第1回構造改革推進部会議事概要
- 日時 :平成11年2月16日(火)10:00~12:00
- 場所 :合同庁舎4号館経済企画庁長官官房特別会議室(729号室)
- 出席者
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水口弘一部会長、五十嵐三津雄、江口克彦、加藤秀樹、草野厚、草野忠義、清水秀雄、中条潮、長谷川公敏、濱田康行、村井勝の各委員
堺屋経済企画庁長官、今井政務次官、塩谷事務次官、林官房長、牛嶋審議官、高橋審議官、梅村企画課長、大西計画課長、染川計画官、涌野計画官、安井計画官、林部計画官、佐久間計画官、荒井計画官、渡辺電源開発官、岩瀬計画企画官、福島推進室長他
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水口弘一部会長、五十嵐三津雄、江口克彦、加藤秀樹、草野厚、草野忠義、清水秀雄、中条潮、長谷川公敏、濱田康行、村井勝の各委員
- 議題:
- 構造改革推進部会の公開について
- 構造改革推進部会の進め方について
- 審議内容:
冒頭、堺屋経済企画庁長官から挨拶。
その後、事務局から資料2「構造改革推進部会の公開について(案)」、資料3「「新たなる時代の姿と政策方針」の諮問文」、資料4「経済審議会の今後の運営について」、資料5「「新たなる時代の姿と政策方針」の策定手法の多様化について」、資料6「構造改革推進部会の進め方について(案)」(別紙「「あるべき姿」における我が国の国家像をどう考えるか」を含む。)について説明。これらに対する委員からの主な意見は以下のとおり。- (1)「あるべき姿」における我が国の国家像についての議論
- ○「あるべき姿」については、今まで様々な議論がなされており、ある程度決まったものがあるのではないか。今はどうあるべきかを議論するよりも、決まっていることを如何に実行するかを議論すべきである。
- ○「あるべき姿」は既に描かれており、なぜ実行できないかを考えるべきである。その際、具体的な事例について、細かい事実関係に注意を払いつつ議論する必要がある。
- ○「あるべき姿」については既に結論が出ているのかもしれないが、部会のメンバーでもう一度方向性を出してみることも意味があるのではないか。単に「あるべき姿」を描くのみならず、現実との差を認識し、その差を縮めるために何が必要かを議論すべきである。
- ○経済戦略会議が短期的な視点で検討を行っていることから、部会では長期的な姿を示して国民に安心してもらうことが必要である。今後、日本が目指すべき社会とは何かを考える場合、「ゆとりと豊かさ」という考え方も重要ではないか。
- ○後は実行あるのみという意見があったが、何らかのスローガン、例えば、経済社会憲章のようなものが必要ではないか。
- ○我が国の国家像について、
- 「世界における我が国の位置付けについて」は、傾向としては国家の役割が減ずる方向にあり、国際市民社会のようなものになるのではないか。現在の日本は経済大国であり、支出面だけから見ると軍事大国かもしれないが、軍事大国の方向に進むのは好ましくない。その次は、文化大国、環境大国か。
- 「自由と社会的秩序などのトレードオフについて」は、秩序の中に自由があるものと思うので、どのように答えれば良いか分からない。
- 「産業、技術等のワンセット主義について」は、世界の中のアジア、アジアの中の日本、日本の中の地方経済という分業の段階があることを考えれば、日本がフルセット主義を捨てるということは地方を捨てるということにつながらないか。
- 「日本固有の良さについて」は、日本が輸入がうまく雑多文化であり、様々なものを混ぜ合わせていくことがうまいと思う。
- 「経済成長について」は、今後日本は定常社会を目指すことになるだろうし、そのためには1人当たりの生産性を向上させる必要がある。
- 「個人の帰属先について」は、私自身の帰属先は家族だと思うが、難しい問題で直ちには答えられない。
- 「地域のあり方について」は、20世紀は都市経済であったが、都市は住みにくくなっており、東京の人口も減少傾向にある。今後は、都市のドーナツ化が一層進み、地方の良さが認識されるのではないか。
- ○国家の役割について、今後は二重構造的になっていくのではないか。つまり、世界には国家の体をなさない国々があり、日本はそれらの国々をも相手にしていかなければならない一方で、先進国はグローバリゼーションからメリットを受けている。
- ○今は当面の不安のみならず中長期の不安がある。そのため、分かりやすい形で中長期の姿が描ければよいと思っている。
- ○10年を目安にあるべき姿を提示することは重要である。誰もが漠たる不安を持っていることから、それを解消するためにある程度の目標を示すことが必要である。
- ○「あるべき姿」について、定まったものは無いのではないか。例えば、経済成長を見ても、より高いものを目指すかどうかは意見の分かれるところである。
- ○あるべき姿があっても、そこに至るまでの調整過程が重要であり、そのためには足元の状況について、構造改革が今すぐにできる状況にあるのかを検討し、共通の認識を持つ必要がある。
- ○部会報告として長文のレポートを作成しても読んでもらえないだろう。そのため、先ほど意見が出た憲章のようなものも一つのアイデアである。その場合、全体を網羅している必要はなく、断片的でもいいから、ターゲットを絞ってまとめるべきである。
- ○我が国の国家像の中には一般市民からは分かりにくい問題も含まれており、分かりやすいキャッチフレーズを出すことが必要ではないか。
- ○構造改革はとにかくやらないといけないことだが、そのためには「自立した個人」を作るという視点が重要であり、そのためには何が必要かを議論すべきである。
- (2)「構造改革推進部会」固有の検討テーマについて
- ○資料中「「規制緩和推進計画」、「産業再生計画」等に基づいた施策を踏まえた上で」という文言があるが、これは規制緩和推進計画を良いものと考えるということか。個人的には規制緩和推進計画は良いものとは思えない。これまでの計画の「こうすべきだ」という部分は良いが、実行計画の部分になると不十分である。いかに実行すべきかを議論する必要がある。
- ○第2回に予定されているヒアリングについて、ヒアリング先が供給者側に偏っているが、消費者、労働者などの受け手側も必要ではないか。
- ○経団連などから話を聞くのは良いが、それだけでは一面的に過ぎるのではないか。
- ○部会の検討テーマとして、税制はどのように扱うのか。
- ○「グローバルスタンダードとは何か」という議論も必要である。
- ○今は構造改革や規制緩和の負の影響が出てきているのではないか。例えば、ある改革を行えば失業率がどれだけ上がるというように、負の影響についても認識した上で議論する必要がある。数量分析を行う上でも、考慮してほしい。
- ○この部会では、規制緩和について、残された規制を個別具体的に検討することは不要である。競争政策をどうするか、情報公開をどのようにさせるかなど、規制の総論的な議論が必要ではないか。
- ○構造改革が必要な社会に何故なったかを考える必要がある。今まで日本の社会は縦型であったが、皆が豊かになり、価値観が多様化すると横の構造が生まれることから、今の日本は横型になっているということを認識する必要がある。縦型の社会構造を前提に今の社会が作られていることを認識した上で議論すべきである。
- (1)「あるべき姿」における我が国の国家像についての議論
- 今後のスケジュール:
次回の構造改革推進部会(第2回)は3月9日10:00~12:00に開催する予定。
以上
なお、本議事概要は、速報のため、事後修正の可能性があります。
(連絡先)
経済企画庁総合計画局計画企画官室
吉野
Tel3581-0977