構造改革推進研究会 議事録(第2回)

平成10年11月2日

 経済企画庁


第2回 構造改革推進研究会 議事次第

日時 平成10年11月2日(月)14:30~16:30

場所 共用第2特別会議室(407号室)

  1. 開会
  2. 高コスト構造是正・活性化の進捗状況と一層の推進(Ⅰ)
  3. 医療・福祉分野の構造改革について
  4. 閉会

(資料)

  1. 資料1 委員名簿
  2. 資料2-1 構造改革の一層の推進について(論点メモ)
  3. 資料2-2 「高コスト構造是正・活性化のための行動計画」における目標等の進捗状況
  4. 資料2-3 「高コスト構造是正・活性化のための行動計画」における点検指標等の進捗状況(図表)
  5. 資料2-4 物価指数の推移
  6. 資料2-5 物流分野の規制緩和等の進捗状況
  7. 資料2-6 事例その1(物流分野)
  8. 資料3-1 大熊委員説明資料
  9. 資料3-2 医療・福祉分野の構造改革
  10. 資料3-3 医療・福祉分野の構造改革(図表編)
  11. 資料4  構造改革推進研究会の検討スケジュール

(参考資料)

  1. 参考資料1  「高コスト構造是正・活性化のための行動計画」における点検指標(物流分野を抜粋)
  2. 参考資料2-1 経済審議会建議6分野の経済構造改革 医療・福祉・医療品分野の進捗状 況
  3. 参考資料2-2 医療・福祉分野の構造改革 病院等の構造改革についての参考事例集

構造改革推進研究会委員名簿

   座長  水口 弘一   (株)野村総合研究所顧問

   委員  浅見 泰司   東京大学工学部助教授

    〃  荒木  襄   (社)日本損害保険協会専務理事

    〃  池本 美香   (株)さくら総合研究所主任研究員

    〃  岩田 一政   東京大学大学院総合文化研究科教授

    〃  植田 和弘   京都大学大学院経済学研究科教授

    〃  大熊 由紀子    (株)朝日新聞社論説委員

    〃  小椋 正立   法政大学経済学部教授

    〃  滝上 宗次郎   (株)グリーン東京社長

    〃  出島 敬久   上智大学経済学部講師

    〃  中島 隆信   慶應義塾大学商学部助教授

    〃  橋爪 大三郎   東京工業大学大学院社会理工学研究科教授

    〃  林  克彦   流通科学大学商学部助教授

    〃  村井  勝   コンパックコンピュータ(株)顧問

    〃  寄本 勝美   早稲田大学政治経済学部教授


(座長) それでは、ただいまから第2回構造改革推進研究会を開催させていただきます。

 本日の議題は、「高コスト構造是正・活性化の進捗状況と一層の推進(Ⅰ)」と「医療・福祉分野の構造改革について」でございます。これらの議題について、事務局から説明した後、ご意見等をいただきたいと思います。

 では、まず1つ目の議題であります「高コスト構造是正・活性化の進捗状況と一層の推進(Ⅰ)」につきまして、事務局から説明をお願いします。

(事務局) それではご説明申し上げます。資料は2-1から資料2-6までを使います。

 まず構造改革の状況でございますけれども、これまで我が国におきましてはいろいろな構造改革の取り組みがあったわけでございますが、特に現行経済計画におきましては、高コスト構造是正・活性化のための行動計画が策定されておりまして、これに沿って高コストの是正、あるいは競争を通じた効率化が進められてまいりました。そのアプローチですが、こうした方向を阻害している要因、特に規制を一つひとつ見直すという形で進められてきたというふうに考えられます。

 この行動計画につきまして、資料2-2と2-3でその進捗をみてみたいと思います。資料2-2にこの行動計画で目標等として掲げられたものの進捗状況がございます。取り上げられましたのが物流、エネルギー、流通、電気通信、金融サービス、旅客運送サービス、農業生産、基準・認証・輸入手続等、公共工事、住宅建設ということで10分野ございます。これらについてそれぞれ目標が掲げられ、政策の推進が図られてまいったわけでございます。

 その主なポイントといたしまして、例えば物流についてはコンテナターミナル等の整備の推進とか鉄道貨物におけるパレット化を進めるとか、モーダルシフト対象船種の船腹量を従来の伸びを下回らない水準で増加させるといったようなことがございます。一部、当初の目論見ほど進んでないというところもございますけれども、それぞれについて取り組みが進められております。また、トラックについて申し上げれば、営業区域の拡大、あるいは最低保有台数の見直しといったようなことについての規制緩和が行われております。

 2ページにまいりまして、内航海運については複合一貫輸送のための内貿ターミナル等の整備といったようなことが進められております。また、鉄道貨物も少ないながらコンテナの大型化とか、列車の長大化といったものが進捗いたしております。

 さらにエネルギーの分野では、ガソリンについては輸入の競争が起こりまして、ガソリン価格が下がっている。また、電力については、都市ガスも同様でございますが、料金規制が一部見直しになる。電力については卸発電部門への新規参入が拡大されて、現実に参入が行われるというような状況になっております。

 また、流通については、現段階でみると目標がこれで適正だったのかという感じがいたしますが、国際的にみて遜色のない水準に生産性を上げていくといったことで、関連の規制緩和などが進められておりますけれども、残念ながら製造業の方が生産性の伸びが高いということで、相対的には流通業の生産性は低下しております。そういった面で、この分野については目標として適切だったかどうかというところだと思います。

 電気通信については、遠近格差の縮小が相当進んでおります。若干、専用線の値段が少し高いという部分が残っているかと思いますが、サービスの相当部分を占める電話料金については改善が見られる、あるいは、マルチメディア時代にふさわしい定額制の導入といったことも検討が進んできております。それから、光ファイバ網の整備もかなりペースが早く、予定以上の進展がみられております。

 金融サービスについてもさまざまな規制緩和が進められてきております。これもこれで十分かということは別にいたしまして、計画に挙げられたものは着実に進んでいるということでございます。

 また、旅客サービスについても、競争促進策の推進で空港のダブル・トリプルトラック化が進んできておりますし、さまざまな割引運賃も既に適用が行われております。タクシーについても運賃・料金の多様化が進んでおりますし、増減車についても弾力化の措置がとられておりまして、現状ですぐにということではございませんけれども、スケジュールが立っております。鉄道旅客については、運賃・料金の規制が緩和されまして、弾力化が進んでおります。

 農業生産についても、生産コストを下げる取り組みが順次行われてきております。

 基準・認証、輸入手続等でございますが、規制緩和の措置が個別分野でそれぞれとられてきております。

 公共工事については、10%のコスト削減目標が掲げられておりますが、初年度の9年度はその約3分の1の3%のコスト縮減が達成されております。

 住宅建設については、3分の2程度に建設コストを下げるということでございまして、最も高かった時期に比べますと、かなり下がってきておりますが、ここのところ下げどまりというような感じでございます。

 このあたりを計画のところでは指標を使って点検するということでございますが、これは数が多うございますので、その中からポイントになるものだけを抜き出してご紹介させていただきます。資料2-3をごらんいただきたいと思います。物流分野で申しますと、労働者1人当たり何トンキロ運んだというようなことで物的労働生産性を測っておりますが、営業用貨物自動車、内航海運、JR貨物といった分野はこのところ順調に生産性が上昇しているといったような効果がみられております。

 2ページ目にまいりまして、エネルギーでございますが、真ん中のところの平成9年度に各電力会社がどの程度買い入れていったかということについては、競争が5倍といったレベルで供給者が出てきております。

 3ページにまいりまして、流通の効率化ということでございます。規制緩和は徐々に進められてきている中で、日本の流通の多段階性を示す小売に対する卸売の比率は非常に高かったわけでございますが、これが下がってきております。

 4ページ目の電気通信でございますが、過去非常に高うございました国内の電話料金が、特に長距離の部分でかなり下がってきております。また、携帯電話からの通話料金も下がってきております。

 金融サービスにつきましては、指標としてこれで適当かどうかということがあろうかと思いますけれども、一つの目安として国内公募普通社債の発行額あるいは残存額といったことをごらんいただきますと、このところの緩和を受けまして、金融機関の貸し渋りの影響等あろうかとは思いますが、そういうことへの対応もできているという意味においても、効果があらわれているということではないかと思います。

 6ページ目の旅客運送サービスでございますが、航空、タクシー、鉄道、それぞれ新しい運賃設定の方式が認められております。若干弾力の幅が認められたということでございます。また、導入状況といたしましては、航空については相当の路線の導入が行われておりますし、タクシーにおいても36ブロックで導入されておりまして、平成9年10月現在と比べて7ブロック増、車両数にして 600台ばかり増えております。また、鉄道についても、38社でございますから、この1年間に14社導入した会社が増えたというような形で、料金の弾力化が広がってきております。

 7ページ目の農業生産でございますが、農地の流動化が政策的に促進されてきておりまして、土地の移動が増えておりますし、大規模農家を育成するという方向に沿いまして、農家の経営改善計画の認定状況も着実に増えてきております。

 8ページの基準・認証、輸入手続等でございますが、基準・認証の苦情を受け付けておりますOTO(The Office of Trade and Investment Ombudsman)の状況をみますと、近年はそれほど多くの苦情は発生してきておりません。

 9ページ目の公共工事でございますが、10%縮減の内訳は表の通りであり、先ほど申し上げたようにこの計画に沿って3%ほど下がっているという状況でございます。

 それから、10ページをごらんいただきますと、住宅建設のコストについては、3分の2にするというところに比べるとまだかなり小そうございますけれども、ピークに比べて1割以上、建築費指数が下がってきているということでございます。

