経済審議会政策推進部会政策小委員会(第5回)

日時:平成 12年 5月 9日
場所:経済企画庁官房特別会議室(729)
経済企画庁


経済審議会政策推進部会政策小委員会(第5回)議事次第

平成12年5月9日(火)14:00~16:00
経済企画庁官房特別会議室(729号室)

  1. 開会
  2. 全体整理及び自由討議
  3. 閉会

(配布資料)

  • 資料1.経済審議会政策推進部会政策小委員会委員名簿
  • 資料2.論点整理メモ

(委員)

水口 弘一委員長、香西 委員長代理、木村 陽子委員

(経済企画庁)

堺屋経済企画庁長官、小池総括政務次官、中名生事務次官、坂官房長、牛嶋総合計画局長、永谷総合計画局審議官、塚田総合計画局審議官、仁坂企画課長、藤塚計画課長、佐々木計画官、山崎計画官、税所計画官、大脇計画企画官、岩本計画企画官、川崎推進室長 他


経済審議会政策推進部会政策小委員会委員名簿

          植田 和弘  京都大学大学院経済学研究科教授
木村 陽子  奈良女子大学生活環境学部教授
委員長代理 香西 泰   (社)日本経済研究センター会長
清家 篤   慶應義塾大学商学部教授
委員長     水口 弘一  (株)野村総合研究所顧問
村井 純   慶應義塾大学環境情報学部教授

(50音順、敬称略)


〔 委員長 〕 ただいまから第5回政策小委員会を開催いたします。

 本当に短期間に5回目ということになりまして、本日は、委員の方はもちろん、小池総括政務次官にも、大変ご多忙の中をご出席いただきましてありがとうございます。

 また、事務局の皆様も本当にご苦労様でございます。

 さて、前回まで4回にわたりまして、各テーマについてご審議をいただきましたが、それらを踏まえまして、本日は全体の取りまとめを行ないたいと考えております。

 堺屋経済企画庁長官は後ほどご出席になられる予定でございますので、それからご挨拶をいただきたいと思います。

 それでは、まず事務局からご説明をお願いいたします。

〔 事務局 〕 これまでの4回の議論に基づきまして、資料2の論点整理メモを作りましたので、これをもとにご議論いただければと思います。

 各小委員会で出された意見、それ以外にも個別の委員の方々からいろいろな意見をいただきまして、できるだけそれを取り入れる形で作成したものでございます。

 すでにお手元にお配りしておりましたこともございますし、主としてそれぞれの小委員会で最初にお出ししました論点メモからの考え方の変更点ということで簡単にご説明した後、いろいろご意見をお伺いできればと思います。

 まず全体の構成は4章構成になっております。

 1ページの「はじめに」として前書き的なものを付け加えております。4つの課題ということで、1.IT革命を起爆剤とした新しい経済発展、2.循環形成ビジネスの推進、3.介護ビジネスの推進、4.少子高齢・人口減少社会における高齢者の能力発揮システムの構築、を挙げております。なお、4.については以前「人的資源の活用方策」ということで、より広い人的資源の活用としてとらえておりましたけれども、大臣や委員の方からの強いご示唆もございまして、やはりここは高齢者に絞って能力発揮システムという形にしたらどうかということで絞った形にしてまとめてございます。

 2ページからが各章の記述でございます。第1章は、IT革命を起爆剤とした新しい経済発展ということであります。

 ここのところは幾つか変更点がございますが、まず、委員の方から前の論点だと全体の印象としてIT革命が進行してどうしても対応せざるを得ないという受け身の形を多く受けるので、ITによって生ずるポジティブな現象をまず述べてそういういいことがあるから積極的に取り組んでいくのだというニュアンスをもっと強める形の論点に変えた方がいいというご意見がございましたので、一番初めのところで、IT革命の本質は、情報に関するあらゆる制約が極限に近いまでに緩和される結果として、個人や組織の活動が従来の情報技術上の制約から解放されることで自由度が飛躍的に高まり、経済社会の様々な側面でダイナミズムと創造性の高まりがもたらされるという趣旨を示してそういう形でIT革命をとらえるというふうにしてスタートしたいと考えております。

