経済審議会構造改革推進部会(第1回)議事録

経済企画庁

経済審議会構造改革推進部会(第1回)議事録

経済審議会構造改革推進部会(第1回)議事次第

日時 平成11年2月16日(火) 10:00~12:00

場所 長官官房特別会議室(729号室)

  1. 開会
  2. 委員紹介
  3. 堺屋経済企画庁長官挨拶
  4. 構造改革推進部会の公開について
  5. 構造改革推進部会の進め方について
  6. 閉会<

(配付資料)

  • 資料1 経済審議会 構造改革推進部会 委員名簿
  • 資料2 構造改革推進部会の公開について(案)
  • 資料3 「新たな時代の姿と政策方針」の諮問文
  • 資料4 経済審議会の今後の運営について
  • 資料5 「新たな時代の姿と政策方針」の策定手法の多様化について
  • 資料6 構造改革推進部会の進め方について(案)

経済審議会構造改革推進部会委員名簿

部会長
水口 弘一    (株)野村総合研究所顧問
部会長代理
江口 克彦    (株)PHP総合研究所取締役副社長
委員
五十嵐 三津雄  簡易保険福祉事業団理事長
岩田 一政    東京大学大学院総合文化研究科教授
加藤 秀樹    構想日本代表
リチャード・クー (株)野村総合研究所主席研究員
草野  厚    慶応義塾大学総合政策学部教授
草野 忠義    日本労働組合総連合会副会長
清水 秀雄    (株)セブンイレブン・ジャパン取締役副会長
中条  潮    慶応義塾大学商学部教授
中村 靖彦    NHK解説委員
野中 郁次郎   北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科長
長谷川 公敏   (株)第一生命経済研究所常務取締役
濱田 康行    北海道大学経済学部教授
村井  勝    コンパックコンピュータ(株)顧問

〔 事務局 〕 時間もまいりましたので、ただいまから、第1回の構造改革推進部会を開催させていただきます。

 去る1月18日の経済審議会総会において、小渕内閣総理大臣より「新たなる時代の姿と政策方針」の策定について諮問が行われました。また、その検討体制として、従来から設けられていました「企画部会」のほかに、新たに「構造改革推進部会」「国民生活文化部会」「グローバリゼーション部会」「地域経済・社会資本部会」の4部会を設置することとされました。

 その折に、各部会の部会長及び委員は経済審議会の豊田会長が指名することとされましたが、本部会の部会長には、水口弘一氏が指名されたところであります。水口部会長、よろしくお願いいたします。

 また、委員に指名された方々は、お手元の資料1の委員名簿のとおりでございますが、本日は初めての会合でもありますので事務局の方から本日ご出席の委員の皆様をご紹介させていただきたいと存じます。アイウエオ順にご紹介いたします。

 五十嵐 三津雄 委員でございます。

 江口 克彦 委員でございます。

 加藤 秀樹 委員でございます。

 草野 厚 委員でございます。

 草野 忠義 委員でございます。

 清水 秀雄 委員でございます。

 中条 潮 委員でございます。

 長谷川 公敏 委員でございます。

 濱田 康行 委員でございます。

 村井 勝 委員でございます。

 本日の経済企画庁の側の出席者は、局長は所用で遅れておりますけれども、お手元の座席表のとおりでございます。

 以後の進行は水口部会長にお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

〔 部会長 〕 ご紹介いただきました、当部会の部会長を務めさせていただきます水口でございます。皆様方のご理解とご協力を得まして、この部会を円滑に運営すべく努力してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。どうぞ忌憚のない、活発なご意見をお願いしたいと思います。大いに期待をしております。私も部会ということになりますとなかなか発言の機会がないかもしれませんけれども、私自身も発言させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 なお、部会長代理の指名をさせていただきたいのですが、部会長代理につきましては、江口委員にお願いしたいと思います。江口委員、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の議題に入る前に、非常にご多忙のところをご出席いただきました、堺屋大臣よりご挨拶をいただきたいと存じます。大臣、よろしくお願いします。

〔 堺屋経済企画庁長官 〕 この経済審議会は、今年の1月18日に総理大臣より新たな諮問をいただきました。

 前回の計画は、平成7年、村山内閣のときに立てられたものでございますが、これは経済社会の構造改革を目標としておりまして、その方向性には間違いがなかったと思いますけれども、現実の経済の動きとはかなりかけ離れてまいりました。前回の計画は、年率実質1.75%、これを経済改革をすることによって 3.5%ぐらいの成長が見込めるという話でございましたが、経済構造改革が十分であったかどうかはともかくとしまして、計画を作りました翌年の96年度こそ 4.4%の実質経済成長をしました。ところが、その後は予定どおりではございませんで、97年度にはマイナス 0.4%、98年度・今はマイナス 2.2%程度になるのではないかと見込まれております。全体をならしてみると極めてゼロに近いというような数値でございまして、かなり現実からかけ離れてまいりました。

 さらに、考えてみますと、もはや経済計画というような時代ではないのではないか。経済計画というのは、所得倍増計画あたりの、国がリードをして経済を伸ばしていくというような時代でございまして、これからの時代には経済のあるべき姿を描いて、それを実現する方向で国がどのようなことをすればいいか、そういった発想、つまり、国の方がお手伝いをするという発想でなければいけないのではないか。

 この総理の諮問の中にも、そういうような意味合いを込められておりまして、これから10年程度の先に向けて、あるべき姿を描いていただきたいということであります。

 考えてみますと、我が国は、明治以来 130年、ひたすら殖産興業の旗の下に近代工業社会をつくることを目指してまいりました。殖産興業というのは、近代工業を持つこと。つまり、規格大量生産を実現することでございます。そのためにあらゆるものをその方向に動員してまいりました。産業政策も、金融政策ももちろんのこと、教育、地域構造等もすべて規格大量生産の方向に動員してまいりました。

 そして、その点では、戦後の高度成長を経て、1980年代に、日本は人類史上最も優れた規格大量生産の国をつくったのではないかと思います。当時は、自動車や電気製品のような規格大量生産品につきましては、日本は最大の生産力と最強の競争力を誇っておりました。それを背景にして、短期資金の動きが活発になり、土地建物・株式などがどんどん値上がりするようなバブル状況が生まれたわけであります。

 ところが、世界はそのとき既に、近代工業社会から次の時代、「多様な知恵の時代」に移っておりました。人々のニーズも、産業の構造も、あらゆるものが規格大量生産時代を超越するというような状況になっておりました。

 そのことに、日本はあまり敏感ではなかった。その結果、バブルが崩壊しますと、巨大な不良債権が蓄積され、過剰供給力が残ったのでありますが、その処理を今日までうやむやにしてまいりました。少なくとも、去年までは、先送りにしてまいりました。

 それで、ようやくここで、不良債権の処理をし、金融機関を再建する。あわせて、過剰供給力を整理していくというような段階にやってまいりました。

 これにあわせて、経済構造全般について、あるいは社会構造全般について考え直さなければならない時代、そういうような時代になってきたのではないかと思います。

 当審議会においては、ご存じのように、経済審議会総会がございまして、その下に5つの部会を作らせていただきました、「企画部会」「構造改革推進部会」「国民生活文化部会」「グローバリゼーション部会」「地域経済・社会資本部会」という形になっております。

 構造改革推進部会におきましては、まさにそういった構造変化の中で、経済構造も、社会構造も、民と官の関係もどのように変わっていったらいいか、そういったことを幅広くお考えいただきたいと思っております。そして、日本の「あるべき姿」、これから10年ぐらいの間に日本のとるべき方策、そういったものを忌憚なく考えていただきたいと思っております。

 恐らく、この10年間は、明治維新後の10年間と同様に大変大きな変化の時代だろうと思います。そんな中で、どのような日本をつくるのか。明治維新のときには、まさに官僚主導の啓蒙主義という形で、大久保利通が夢見たことを伊藤博文が実現いたしました。終戦のときには、経済大国を志向するのだという夢を所得倍増計画において推進いたしました。今度は、それに代わるべき日本の夢は何で、日本の理想は何なのだろうか。かなり大きなテーマを深く掘り下げて考えていただきたいと思います。

 あわせて、大変無理なお願いでございますが、大体本年の前半ぐらい、6月ぐらいに大方の方向を出していただきますと、来年度の新政策等にも反映されることになりますので、「テーマは大きく、時間は短く」ということで大変ご無理な話でございますが、ぜひひとつよろしくお願いしたいと思っております。

 私も、皆様方のご意見を最後まで聞きたいのでございますけれども、所用のため途中で退席させていただきます。よろしくお願いいたします。

〔 部会長 〕 大臣、どうもありがとうございました。

 ご挨拶のとおり、テーマは大きく・時間は少ないわけでございますけれども、精力的にぜひやっていきたいと思います。

 今お話しのとおり、大臣は所用のため、これから退席されますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