 このように計画で想定されておりました政策が実施され、それに関連した指標も、参入の状況、その他、若干まちまちの部分もございますけれども、おおむね計画で想定したところに沿って動いてきているということが言えると思います。計画の中には、物価の幅として具体的に示されていないものもございますので、補足という形で物価指数でみた実際にどう動いてきているかということをごらんいただきたいと思います。

 資料2-4の1ページの左側、これは貨物輸送のサービス価格指数からとったものでございまして、道路貨物が○の線、鉄道が□、内航貨物が△の線でございますが、内航貨物はバブル後のピークから順調に下がってきております。また、道路貨物についても、バブル時期は若干上がっておりましたが、その後緩やかに下がってきております。鉄道貨物が横ばいになっておりますが、これはサービス価格指数の取り方が標準的な運賃だけとっておりますので、JR貨物でトンキロ当たりの運賃収入がどれだけになっているかというものも見ております。その参考の図が下にございますけれども、91、92年に比べまして、トンキロ当たり7円30銭ぐらいから6円60銭でございますから、1割ちょっとの低下ということが出てきております。

 同じように旅客を見てみますと、タクシーはなかなか生産性が上がりにくいということもございますが、過去かなり継続して上がっていたものが、ここのところ少し頭打ちという形になっております。鉄道も緩やかに上がり続けておりますが、ほぼ消費者物価並みという形になっております。それから、航空についてはほぼ横ばいといったところでございますが、冬の時期の割引がこれに反映されておりまして、割引の幅が増えているのがみえます。ただ、これも貨物運賃と同じような問題がございますので、国内線の航空旅客の大手3社について1人キロ当たりの運賃収入を見ておりますが、92年度21円50銭から97年度18円というところまで、3円50銭ほど下がっておりまして、比率にして2割程度の下落という形になります。これだけ割引の適用幅が広がっているということでございます。

 次に2ページにまいりまして、電力については季節の料金がございますので、季節的に周期がありますが、96年以降原料費の調整制度が料金に反映されるということで、為替レートと原油価格の変動が影響するようになっております。下のところにありますように、計画期間に入りまして円安が進んでいるといったことがございまして、これが一時期押し上げたという要因になっておりますが、全体としては、そういったものを含めて考えても、発電部分の卸売部門への新規参入が料金の上方改定を抑えることに寄与しているものとみられます。都市ガスについては、残念ながら為替レートが安くなっていることと、天然ガスの価格上昇といったことから、コストが上がっておりまして、その反映といったことでございます。

 3ページ目にまいりまして、電気通信でございますが、国内通信、国際通信とも順調に下がってきております。それから、ガソリン価格については消費者物価でとっておりますが、これは95年以降大幅な下落を示しております。銀行手数料については、ほぼCPI並みということでございますが、ほぼ横ばいといった状況で推移してきております。

 以上のように、現行計画で見ておりましたさまざまな構造改革への取り組みとその成果はそれなりにあらわれてきているわけでございます。ただ、経済活動の幅広い分野への波及という観点でみますと、必ずしも満足いかないのではないか、あるいは、我が国の経済の低迷といったような状況に直面しているわけでございます。

 今日ご議論いただきたい点は、個別の規制緩和を積み上げていくことでもって、今まで進めてまいりました構造改革のやり方に限界があるのではないかということでございます。規制緩和の効果を最大限に発揮させて我が国経済を活性化させるために、構造改革の新しい視点が必要なのではないかという問題意識でございます。

 資料2-1の2ページ目でございますが、新しい構造改革のアプローチを考えるときの参考の事例といたしまして、ここでは物流と電気通信の分野を取り上げてみてはいかがかと思います。物流分野において、今ごらんいただきましたように、各輸送モードにおいてそれぞれ取り組みがみられますし、総コストもそれぞれ低下しているといったところでございますが、物流の一層の効率化ということで考えますと、根本的かつ劇的な効率をもたらすものと期待されます、生産から販売までのトータルなものの流れをとらえた際の、全体のシステムとしての転換といったものが進んでいないのではないかということがございます。例えばモーダルシフトが進んでいないといったようなこともそのあらわれではないかと思われます。

 また、電気通信の分野におきましては規制緩和が進んでいる、その結果として新規参入が増大し、料金も下がり、サービスも多様化しているということで、非常に大きな成果が上がっております。ところが、アメリカ等においてみられるような、ほかの産業活動の分野で情報化を契機として行われたような技術革新とか、新規産業の創出といった点で比べますと、アメリカは非常に急速にこれが波及して、ビジネスのスタイルがどんどん変わっているわけですが、日本では同じように電気通信分野での構造改革が進んでいるにもかかわらず、それが波及していないように見られます。

 そういうことで考えますと、物流分野というのは、物流の分野自身、あるいは、それと表裏の関係にある商流を含めた広義の流通分野でのシステム転換が進んでいない。それぞれの部分的な改革は進んだけれども、トータルとしてのシステム転換が進んでいないのではないかということでございます。また、電気通信の分野におきましては、電気通信を使う幅広い産業分野でせっかく生まれてきたビジネスチャンスが十分に活かされていないのではないかということが考えられます。

 このように物流と電気通信の2つの分野でのあらわれ方はかなり違っておりますけれども、その背後にある要因を考えますと、いずれも企業の行動とか事業環境といったところに、物流とか電気通信に限らず業際的な広がりでとらえるような問題があるのではないかということが読み取れるのではないかと考える次第でございます。

 これから我が国の高コスト構造を是正し、経済の活性化を進めるいうことで考えますと、これまでの計画でとられておりました個別分野のアプローチというのも、先ほど申し上げたように若干不十分なところがあるとか、現状で考えると目標自体が十分でなかったのではないか、さらにその線に沿って洗い出しを進める必要があるのではないかと考えられますけれども、ある程度進んでいる分野をみても、それだけでない、新しいアプローチが必要な分野があるのではないかということが考えられます。

 そういうことで、活性化という視点をとらえて構造改革の効果をより一層高めるということを考えますと、分野別の今までのアプローチはそれとして進めるということでございますけれども、問題を個別分野としてとらえるのではなくて、より大きなシステムの問題としてとらえるようなアプローチが必要ではないかということが考えられますので、この点についてご議論いただきたいと思います。

 3枚目にまいりまして、具体的にどんな検討を進めるかということでございます。新しいアプローチを適用していくために事例的に取り上げるということでいきますと、物流と電気通信は適当ではないか、金融についてはこれから本格的な改革が進められるということでございますので、モノ、情報、カネの流れという中では、モノか情報といったところになりますけれども、この2つの分野に新しい視点を適用して検討してみてはと考えております。本日は時間的な関係もございまして、取り上げるのは物流ということにいたしまして、次回に電気通信の分野を取り上げてはと考えているところでございます。

 以上のような問題意識をもって、物流の分野について考えてみたいと思います。念のため計画において指摘されていること以外にもいろいろな指摘がございます。特に総合計画局関連では6分野の経済構造改革における重点的な検討といったものもございます。資料2-5のところで、一番最後に関連の計画等の指摘がございますので、ここに【1】から【10】まで、行動計画策定以後行われました新たな対策・対応・提言を拾っております。これがどんな状況にあるかということを点検させていただきたいと思います。

 規制緩和の分野においては、【1】というのは現計画でございますが、大体達成されているということで、トラックについては今後営業区域の見直しの問題、さらに最低保有台数を下げるといった問題がございますけれども、基本的な部分については進捗している。内航海運についても、船腹調整の見直しといった部分は行なわれている。それを抜本的に廃止するというところでも既に解消されているということでございます。あとは若干の関連の措置ということでございますし、例えばカボタージュの廃止については国際的にみても大胆な措置でございます。

 それから、3番目の港湾輸送については、計画では取り上げられておりませんが、その後の提言の中で免許制度の見直し、許認可料金の撤廃といった問題、あるいは、水先に関する規制の問題というものが指摘されておりまして、水先の方は対応がとられておりますけれども、免許制度についてはまだ残っているという状況でございます。鉄道貨物については、運賃の規制緩和はある程度進展しているということでございます。

 商慣行関係では進んでおりまして、効率化のための複合一貫あるいは社会資本整備というのも、それぞれ提言されたものはおおよそ成立しているという状況でございます。

 その上で、物流の動きの中で我が国で遅れている分野をみますと、アメリカでのサードパーティー・ロジスティックス・サービスの利用というのはかなり進んでおりまして、次にサードパーティー・ロジスティックスの説明がございます。サプライ・チェーンを構築するような企業間にまたがった複合的なサービスが進んでおりますが、日本ではなかなか進んでいない。あるいは、エフシェント・コンシューマ・レスポンスといった形で、より消費者に近いところで供給していくという形で工場から店舗までの物流の効率化を図るということも、日本での取り組みが遅れている。日本と同様遅れていると言われておりましたイタリアで、これに関連した取り組みが行われて相当のコスト削減が実現しているという状況があるにもかかわらず、日本では同じようなことが起こらない。そういった場合、3分の2ぐらいまでコストが下がっているといったことが指摘されております。

 また、専門家の方たちに対するアンケート調査でも、日本の物流は満足すべき状況にないという認識でございます。それから、荷主、あるいは物流企業、それぞれがサプライ・チェーンへ向かって、効率化のためになすべきことが多いといったようなことが出てきております。

 6ページと7ページは、先ほどごらんいただきましたように、港湾施設あるいは空港といったターミナル部分での効率化がなかなか進んでいないという状況がございますので、これについては残っているということで参考までに使用させていただきました。