 以下、それぞれの課題が書いてございますが、主な点は、3ページの(1)2)通信と放送の融合というところで、委員からのご指摘もあり、電波のオークション制度の検討を進めるということを入れることを考えております。ただ、電波のオークション制度はアメリカ、イギリス等で既に導入されているということでありますが、なかなか難しい面もあるようでございます。

 (2)1)ネットワーク取引に対応した制度の整備というところで、これは委員から、ビジネスモデル特許という問題はまだ解釈が定まっていないところが非常にあるためにリスク要因になっているので早急に検討を進めて明確な方向を示す必要があるという趣旨で入れておくべきだというお話がございましたので、その旨を入れる予定でございます。

 また、この問題全体が、ネットワーク取引に対応した制度が未整備なままでは問題が発生した場合に法の解釈等で非常にリスクが高く予見可能性を低下させ、この分野でビジネスを行なうのに伴って非常にリスクの高いものにしているという観点からも早急に制度の整備を進める必要があるというご指摘もございまして、その旨も入れる予定でおります。

 4.IT革命の戦略的推進の(2)2)では「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」に基づく施策の積極的推進ということを挙げており、これは現在政府が本部を設けて取り組んでいるものでありますが、ここには知的財産権の問題やその他の取引一般にかかる諸制度等のネットワーク上での経済取引を円滑にするための制度を早急に検討を進めて、新たな市場の枠組みを構築することが重要という指摘と、さらに、先ほどの通信と放送の融合のところでの法的整備、電波オークションの検討ということを特に重要課題として入れる予定でおります。

 IT関連は以上でございます。

 4ページ以降、第2章循環形成ビジネスの推進でございます。これもいろいろな委員からの意見を踏まえて整理しております。

 1.基本的な考え方の(1)変革への意識のところでは、〔資源の投入→生産→消費〕というこれまでのラインに替わる〔消費→資源回収→生産→消費〕につなげていくサークルを構築するということで、そういうサークルの構築ということは、いわば従来は資源を労働力に置き換える、これまでは資源をいろいろ使って活動していたわけですが、資源を使う代わりに労働力をより多く使うという考え方を入れるつもりなのと、消費者の参加ということで消費者を重要な立場を持つものとして表現しようと考えております。

 (2)資源の効率的な循環に向けた取組のところは、4)消費者の意識変化ということでは、この問題を考えるときに消費者も非常に重要な役割を果たすという趣旨での意識変化ということで入れるつもりでございます。

 2.循環境形成ビジネスの展望の(2)新たなビジネスの発生のところで、メンテナンス等がこれから重要になってくるということで、ビジネスについて少し広がりを持ったとらえ方をすべきであるというご意見がございましたので、その考えを入れる予定でございます。また、消費者がNPO等を通じて循環型経済社会の形成に参画するという考え方も入れるつもりでおります。

 現在、ミレニアム・プロジェクトとして私どもの研究所が中心になって循環型経済社会構築のための大規模な調査を2年間の計画でやっておりますので、そのことについても触れたいと考えております。

 3.循環形成ビジネス育成のための課題と方策についてはまず最初に(1)の1)ですが、市場を通じて循環形成ビジネスを育成していくのだという考え方を最初に明確に述べるつもりでおります。循環形成ビジネスが育成されるためには、生産→消費→リユース・リサイクル→最終処分までの連鎖が市場を通じて形成されることが必要ということで、市場を通じての形成ということを強調するつもりでおります。