〔 堺屋経済企画庁長官 〕 どうぞよろしく。

〔 部会長 〕 それでは、まず始めに本部会の議事の公開方法についてお諮りしたいと思いますので、事務局から説明をお願いいたします。

〔 事務局 〕 それでは、お手元の資料2でございますが、構造改革推進部会の公開についてお諮りをしたいと思います。

 構造改革推進部会の公開については、以下によることとする。

 1. 原則として議事録を会議終了後1カ月以内に作成し、公開する。ただし、発言者の公開は行わないものとする。

 また、原則として議事要旨を会議終了後2日以内に作成し、公開する。

 2. 配布資料は、原則として議事要旨と併せ公開する。

 3. 会議開催日程については、事前に周知を図るものとする。

 これは、各部会共通でこのようにしたいと考えてございます。

〔 部会長 〕 ただいま説明のありました本部会の公開方法について、ご意見等がございますでしょうか。

 それでは、本部会の議事の公開につきましては、本会合の冒頭にさかのぼって、そのようにさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 続きまして、事務局から、先日の経済審議会総会で行われました「新たなる時代の姿と政策方針」の策定の諮問の内容及びそこで了承されました経済審議会の今後の運営等について紹介をしていただき、引き続き、本部会の進め方について説明をお願いいたします。

〔 事務局 〕 それでは、お配りしています資料に基づきましてご説明をさせていただきます。

 まず、総理からの諮問でございますが、資料3にございます。

 「内外の歴史的な大転換期にあたり、『新たなる時代』の我が国経済社会のあるべき姿と、その実現に向けての経済新生の政策方針いかん。」、というのが諮問でございます。

 その説明は以下に書いてございますが、最後から2つ目のパラグラフのところで、念頭に置いております今回の作業の期間、策定の方法等について簡単に述べてございます。

 「こうした時代認識を踏まえ、21世紀初頭の我が国経済社会のあるべき姿を描き、国民が自信と誇りを持って未来に臨めるよう、平成11年から21世紀初頭までの10年間程度にとるべき政策の基本方針の策定を求めるものである。

 なお、策定にあたっては、全国規模で広く国民の生の声を聞くとともに、海外からも意見を求めるなど、内外に開かれた活発な議論が求められる。」 

ということでございます。

 次に、資料4でございます。「経済審議会の今後の運営について」ということで、今述べました諮問にこたえて、どういう体制で議論を進めていくかということでございます。従来、経済審議会の中に、企画部会が設けられておりましたけれども、それに加えまして、構造改革推進部会、国民生活文化部会、グローバリゼーション部会、地域経済・社会資本部会の4部会が設けられました。また、それぞれの部会の上に、会長・部会長等によって構成される基本理念委員会も設けられまして、ここで新たな時代の基本理念に関する考えの取りまとめを行うこととされております。

 それぞれの部会の検討内容については、次ページ以降に簡単にまとめてございます。2ページでございますが、「各部会の検討内容について」ということでご紹介をしております。

 企画部会は、総論としての大きな方向づけを行うということで、今回の作業の中で、いわば取りまとめの役割を果たすということになっております。全体の大きな方向づけ、あるいはマクロ経済の展望について検討する。さらに、経済社会のあるべき姿を描くとともに、その実現のための政策方針について検討する。各部会での議論を総括し、全体の取りまとめを行うという性格づけになっております。

 続きまして、構造改革推進部会。本部会の検討テーマについては後ほどご議論していただきますけれども、ここで簡単に紹介いたしますと、これまで我が国がとってまいりました構造改革の進捗状況ないしその必要性等の点検、さらには、抜本的な改革を実現するための問題点の整理、また、21世紀において目指すべき経済社会を実現させるために必要な諸課題とその方策を明らかにする。また、構造改革の経済効果について数量的な分析を行う、ということが課題として与えられております。

 国民生活文化部会は、国民の生活と文化を規定する人口、教育、環境、資源、社会保障等が経済に与える影響及びその対応策について検討する。また、ここに書いてございますが、「高齢者及び女性の雇用・社会参加」「新たな社会を支える人材育成・教育」「家族、地域活動、コミュニティーネットワーク等人々を結びつける機能」「応報と安全ネットの在り方」等についての施策、仕組みを検討することとされております。

 グローバリゼーション部会は、我が国の世界における位置づけ、様々な世界的な課題への対応の検討。特に、円の国際化や経済協力のあり方、グローバリゼーションの流れの中で必要とされている我が国の経済、経営の構造改革(制度調和)の必要性について検討することとされております。

 地域経済・社会資本部会は、国際競争力のある都市、独自の産業や文化を持つ地域づくり、あるいは良質な空間の拡大、ゆとりのある生活時間の創出、高齢社会にふさわしい社会のあり方及びその実現のための方策を検討する。また、21世紀型の社会資本の戦略的・効率的・効果的な整備のあり方を検討する、というマンデートが与えられております。

 次のページに、全体の検討体制を図式にしたものを示してございます。経済審議会の下に、従来から置かれておりました、首都機能移転委員会及び計量委員会はそのままでありますが、基本理念委員会というものが、先ほどご説明したような形で設けられます。また、企画部会、構造改革推進部会、国民生活文化部会、グローバリゼーション部会、地域経済・社会資本部会のそれぞれの部会が設けられます。また、今回は、広報を非常に大切にしようということで、先ほどの諮問文の中にも、広く国民の意見を聞きながら進めていくということがございましたが、そういうことを受けて、企画部会の下に広報委員会を設けることとしております。

 広報委員会につきましては、資料5「『新たなる時代の姿と政策方針』の策定手法の多様化について」でまとめてございます。いろいろなことを考えておりますが、1.「マスコミへの特集企画」ということで、周知徹底、国民の主体的な参加の必要性を呼びかけるということをいろいろな形でやっていこうと考えております。

 2.「シンクタンクへの短期集中委託調査」ということで、そこに書いてあります4つのテーマ、

 a.「人のグローバリゼーションを検討するにあたり必要な国際的な労働移動に関する調査」

 b.「会社人間からの脱却と新しい生き方等、脱会社人間を探るための調査」

 c.「我が国の長期の街づくりに関し、生活空間の拡大方策に関する調査」

 d.「創業・起業に対する日本的風土の改革に関する調査」

というものを短期集中的に委託調査で成果を出していくということを考えております。

 3.「国民等からの提言募集」ということで、インターネットの活用、シンポジウムを開催して意見交換の場を設けるということを考えております。

 4.「各国有識者からのヒアリング・意見募集等」ということで、インターネットを活用して国内と同様、海外に対しても意見を求めることのほかに、各国の政策担当者なり経済学者、エコノミスト等々からのヒアリング調査、あるいはいろいろな形で二国協議が行われておりますが、そういった場を通じた意見交換ということを考えております。

 5.「モニターによる意向調査」ということで、モニターから、これからの社会のあり方等についてアンケートを予定しております。

 6.ビジュアル発表資料の作成を進める。

 7.最後に書いてございますが、先ほども申しましたように、企画部会に広報委員会を置いて、いろいろと広報に力を注いでいくということを決めております。

 以上が策定手法の多様化ということでございます。

 以上は、体制の概要でございます。

 本日ご議論いただきたい第1の論点を次にご紹介いたしたいと思います。資料6「構造改革推進部会の進め方について(案)」を用意してございます。

 1.「『あるべき姿』における我が国の国家像についての議論」が挙げてございまして、(別紙)ということで、最後のページに、論点を7つ挙げさせていただきました。これは、先ほどの大臣の挨拶にございましたように、非常に短い期間の中でこれから「新たなる時代の姿と政策方針」ということでお取りまとめいただくことになりますが、各部会で個別の課題について議論を進める前に、我が国のあるべき姿、国家像というものについて、完全に一致はできないわけですが、大まかな共通認識を持って議論をスタートしようということでございます。それなくして、個別の課題からスタートしてしまいますと、例えば、それぞれにはいいことであっても、全体の姿としては両立しないものが並んでしまうということにもなりかねない。そういう問題意識で、まず、各部会において共通の論点についてご議論いただいて、大体の形で皆さんの共通の理解を持っていただこうという趣旨でございます。

 そういうことで、本日まず、この7つの論点について忌憚のないご意見をいただいて、後は、それぞれの部会でご議論いただいたことを集約をして、一度お示しする機会を設けようというふうに考えております。

 7つの論点について、まずご紹介をいたします。

〔 A委員 〕 そこまでで質問があるのです。部会が企画部会を入れて全部で5つあるわけです。その中で、私が参加している構造改革推進部会というのは、グローバリゼーション部会とどういう関係にあるのかというのをご説明いただけないかと思うのです。

 というのは、グローバリゼーション部会で、先ほどお話がありました「我が国の経済、経営の構造改革(制度調和)の必要性について検討する。」というふうにありますので、我々のところも、グローバリゼーションをどういうふうに考えるかということが議論されないと、いきなり構造改革推進という話にはなかなかならないのではないかと思うのです。この2つの部会の関連性と、これから会を進めていくにあたって、どういうふうに情報の相互乗り入れをするのかということについてご説明いただきたいと思います。

〔 事務局 〕 ご指摘いただきましたように、構造改革推進部会で検討いただく重要なテーマが、グローバリゼーション部会で検討いただくテーマと、いわばオーバーラップするという関係はございます。特に、制度調和ないし、後でご説明いたしますけれども、我が国の経済社会をどういうふうにして、いわゆるグローバルスタンダードに持っていくのかということは、大きなこの部会のテーマでございます。その前提として、グローバリゼーションの流れの中で我が国の経済なり経営なりの制度調和の方向はどういうものであるかということを、グローバリゼーション部会でも議論していただきます。それについては、この部会に何らかの形でご紹介をしたいと思いますが、そういう議論も1つの材料にして、グローバリゼーションの中で我が国の経済のいわば活力を維持していくためにどういうふうな改革が必要かということを、より突っ込んだ形でこの部会でご議論をいただくというふうに考えております。

