、地価の問題や為替レートとの関係も重要である。可能なら検討してみてほしい。
- 関連する他省庁や審議会、委員会・部会との連携を、相互の意見の調整も含めて、十分に進めていただきたい。