経済審議会総会議事概要
1.日時:
平成12年6月30日(金) 14:00~15:30
2.場所:
内閣総理大臣官邸ホール
3.出席者(敬称略)
(委員)
豊田章一郎会長、長岡實会長代理、伊藤助成、角道謙一、小長啓一、小林陽太郎、佐々波楊子、得本輝人、那須翔、畠山襄、星野進保、星野昌子、水口弘一、村田良平、 諸井虔、山口光秀、和田正江
(内閣官房)
森内閣総理大臣、額賀内閣官房副長官、松谷内閣官房副長官、竹島内閣内政審議室長、江利川首席内閣参事官
(経済企画庁)
堺屋長官、中名生事務次官、新保経済企画審議官、坂官房長、牛嶋総合計画局長、河出調整局長、金子国民生活局長、鹿島物価局長、小峰調査局長、永谷総合計画局審議官、塚田総合計画局審議官 他
4.議題
- 『「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」の実現に向けて』について
- 経済審議会の今後の運営について
5.議事内容
(1)経済企画庁長官あいさつ
我が国経済は、自律的回復に向けた動きが徐々に強まってきており、景気を本格的な回復軌道に着実につなげていくとともに、21世紀の新たな発展基盤を築くため、大胆に日本経済の新生と構造改革に取り組むことが重要。政府として、経済審議会報告の趣旨を十分踏まえ、経済新生と構造改革に積極的に取り組んでいく。
(2)『「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」の実現に向けて』について
『「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」の実現に向けて-IT革命を起爆剤とした躍動の10年へ-』について、水口部会長及び事務局からの説明の後、経済審議会の報告として了承され、豊田会長から森総理に手交された。なお、委員から以下のような意見が出された。
- IT革命を進める上では、スピードが重要であるので、時間的な目標を掲げて推進していくことが必要。
- 株式市場でIT関連株価の下落が見られたが、きちんと技術・ノウハウ等を持った企業・産業にITを活かしていくことにより、新しい経済発展を実現できる。
- ITによる情報格差の拡大やネットワーク時代の新しい消費者問題といった懸念される側面に対しても、適切に対応していくことが必要。
- ITは、アメリカでは流通分野で特に効果があったが、一方で雇用面への影響もあるが、どう考えるか。
- 循環型経済社会を形成していく上で、地球環境を保全し、限りある資源を大切にしていくという考え方が基本。
- 少子高齢化が進む中で、女性の就業を支援する施策や優秀な外国人労働者や留学生の受け入れが重要。
- NPOの活動を支援するような施策も重要。
- 自由貿易協定の重要性を適切に位置付けていることを評価。
(3)経済審議会の今後の運営について
経済審議会に総括部会を設置し、これまで経済審議会が経済計画の策定等を通じて担ってきた機能と役割を評価し、今後、政府内において引継ぐことが期待される機能と役割について調査審議を行い、12月を目途に結果をとりまとめることが決定された。なお、委員から以下のような意見が出された。
- このテーマについては、様々な意見があると思うので、部会の委員は各界から幅広く構成していただきたい。また、結論を必ずしも一つに絞る必要はない。
(4)森総理大臣あいさつ
景気を本格的な回復軌道に乗せていくとともに、構造改革を一層強力に推進し、21世紀における新たな躍進を目指した政策に取り組んでいくことが私の使命である。経済審議会の報告の中では、当面3年程度の間に、IT革命の戦略的推進、循環型経済社会の構築、安心でき活力ある高齢社会の構築の3つの課題に積極的に取り組むべきとの提言をいただいており、政府としてこの報告の提言を積極的に進めていくよう努めていく。
(5)森総理大臣と委員の意見交換
森総理大臣のあいさつの後、総理と委員の意見交換が行われた。概要は以下のとおり。
(委員)
- 日本は、通信コストが高く、アジアでもIT化が遅れている。総理直轄のIT戦略会議等で、総合的かつスピーディーに対応していただきたい。また、本報告書を活かして、ITの問題について九州・沖縄サミットでリーダーシップを発揮されることを期待したい。
- IT化について、日本は世界の中で遅れているという焦りをもって、政府も取り組んでいただきたい。
- IT推進のためには、障害となっているものを除去することとセーフティーネットの整備が必要。その際、セーフティーネットをどの程度のものにするかというバランスが重要。
(総理)
- ITについて日本が遅れているという意見を民間の方からよく聞く。政府として、民間と政府の役割をよく考え、民間が自由に活動できる環境を整備していくよう努力したい。
以上
本議事概要は速報のため、事後修正の可能性があります。
(連絡先)経済企画庁総合計画局計画課
宮原、伊藤
電話 03-3581-1041