 両者の関係はそういうことで考えておりまして、この部会で、そのことをテーマとして検討する際に、必要に応じてグローバリゼーションに対するこの部会での理解ということもご議論いただければと考えております。

 それから、それぞれの部会の関係でございますが、1つは、先ほど基本理念委員会をご紹介いたしましたけれども、そこにはそれぞれの部会の部会長、部会長代理の方に参加をいただくことになっておりまして、今回の作業をまとめるまでの間に数回予定しておりますが、そこでそれぞれの部会で出された意見が、部会長、部会長代理の個人に何らかの形で体化されて議論がされる。また、そこでの議論は、それぞれの部会長、部会長代理が部会での意見を頭に置きながら議論がなされる、ということで考えております。

 また、全体の取りまとめは、企画部会を通じて行うと考えておりまして、企画部会にはそれぞれの部会の議論の内容はインプットされる。これは、事務局が共通ですので、自動的に部会の意見を踏まえたものになるわけでございますが、企画部会の委員もそれぞれ各部会におられますので、各部会の意見が企画部会でまとまると考えております。また、基本理念委員会を通じて、何回かの意見交換、意見のすり合わせが行われるというふうに考えております。

 以上のようなことで考えております。

 それでは、7つをまず簡単にご紹介して、ご議論していただきたいと思います。

 1.「世界における我が国の位置づけについて」

 我が国は、大国として世界秩序の形成に積極的に関わるべきか、あるいは、世界秩序を与件としていくのか。いわば小国的な形でとらえていくべきなのかということでございます。

 これからの我が国は、尊敬される国であるべきか。そうであれば、コストはどれだけ払うことになろうか。

 2.「自由と社会的秩序などのトレードオフについて」

 自由と社会的秩序、個性と組織、応報と安全ネットという相反する関係にあるものを、どういう水準に設定するか。これからは自由であるとか、個性、多様性,創造性等が非常に大きな価値を持つということは、おおむね意見の一致するところであると思いますけれども、それと裏腹の関係にある秩序あるいはセーフティネットの組み方、あるいは個人と組織との関係というものをどのように考えていくかということでございます。

 3.「産業・技術等のワンセット主義について」

 これまで、いろいろな面でワンセット主義的な行動あるいは政策の形成が見られてきたわけですが、農業から各種工業までの、各産業や技術のワンセット主義、こういった考え方をどこまで維持していくのか。ワンセット主義をとらない場合には、それぞれの段階は、つまり、ある産業を考えますと、その産業を維持あるいは発展させるためには技術が必要である。技術を発展させるためには、その背後に教育がある。教育を成り立たせるためには情報がなければいけないし、そういった一連の流れの中でその産業に関わる常識というものが形成されるというようなことを考えた場合に、ワンセット主義をとらない場合に、どこまでそれを維持するのか、あるいは放棄するのか。産業はいらないとなった場合に、技術以下は残すべきか、あるいは技術もいらない、最後にはそのことについて国内で誰も知っている人はいないというような状況までも、いいとするのかどうか。そういう問題意識でございます。

 4.「日本固有の良さについて」

 グローバリゼーションの中で、グローバルスタンダードというものにこれから日本のいろいろな仕組みを作り直していかなければいけないということが言われるわけですが、その中で、将来にわたり絶対的に守るべきであり、かつ一度失うと取り戻せない日本固有の良さというものがあるのかどうか、それは何なのかということでございます。

 5.「経済成長について」

 これからも、引き続き、経済成長は重要な要素なのだろうか。あるいは、追及すべき価値は何なのであろうか。さらに、人口減少の中で移民を受け入れてでも経済成長を追及すべきなのかどうかということでございます。

 6.「個人の帰属先について」

 これから、会社人間の人々が、会社人間から脱却した後に、会社、地域、家族などの姿が変容する中でどこに帰属先を求めるのか。家族か、地域か、NPOか。また、人々のネットワークはこれからどうなっていくのかということでございます。

 また、経済単位としては個人なのか家族なのかということでございます。

 7.「地域のあり方について」

 人口が減少していく中で、これから広大な過疎・無人地帯が存在するおそれがありますが、これを許容するのかどうかということでございます。

 また、地方自治、国土保全、環境はそういった状況の中でどう考えるのかということでございます。

 非常に大きな論点で恐縮ですけれども、まず、これについてご議論をいただき、その後で、本部会の固有のテーマということでご議論いただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明を踏まえまして、まず、「『あるべき姿』における我が国の国家像をどう考えるか」についてご議論をいただきたいと思います。議論の前に、質問がありましたら、質問からどうぞ。

〔 B委員 〕 すごく大きな問題が7つ並んでいて、それぞれに自分の思ったことを言っていいのでしょうか。

〔 部会長 〕 結構です。

〔 B委員 〕 これだけあると、例えば、私が1つの項目について3分話すと、全部で21分で、私だけで21分とってしまう。ですから、交通整理をしていただけませんか。

〔 部会長 〕 委員もご承知のとおり、シンポジウムなどでは1回の発言は3分以内ということで、ランプが灯ったり、砂時計を置いたりするのですけれども、その辺、ポイントを置いて、今日は自由にご議論をいただきたいと思います。

 もう一つのテーマがございますので、時間がなくなると思いますので、最後に申し上げたいと思いますけれども、ペーパーを事務局へ月末頃に出していただきたいと思っております。

 恐らく、委員の皆さんがB委員と同じ思いだろうと思いますので、ひとつよろしくお願いします。

〔 B委員 〕 私の意見の前に、さっきのA委員と同じ思いが私もあって、どこまでこれを議論して、どの程度反映されるのだろうかということです。

 私の考えでは、部会は構造改革推進部会が一個あればいいという考えです。恐らく、ほかのものはその中にすべて入ってくる話だろう、と。

 そうなりますと、ここできっちりと議論してもいいのかどうか。それとも、ある程度与件で考えるのかというのは、かなり重要な議論になってくると思いますけれども。つまり、例えば1番のことだけで、ここにいらっしゃる皆さんはそれぞれかなりご意見があると思います。もちろん、今日は第1回目ですから、好きなように意見を述べるということで、皆さんはもちろん意見はおありだろうと思いますが、どのようにおまとめになるのか、ちょっと気になるのですが、それは気にしなくていいですか。

 部会長が、気にしなくていいとおっしゃれば……。

〔 部会長 〕 おっしゃることも、そのとおりだと思いますけれども。

〔 B委員 〕 そういうことであれば、まず、簡潔に私の思いを申し上げますと、ほぼ、「あるべき姿」については、これまでに既に経済審議会の中でもいろいろなところで議論がされていると思うのです。今大事な話は、どうあるべきかという、その議論よりも、「あるべき姿」が既に描かれているもの、そして、具体的にそれをどうやったらいいかということが決まっているものについて実行することだと思うのです。

 なぜそれが実行できていないのか。構造改革については、既にこれまでにいろいろな意見も提出されています。ところが、それが実行されていない部分がある。ですから、どうやって実行するかということを議論することが一番重要な話ではないかと思います。

 1~7までについては、私、それぞれに意見はございますけれども、今これを議論している暇があるのだろうか。既に、この大部分については答えがわかっているのではないだろうか。

 1つだけ申し上げますと、例えば、トレードオフについてのいろいろな考え方がありますけれども、今は、ほかのものを犠牲にしても構造改革をやらなければいけない時期だと私は思っております。ですから、一番いいところは、真ん中あたりに最終的に落ち着くと思っても、最終的なところを最初から目標を決めて、例えば、自由と社会的秩序のトレードオフの部分はここだと、そういうところを目標に決めてやっていたのでは、今の時代は間に合わない。かなり極端なところを目標に決めて、その上で、その改革を実行した後で、痛みの部分に対応する。ですから、安全ネットとか、個性、組織ということについても、あるいは日本固有の良さということについても、今はかなり徹底的に改革を行うべきであろう。落としどころということを考えている時期ではない、そのように思います。

 その改革の成果が上がった後で、国民の審判というのは必ずあり得るわけで、その段階で、これは行き過ぎだ、痛みが大きいということであるならば、そこから戻って行けばいい。ニュージーランドなどは典型的なそういう形だと思います。

 ですから、そういう点で、どこを目的にするかということを考えないで、まず改革をやる。そして、なぜ改革が今まで行われてこなかったか、どうやったら行われるか、ということを考えるべきだというのが私の考えです。

〔 A委員 〕 B委員が言われたことと全く同じことを、実は、昨年の新聞に書いたのです。

 要するに、日本のあるべき姿ということについては、この前の経済審議会、あるいは様々な政府の私的諮問機関を含めて、ほとんどシナリオあるいは姿は描かれているのではないか。なぜそれが実現できなかったのかというところに、主として議論を収斂させるべきないかと思います。

 私自身は経済学者ではございません。めずらしく、こういう審議会の委員に政治学者が指名されたわけですけれども、その意味というのは、既得権益を打破するには経済学的な観点からの議論だけでは難しいということではないかというふうに思っています。

 ですから、これはお聞きしたい点と同時に確認もさせていただきたい点でもあるのですが、この部会では、単に経済学的な観点から政策を議論するのか。あるいは、先ほど言いましたような、その政策を実現するにあたってスタンディングブロックとなっている政治の問題も議論するのかどうか、ということをぜひお聞きしたいと思っています。

 もう一つ私が申し上げたいのは、この議論にあたっては、その実施の過程に注意を払うべきだと思っておりますので、細かい事実関係に相当程度注意を払って議論する必要があるのではないか。なぜ、ある規制緩和が実現しないのかといったときに、その事実関係について、何がその障害となっているのかということを踏まえて議論したいと思います。