 長くなりまして、申しわけございません。以上でございます。

(座長) どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明につきましてご意見等をお伺いしたいと思います。特に指名はいたしませんので、ご自由にお願いいたします。

 座長からいきなりというものちょっとおかしいですけれども、論点メモの2ページの下の方の「物流分野では云々」というところで、「2つの例で問題の表れ方は大きく異なるものの、いずれも企業行動面や事業環境に業際的な広がりで捉える必要のある問題があることを示唆しているものと考えられる」と。これは民間の話でありますけれども、同時に行政面と言いますか、縦割り行政の問題が非常に大きな問題だろうと思いますので、その辺はどこかに加えていただいた方がいいのではないかなと思います。

 A委員、どうぞ。

(A委員) 具体的にこういうふうにしたらどうだということではないんですが、まず最初に高コストということの意味ですけれども、これは諸外国に比べてということになるのではないかと思うのです。日本が幾ら改善いたしましても、それ以上に諸外国がより効率の良い社会を構成した場合には、相変わらず日本の社会に高コストが残っているという問題だろうと思うんですね。

 そういうことを踏まえて考えますと、先ほどご報告がありましたような目標についての計画に対する比較は、諸外国との比較において少なくともよく進んでいる国を目標にするような計画値でないと達成したとは言えないのではないか。確かにお役所の問題、産業界の問題、諸所あるかと思うのですが、これを個別に叩いていくというのは、モグラ叩きみたいなものでいつまでたっても達成しないのではないか。特に物流の問題に関しては、ご指摘のとおり、私ども情報産業の世界から申し上げましても大変に遅れているわけです。

 遅れている結果起こっている問題というのは、単に物流コストが高くなるという問題だけではなくて、例えば米国を例にとりますと、新しい物流方式を提供するような産業が生まれてきている。特にコンピュータ業界でいいますと、こういったものをソフトウエアで提供するような産業がどんどん生まれてきているわけです。したがって、低い目標を設定して、それに対しての達成度を議論しておりますと、この分野においても諸外国のアプリケーションウエアといったソフトウエアの侵入を日本が十分に防ぎきれなくなって、こういったものまで諸外国のシステムに合わさなければならないという問題が起こってくるような気がするのです。

 そういった意味から、業際をなくすというのは当たり前のことで、もっとはっきり大きな目標を掲げてできないものだろうか。こういったものについてのコンセンサスがつくれないものだろうかと、私は感じるわけです。

(座長) どうもありがとうございました。

 続きまして、B委員お願いします。

(B委員) きょうの資料の2-1の中で、新しいアプローチということでシステムの問題としてとらえるということは非常に結構なことだと思います。というのは、物流というのはもともとシステム概念ということで、輸送と保管、技術、加工といった機能をシステムとして組み合わせて効率化するというところに主眼があったわけです。ということで、きょう最初の方で説明していただいた分野別の目標というのがもっぱら貨物輸送の分野に限られてきたということで、抜本的な効率化を図る上では不十分であったのではないかと思われるわけです。そういう点でのシステムかということを新たにアプローチとしてとらえていただけるのは大変結構なことだと思います。

 ただ、これをどういうふうな指標でつくるかというのは非常に難しいことだと思うんですね。定量的なものとしてはなかなかない、一般的に言われているのはサプライ・チェーン・マネージメントとか。それを物流業者から事業としてアプローチするサードパーティー・ロジスティックスとか、そういったものが米国では情報システムの進展とともに出てきた、それに対して日本は遅れているという指摘があるわけです。こういったものをどうやって理解しやすいような指標で目標として定めていくか、この辺が課題になろうかと思います。

(座長) どうもありがとうございました。

 どうぞ、C委員、お願いいたします。

(C委員) きょうご報告いただきましたのは、ほとんど動脈物流の分野だったと思いますけれども、静脈物流、廃棄物の処理とかリサイクル、そういった関連でのコストの問題というのは、ワーキンググループをつくっていただいておりますから、いずれかのときに報告させていただく機会があろうかと思います。

 そこで1つ質問をさせていただきたいのですが、今日、こういう進展が見られたというお話がございましたし、高コスト構造是正・活性化のための行動計画からするとかなりの発展もあったというご指摘がございました。これは各企業、産業の方が行動計画を実現しよう、それをできるだけ実行しようという形での結果なんでしょうか。それもあるでしょうけれども、個々の企業なり産業が自主的・自発的な努力をした結果をデータ的にみますと、行動計画に述べられているものにやや近づいてきているというか、それを結果的には満たしてきているということなのか。両方なのかもしれませんけれども、その辺のところを教えていただければと思います。

(座長) では、事務局の方からご説明をお願いします。

(事務局) あまり突っ込んだ分析ではなくて申しわけございませんが、規制が外れたということがきっかけになっていると。規制が外れたことによりまして、企業の自発的な創意工夫が誘発された、しかもそれが規制緩和による競争圧力といったものが誘因になっているということが基本ではないかと思っております。

 むしろ創意工夫が先にあって、それを実現するために規制が邪魔で、規制を動かしたというものも中にはあると思いますが、規制緩和のやり方としては参入規制、あるいは料金規制といった、企業の自由度を縛っていたものを取り払ったということではないかと思います。

(座長) どうぞ、D委員、お願いします。

(D委員) 私は物流についてはよくわからないのですけれども、いろんな人の話を時々お聞きする機会がありまして、日本の物流の問題の一つは港湾にあるという話を聞いたり、大きなものを運べないというのは規制なんだとかいろいろ聞くわけです。ただ、日本の場合には、都市の構造で、大きなコンテナを港湾からそのままどこかへ引っ張ってくるというのも、ときどきそういうトラックが深夜走っているのを見ますけれども、あんなものが昼間走れるとは思えないわけですね。

 ですから、いろんな意味で問題が根深くて、ここに掲げてある目標というのはその意味では達成しやすいと言いますか、やりやすい目標が掲げてある。短期的な規制の中でもある限定されたものなんでしょうけれども、それにかかわるもの。しかし、こういうことをやったからといって、必ずしも輸送コストとか輸送にかかる時間等がドラスティックに削減できるとも思えないわけです。あるいは、海運と鉄道の問題にしてもまた別の問題がいろいろあるわけですね。

 何が言いたいかというと、こういう問題を解決するには、ある意味でいうとピースミールのアプローチというのは限界にきている。極端な話をすると、既存の規制から自由な、地域とかパイロットでもつくってみて、これぐらい劇的にコストは下げられるんだというような実験でもしない限り、これはなかなか動かないんじゃないかと。

(座長) 今のご意見に対して、事務局の方で何かありますか。

(事務局) 港湾の部分についてはかなり問題が残っているということはありますが、道路運送に関する限りは相当程度規制が変わってきて、しかもそれがマジョリティーを占めているという中で、新しい展開が出てきていないということになりますと、一つひとつの規制を取り除いていくとか、社会資本を整備していくとかいったことも、その部署だけではなかなか難しいのではないかと思っております。

 そういう意味では、ご指摘のように今までの全く規制のないといったところは、残っている規制の総体が相当大きな影響を与えているというふうに思います。

(D委員) それは規制ではなくて経済的な混雑現象とかいろんな意味での、例えばモーダルシフトという話でも、なぜそれが進まないかというと、現状では経済計算にペイしないというようなことが何かあるはずですよね。そこがクリアされないというのは、どこかにボトルネックがあるわけですから、そこのところを抜本的にクリアするような経済環境でないと、それは進まないのではないですかね。

 それを進めろというのも無理な話で、経済計算に合わないものは進まないわけですから、そういうものを指標として挙げることがどれぐらい意味があるのか。かなり難しい問題があるのではないでしょうか。

(座長) その問題は今後の検討項目ということでお願いしたいと思います。

 ほかにいかがでございましょうか。どうぞ、E委員。

(E委員) 論点の2のところで、個別分野ごとの改革という観点だけではなくて、全体としてのシステム的なアプローチが必要だというのは、私もそのとおりだろうという気がしますが、論点の3になるとちょっと話が抽象的になってきて、業界の体質とか民民規制、あるいは企業内組織、意思決定システムとか、労働者の意識、こういうふうになってくると、論点2と3の関係をどういうふうに考えたらいいのかというところがちょっと理解しにくいわけです。

 それから、物流の問題も、物流だけで考えて果してうまくいくかというと、物流の先にある、それも物流だと言えば物流ですけれども、モノを売るとか買うという商取引の最終的なところの姿が変わらないと、物流の生産性が全体として上がらないということがあるかもしれない。例えばコンビニエンスストアなどにいろんな卸売業者がバラバラに納品するというのは、それぞれとしては生産性が上がるでしょうけれども、社会システム全体から見れば非常に無駄が多いということが言われて、大分改善されつつあると思うんですが、この2と3の関係も物流全体の生産性をどういう尺度で見るかということもあるし、私にはよくわからないのです。

 それから、我々の身近なところで物流の技術革新というか、イノベーションというのは、宅急便が最も典型的な例なんですけれども、ああいうイノベーションがこういう検討の中ではどういう位置づけに入るのか。つまり、今までは過去に小さなものを運送業者に頼んで運んでもらうなんてことはそもそもなかったわけですが、なかったことができるようになったというものはどういうふうに扱うのかという気がするのです。

(座長) 事務局の方から何かありますか。

(事務局) 新しいサービスをどうやって評価するかというのは、過去になかったものですから、それを数量的に評価するというのは非常に難しくて、メニューが増えているとか、実際そういうサービスが伸びているとか、そういった指標でとらえることしか今のところできないんですが、そういうものでも今までなかったメニューが広がっているとか、急速に伸びているウエアとしてこういうものがあるとか、それが示せればある程度構造変化といいますか、システム転換の一つのあらわれと言えるのではないかと思います。

