第13回 経済審議会・企画部会議事概要

1 日時:

平成11年5月25日(火)15:00~16:30

2 場所:

経済企画庁特別会議室(436号室)(第4合同庁舎4F)

3 出席者

(部会) 小林陽太郎部会長、跡田直澄、荒木襄、伊藤進一郎、角道謙一、香西泰、小島明、佐々波楊子、樋口美雄、松井孝典、水口弘一、八代尚宏の各委員、岩城秀裕、大野直志、大前孝太郎、金光隆志の各特別委員

(事務局) 林官房長、中名生総合計画局長、高橋審議官、牛嶋審議官、梅村企画課長、大西計画課長、荒井計画官、渡辺電源開発官、染川計画官、林部計画官、塚原計画官、青木計画官、安井計画官、佐々木計画官、佐久間計画官、涌野計画企画官、岩瀬計画企画官、福島経済構造調整推進室長他

4 議題

「経済社会のあるべき姿と政策方針」(構成案)について

5 議事内容

「経済社会のあるべき姿と政策方針」(構成案)をもとに事務局より説明。各委員からの主な意見は以下のとおり。

  • ○80年代のバブル経済と90年代のバブル崩壊後の経済についても、「戦後の経済発展の総括」の中でふれるべき。
  • ○構造改革推進部会等、他の部会の検討結果と整合性をとるよう配慮してほしい。例えば,ビッグバン方式で改革を行う分野について、物流、情報以外にもふれるべき。
  • ○「経済新生の政策方針」においては、足下の経済から10年後の経済成長につなげていくために、政府として必要な制度整備を行うというメッセージを打ち出すことが重要。
  • ○大学については、新設増設の規制緩和でなく、地域密着型や社会人の受け入れ等新しい方向にもっていくことが重要。
  • ○これまでのシステムに代わる新しいシステムが不明確なため、全体像が分かりにくい。個人が主体の社会は不安定であり、政府、国家がどのような役割を果たすべきなのか明確になっていることが必要。
  • ○技術革新の重要性についてもふれるべき。
  • ○標題の「経済社会」ということばが、経済だけを指すのか、経済よりも広い範囲を指すのかわかりにくいので、工夫が必要。
  • ○これまでの経済計画の延長線上にあるのか、新しいものを目指すのか明確にすべき。
  • ○バブル経済とその崩壊は重要な問題であり、戦後の経済発展の総括でふれるべき。
  • ○「政策方針」の見直しは、原則年1回とし、年の途中でも必要に応じて見直しを行うべき。
  • ○市場の重要性を強調しているが、市場の失敗に対するセイフティーネットも重要。
  • ○今後の経済成長の必要性を明確にするよう書きぶりを工夫すべき。
  • ○教育について各論にふれるのであれば、6・3・3・4の学制の見直しの必要性についてもふれるべき。
  • ○世界経済のルール作りについては、アメリカのルールだけがグローバルなルールでないことをふれてほしい。
  • ○足下の経済動向は、政府や関係機関の見解との整合性に注意すべき。
  • ○経済システムの問題だけでなく、政策の意思決定システムの問題と今後の方向についてもふれるべき。
  • ○経済新生の政策方針の中で多くの政策がならべられているが、財政バランスを考えることが重要であり、プライオリティをつけて記述するべき。
  • ○市場化の方向が出されているが、政府はセイフティネット以外には行わないのか、情報提供や監視といった市場の失敗を補うための役割を誰が果たすべきなのか検討が必要。
  • ○「めざすべき経済社会」を実現するために、個人、企業、政府がそれぞれどういう役割分担でやっていくのかについて、新たに1章たててふれるべき。
  • ○自己責任がとれる体制を築いていくことが重要という点をふれてほしい。
  • ○政府の役割として、セイフティネット以外に、市場が機能するためにリーダーシップを発揮することや事後的な監視を行うことがある。
  • ○「経済新生の政策方針」の部分は民間で行うことも含まれており、政府が行う施策に限定するか、具体的な施策を書きこむかにすべき。
  • ○「多様な知恵の社会のための社会資本整備」において、光ファイバーの整備が書かれているが、実際のニーズを考えてやっていかなければならない。これ以外に、大学の地方分散等、知的集積を高めるための施策にもふれるべき。
  • ○行政への外部からのチェックは重要であり、会計制度の見直し等具体的内容を盛りこむべき。
  • ○市場機能促進のための競争政策が政府の重要な役割としてある。
  • ○単に地方分権を行うだけでは、各地域が保護主義的な施策を行う危険性があり、国として共通ルールを作ることが必要。
  • ○「年齢・性別にとらわれない経済社会の形成」のためには、年功序列の見直しが最も重要であり、継続雇用や定年制については年功序列の見直しによって解決される問題。
  • ○企業経営者の立場からは、まず足下の経済の回復が前提であり、次に新しい産業の活性化、そして10年後にあるべき姿を実現するという時系列がハッキリしないため、説得性が欠けているように感じられる。
  • ○プラス成長を前提に考えないと解決しない問題であり、プラス成長を明確にしたことは評価。
  • ○「新しい回復軌道到達へ向けての政策課題と道筋」が、従来の景気循環論にとらわれすぎている感がある。景気回復論にこだわらず、新しい成長軌道への移行ととらえるべき。
  • ○財政再建は避けられない問題。財政再建にいつ着手するのか明確になっていない。
  • ○従来の日本が得意としていた同一規格大量生産ものづくり技術から情報技術へと技術のパラダイムが大きく変化しており、この技術革新をどう受け入れていくかということについても検討し、盛りこむべき。
  • ○定年延長について、雇用の流動化や多様な雇用機会の供給ということができれば、年齢だけを理由に雇用差別しない発想が出てくるのではないか。

以上

なお、本議事概要は速報のため事後修正される可能性があります。

(本議事概要に関する問い合わせ先)

経済企画庁総合計画局計画課

TEL:03―3581―1041