 例えば、具体的な話なのですけれども、規制緩和ではありませんが、私、日本のODA(政府開発援助) については、比較的ほかの方よりも勉強しているつもりですけれども、よく「ひとづくり」というのが大事だと言われます。技術協力です。二国間援助の約3分の1が技術協力でございます。この技術協力に、専門家として派遣されるのは、日本の政府あるいは日本の政府関連の研究機関の人々、さらには一部民間企業からも出ているわけですけれども、流れは途上国の方のニーズという点から考えますと、民間に蓄積された技術というものをほしいという声が非常に強いものですから、民間から人を送るべきだと、流れはそっちの方に行っている。ところが、実際には、民間はなかなかこの技術協力という点で途上国に人を送れない。なぜかというと、それは2つ理由があるのです。1つは、そういう技術を持っている人は、引き続き日本の国内で必要だということです。もう一つは、政府が、そういう人々を途上国に送るときに、民間企業から大事な人材を引き抜くわけですから、その民間企業にとってはマイナスになるわけですけれども、そういうことに対して政府は民間企業に給与の補填なり何なり手当てをしない。そこら辺で、民間レベルの専門家が途上国になかなか出掛けていかないという事情があるわけです。

 ところが、政府のあるいは私的諮問機関のそういう紙を見ますと、技術協力で民間ベースの協力は大切だ、民間から人を送るべきだ、こういう一言ですまされてしまっているのですけれども、実際には、今言いましたような背景があるものですから、なかなか進まない。そこら辺についても、これは一例ですけれども、目を向けて議論をしないと、また同じような作文で終わってしまうのではないかという気がいたします。

〔 部会長 〕 今委員のおっしゃった、この部会の守備範囲と言うとおかしいですけれども、広ければいくらでも広がるということでありますが、この問題は、今日の後半の問題として、「構造改革推進部会固有の検討テーマ」という問題で進めていきたいと思いますので、そこでまたご議論いただきたいと思います。

 私自身は、現在のこの時代に経済だけに限ってものを議論するということは全くナンセンスであると考えております。と言って、ではどこまで幅広くできるかということもありますので、経済を中心にしながら周辺の問題も、特にポリティカルエコノミーの時代でございますので、そのように考えております。

〔 C委員 〕 結論がわかっているというのは、そのとおりです。ずいぶんといろいろな先生方も、あるいはどこの審議会でもそうですけれども、結論が出されているわけです。ですから、また屋上屋を重ねる必要はないということも考えられるのですけれども、せっかく、このメンバーが集まっているということであれば、このメンバーとしての「あるべき姿」というものをそれぞれに言い募って、1つの方向性というものを出してみても、私は無意味ではないというふうに思います。

 問題は、「あるべき姿」というものを出して、そこで終わるのではなくて、「あるべき姿」と現実の差をどういうふうに認識をするかということが、ここの委員会で行うことができたら、それがその次に、ではその差を詰めるにはどうしたらいいのかということで、その方策とか対策というものを、また焦点を絞って、的を絞っていろいろ議論することができるのではないかということで、それぞれの先生方がそれぞれの考えておられるものをお話しいただいて、それで収束する方向に持っていっていただければ、私としては、大変理解しやすいというふうに認識をしております。

〔 D委員 〕 進め方のことが議論になっていますから、そのことについて。

 1つは、日本の最大の課題というのは、経済再生をどうするか。ということで、私たちにもこういう役割を今仰せつかっているのだろうと思います。そういう意味から、私自身の理解でいいますと、昨年から急ピッチに政策が打たれている。結果の問題は、まだでしょうが、それが1つ。もう一つは、政府全体でみると、新聞などで見ている限りは、経済戦略会議が具体的に当面のことをいろいろ出してきているという段階で、こういう長期的に、では将来どうなるのでしょうかというような提起というのは、国民的にみた場合には、ある意味で心理的に非常にいい影響を与えるようなものに持っていきたいものだ、そういう意味があるのではないか。

 したがって、当面これをやるあれをやるというのは、それぞれの場があって、ここはかなり長期的なことを求められているもの、というふうに私自身は理解しております。そういう意味で少しでも貢献できればというふうに思います。

 もう一つは、せっかくのこういう機会で、少しは上向きの調子に持っていこうという今の経済の政策の打たれている中で、この7項目も、どちらかというと問題提起というより、具体的な課題を提起していただいているという感じですから、このことについて少しでも、過去を訪ねるというよりも前向きな議論を、私はしていきたいと思っています。

 それから、中身について1つだけ。前の方、7項目以外のところで、改革において目指すべき「あるべき姿」とか、構造改革の課題とか、そういうふうに書かれている中を見ても、この部会が構造改革推進部会だからというのでしょうか、フォーカスをぐっと絞っているということですけれども、それに焦点を当てながらフリーに議論させていただければありがたいと思っている中で、1つは、7つの項目がずっと課題提起的に書かれていますけれども、目指す社会というのは一体何なのだろうか。たまたま、ほかの部会の資料を拝見していますと、地域経済・社会資本部会に「ゆとり」というのがちょっと出てきていまして、「ゆとりのある生活時間の創出」と出ていますけれども、これはもう少し「ゆとりと豊かさを目指す社会」とか、そういうことも入れ込んで、この7つに加えろという意味ではないですけれども、それを意識した議論をした方がいいのではないか。ゆとりのある豊かな社会の実現とは、国民的に見たら何なのだということを議論したらどうか、ということをひとまず発言させていただきます。

〔 E委員 〕 過去に提言はなされていて、実行するべきだという議論がありましたけれども、多分、長官もおっしゃいましたけれども、簡単なスローガンを必要としているのだろう。長官がおっしゃったように、例えば経済大国だとか、所得倍増だとか、過去にそういうことが言われて、そのスローガンの下に動いていった。今、どういうスローガンが必要なのか。こういうことで、経済社会憲章みたいなものを何項目か作ってくれということなのかなと伺いました。

 それで、「あるべき姿」の7項目について簡単に述べたいと思います。

 1番目ですが、21世紀には、私は、国家の役割というのは減少するだろうと考えています。10年先はどうかということになると、それはなかなか難しいですが、傾向としては、国境が薄くなっているわけですから、国民経済的な考え方、国民経済の枠というのは縮小していく。国際市民社会、そういうようなものに向かっていくはずだ。日本は大国としてどうかという話がありますけれども、日本は既に経済大国で、支出面からいくと軍事大国でもある。ただ、日本が軍事大国になることだけは抑えなければいけない。抽象的な言い方ですけれども、文化大国だとか、人権大国だとか、環境に関する保護大国であるとか、そういうことを目指すべきだということは、わかりきったことだろうと思います。

 2番目は、私にとっては質問がよくわからない。自由と社会秩序というのは決してトレードオフではなく、秩序の中に自由があるのだというふうに思っていますから、これはパスさせていただきます。

 3番目のワンセット主義。これは、フルセット主義とか、ワンセット主義とかというのですが、確かに日本はフルセット構造をずっと持ってきたわけですけれども、どこかを切り捨てるということになると、一番心配しているのは、地方経済が切り捨てられる可能性がある。世界の中のアジア、アジアの中の日本、日本の中に地方があるわけですけれども、そういう世界的な分業構造・枠組みを考えていったときに、日本がフルセットを捨てるということになったら、地方を捨てるということにならないか。地方の産業構造、これは7番目にも関係しますけれども、そういう問題があって、これはなかなか難しい問題だと思っています。

 4番目、日本固有の良さ。これも私はあまり考えたことがないのですが、雑種文化、日本というのはとにかく輸入がうまい、輸入して日本固有のものと両立させるのではなくて、それをうまく混ぜていくというのが日本の良さだろうと思っています。

 5番目、経済成長をこれからも追及するのか。これは誰がどう考えたって、世界中が経済成長を追求したら地球は壊れてしまうのであって、言うところの定常経済・定常社会というのを目指さなければいけない。そのときに、人口は減るわけですから、1人当たりの生産性というのは高めないと定常を維持できないということだろうと思います。

 6番目、個人の帰属先。これは私自身、自分がどこに帰属しているのか、多分、家族だろうとは思うのですけれども、難しい問題なので、これもパスさせていただきます。

 7番目、地域のあり方。20世紀はとにかく都市経済だった。しかし、最近の傾向を見ていると、東京の人口というのは減少しつつある。東京は住みにくくなっているわけですから、いわゆるドーナツ現象のドーナツの輪はどんどん広がっていく。ここに「無人地帯が存在するおそれがあるが」と書いてありますけれども、北海道では既に、無人地帯が存在しています。しかし、今後は、私はそのドーナツの輪が広がっていって、地方の方が住みやすいという当然のことがわかってくると思っています。

 ざっと言いましたけれども、1つだけ提案があるのです。先ほどA委員もおっしゃいましたけれども、部会ごとの関連です。これは事務局にお願いしたいのですが、企画部会ですか、全部を取りまとめる部会はともかくとして、ほかの部会をマトリックスを作っていただいて横に並べて、議論するべきテーマを縦に並べて、どの部会がどのテーマというのを、恐らく重複するでしょうから、このテーマはこの部会がメインで、この部会の意見を聞いてこっちの部会が議論するとか、そういう関係表みたいなものがあると、私たちは何を議論したらいいのかということがわかるのではないかと思います。