(座長) 今のE委員の質問に関連するんですけれども、規制緩和、構造改革へのプレッシャーということで、古い歴史からいくと、例えば金融の場合は円ドル委員会以来アメリカのプレッシャーというのは非常に大きかったと思うんですね。それが自然に国内の要求と一致したと。だから、外圧の影響・効果、それから、今は国際機関のOECDとか、IMF、WTO、APECとかいろいろところからの自由化要求があるわけですけれども、その辺は評価の中に入れる必要がないのかどうかということ。

 同時に国内のプレッシャー、今の宅急便にしても、ヤマト運輸のクロネコヤマトがいろいろなことがありながらも、みずから打ち破ってやっていったというのは非常に大きかったと思うんですね。最近聞いた話でも、何かやろうと思っても、役所に「今の法律でできないからだめ」と言われたら、みんな引き下がってしまうと。それをあえてやっていくという、民間の国内のプレッシャーというのはどのくらいあるのか、その辺の問題。論点の3番では業界慣行とか商慣行、企業行動、民民規制と、いかにも業界が保守的というところもありますけれども、先鋭的なクラスのところ、特にコンピュータ業界はプレッシャーが非常に大きいと思うのです。そういうところをどう活かしていくかという観点は必要ではないかと考えます。

 それから、そもそも論ですけれども、1ページの(2)の「現行計画の進捗状況」というところで、「計画に盛り込まれた施策の実施状況等を点検したところ、おおむね計画に沿って進展している」と、非常に肯定的な評価になっているけれども、ここの研究会でそういう認識かどうかということをまず最初に確認しておきたいと思うんです。この辺はいかがでございましょうか。大体このとおりということで。

(A委員) 先ほどの補足とともに、今の座長のご指摘の点にも絡んでくるんですが、各論で申し上げますと、簡単に1つの言葉で「EDI等」なんて片づけておられますね。しかし、このEDIの問題というのは、控えめにみても10年、少なくとも20年近くこの議論がされていますけれども、今現在ほとんど何も変わってないと思うんですね。先ほど座長のご指摘のように外圧のプレッシャーに対する危機感は少ないのではないか。私は高度化が近づいてきているのではないかと、この業界にいる者としては感じるわけなんです。そういった点から言いますと、評価そのもの、あるいは目標そのものが甘すぎるのではないか。

 それから、論点3で、これを一つひとつ個別に取り上げようとしても非常に抽象的なことになってしまうわけで、もうちょっとはっきりした目標をセットする必要があるんじゃないかという気がするんです。しかも、それは先ほど指摘させていただきましたように、諸外国との比較においてどの辺まで日本の国内の物流コストを下げていくのかというコンセンサスを早くつくらないと、規制緩和とともに入ってくる外圧に負けてしまうという問題を抱えるのではないかという危機感を私たちは非常に強く持っているんです。

 ですから、そういった意味で、これは外国に対するコミットメントではないんですが、少なくとも国内のコンセンサスとしては、どの辺まで物流コストを下げていくのかという視点からまずスタートして、論点2のシステム鑑定、それから3の個別の問題という形で取り上げられますと、これがそう簡単なことではないということがわかると思うんです。個別にもう少し具体的な形で出てくるのではないかという気がするのですが、いかがなものでしょうか。

(座長) ほかにこの問題についていかがでございますか。

 F委員、何かご意見ございますか。

(F委員) 特にはございませんけれども、システム全体というんですか、成果の評価とも関係があると思うんですが、どこまで到達したら十分やったのかということについて、もう少し一般的なメジャーというようなものがあった方が望ましいのではないかと思います。この問題は、物流とか流通、商流とか言われていますけれども、1つは規制の問題で、もう1つは賃金水準の問題ではないかと思うんですね。

 日本は今でも1人当たりの所得でみれば非常に賃金水準が高くて、ほかの条件が同じなら人件費の分だけ上がってしまうという側面があるわけですね。大分前ですけれども、住宅の建築費が日本は高いということが言われて、アメリカかカナダでつくっているものをそのまま輸入して日本で建てたら幾らになるかと。アメリカから輸入してから仙台まで運ぶのに、輸入したのと同じだけお金がかかってしまって、倍になってしまったと。倍になってしまうには2つ理由があって、1つは規制の問題で、もう1つは賃金の問題があるんじゃないかと思うんです。

 賃金水準が高くても、ほかの国よりもその部門で生産性が高ければ、価格差となってはね返らないはずですけれども、そうでないとすれば、賃金水準が高い部分というのは、生産性が両国で同じであれば、その分は高くなってしまう。そこはどういうふうに整理するのかという問題が一つあると思うんですね。もう1つ、規制の問題で言いますと、物流というのはサービスなんだと思うんですね。サービス産業ということになっていて、ウルグアイ・ラウンドは2000年から次の交渉が始まりますけれども、サービスの自由化というと基本的には国内規制の問題なんですね。そのときに国内規制との両立可能性をどうするのかというのが大きい問題だと思うんです。

 既に通信の分野とか、あるいは金融もある程度合意が行われているわけですね。通信の例でみると、国内規制との関係をやや一般的な原則で整理するという付属書がつくられて、例えば規制に関してトランス・ペアレンシーを確保しなければならないと、これは一般的な原則です。それからもう1つは、日本はどっちかというと中央集権的な規制をこれまでやってきていて、ウルグアイ・ラウンドのあとの個別分野別の交渉では、それぞれの規制を監督するところをできる限り下部機関におろすと、そういう原則を打ち出されているんですね。ですから、どういう原則で国内の規制のあり方を考えるべきなのかというような論点がもう1つあるんじゃないか。

 それから、ちょっと身近な例でいうと、タクシー料金が自由化されたというので、成果だというふうに出ているんですけれども、現実に消費者が安いタクシーに乗れるようになったかというと、一部入っているかもしれませんが、私の知る限りでは実際にはあまりメリットを受けるところまで進んでいないと。それもインセンティブ規制という考え方だと思うのですが、そういう規制の考え方をこれまでよりももっと大胆に進めるようなことがあるのではないかと思います。

 まとめて言いますと、成果をもう少し一般的な物差しで測る必要があると思うんです。ここでも個別について時系列にいろいろ出ているんですけれども、それはほかの国と比べたらどのくらいの生産性の格差があるのか、あるいは、生産性の向上のスピードについて外国とどのぐらいの違いがあるのかというようなことで評価するということが必要ではないかと思います。

 以上です。

(座長) どうもありがとうございました。

 まだいろいろご意見があろうかと思いますけれども、時間の関係もございますので、第1の議題の審議はここまでとさせていただきます。ご意見がございましたら、事務局の方へ出していただきたいと思います。

 それでは、次の議題であります「医療・福祉分野の構造改革」に移りたいと思います。この議題に関連しまして、まず最初に大熊委員から15分程度でご説明いただきまして、その後に事務局から説明をお願いしたいと思います。

 それでは、大熊委員、よろしくお願いいたします。

(大熊委員) 前回は欠席いたしまして恐縮でございました。お手元にお配りしてあります資料3-1とスライドを使って大急ぎでご説明しようと思います。

 構造改革につきましては、ここは経企庁というお役所なものですから、変な人を呼んできて困ったという顔を事務局がしておられますけれども、経済企画庁が事務局を務めていらっしゃる経済審議会が昔おやりになった構造改革の誤りをまず申し上げたいと思います。1970年の経済審議会の7年の長期計画の中で「日本型福祉」という政策が提言されたわけです。日本型福祉というのは3つの柱からなっております。1つは、家族の相互扶助を活用しようと。2つは、ボランティアを活用しよう。3つ目が有料老人ホームなどのビジネスを活用しようという考え方でした。

 当時、経済審議会にお集まりの方や事務局の方は一つのデマに取りつかれていた。それは福祉にお金をかけると経済が傾く、福祉にお金をかけると人情が薄くなって、家族の愛情が薄れるというような考え方だったわけですけれども、実際には今ヨーロッパで一番経済が強い国の一つがデンマークであることでもわかるように、これはあまり相関がないということがわかっております。当時、スウェーデンの老人の自殺率が世界で一番高い、あれは福祉の進んだせいだというふうな、実際はアイゼンハワー大統領が統計を読み間違えたんですけれども、というのが流布しておりました。

 しかし、実際に一番自殺をしていましたのは日本のお年寄り、それも3世代同居の多い秋田のお年寄りだったということでございます。その出発点の事実の間違いから、福祉の進んだ国を手本にするのはやめよう、独自の日本のやり方をしようと。日本は3世代が同居しているから、家族でお互いにみるのがいいということがまず言われました。でも、発展途上の寿命の短い国の人たちですと、10日か1カ月かみんなに最期を看取られながら死んでいく。家族の情愛を十分に味わってということになるのですけれども、日本のような長命の国で、しかも病気になったり半身不随になっても長いこと生きるという、田中角栄家で起こったような。その結果、真紀子さんが介護に関心を持っておられる、そういう状況になりました。

 権力とお金を持っていらっしゃる方のおうちでも破綻に瀕したというようなことが起こりまして、殺人事件が起こるとか、見ている家族が倒れるとか、心中が起きるとか。それから、よくあるのが介護をめぐる夫婦仲の悪さということが起こってきます。大体だんなさんの親御さんをみるということになるわけですので、お嫁さんの不満がだんだんたまってくる。いいお世話をすればするほどお舅さん、お姑さんは長生きなさるということから、介護を家族で担っているおうちについての調査ですと、憎んだことがあるのが2人に1人で、いじめたことがあるのが3人に1人というような状況になっております。

