第12回 経済審議会・企画部会議事概要

1 日時 :

平成11年5月14日(金) 16:00~18:00

2 場所 :

共用第一特別会議室(404号室) (第4合同庁舎4F)

3 出席者

(部会)小林陽太郎部会長、荒木襄、角道謙一、佐々波楊子、ポール・シェアード、高橋進、長岡實、中西真彦、樋口美雄、水口弘一、村田良平、八代尚宏、の各委員、岩城秀裕、大野直志、大前孝太郎、金光隆志の各特別委員

(事務局)塩谷事務次官、林官房長、中名生総合計画局長、高橋審議官、牛嶋審議官、梅村企画課長、大西計画課長、荒井計画官、渡辺電源開発官、染川計画官、林部計画官、塚原計画官、青木計画官、安井計画官、佐々木計画官、佐久間計画官、涌野計画企画官、岩瀬計画企画官、福島経済構造調整推進室長他

4 議題

  • 中長期展望を行うに当たっての主要な論点について
  • 地方シンポジウムの開催について
  • 「経済社会のあるべき姿を考えるにあたって」に関する国民及び海外からの意見について

5 議事内容

 冒頭、小林部会長より、「中長期展望を行うに当たっての主要な論点」に関する資料については暫定的な試算であることより委員限りとし、部会終了後回収することとする説明があり、各委員により了承された。当該資料について事務局より説明の後、各委員等からの主な意見は以下のとおり。

  • ○現在おこっている第3次産業革命ともいうべき情報通信革命は大変重要。在来型産業と、情報通信産業に代表される「ニューエコノミー」とを分けて、分析や対策等を考えるべき。
  • ○マクロフレームについて、従来型産業から「ニューエコノミー」への労働人口の移動や「ニューエコノミー」での新規株式公開の拡大等の数量的規模を出してみてはどうか。
  • ○日本国内の資本ストックの過剰が問題。
  • ○不良債権処理後、間接金融から直接金融にシフトするのか。また、エマージングインダストリーに資本配分される体制に移っていくのか。
  • ○経常収支を想定する際、アジア経済の長期的な回復や企業の多国籍化の視点はどう組み込んでいくのか。
  • ○日本経済の自律的な回復については、労働力や技術の受入れ等、国外との関連を考慮することが必要ではないか。
  • ○経済成長率をどのくらい重視するのか。従来的発想を乗り越えていかないと、一般には新鮮に映らないのではないか。
  • ○経済の見通しについて全員が一致した見方を持つことは困難。その中で、政府としてはどういうときにどうやっていくかということを明確に出すべき。
  • ○マクロ経済の姿を描くとき、政策によりその姿は異なってくるのだから、1つの姿を示すだけでいいのか。また、財政等の外生変数について条件を付けて提示することが必要。
  • ○自律的回復という表現は古い印象がある。
  • ○経済の回復は、バブル後の処理や構造改革の方法といった政策の組み合わせに依存する。バブル崩壊後の処理をきちんとやるべきだが、構造改革につながる形にすべき。
  • ○成長予測をする際のTFPの大きさを決めるのに、どういう根拠をおくのか。
  • ○失業率については、賃金調整も進むことを考慮すべき。
  • ○財政の姿はどうなるのか。どういう条件で財政赤字は収斂・発散するのかについて示すべき。
  • ○TFPについては、構造改革の大胆な実行如何によると思うが、一方で、構造改革を大胆に実行すると失業率が上昇する可能性がある。
  • ○情報化投資が増加することを想定すれば、成長率に対する資本の寄与がもう少し高くなることも考えられる。
  • ○輸出入の想定をどう置いているのか。
  • ○外需を決める重要な要素である米国等の世界経済の下方リスクをどう考慮するのか。
  • ○地価については、金融機関の有担保主義が見直され、有担保融資のウエイトが下がれば、あまり重要でないと思う。金融機関の行動によるところが大きい。
  • ○地価はまだ下がっており、デフレスパイラルの危機を脱していないと思う。土地の流動化や不動産関連の税制改革を促すことがポイントで、そのための政策を政府が打ち出すべき。また、「ニューエコノミー」を推進することで地価の値下がりを止めることができる。
  • ○地価が低下しないと言いきれるのか疑問。
  • ○物価については、金融政策についても考慮に入れるべき。日銀の量的緩和やインフレターゲッティング論は、物価が上昇する原因となり得る。

事務局より、資料2「地方シンポジウムの開催」資料3-1「『経済社会のあるべき姿を考えるにあたって』に関する国民からの意見」資料3-2「『経済社会のあるべき姿を考えるにあたって』に関する海外からの意見」について説明。委員から特段の意見はなかった。

以上

なお、本議事概要は速報のため事後修正される可能性があります。

(本議事概要に関する問い合わせ先)

経済企画庁総合計画局計画課

TEL:03-3581-1041