 以上です。

〔 部会長 〕 今おっしゃった点は、皆さん共通の認識だろうと思いますので、事務局の方でお願いします。

 企画部会とか基本理念委員会をやる場合にも、それがないと議論になりませんので、極力そういうようにしたいと思います。

〔 F委員 〕 私は労働組合の立場で参加をさせていただいていますが、先ほど、A委員、B委員のお話を聞いていて、数年前に初めて参加した審議会のスタートを思い出したのですけれども、ある委員の方から、答えはすべて過去の答申に書いてあるではないか、それをなぜできなかったのかを検証しない限り、やってもしょうがないではないかという、えらい激しい方がおられまして、確かにそういう面もあるなと。

 両委員おっしゃるように、いろいろな面でここに書いてある内容については、それぞれで1つの絵が描かれている部分はあると思うのですが、我々勤労者といいますかサラリーマンの立場から見ますと、まだそこまでの勉強が足りない部分もあって、今の当面の社会に対する不安と同時に、中長期的な日本がどうなっていくかということに対しての不安が今非常に強いと思うのです。そういうものが今の経済停滞の1つの大きな要因になっているのではないかと思います。そういう意味では、できるだけわかりやすい形で中長期の絵を描いてもらうということは非常に大事なことではないかと思います。そういった意味で、議論には参加をさせていただきたいと思っております。

 たまたま昨日、私は別の部会の委員の方と同じところにおりましたら、このテーマについて、構造改革推進部会が一番早いということでしょうか、ほかの部会の方にはファックスでアンケートみたいな形で、この7項目について文書で提出をしてほしいという話が来ていると聞いたのですけれども、先ほど、部会長も言われましたように、今日の時間で足りなければ、2月末ぐらいまでにペーパーで出せという話がございました。もしそういうことであれば、そのペーパーを整理していただいて、これだけの大きなテーマについて委員全員の意見が一致するとは私はちょっと思えない、多分、意見は分かれるだろうと思うのですが、そういう意味では、他の部会の委員の方の主張なりお考えも整理していただくと次の議論の参考になるかと思います。

〔 G委員 〕 企業の立場で身の回りを見ていますと、非常に漠たる不安が今取り巻いているわけです、雇用1つの問題にしても、経済の問題にしても、個人の問題にしても。とにかく、あらゆる面で漠たる不安がある。そういう意味では、10年を1つの目安で、「あるべき姿」としてはこういうのがあるのではないかというのを広く提示するということは、一般社会広く見ると非常に重要ではないか。漠たる不安がなくなると、ある程度エネルギーが、国民全体のが集中してくるような気がするのです。そういう意味で、10年というスパンからみると、既に全部与件はあるわけで、どうしてもリンクせざるを得ないわけですけれども、やはり、「あるべき姿」というものを提示することによって、国民のある程度の目標とか活性化とか、そっちに入るのではないか。

 今一番世相を覆っているのは漠たる不安だろうというふうに気がしますので、「あるべき姿」をある程度わかりやすく、政府なり審議会で出すということは非常に、一般の人にとっては意味があることではないかという気がしますので、せひひとつこの辺を皆さんのご議論をお願いしたいという気がしております。

〔 H委員 〕 皆さんから、「あるべき姿」というのはほとんど固まっているかのようなお話があるわけですが、私の方から考えますと、そうではなくて、例えば経済成長一つとってみても、もう少し高い成長が必要なのか、それとも、大した成長でなくてもやっていけるのかということは、かなりまだ議論が分かれるところだろうと思います。

 といいますのは、ご承知のとおり、このままいきますと社会保障の問題で、年金等も含めて、非常に難しい問題が起こってくる。それをどう解決していくかというのは、やはり、経済成長抜きには考えられないと思います。したがいまして、そこのところは、もう少し議論が必要なのかと思います。

 それから、各部会のいろいろなつながり、私も経団連の方の関係で少子化のワーキング・グループに参加しておりますけれども、それは経済政策委員会の下でやっているわけですから、経済というキーワードで考えても、そこの部分は避けて通れないということだろうと思います。

 もう一つ思いますのは、ある理想があるということにしても、実はそこまでの調整過程をどうするのか。それから、調整の後の理想の姿というのもまたあると思うのですが、その場合に、足元の状況というものをもう少しきっちり共通の認識にする必要があると私は思います。足元が、よく言われるように、構造改革がいいとしても、構造改革がすぐできるような態勢にあるのかどうか、そこのところはよく考えないと、これがいいのだから、それに向かって、とにかく「あるべき姿」だけを作ればいい、ということでは多分ないだろうと思います。

 したがいまして、先ほどもお話ししましたが、どういう調整過程を経てそこに行くのかということをよく考えないといけないかと思います。

 先ほど長官からお話がございましたけれども、前回の計画が計画倒れになってしまっているということから考えますと、それは足元について十分な理解がなかったのかなという感じがいたします。現在日本が置かれている病状を的確に認めなければ次の展開はないのかなというふうに思います。

〔 I委員 〕 世界中を丸ごと考えようという大変なテーマで、ではお前はどう考えるかと言われて、私などはすぐに何も出てこないですけれども……。

 私自身、ついこの間まで、どちらかというと、こういうものを取りまとめる側にいたものですから、どうせ作るのであれば、使えるものを作らないといけないのではないか。使えるものといいますのは、例えば、長文のレポートをまとめても、ほとんどの人は読まないです。せっかく企画庁の担当の方々が時間をかけてお作りになるわけですから、その労力を無駄にしないようなもの、当たり前の話ですけれども。そういう意味でも、あまり長い文章を作らなくてもいいのではないか、そのように思っています。

 そういうことで言えば、さっきE委員が、憲章のようなものとおっしゃったわけですが、これは1つのアイデアかなと思います。いろいろなものがあり得るのだと思いますが、あるいはそんなに網羅的ではなくても、役所が作るものはどうしても全体・全部がカバーされていないと気がすまないものですけれども、断片的に焦点を絞って、3つか4つのことだけについて言う。例えば、(別紙)の4にしても、こんなにいっぱいここに出てくると、それだけで溺れてしまいそうだなぁと思うものですから、ごくごく焦点を絞ったものを。

 あまり網羅的に長い文書を作ると、結局、前に作ったものも、その前に作ったものも、同じようなものではないのかなということで、「どうせ役所が作った文書でしょう」ということでなかなか読まれない。そういう意味で、中身もさることながら、スタイルも含めて、目標設定を考えて、最初にそこを明確にした方がいいのではないかと思います。

 それの関連で、最初にお2人の委員がおっしゃった、いろいろもう出ているではないか、と。特にA委員がおっしゃった、実施の上に障害になっている政治の問題、これはこの審議会が触れるのはなかなか難しいのだと思いますけれども、やはり、ここは非常に大事なポイントだと思います。ですから、実施の障害となっていることについての指摘事項というのが、私はあってしかるべきかなという気がしています。

 いくつか断片的に申し上げますと、さはさりながら、全体としてグローバリゼーションとか、市場とか、規制とかいう言葉が随所に出てくるわけですけれども、こういう問題設定というのは、今から先10年を考えるにあたっては、既にワンステップ遅れているのではないか。それは、ここ10年やるべきことであって、今から10年のことを考えるのであれば、その先を頭に置いた上でないといけないのではないか。

 そうであれば、これは私の趣味みたいな問題ですが、例えば、農業というのは必ずどこかで、恐らく10年以内に、「自由貿易はまずいのではないか」と、必ずこうなる。これは、私は勝手にそう思っていますが。単にグローバリゼーションとか、あるいはグローバルスタンダードといったような軽い言葉で考えるべきではない話だと思いますけれども、そういう意味では、一呼吸既に遅れた雰囲気、何となくそういう臭いがするなというのが、正直なところです。

 そういうところから出てくるのは、結局、競争あるいは効率化・成長ということであって、この中にもあります個人の問題とか環境の問題というものとどう折り合いをつけるのかというところが問題になってくるわけです。そういう意味でも、最初に申し上げました、どういうところをターゲットにしてやるのかというところが明確になっていないといけないのではないかと思います。

 あとは、さらに細かい話ですけれども、「あるべき姿」というのは、よくわからないですけれども、むしろ、そうではなくて、これは政府が出すものであれば、政府として日本をこういうふうにしていきたい、あるいはこういうふうにしていくよというメッセージが出ないといけないのではないか。ですから、「あるべき姿」とは言っても、日本人のほとんどの人はひょっとしたら同意しないかもわからないので、政府として目指す姿というようなメッセージ性を明確にすべきではないか。恐らく、日本政府としての明確な考え方とかメッセージ性があれば、それだけ、それに同意するかどうかは別にしても、国民に対して、あるいは国際的にもアピールするのではないか。何となく一般的に「あるべき姿」では、そこが誰にもなかなか伝わらないのではないか。

 抽象的なことばかり申し上げましたけれども、そんな感想を持ちました。

〔 部会長 〕 おっしゃることは、私も、特にシンクタンクにおりますと全く同感であります。網羅的というのは、何も官庁のレポートだけではなくて、今は民間の出すレポートもみんな網羅的になってしまって、日本の病気ではないかと思って、私はいつも、集中的にやれと、長論文はいらない、と言っております。ワープロ世代がみんな、ポンと押すと、前書きはみんな同じ、官も民も。そういうのはぜひ打破していきたいと考えております。