 そういう家族の悲劇を回避する方法として、あのような病院が利用されたことになります。日本型福祉で在宅福祉とか特養ホームを節約した結果、溢れた人たちが病院と医療保険の世界へ入っていったということになります。病院であのような寝たきり老人がどんどんたまっていきます。私は14年前から「寝たきり老人は寝かせきりのお年寄り」というキャンペーンをしてまいりましたので、このごろはああいう人は寝かせきりのお年寄りというふうにおっしゃる学者とか、よその新聞の方とかいらっしゃるんですけれども、あのような状況になって、それが医療費の非常な無駄をもたらしたということがあります。

 3本柱の2つ目のボランティアの活用というのはあまりあてになりませんでした。ボランティアの“ボル”というのは火山の“ボル”と同じですから、みずからわき上がってくるという、自分の意思でというのが本来のことで、日本でよく言われている「ただでやってね」というのを「ボランティアでやってね」というのは、よその国には全く通じない言葉です。ボランティアの人は自分の空いた時間に自分の意思でしますから、朝来てベッドから起こすとか、ああいうところで安く働いてくれるとかいうことには役立たなかったということになります。

 今、老人病院でよく行われているのは、この業界で「抑制」と言っているものです。何年か前に「これはポア」と麻原尊師が言うと、人助けのために人殺しをしているとお弟子が思うのと同じように、「抑制」という言葉を使うと、看護婦さんやヘルパーさんが平気で縛っちゃうということを書いたことがあります。4日ほど前の30・31日に老人病院の研究集会が福岡で開かれまして、「縛らない宣言」というのが行われました。「抑制」という言葉がそんな恐ろしいことをもたらしていたのかというのがきっかけでしたと言ってくださいました。「抑制廃止 福岡宣言」というのが正しいのですが、そういうことが行われるくらいこういうことが頻繁に行われているというのが原因です。こういうことをさかのぼると、日本は日本型で家族が面倒をみれば安上がりで、情愛深くいくんだという構造設定に間違いがあったと思うわけで、構造改革をしていかれる場合には、その原点に戻っていただきたいと思います。

 有料老人ホームなどのビジネスの活用というのは、日本型というほど日本独特ではなくて、アメリカのナーシングホームの多くは株式会社が経営しております。そういうところへ行ってみますと、日本でいう寝たきり老人はいなくてベッドから起こしてくれる。“ベッドに寝かせたままは悪いこと”という格言があるようですけれども、ただ起こして並べてあるだけで、よく見ると縛ってあったりという感じであります。

 これは高校の先生だった方ですけれども、ああいう感じで起こして椅子に座っているけれども、何とも悲しげな様子がアメリカのナーシングホームの現実です。

 これもそうですけれども、1週間くらい前の夜、6チャンネルのアメリカのテレビを紹介する番組の中で、ナーシングホームでの扱いが非常にひどくて、家族が意を決してスーツケースの中に隠しカメラを取りつけて部屋の中を撮っていたら、介護する人がお年寄りをひどくいじめている風景が流されておりましたが、こういうふうになるのが当たり前というところがあります。

 株式会社は利益を追求するわけですけれども、介護の仕事というのは人件費の塊ですから、利潤をあげようとすれば人件費をたたくことになります。アメリカの場合は、これを日本で言う外国人労働者にあたる、まだ英語がしゃべれないような人たちが、おむつを取り替えるという汚い仕事を、次の仕事が見つかるまでやむを得ないというような感じでやっている。そうすると、結果としてこうなるわけです。アメリカではこれに規制を加えて、どうやったらこういう悲惨なことにならないかということを工夫しているわけです。

 経済審議会が有料老人ホーム振興策を打ち出したことに乗って、日本では有料老人ホームは政府から気に入られているというような感じでいろいろ出てまいりました。その中のリーダー的な位置にありましたのが、聖マリアナーシングビラという、このように美しい有料老人ホームです。大変有名なところで、『神さまからもらった贈り物』という本などを施設長さんが書かれて、それがミュージカルになったり、テレビに出たり、橋幸夫さんのお母さまやら宮沢りえちゃんのおじいちゃまが入るというような、入居金 3,000万とか 4,000万とか大層高価なところです。

 外もきれいですけれども、中から見てもきれいで、ふかふかのじゅうたんが敷いてある。これを見た途端におかしいと専門家は思うわけです。なせかというと、車いすに乗った人にふかふかのじゅうたんの上を漕がせると、ものすごくつらいわけですから、ここはあまりお年寄りのことを考えてないなと見破れるわけですけれども、一般の人たちはさすがたくさんのお金を払っただけのことはあると思ってしまうわけです。

 これは私が取材にまいりまして5時ちょっと過ぎたときに、先方が「ご入居の皆さまが召し上がっているものと同じものを先生にも召し上がっていただきたい」と言って出してくださったものです。「私どもでは九谷とか伊万里を使っておりまして、お見舞いがいらっしゃると、別室で水入らずで召し上がっていただくんでございます」というような話でございました。これを食べ終わったころに黒塗りのハイヤーが玄関にとまりまして、「駅までお送りいたします」というような段取りになっていまして、それに乗って帰って、なんてすてきなというふうなことになっているわけです。

 私も新聞記者ですので、お手洗いを拝借いたしますと申しまして、実際に何を召し上がっているかを見に行きましたら、こういう調子であります。出たものをわあっと混ぜまして、さらにお薬をバッバッとやるわけですが、中でマザーと呼ばれている介護者たちはこれを“ちらし丼”と言っていました。

 夜になるとこのように縛ってしまう。さっきお見せした病院のしごきに比べると、大分立派な、手が動くので大変人道的だと後で言い訳をしていましたけれども、そういうのが日本最高級の有料老人ホームであるということです。これはどういうことからくるかというと、介護というのは非常に特殊な商品で、たいていは家族が入れるわけです。本人がつらいと訴えても、介護に疲れ果てた家族にとっては、この人が帰ってくるわ、この人が住んでいたおうちは売り払ってここに納入してしまったわで、戻ってきてもらっては困るというわけです。このホームのことは『週刊朝日』で名前入りで報道されましたけれども、家族を取り返しに来た方は指折り数えるぐらいで、みんなこういう状態で放置されていたということであります。

 それから、この商品の特殊な点は、事業者とご本人の利害が一致してないということです。市場原理が働くということは、いい商品を出すとたくさん売れて、いい商品を出すことが事業主の利益にかなうということですけれども、いい介護をしますと、この方はいつまでも生きてしまして、この場所をずっと占めている。そうすると、有料老人ホームというのは、何度も回転させて利益を得ていくという構造になっていますので、これは事業主にとっては大変具合が悪いということになります。それから、情報の非対象性に始まって買い替えができない。情報の非対象性も未来のことを考えるわけですから、非常に難しい商品ということになります。

 ここにおいでのG委員の名誉のために申し上げておきますと、G委員の有料老人ホームは業界では全く珍しい、“掃きだめに鶴”というような有料老人ホームで、ほかのところからやっかまれているところであります。それはG委員がもともと大金持ちの坊ちゃまでもうけなくてもいいということがあることと、G委員の有料老人ホームは健康なときにお入りになって、要介護になったら同じ面積のところに住み続けるという方式になっていまして、要介護になった方は自分の未来ですから、元気な方は常に見張っているというふうになっています。ですから、自然にいい質が保たれる。

 私は昔原子力の記者だったのですが、あっちの方でいうと正の反応度、負の反応度というふうにいって、例えばPWRですと、すごく熱くなって泡がどんどん出てくる。その泡が出たことが炉を鎮める方に動くということで、正の反応度とか固有の安全性といいますけれども、G委員の有料老人ホームはそういうことになっています。しかし、要介護の人だけを入れていく有料老人ホームは非常な危険をもっているということになります。ですから、特別養護老人ホームに株式会社が参入していくときには、そういう点についての情報開示とか、質の評価とかいうきちんとした歯止めと一緒に入れていかないと、非常に危険だということになるのではないかと思います。

 これは尼崎にある特別養護老人ホームですが、ここは住民の目が入っているところです。これはボケていらっしゃるお年寄りですけれども、4人部屋の雑居を家具で仕切って、寝かせきりにしたりしないで、自分の好みの着物を着ていただく、目線は下からというような介護をしています。

 これは福祉法人ではなく、将来NPOがとれればいいなと言っている福岡のよりあいという自然発生的なボランティアグループから発展した託老所というもので、これも外からの目が入っているために、今おられる方は全部おうちの方がふらふらになるような極め付きの痴呆のお年寄りです。みんな「先生」と呼ばれている方で、奥がお茶の先生、一つ手前がお花の先生、一番手前が民生委員の先生ということです。大体「先生」と呼ばれる人がボケるとすごいことになるというのがこの世界の定説で、ここにたくさんおられるわけです。そんなぐあいであります。

 これは今の託老所のお風呂です。

 これはデンマークの特養ホームの痴呆のものすごく重い人たちが入っていらっしゃるところです。デンマークでもかつては精神病院の痴呆病棟でお年寄りの面倒を見ていたけれども、このやり方ではお年寄りは幸せにならないということで、今は特別養護老人ホームの中に家庭的な雰囲気をつくるということをやっています。