〔 A委員 〕 E委員、I委員のお話を聞いていて、感想めいたことを申し上げたいのです。それから、H委員のコメントとも関連があります。

 確かに、皆さんのご議論を聞いていると、この部分はさらに議論する必要があるのかなという感じがいたしました。特に、国家の役割についてどう考えるのかと。E委員は先ほど、国家の役割、こういう言葉をお使いにはなりませんでしたけれども、どちらかというと低下するのではないかという前提でお話しになり、I委員はちょっと違ったと思うのですが……。

 私自身は、二重構造的に国際関係を見ておりますと、いまだ国家の体をなしていない全世界で 150ぐらいの国は、国家になろうと思って一生懸命頑張っている。日本も、その国を相手にして外交を展開していかなければいけないわけです。片や、グローバリゼーションというか、情報通信を中心とした地球規模の相互浸透というのは、言ってみれば、先進国で主としてそのメリットというのは享受されている。こういう状況がこれから10年間の間、あるいはそれ以降どういうふうになるのかということ、つまり国家の役割が現在と同じような形で推移するのかということについては、やはり、コンセンサスをとっておいた方がいいのかなと。

 もう一つ、H委員がおっしゃった経済成長の話にしても、確かに、日本はODAでずっと世界一、7年間続けておりますけれども、これも経済成長がなければ、そんな悠長なことは言ってられない状況がくるのかなと。日本の外交のツールとしては、ODAというのは非常に重要だということになりますと、経済成長がないというふうに考えると、この国際社会においてどういうふうに発言力を確保していくのかという別の問題も出てくるわけです。

 以上でございます。

〔 部会長 〕 経済成長と国家の役割については、いろいろ意見が分かれる可能性があると思います。私は、特に資本市場にずっと関わってきておりますから、政府の役割というのは非常に重要であるというふうに、特にアメリカとの関係から考えているのですけれども、それはそれとしまして……。

 さっきI委員がおっしゃった中で、私は出席したわけではありませんけれども、出席者の話を聞くと、毎年正月にやっています全米経済学会、 2,000人ぐらいの学者が集まってやるようですけれども、今年はニューヨークでやったようですが、従来の計量的な新古典派の経済学から、むしろゲーリー・ベッカー流の、もうちょっと幅広く人間とかそういうものまでいくような議論が、アメリカの学会では中心になってきているような話でございますので、日本は、一周遅れか二周遅れか、その辺はまた今後議論を進めていきたいと考えております。

〔 J委員 〕 皆さん発言なさいましたのと同じようなことになるかもしれませんが、私、一般市民から見ますと、企画書というか、そういうものは出ているかもしれないですけれども、我々には非常にわかりにくいという問題があると思います。ですから、どうしてもわかりやすい簡単なメッセージで、キャッチフレーズ的なことを出すということが、国民のコンセンサスを得るためには非常に大切なことではないかと思うのです。ここの部分が欠けている。

 先ほどから再三議論されているように、網羅的な話で、どれがどれだかさっぱりわからない。それから、取捨選択が全然なされていないというところがあるのではないか。

 もう一つは、ここに挙げられている7つの項目は、あたかも我々自身に選択肢があるように見受けられますけれども、中には、我々自身に選択肢のないといいますか、もっと現状認識というものをしっかりとやっていく必要があるのではないか。

 例えば、私自身は、情報化社会に入っているわけですけれども、情報化社会の環境の中では、しかも、冷戦後の経済環境からみたら、日本が選べる選択肢というものは非常に限られてきているわけですけれども、そういった認識に立って社会を構築するためにはどうしたらいいか。そういった観点からみると、私は、今までのご議論の中で抜けているのは、時折、話には出てまいりますけれども、国民全体の自立する個人といいますか、要するにいかに独り立ちできるような国民をたくさんつくるかということ。

 そういう政策・考え方というものがないと、構造改革1つとりましても、これは好むと好まざるとにかかわらず構造改革はせざるを得ないわけで、これは受け身でやるのか、積極的にやるかの違いであって、早くやるか遅くやるか、そのためには何をしなければいけないか、こういう政策は出てくると思うのですけれども、そういった中で一番問題なのは、そこにいる市民・国民、こういう人たち一人ひとりが自分たちでやれるような仕組みを作っておかないと、以前の規制を中心にした政策の中で生まれてきた社会での我々一人ひとり、国民一人ひとりの生活態度・スタイル、そういうものがまだ体に染みついているところがあるのではないか。そういうものをなくすためには何をしたらいいのかというようなことも、十分に議論していただけたらいいかと思うわけです。

〔 部会長 〕 それぞれ委員の皆さん、まだまだご意見がおありだと思いますけれども、時間の関係で次に移らせていただきたいと思います。次に、この部会固有の検討テーマについて--「固有の検討テーマ」ということについてまたいろいろスタートからご議論があるかもしれませんけれども--、議論をしていただきたいと思います。まず、事務局から説明をお願いします。

〔 事務局 〕 資料6をご覧いただきたいと思います。「構造改革推進部会の進め方について(案)」の2番目でございます。「構造改革推進部会固有の検討テーマ」としております。

 最初に、構造改革において目指すべき「あるべき姿」ということで、構造改革の目指すべき産業、経営、市場等の経済各面での「あるべき姿」として次の3つの姿を中心に検討してはどうか。

 1つ目が、「グローバルな競争に対応した経済社会」。これから一層厳しさを増すと予想されるグローバルな競争社会の中で、我が国の経済的な豊かさを世界における相対的な位置づけを維持していくためには、我が国で活動する企業が国際競争力きを維持・増進するための条件整備に加え、「企業が国を選ぶ時代」という認識に立った国際的な制度調和という観点からグローバルな競争に対応した経済社会とすることが必要である。

 2つ目が、「個人や企業の創造性と自由度の高い経済社会」。これから我が国経済の活力、競争力を維持していく観点からも、個人や企業が創造的で、自由度が高く多様な選択の機会が存在していることが必要。

 このためには、個人の面からは特定の組織に縛られず、組織からの自由度を高めるための改革とともに、多様な人生の選択のための環境整備が必要。また、企業の面からは、独創的な新技術等を背景に、活発な創業が興り、多様な新商品・サービスが供給されるようなシステム変革が重要ではないか。

 3つ目が、「環境と調和した経済社会」。持続的な経済社会を構築し、現在の環境を後世代に望ましい姿で受け継いでいくためには環境と調和した新しい経済社会システムの構築が必要ではないか。                この3つを、検討してはどうかということで挙げさせていただいております。

 2番目は、「あるべき姿」の実現に向けた構造改革の課題でございます。以下の課題については、既に進められつつある(これは参考資料に載せてあります。)「規制緩和推進計画」、「産業再生計画」等に基づいた施策を踏まえた上で、より長期的な観点に立った変革の方向とそれを実現させるための方策を示すことが重要ということでございます。

 1つ目が、「グローバルな競争に対応した経済社会」を実現させるための構造改革。グローバルな競争に対応していくためには、後でご説明いたしますけれども、企業、産業のダイナミズムを復活させるための改革に加え、我が国の諸制度・慣行をいわゆるグローバルスタンダードに沿ったものとしていくという視点からの構造改革が必要。この視点からの検討対象として、企業制度、取引慣行、雇用制度を取り上げ、改革の内容及び改革を実現するための方策について検討してはどうか。

 先ほど議論がございましたが、なお、この課題については、グローバリゼーション部会での議論も踏まえて検討を行うことが適当。

 2つ目が、「個人や企業の創造性と自由度の高い経済社会」を実現させるための構造改革。「個人の面からの改革」と「企業の面からの改革」と2つに分けております。

 個人の面からの改革としまして、

 イ.組織からの自由度を高めるための改革。例えば、労働移動に対応したポータビリティの確保の確保、個人の市場価値を高めるための職業能力開発などが考えられます。

 ロ.多様な人生の選択のための環境整備。例えば、人材移動の一層の円滑化、社会人に開かれた高等教育、NPOによる事業の促進、可処分時間増加のための改革などが考えられます。

 企業の面からの改革としまして、現在進められています「産業再生計画」等を踏まえ、より長期的な視点に立った企業再活性化のための構造改革について検討。

 イ.創業・起業の促進。例えば、創業・起業に対する日本的風土の改革を議論してはどうか。

 ロ.新技術・新業態の開発・普及。例えば、特定分野の研究開発の加速化と人文系分野における知的資産の増加などを議論してはどうか。

 ハ.「仲介機能」の強化。例えば、技術、企業活動、企業と個人の間の情報等の仲介機能の強化を議論してはどうか。

 3つ目が、「環境と調和した経済社会」を実現させるための構造改革。大量の廃棄物の排出等により、最終処分場の逼迫や廃棄物処理に伴う様々な環境負荷等が顕在化していることに関連して、廃棄物処理・リサイクルの問題を含め、循環型経済社会の実現に向けた構造改革について検討、この3つを提案しております。

 最後に、構造改革の経済効果についての数量分析。規制緩和をはじめとする構造改革が経済の活性化や生産性の上昇等を通じて経済に与える効果の定量化を行うということでございます。

 3ページ目をご覧いただきたいと思います。スケジュールでございます。第2回は、部会検討テーマの検討と、ヒアリングを考えておりまして、今、経団連、米国商工会議所、欧州ビジネス協会等を予定しております。その後、3月16日以降、第3回、第4回、第5回で、新たな構造改革の課題ということで議論させていただきまして、4月20日と5月14日で、部会意見の取りまとめということを予定させていただいております。

〔 部会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明を踏まえ、ご議論をいただきたいと思います。

でも、どうぞ。

〔 E委員 〕 1つだけ質問がございます。冒頭で、いくつかのテーマをシンクタンクに委託するという話がございましたけれども、今のスケジュールでいくと、何回目ぐらいにそれが出てくることになるのでしょうか。

〔 事務局 〕 資料5でございました、シンクタンクへの委託でございますが、我々の部会に直接関係いたしますのは、2.のdのところで「創業・起業に対する日本的風土の改革に関する調査」ということを予定しております。

 実は、時間的に非常に短い間ですが、来月3月の後半にも、この調査報告が出てくるという予定にしておりまして、我々の検討で申しますと、「新たな構造改革の課題」の2番目の3月26日で、先ほど申し上げました「個人や企業の創造性と自由度の高い経済社会」のご議論をさせていただければと考えておりまして、その中であわせてご紹介できればと考えております。

〔 B委員 〕 冒頭で少しラディカルなことを言いまして、議論をしてもらって、大分温度差があるということがよくわかりました。ですから、もうちょっと議論した方がいいのかなと、反省をしております。

 もう一度申し上げますけれども、私は、今、がんで死にそうになっている人に、病気が治ったらこういうことをしようね、ああいうことをしようね、そういう希望を与えてあげるのはいいと思うのですけれども、そういう意味で何か目標というのが掲げられるのなら、それはそれでいいのかなと思います。しかし、それはかなり先の話。さっき大臣のおっしゃったところからいうと、そんな先の話を議論するのかなと、私はちょっと違和感がございます。

 それはそれとしまして、危機意識については温度差があって、資料6のところで具体的に申し上げますと、例えば、1ページの2)の1行目から2行目については、既に進められつつある「規制緩和推進計画」、「産業再生計画」等に基づいた施策を踏まえた上で、と書いてございます。この「踏まえた上」というのは、一体どういう意味なのか。これでいいという前提でお書きになっているのでしょうか。

 私は、現在の「規制緩和推進計画」は全然いいとは思っていない。全く不十分だと思っています。同時に、計画に書かれていることが不十分なだけでなく、それ自体を実現する上でも不十分な点がある。

 ですから、そういう点で言いますと、こういう規制緩和とか構造改革についての今までの実行計画はよいという前提で、さらに、こういう次のことを考えましょうということで書いてあるように見えるのですが、私は決してそうではなくて、これまでの計画の「こうすべきだ」というのは、さっきも申し上げたように、既に出ているのだけれども、それが実行計画になったとたんに、かなり不十分なものになっている。そこの部分を検証することは必要ではないか。

 同時に、そこの部分、「こうあるべきだ」と昔提言されたことを実行するための方法を考えるか、という点についての議論は抜けているのではないかと思います。

〔 部会長 〕 その点は、私もB委員もご一緒にやりました、96年の6分野の経済構造改革、それから、昨年6月に出した経済主体役割部会報告というところの議論を通しても、私も個人としたら、印象として、今おっしゃった2)のところの問題、あるいは3の「構造改革の経済効果についての数量的分析」というところも、「規制緩和をはじめとする構造改革が経済の活性化や生産性の上昇等を通じて」云々と、いかにももディレギュレーションは全部終わって、あとは民間と個人の役割だよという印象を非常に受けるという感じを持ちましたので、B委員のご意見には非常に同感するところがございます。

 あまり妥協せずに、ラディカルな意見をどんどん、B委員らしくこれからもお願いしたいと思います。

〔 D委員 〕 スケジュールのところでちょっと気になるのですけれども、経済構造改革のような話をすると、供給側の経団連、在日米国商工会議所、欧州ビジネス協議会等となってくるのですけれども、先ほど部会長が言われたような意味で、経済全体を考えたり、社会全体を考えたりするときに、受け手側といいますか、供給側だけでない、そういうところからのことを考えておかなくてもいいのかと、ちょっと気になりまして、問題提起させていただきます。

〔 部会長 〕 何か事務局から説明がありますか。先ほど、資料5では、インターネット、国民提言募集とかいろいろやっているようですけれども。

〔 事務局 〕 受け手側としてどういうふうなところが良いでしょうか。

〔 D委員 〕 例えば、インターネットなどで入ってくるのは、団体としてまとめて入ってくるかどうかわかりませんが、多分、個人でしょう。そういうことを考えますと、労働団体であるとか、消費者団体であるとか、要するに、経済と言ったときに供給側だけからやったということでいいかと、ちょっと気になります。そういう意味での問題提起です。

 ここに「等」と書いてありますから、何かご検討いただけるかどうかということです。

〔 I委員 〕 今の点に関して、同じようなことですが、こういうところから聞くというのは、私は、それはいいと思うのですけれども、今のD委員のお話とある意味では同じなのですけれども、それは非常に一面的だと思うのです。では、消費者団体とか労働団体、団体というのはどこまで行っても間接的な話しか聞けないのではないか。なるべく、現場に近い人。それから企業ということでいっても、大手町にいる、日本を代表する企業の経営者たちというのは本当に現場の感覚を代表しているのかというのは、私はかなり疑問ですので、そこは対象をよく考えればいいのではないか。

 それから、在日米国商工会議所というのも、これはこれで聞く意味は大いにあると私は思いますが、ただ、この人たちが、日本のあるべき姿を考えてくれているとは到底言えないはずなので、日本にさせたいことというのは山ほど言うでしょうけれども、そういうつもりで聞かないといけない、そういう位置づけではないかというふうに思います。

〔 部会長 〕 G委員、現場でずっと携わっているお立場から、今のお話はいかがですか。

〔 G委員 〕 供給側からも広くという、消費者その他も含めての論議が入らないと、ちょっと一方的になってしまうかなという心配は少しあります。

〔 A委員 〕 B委員をサポートするわけではないですけれども、私も、規制緩和の実施状況を政治学的な観点から昨年、調査をしたのですが、1例を挙げますと、私自身は、B委員と違って、規制緩和推進3カ年計画、これを完全に前倒しして1年ぐらいでやれば大変に意味のあるものだと思っていますが、それでも、例えば上水道の事業者免許、これは地方自治体レベルで交付が行われていたのですけれども、それをナショナルなレベルで、北海道の事業者が神奈川でも工事ができるようにと規制緩和をしたのですけれども、実施レベルで見てみますと、全然そんなことはない。引き続き、免許を貸してもらって、その名義料10万円を払って工事をしているという実態があるのです。それはなぜかというと、結論から言いますと、上水道の方は厚生省の管轄で、下水道の方は建設省の管轄、そういう縦割り行政の結果であるわけです。

 そういうようなこからしますと、今まであるべき姿として提示された、細かい政策がなぜ実現されないのかという点について、繰り返しになりますけれども、長官も今日お話しになりましたけれども、つぶさに検討していただきたいと思っております。

 もう一つは、これは質問になりますけれども、先ほどのご説明の中で、税制はどういうふうな位置づけになるのか、と。例えば、2 ページの②で「個人や企業の創造性と自由度の高い経済社会を実現させるための構造改革」と書いてあって、個人と企業というのはあるのですけれども、政府がこういう目的のために何をなし得るのか、自由度の高い経済社会を保障するために国は何ができるのかという点は、どこで議論されるのかという感じがします。

 受け売りですけれども、つい最近、アイルランドの例を知ったわけですけれども、法人税が10%になったために、EUで一番成績が悪かったアイルランドに海外投資が集中して活気に満ちている、こういう報道がございました。法人税制を含めて、税制の問題はどういうふうに扱われるのかというのをお聞きしたいと思います。

〔 事務局 〕 今おっしゃった問題点は、まさに同じ問題意識でありまして、こういうことのために国が何かできるか、何をすべきなのかということが議論されるべきであって、もし必要があれば、お説教的なものも必要なのかもしれませんけれども、本質的に重要なのは国がこの目的のために何ができるのか、何をすべきなのかということだと思って、そういう観点で議論をしていきたいと思っております。

 税制の話も、別にここから除かれるということではなくて、こういう目的のために必要な税制改正がまだやられていない、これからやるべきということがあれば、取り上げていくということになると思います。

〔 部会長 〕 税制の問題は、あらゆる場面で一番基本的な問題ですから、十分取り上げてやっていきたいと考えております。もちろん、政府税制調査会が別にありますけれども、それはそれとして、この部会においても取り上げたいと思います。

 労働側のご意見として、団体からの意見を聞いていても云々というご意見もございますが。

〔 F委員 〕 労働組合は供給側というふうに決めつけられるのはちょっと不満はありますけれども、これは労働組合側の努力の足りなさかもしれませんが、我々は、消費者といいますか、一方の市民という立場を持っておりますので、そういう面でいろいろな政策提言はしているつもりです。

 それにしても、今ご意見がありましたように、経団連あるいはビジネス協会等だけのヒアリングというのは、ちょっと不足しているかなという感じはいたします。

 それから、これは非常に大きな問題なので断片的になりますけれども、2ページの頭に、「いわゆるグローバルスタンダードに沿った」ということが書かれておりますけれども、グローバルスタンダードとは一体何なのかという点の議論も、私は非常に重要ではないかと思います。

〔 部会長 〕 そのとおりですね。経団連などは、ペーパーは年間に40も出ているから、それを読めば、別にヒアリングする必要もないのではないですか。

〔 事務局 〕 ヒアリング先は、F委員とご相談させていただきたいと思います。

〔 B委員 〕 在日米国商工会議所とか欧州ビジネス協議会等というのは、規制緩和委員会などでしょっちゅうヒアリングしています。それを皆さんに見ていただくのでも済むかもしれません。