 時間がきてしまったんですけれども、一般的には企業がやれば効率がよくて「めでたしめでたし」というふうな先入観があります。確かに多くの商品ではそうなんですけれども、医療とか福祉については、それにもう一工夫加えないと具合が悪そうであるということであります。今お配りした医療費と医療満足度というグラフが経企庁のご担当の方の目にとまりまして、私がここへ呼ばれているということだそうですが、1枚目の一番上の満足度のことだけちょっとご説明しておきます。

 EUが統合されるというので、いろんなことをお互いに知るための調査がしきりに行われております。この図は『ヘルス・エコノミックス』に出たものに私が手を加えたものです。EU15カ国しか入ってないものですから、○部分は私が加えたものであります。縦軸がそれぞれの国の 1,000人の人をランダムに抽出して、自宅へ訪ねて母国語で医療の満足度についていろいろ質問した結果であります。デンマークは90%の人が満足しているということです。横軸は購買力平価にした1人当たりの医療費です。医療費が高いほど満足度が高いという結果になっています。

 代々木系の方は私のそこのところまでだけを引用して、やっぱり医療費をかけないとだめだとかいうことを新聞に載せてましたけれども、私が言いたいのはそうではなくて、そこから離れているところがある、例えばデンマークは医療費はさほど高くないけれども、満足度が高い。アメリカは大変な医療費をかけているけれども、満足度が低い、これはシステムの組み方に原因があるのではないかということであります。

 その下は、たくさんの国の中からモサイヤロス博士が珍しくいい結果が出ているデンマークと言っている、OECDのデータから抜き出したものですけれども、デンマークとアメリカと日本について、GDP当たりの総医療費、GDP当たりの医薬品消費、総病床数、平均在院日数というものを見たものであります。一番下をごらんになると、日本の病院だけが特異に増えていって、在院日数が特異に多くて、それが冒頭に出しましたような寝たきり老人の下宿所というような非常に粗末な状態になっていることの一つの証拠ではないかと思います。

 そのあとのものは抜き出していないOECD諸国全部が盛大に載っている図でありまして、GDP当たりの次に購買力平価でやったもの、病床数が載っています。

 5枚目のものは、精神病院の病床数と在院日数ですが、やはり日本が非常に特異である。その次は、知恵遅れと呼ばれている人たちの施設ですけれども、ほかの国が1990年ごろから激減しているのに、日本だけ増えているという図であります。

 それから、『論壇』の上から3段目のところに、【1】から【8】まで、1日のノーマルなリズム、1週間のノーマルなリズムというのがありますが、これがノーマライゼーション8つの原理というものであります。

 その次は、今の有料老人ホームについて書いた社説を集めた本から抜き書きをいたしました。

 10ページ目は、非常に質の高いことをやっている福祉団体は超優良企業は『エクセレント・カンパニー』に載っているものに似ているという話。

 それから、次は出生率といわゆる国民負担率と呼ばれているもので、私は国民連帯率と呼んでいるのですが、それと出生率の関係をみたものであります。

 12ページ目は、高齢化率、人口の中のお年寄りの割合をみたものです。これを見ていただきますと、日本は一番下の方からピュッと上がっている、淡い色のものですが、日本は世界一の高齢化率で大変だと言っていますけれども、これは伸びが激しい。それは出生率が低いということと関係があって、高齢化率そのものは、随分たくさんの国が日本以上の高齢化率を経験しておりまして、そんなに取り乱すことはないということです。

 最後は、皆さまがご自身の地域にお帰りになって、将来ご自身が安心して年をとれるかどうかをお考えになる点検表というものを載せてございます。

 事務局の時間を少し奪ってしまったかもしれませんが、持ってまいりました資料をご紹介いたしました。

(座長) どうもありがとうございました。

 それでは、事務局から説明をお願いいたします。

(事務局) 資料3-2と3-3、「医療・福祉分野の構造改革」についてご説明いたします。

 最初に、Ⅰの医療・福祉分野における構造改革の進捗状況とありますが、時間の関係で省略させていただきます。部分的に進んだものもあるんですけれども、審議途上のものがあるということでございます。こういうことを踏まえまして、事務局として、残されたものうち大きいものとして、現在非営利の医療法人にしか認められていない病院等の構造改革についての提言ができないかどうかということであります。それからもう1つ、介護の問題、それから、前回、H委員から、今まで我々として扱っていなかった保育サービスの分野の構造を扱ったらどうかという提案もございましたので、この2つに詳しく述べております。

 3ページ目でございますが、病院等の構造改革でございます。病院等の構造改革を考えるときに、2つ目の段落にありますように、病院等の効率化や消費者への多様な選択肢の提供という観点から、営利企業による病院等の経営のための規制緩和とか、適切な情報の開示等に向けた環境整備等についての結論がまだ出てない、あるいは、まだ十分な議論がなされていないのではないかという問題意識であります。特に医療分野については、最近営利企業の参入が認められつつある福祉分野に比べても著しく遅れているのではないかという問題意識から、この問題についてみております。

 1.の病院等の現状と問題点というところをごらんいただきたいと思います。最初に事業体として見た場合の病院等の問題点はどういうものがあるかということでございます。【1】に病院等において効率的な経営が行われているのかどうかということにつきましては、最初のポツにありますように、現状の病院等の約40%が赤字でございます。

 参考資料の図表編の2ページ目をごらんいただきたいと思いますが、病院等の収支科目の伸び率というのがございます。一番上の売上高が40.4%となっておりますけれども、そのうち人件費が48.6%伸びておりますし、うち経費が54.1%伸びているとなっております。その下の(参考)のサービス業全体を見ていただきますと、売上高 4.7%に対しまして人件費が 0.8%の伸び、経費の伸びが 4.0ということで、人件費とか経費の増加率が売上高の増加率を上回っているということであります。

 次に3ページ目をごらんいただきたいと思います。全体として件数自体は多くありませんけれども、倒産件数が最近増加してきているという事実がございます。真ん中の表、平成9年では38件でございました。特に1件当たりの負債額が比較的多くなっているという特徴がありまして、一番下を見ていただくとわかりますように、約6億 4,000万ということでございます。

 資料3-2の4ページ目、病院等において医療行為の品質管理は適正に行われているのかということでございますが、例えば医療過誤訴訟の件数などが増加しているということが言われております。それから、【3】の現行の病院は事首・闔臂絮塚・覿氾・聞堝阿鬚箸辰討い襪里任呂覆い・箸いμ簑螳媼韻盪・辰道廚い泙垢・△海寮睫世肋蔑・気擦討い燭世【4】泙后・・鹿霈w)腫徐ぢ 2つ目は、4ページの真ん中でありますが、消費者からみた現在の医療の問題点はどうかということでございます。消費者は現在の医療をどう見ているのということでございますが、今、大熊委員からお話がありましたように、医療費が同じレベルの国と比べても医療への満足度が低いということであります。同じような調査がございまして、参考資料の6ページ目をごらんいただきたいと思います。先進6カ国で医療に対する意識調査を実施したところ、日本は満足度が低いという結果が出ております。

 それから、2番目の消費者にとって提供される医療サービスはわかりにくいのではないかということで、厚生白書等でアンケート調査等が載せられております。

 5ページ目にまいりまして、選択に役に立つに医療サービス情報を求める消費者が多くなっているということでございます。

 それでは、今後、政府等で行わなければならない具体的な対応は何かということでございますが、次のようなことが考えられるのではないかということを書いてございます。最初に病院等の経営に営利企業のノウハウ等を導入するための環境整備をする必要があるのではないかということでございます。そのためには、現在非営利の医療法人しか認められていない病院経営に営利企業を参入させるために規制緩和をすべきではないか。もう1つは、現在、医療法人の理事長は基本的に医師でなければいけないということになっておりますが、それに関する規制緩和を行うべきではないかということであります。

 2番目は、(1)の規制緩和に対応してより充実していかなければいけない部分だと思いますけれども、消費者の判断材料等となる適切な情報の開示に向けた環境整備を進めるべきだということであります。特に病院等を評価する機関への支援をしていくべきではないか、あるいは、病院等にかかわる広告の規制緩和を行うべきではないかということであります。

 3番目は、先ほどの経営の効率化に関連して病院等への標準化の普及とか、情報技術の活用に向けた環境整備を進める必要があるのではないかということでございます。最近欧米では病院等でもISOの普及・促進が進みつつあるということを聞いておりますので、日本でもこういったものを導入していったらどうかということが書いてございます。あるいは、ISO以外の品質管理の事例等をPRしていくことが重要ではないかということであります。

 それから、病院等の情報化でございますが、例えばカルテ情報などを消費者に帰属させるための情報システムの開発推進、診療報酬のオンラインシステムの構築などが必要ではないかと考えております。

 先ほど述べました営利企業が病院の分野に参入した場合、どういったことが考えられるということを事務局でも考えましたので、口頭でご紹介させていただきます。例えば在宅福祉の事業者、これは営利企業でありますが、こういったところが直接病院等の経営に進出するケースが考えられるのではないかということでございます。このメリットは、高齢者が元気なうちは訪問看護を行って在宅福祉事業でやり、容体が悪化した場合には病院に入るというふうに、高齢者の健康データ管理を一貫してできるのではないかということであります。

 もう1つの例としては、スポーツクラブが病院等に進出すれば、スポーツクラブで健康相談、指導を受けながら病院にも入れるということで、総合的な健康管理サービスができるのではないかということであります。あるいは、アメリカにあるわけですけれども、資本力のある病院が高度な機器をそろえて、開放型あるいはチェーン化した病院等を展開するということであります。