〔 部会長 〕 そうすると、相当手間を省けるとは思います。

〔 H委員 〕 構造改革・規制緩和ということですけれども、もちろん構造改革は必要、規制緩和は必要というのは、皆さん認めるところだと思うわけです。ただ、今回、いろいろ日本経済が困難に陥っている背景の1つに、一昨年の金融機関の破綻というのもかなり大きな影を落としているだろうと思います。したがいまして、構造改革・規制緩和に伴う光と影といいますか、光の部分がずいぶん強調されているわけですが、思いもよらない影の部分が出てきているということが、暗くしているのかなという感じがございます。

 したがいまして、この議論をしていく中でも、こちらの構造改革なり規制緩和というもののもたらす負の部分、それについても十分認識した上でやっていかないと、きれい事だけで終わってしまうかなという感じがいたします。

〔 部会長 〕 ということは、具体的にはどういうふうな議論をしたらよろしいと考えられますか。

〔 H委員 〕 こういう構造改革が必要です、こういう規制緩和が必要ですと言った場合に、マイナスの面、例えば失業率がどうなるかとか、そういうことも十分考えていく必要があるということだろうと思います。

 したがいまして、例えば、3で、経済改革の経済効果についての数量的な分析をされるということですが、この中に雇用の問題をどのように入れ込んでいくのか、それはどう認識するのかということもぜひお考えいただきたい、一緒に議論していきたいと思います。

〔 B委員 〕 ちょっと抜けているかなと思ったのは、競争政策です。つまり、2の①、②を実現していく上で重要な話という中の1つの柱は、競争政策をどうするか。

 私は、さっきから申し上げているように、規制緩和は全然進んでいないと、世間ではビッグバンとか言っているけれども、そんなものではないというふうに思っているのです。それにしても、少しずつ進んでいるのは確かに通信の分野とかがあって、その中で、要するに、一種の中途半端な規制緩和が進んでいる中での競争政策の役割というのは非常に重要になってきている。特に、エッセンシャルファシリティを既存企業が独占しているような場合に、どう配分していくかという話は、すべての分野で共通の課題なのですけれども、その配分の方法についてはまだ何も議論がされていない。それで、規制官庁は未だにそれを握っていて、結局、実際には競争ができない状態になっているという部分がたくさんあります。

 そういったことも含めて、競争政策の問題点。これは、競争政策を担当するところがどこかという話も当然ありますし、それから、エッセンシャルファシリティ等について、それの役割をどこが持つかという議論も当然あり得ます。それから、情報公開をどのようにさせていくか。

 そういった構造改革あるいは規制緩和に関して、総論的な部分で抜けている部分があるのではないか。私は、個別の各項目毎に、この分野について規制緩和が進んでいないという話は、ここであまりする議論ではないと思うのです。議論をする材料としてはいいかもしれませんけれども、具体的にこの分野のここのところでこれが進んでいないというのは、説明のための材料であって、ここで取り上げることではない。なぜそれが進んでいないか、それを進めていくにはどうしたらいいかという総論的な議論をしていく必要があって、そのための重要な部分というのは、この規制システムと競争政策の基本的な部分だと思います。その点についての議論をするべきではないかと思います。

〔 部会長 〕 個別の問題は、規制緩和推進計画でずっとやってきておりますので、そちらの仕事として譲って、こちらは、おっしゃるとおりの話でいきたいと思います。

〔 C委員 〕 構造改革をしなければならないということ、それから規制緩和をしなければならないということ、そこまで行くのですけれども、なぜそういうことをしなければならない、時代的な変化というか、社会的な変化というものがあるのか。それはどういうふうな変化なのか。そういう時代の変化の要請に応じてこういうものが必要なのだ、突然に構造改革・規制緩和というものではないのではないか、というような感じもするわけです。

 だから、要するに時代の変化をどう読んでいくのか、社会の変化をどう読んでいくのか、その辺に産業なり、経済というか政治も含めて考えなければならないと思います。

 高度経済成長というと、バブルがはじけて……という1つのプロセスを経てということでしょうけれども、例えば、社会というものが、時代というものが今まで、中根千枝先生が言っておられたような、縦型の社会構造ではなくて、横型の社会構造になってきたのだ、上下の関係ではなくて、横の関係というか、そういう時代に変わってきたのだというようなことを認識しておく必要があるのではないだろうかと思うのです。

 豊かさというのは、価値観多様化というものを生み出し、価値観多様化というものは、人間関係も含めて組織全体も横の構造というものをつくり上げる。貧しいというときは、縦型・上下の関係というものをつくり出す。そういう、今は不況ですけれども、日本の国というのは縦型の社会構造から横型の社会構造になった。今までの日本の経済でも政治でもそうですけれども、そういう縦型の社会構造なり意識構造というものを前提にして構築されてきている。そこに矛盾が出てきているのだということを、お互いに明確に認識して、それぞれ提言してみるというか、意見をまとめてみるということは必要ではないかと思うのです。

〔 部会長 〕 構造改革推進部会というより、「あるべき姿」という基本的な問題のところの話でもあると思います。私は、共通認識としてあるのではないかと思っておりますが、再確認ということであれば、それはまた議論は必要かと思います。

 ほかにいかがでございましょうか。

 それでは、その他スケジュール等を含めまして、ご意見がございましたらお願いいたします。

〔 A委員 〕 経済企画庁のホームページには、この議事要旨は載せるのですか。

〔 事務局 〕 載せます。

〔 部会長 〕 4との関係で、英語での発信というのは行うのですか。

〔 事務局 〕 準備中でございます。

〔 部会長 〕 ほぼ同時に?

〔 事務局 〕 日本語が先になると思います。

〔 部会長 〕 タイム差は、どのくらいですか。

〔 事務局 〕 若干です。

〔 部会長 〕 数日間ですか。

〔 E委員 〕 シンクタンクのテーマの話ですが、資料5の2のdで「創業・起業に対する日本的風土の改革に関する調査」とありますが、風土というのは、なかなか難しい。多分、私がこれを委嘱されたら、一体何を議論したらいいのかと。

 日本的風土という言葉で、どういうことを注文されているのですか。

〔 事務局 〕 現在の日本は、アメリカに強く根づいています企業家精神旺盛な風土、これがないのはなぜかというところで、1つの仮説ですけれども、今の仮説としては、先ほどの個人の自立の話もありましたけれども、個性より組織を尊重する風潮であるとか、若者の大企業志向、それから敗者復活がなかなか難しいビジネス風土があるのではないか、大きくそういう仮説を立てまして、それに対してどういう問題が今日本にあるのか、あるいは外国にはそういうものはないのか、というのを検討した上で、それに対する方策としてどういうものがあるかというような流れで勉強してみたい。

 ここら辺は、今そういうことで考えておりますけれども、ぜひお知恵をいただければと思います。

〔 部会長 〕 3月に出るということは、早くから出したのか、あるいは各シンクタンクでこの辺の専門の問題は相当レポートを出しているし、民間経済団体でもずいぶん出しておりますから、それらを集約したら1つのものは必ず出てくるというふうに考えております。

 経済同友会でも、もう2回にわたって世界各国の調査も全部して、特にニース近辺に新しいベンチャーがどんどんできているという全く新しい話があります。ミュンヘン近郊は、数年前からずいぶんありましたが。

 ほかにいかがでございますか。

〔 F委員 〕 日本人というのは少し自虐的になり過ぎるところがあって、あらゆるものが日本のシステムはよくないということをまず前提に物事を考えているような風潮があるような気がしてならないのです。そういう面では、今のような内容についても、非常に客観的な分析をぜひしていただきたいなと、ちょっとコンサバティブかもしれませんけれども、そんな思いが最近ちょっと強いものですから、一言だけ申し上げておきたいと思います。

〔 部会長 〕 先ほどの(別紙)の方で「日本固有の良さ」、アイデンティティをどうするか、これは非常に議論のあるところですけれども、ぜひ今後議論の対象としてやっていきたいと思います。

 それでは、短い時間でございましたけれども、この部会の進め方につきまして、大体ご了承いただけものと、あるいはご意見は全部伺ったと思いますので、今後このような格好で進めてまいりたいと思います。

 まだいろいろご意見もあると存じますが、時間の関係もありますので、本日の審議につきましては、ここまでとさせていただきたいと思います。

 本日の資料6ー1及び2の論点につきましては、基本的でかつ幅広いものですし、今後早急に議事を進めるため、各委員におかれましては、2月末までにメモをまとめて、事務局までできるだけ提出していただけるようにお願いしたいと思います。

〔 事務局 〕 ともかく、ご意見をそれぞれの委員の方からメモでいただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

〔 部会長 〕 それでは、次回以降の日程について事務局から説明をお願いします。

〔 事務局 〕 次回3月9日(火)午前10時~12時までを予定しております。場所等は、別途ご連絡させていただきます。

 それから、意見の宛て先でございますが、一枚紙で入れさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。

〔 部会長 〕 それでは、第1回の構造改革推進部会の審議は以上にいたしたいと存じます。

 なお、本日の審議内容等につきましては、私の方からこの後、記者クラブにおいてブリィーフィングをさせていただきたいと思います。

 本日は長時間のご審議、誠にありがとうございました。次回以降もよろしくお願いいたします。

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