 続きまして6ページ目をごらんいただきたいと思います。介護・保育サービス分野の構造改革でございます。介護サービスにつきましては、特に訪問介護とか日帰り介護については、現在多様な事業主体の参入が図られつつあるということでございます。しかしながら、施設サービスについては、その中核となる特別養護老人ホームの設置主体が地方公共団体または社会福祉法人に限定されているという状況であります。保育サービスについては、現状では多様な形態のサービスが受けられるということであります。そこにありますように、公立及び社会福祉法人に限定されている認可の保育所、あるいは、営利企業による認可外の保育所、それ以外のベビーシッターとかいったものが現在あるということであります。

 それでは、現在の保育サービスの問題点は何かということでございますが、一番下から2行目にありますように、現在、保育所入所率が85%ということで供給過剰になっているわけですけれども、これはあくまで日本全体として見ての話でございまして、都市部とか低年齢児などについては待機が非常に多いという状況になっております。

 参考資料の12ページの図表の13をごらんいただきたいと思いますが、黒くなっているところが利用者の自己負担額で、白抜きのところを含めたものが供給コストになっております。例えば保育所は国公立とか社会福祉法人が行っているわけですけれども、実際の供給コストは高いにもかかわらず自己負担額は非常に低い。一方、民間の無認可保育施設、ベビーホテルを含むと書いてありますが、ここはコストは低いけれども、払う金額は保育所に比べて高くなっているというような状況がございます。低年齢児が問題だということでございますけれども、特に国公立の認可保育所での低年齢児の受け入れが進んでないとか、夜間がなかなか進んでいないというような状況が書かれております。

 今後の対応でございますけれども、先ほどの図表13にありましたように、適正な競争環境にないのではないかということで、サービス分野においても今後多様な事業主体の参入をさらにさせるためには、競争環境を整備していく必要があるということでございます。(2)に、そのために公的補助のあり方を見直すべきだという点が指摘されております。ただ、これはやや長期的な話でありますので、(3)の当面の対策としていうことで、1つは、現在営利企業の参入が認められていない特別養護老人ホームとか、認可の保育所といったところに営利企業を参入させて、ある一定の水準であれば認可、認可外といった区別をなくしていったらどうかということを提案しております。

 8ページにまいりまして、現在認可保育所は延長保育に対応できないということでありますけれども、当面の措置として、例えば夜間については営利企業等に保育を委託するといったことをやったらどうかということでございます。

 (4)は、先ほど大熊委員からご指摘ございましたように、こういう規制緩和等により、介護及び保育サービスの市場に多様な事業主体が一層参入することが考えられます。その場合、各々の事業主体による供給サービスの質を確保し、消費者が不利益を被らないようにしていくためには、第三者による事後的なチェック体制、あるいは消費者保護といったものを強化して、不当なサービス提供している事業者を市場から適切かつ迅速に排除できる仕組みづくりが必要ではないかと考えております。

 以上です。

(座長) どうもありがとうございました。

 それでは、先ほどの大熊委員のご説明と、ただいまの事務局の説明につきまして、ご意見あるいは質問等をお伺いしたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

 I委員、どうぞ。

(I委員) 非常に興味深く聞かせていただきました。医療と福祉について問題になっていました、民間企業が参入する場合の情報の非対称性の問題、私は素人ですが、これは若干違うのではないかと。これは大熊委員にもお聞きしたいんですけれども、医療の場合、情報の非対称性が大きいということはよくわかるんですが、福祉、介護の場でも情報の非対称性がかなりあるというお話もあったんですけれども、それはどの辺のところであるのか。あるいは、モニターみたいなものをしっかりやればそういうものは解決できるのか。

 医療の場合だとモニターをすれば全部解決できるかというと、そういうわけではないと思うんですね。その辺のところを追加的に説明していただけるとありがたいです。

(座長) それでは、初めに大熊委員から何かございますか。

(大熊委員) 非対称性には二通りあって、専門的であるということでわからない部分と、例えば夜中というような問題があって、なかなか知り得ないということがありますけれども、介護について言うと、介護の経験者でない人に「こういうものなんですよ」と言うと、そうなのかなという納得してしまうところがあるのが医療と大変よく似ています。

 今、痴呆のお年寄りが有料老人ホームでも縛られているわけですけれども、皆さんもよく知っているような経済の助教授などがご自分のお母さまを入れていらっしゃって、専門家がそう言うんだから、お母さんはそんなこと言うけど、仕方がないんだよと言うような調子であります。この辺はG委員にさらに追加していただいた方がいいかもしれません。それから、24時間ずっと立ち会っていてこその介護内容ということもあります。

 ですから、先ほど最後にあった民間の2つの施設の介護は、結果は簡単で、お年寄りがにこにこして誇らしげな顔をしていれば、それがアウトプットなんですけれども、そういうことができているのは、あれがまちの中にあって、人が始終出入りしてという条件の下にでているわけですね。もしとても悪い福祉法人や医療法人、株式会社が土地の安いところへつくって、人目が入らなくて、家族もあまり行けなければ、非常に物騒なことが起こる。起こっているという現実がございます。

(座長) G委員、今のI委員に対して追加のご説明、それから全般的な問題について何かご意見ありましたら、どうぞ。

(G委員) 掃き溜めに鶴って褒められたんですが、1カ所訂正させていただきたいと思います。株式会社でやれば悪いというところはどうかなと思っております。というのは、特別養護老人ホームや老人病院、医療法人とか社会福祉法人にしても、1カ月お年寄りを預かったら30万とか40万という定額制なんです。その結果どうなっているかというと、9割以上のところが軽い方からとるわけです。重い方からとってくれればいいんですけれども、軽い方からとる。ですから、軽い介護の人ほど施設にいて、重度の人ほど自宅にいるというようなアンバランスが生じております。こんな財政の無駄遣いはないと思います。その結果、重い人が自宅におりますから、地獄の家族介護というようなことが広がってくるのではないかと思います。

 そもそも老人福祉法というのは昭和39年にできたわけでございますけれども、当時は要介護の老人はものすごい少なくて、その人たちの施設を経営する人たちは篤志家とか土地の良心的な素封家とかいう人たちだけがあたっていたんですね。ですから、そのときには法律で縛らなくても良心的な人だけが市場に参入しましたから、問題なかったんですね。しかし、数十万人という規模ではございませんで、75歳以上の老人は 800万人でございます。あと20年もたてば 1,600万人になる。特別養護老人ホームでもいろんな事件が起きているように、新しい参入者というのは過半が阿漕だと考えていいと思うんです。ですから、私は資本主義社会が好きな人間なので、大熊先生に申しわけないんですけれども、株式会社の問題ではないと思っております。

 私も老人ホームをやってわかったんですけれども、うちには健康な方が7割ぐらいいて、3割ぐらいが寝たきりとかボケている、要介護者がいらっしゃるんですね。苦情が出るのは健康な方だけで、要介護の方から苦情が出るということはほとんどありません。なぜかと言いますと、お年寄りをみていてわかったことは、人生だんだん諦めながら生きていくということですね。スライドの一番最初に8人部屋の老人病院が写っていて、多分日中だと思うんですけれども、全員が寝たきりになっていて、天井をじいっと見て一日送っている。あれで2年、3年生活するわけですね。あれで苦情が出ないんですよ。

 なぜ出ないかと言いますと、人間というのは自分の力で生きていけなくなると、その環境に適応していく。そこで革命を起こそうなんて考えないわけです、それだけの力もありませんし。どこの国でも同じですけれども、とにかく諦めている。ですから、行政の方にいきましても「苦情はない」と言うんです。厚生省に行ったって「苦情は出てきません」ということなんです。デンマークなどの北欧でなぜああいうふうに手厚い福祉が行われるというと、そういうような事実を国民全員が知っているからで、小さいときからお年寄りとはどういうものかという教育を受けているからなんです。

 今見たスライドは、ここにいらっしゃる委員の方は生まれて初めて見られたのではないかと思いますが、お年寄りは自分の声を出せませんから、我々国民全員が知っておかなければこういう事態は直らないということであります。大熊先生のご発言の中に全部出ておりましたけれども、とにかく払うのは家族ですから、安かろう悪かろうでもいい、死んだら電話をくれというような家族ばかりです。そして、利用者の方は諦めてしまっているということです。

 それから、介護という問題は、人件費がかかると言いますけれども、幾らでも値段は下げられます。さっきある有料老人ホームが出ておりましたけれども、どういうふうに下げられるかと言いますと、睡眠剤を飲ませれば幾らでも人件費は下がります。睡眠剤を飲ませればほとんどうろつきません。ですから、ボケている人の介護なんて実に楽です。私のホームでは大体月30万ぐらいかかっていますけれども、5万円でやれって言われたら5万円でできます、睡眠剤を飲ませればいいんです。昼間睡眠剤を飲ませますと、夜起きちゃいますから、夜も睡眠剤を飲ませます。ですから、大量に飲ませるわけです。

 お年寄りの腎臓、肝臓というのは、我々若い人たちの数分の1の能力しか持っていませんから、薬を体外にはき出す力というのは少ないわけです。ですから、我々が睡眠剤を飲めば大体8時間ぐらいですべて薬は外に出るんですけれども、老人に飲ませますと、24時間とか36時間体内にとどまります。そういうお年寄りに対して数倍の睡眠薬を飲ませるわけですから、我々健康な人間が飲む睡眠薬の血中濃度の5倍、10倍になります。こんなことをやっていたら、健康な人も腎臓、肝臓を悪くして数カ月で死んでいく。これは当たり前のことなんです。

 しかし、家族にしてみれば、いいところに入れたし、早く死んじゃったなというだけの話であります。また、丁寧な介護をすればするほど長生きするということでありますから、売り手と買い手の利害がこれほど相反しているものはほかの商売にはないと思います。こういった問題は、有料老人ホームだけではなくて、精神病院とか授産施設とかありとあらゆるところで起こっています。要するに閉鎖空間ですね。弱者だけが閉じ込められている閉鎖空間ではどこだって起こっています。精神病院にいったって、授産施設にいったって、更生施設にいったって、男子職員から女性が猥褻な行為を受けるなんてことは日常茶飯事です。ときどき職員がマスコミにしゃべってネタになるぐらいのことでありまして、全国的に日常茶飯事ということであります。ある人に言わせればこれは必要悪だというような言い方もあります。

 というのは、65歳以上人口がよく問題になっておりますけれども、一番重要なのは75歳以上人口であります。75歳以上人口がなぜ問題かといいますと、このレベルは平均の日本人の5倍の医療費がかかっている、それから3~4人に1人は要介護であるということです。ここが既に 800万人いて、あと20年で 1,600万人になる。介護保険ができまして、当初4兆円でスタートしますけれども、あっと言う間に10兆円どころかどんどん大きくなるわけです。今みたいな経済情勢の中、負担を増やせば景気は悪化していくということがはっきりわかっているわけで、昨年の11月の下旬以来、デフレ政策からインフレ政策に当局は変わったわけでございますけれども、こういった中で新しく介護保険が立ち上がってきて、所得が移転してくる。ですから、どこをつついてもかなり暗い状況ですね。

 それからもう1つ、それではここを一体どうするのかという問題があります。というのは、医療・福祉のサービスというところを見ますと、コスト意識というものが全くありませんね。すぐに株式会社の組織に変えろとは言いませんけれども、コスト意識が全くない。例えば市役所が介護する人たちを雇っていますけれども、この人たちは9時に市役所を出て、各家庭を回っていって、12時に帰ってくる。食事をとってまた各家庭に行くわけですけれども、一番重要なのは早朝と12時から1時までの食事帯なんです。各家庭で人の手が借りたいときには働いていない。例えば23区でやっている入浴サービスなども、1人のお年寄りに入浴サービスをしますと、3万 5,000円から 5万2,000 円ぐらいかかってますが、これを株式会社に委託すれば1万円から1万 2,000円です。これだけの差があるわけです。

 1時間ではとても答えなんか出ませんけれども、今日の大熊委員のお話は状況を理解してほしいということではなかろうと思いますので、それに沿って私の方で追加でご説明したということであります。それから、介護というのは大変なものでございまして、連合が今から3年前に連合の組合員に調査をしていまして、「介護している自分のところのお年寄りに対して憎しみを感じますか」という問いに対して、「憎しみを感じてない」というのはわずか25%でした。愛憎紙一重であります。それから、「虐待したことはありますか」という質問に対しては、2分の1が虐待したことがあるということです。答えない人も含めればこれ以上の数字があるということです。昔は親が寝ついて1週間か2週間で死ねば、嫁はにっこり笑って最後のご奉公ができたんです。今は親が寝つけば5年10年、場合によっては20年を越える介護をする、こういった問題があるわけです。

 昨年の10月22日に橋本前総理大臣が、財政構造改革法案の審議のときに「このままいけば日本の国民負担率は70%を超えます、破綻します」と言いましたが、私は有料老人ホームの現場にいて正しいと思います。これからの財政の膨張というのはほとんどすべて、文部省の予算なんて、子供が少なくなっていくわけですから、なくなったって構わないわけでして、とにかく厚生省の分野で伸びていくと。ここのところを理解してもらいたいということです。答えが簡単に出るような問題ではございませんけれども、いいスライドがあったなと思っております。

 長くなって済みません。

(座長) どうもありがとうございました。

 ほかにご意見はいかがでございましょうか。

 それぞれ個人的な経験もあり、かつ経済全体としても大問題、あるいは社会的な問題ということでございますので、まだご意見が……。

(大熊委員) G委員と私では違っていたのは株式会社の点だけのようでありますが。あそこで縛っているというのは目に見える形で縛ったのをお見せしましたけれども、「薬縛り」という言葉があって、それがずうっと薬を飲ませてぼおっとさせるということであります。状況は確かに福祉法人でも医療法人でも株式会社でも、この仕事にかかわるとあの世界に入っていくのには質の悪いものをやった方がもうけになるという構造があります。

 ただ、厚生省の場合は医師会とさまざまな施設を経営している団体、日本精神病院協会とかいうところと長年のつき合いがあって、おいそれと情報開示とか、先ほど事務局からありました評価をして、その評価に従って何をするというようなことができないという力関係にあります。例えば株式会社を入れるんだというひとつのきっかけをつくって、もっとしゃんとしたことにできるようにこの委員会から提言ができれば、それは単に株式会社にも道を開いてあげるということにとどまらなくて、ほかの主体に対しても非常に影響を、ひいては利用者にとってもいい影響を与えるのではないかなと思います。

(座長) どうもありがとうございました。

 どうぞ、D委員。

(D委員) 1点だけ申し上げたいと思います。

 日本の国民医療費、あるいは日本で年間どれぐらい医療費を使っているということを、経済的にあるいは経済学的に積み上げますと、直近のところで30兆円に近いわけです。皆さん、これは健康保険の保険料で賄っているというふうにお考えですけれども、健康保険の保険料で賄っているのはそのうちの半分、15兆円ぐらいなんですね。残りは自己負担と財政になるわけですけれども、財政というのは補助金でして、その役割は非常に大きいわけです。

なぜそうなっているか、あるいは、その1つの大きな証拠みたいなものとして、全身麻酔を伴うような高度な医療は日本では公的な大病院で行われている。ところが、総病床数に占める公的大病院、大学病院なども含めて勘定しますと2割ぐらいなんです。したがって、高度な医療というのはほとんど公的な大病院で行われるという仕組みになっている。なぜそういうことになるかというと、現在の保険医療の点数では、私的なところがそれをやろうとすると赤字になるわけです。要するに点数ではとても賄えないぐらいのコストがかかってしまう。

公的なところはどうしてそれができるのかというと、あるものは明示的に、あるものはもう少し隠れた形で補助金が出てくるわけです。例えば公立病院ですと建物にお金がかからない、しかもそれを県とか市町村が建てる場合には、そのお金というのは償還財源も含めて国の地方交付税、交付金かなんかで面倒みてもらえる。国立の場合は赤字を出しても補てんされる、地方の場合も補てんされる。ですから、高度な医療というのはほとんどの場合赤字が出ている、それでもやれるのは公的なところだと。

こういうぐあいに資源配分自体が、今の価格システム、あるいは疑似価格システムというんですかね、あるいは、社会主義みたいな点数システムであるわけです。ある種の経済原則とかけ離れたところで維持されてきている、その一つの大きな例が薬であるわけです。そういうものについても、現在の医療の価格システム自体を市場経済、あるいは、市場の中での資源の消費量をきちんと反映した形でやらないと、規制緩和をしても効率的なところに資源が回っていかないと思います。

具体的にどうするのかというと、きちんとした医療が私的なセクターでもできる。それから、今、病床規制で無理やり縛っていますけれども、そういうことはやめる。それから、もうちょっと経済的なインセンティブを使って自己負担をコントロールする。それから、さっきのように余りに長期の入院、日本でも最近かなり厳しくなってきましたけれども、いろんな複合的な手段を使ってそういうものをコントロールする。できるだけ直接的なコントロールはやらない。それから、目に見えない形での補助金はやめる。それから、だれがやろうと同じ補助金がもらえる。それが県立であろうと私立であろうと、補助金もある種のユニバーサルな形にする。そういうことがない限りは、医療の分野で、先ほどから問題になっておりますような、消費者の満足度を上げるというのはなかなか難しいんじゃないかと思います。

 以上です。

(座長) どうもありがとうございました。

 参考資料の13ページは『日経流通新聞』の調査なんですけれども、サービス業における業種別成長率はこうだと、これが業としてどう成立するかというのは、今、委員がおっしゃった市場経済との関連で非常に興味ある問題だと思って見ておりました。

 残念でございますけれども、時間の関係で本日のこの問題の審議はここまでとさせていただきたいと思います。さらにご意見がありましたら、事務局までご連絡いただきたいと思います。

 それでは、次回以降の日程につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

(事務局) 資料4をごらんいただきたいと思います。

 次回第3回は11月19日(木)、10時から12時、同じ場所でございます。議題につきましては、本日行いました「高コスト構造是正・活性化の進捗状況と一層の推進」の2回目、それから、「教育分野の構造改革」を予定しております。

(座長) それでは、本研究会の審議スケジュールに関しましては以上のとおりでございますが、私の方からご報告する事項がございます。

 前回私から申し上げました構造改革推進研究会に、金融関係を取り扱うワーキンググループを設置するという件につきましては、前回の研究会終了後に事務局に検討をお願いいたしました結果、この研究会の荒木襄委員を座長とする金融関係ワーキンググループを正式に設置する運びとなりまして、明後日の11月4日に第1回の会合を行う予定となっておりますので、ここにご報告申し上げます。

 荒木委員、よろしくお願い申し上げます。

 なお、金融関係ワーキンググループにつきましては、このように遅れてスタートいたしますことから、この研究会が11月24日に予定しております各ワーキンググループからの報告までに取りまとめが間に合わないこともあり得ると思いますが、その辺につきましては、今後また調整させていただきたいと思っております。

 それでは、第2回の構造改革推進研究会の審議は以上にいたしたいと存じます。本日はご多用のところ長時間ご審議、まことにありがとうございました。

 これで終わります。どうもありがとうございました。

 

以上