 (2)資源の効率的な循環ということについては4つほど挙げる予定でおりまして、1)メーカーが、廃棄物の処理工程を考慮した製品等の設計・製造を行なう、2)廃棄物が効率的な収集、中間処理のプラント等に投入されることが必要、3)中間処理による部品や素材の再生工程の大型化、効率化、4)再生部品等が有効に使われるためには、クローズド・マテリアル・リサイクルつまり同じところでまた使うという仕組みにしていくことが有効、これも委員からご指摘がございまして、そういう考え方を入れるつもりでおります。

 (3)市場のグリーン化については環境会計制度とか、製品LCA等の研究・普及、あるいは教育という面での低年齢層からの普及・啓発ですとか、公共機関によるグリーン購入といったようなことをここでまとめて書くつもりでおります。

 少し飛びますが、(6)システムの普及と検証ということで、現在、いろいろな法律が国会で審議され、あるいはもうすでに成立しているものもあります。これから本格的に循環型の社会の形成に向けていろいろなシステム、仕組みが動き出すということになるわけでありますが、そのシステムの構築後も関係者による評価を行い、問題があればシステムを迅速に修正していくことが必要だという指摘があり、これも入れる予定であります。

 6ページ以降からは第3章介護ビジネスの推進でございます。

 1.基本的認識のところは、主な内容として、介護サービスの効果としまして、1つは高齢社会における安心があり、もう1つは介護保険の施行で専門家による効率的な介護が一般化して、それまで介護に縛られていた家族労働力を解放するとともに、介護を理由とした離職を防止して、今後の少子高齢化による労働力減少の下で貴重となる労働力の創出につながるといった考え方を述べる予定でおります。

 さらに介護保険給付対象サービス(以下「公的介護サービス」という)に加えて多様な介護関連サービスが提供されることで、より大きな介護サービス市場が形成されるという考え方。その中でも公的介護サービスが核になって初めてより大きな介護サービスの市場が成り立つので、公的な介護サービスの提供体制を整備することが緊急の課題だという考え方をここで整理する予定でおります。

 2.介護サービス市場の展望の(1)公的介護サービス見通しのところは特養に対する民間の参入がまだ認められていないという問題で、現在、民間事業者の参入が認められていない施設介護については、新規事業者の参入促進と事業の多様化による経営の安定の観点からは参入を認めることが望ましく早急に検討を進め、結論を得る必要があるということを入れる予定でおります。

 (3)IT(情報技術)の応用への期待ということで、内容を考えるべきであるというご指摘がございまして、IT活用ということでいろいろなことが考えられるということを紹介する予定でございます。特にケアマネージャー等の事務作業についてのITの活用でありますとか、例えば要介護高齢者等によるインターネットを用いた注文配達等、これも既に一部実施されているようでありますが、そういったものも含めてIT革新とその介護分野の応用が期待されるということを書く予定でおります。

 3.介護サービス市場整備の政策課題は課題として(1)介護要員の確保で、これはちょっと表題を変えましたけれども、中身の考えはほとんど変えておりません。(2)利用者本位の仕組みの整備では特にケアマネージャーの独立性の確保ということが非常に重要だということで、そのことを書くつもりでおります。ケアマネージャーについては独立性を確保し、利用者の立場に立った業務がなされるよう、その機能を強化していく。ケアマネージャーが主体的に活動することで要介護者のニーズを汲み上げたり、あるいは介護サービス事業者に対する監視、質の評価が可能になってくる。それに伴って事業者間の競争も促進されるということで、介護サービス全体の中でのケアマネージャーの重要性ということに触れる予定でおります。

 8ページの第4章少子高齢・人口減少社会における高齢者の能力発揮システムの構築につきましては先ほども言いましたけれども、前回までは「人的資源の活用方策」ということで書いておりましたが、これはこれからの高齢化社会ということに焦点を当てて、高齢者の能力発揮システムの構築という形で問題を取り上げて提起する方がいいというご指摘を受けましてこのように変更しております。

 1.基本的認識については今後、我が国においては、2000年から2015年までに65歳以上の人口は約1,000万人増加するということで、少し量的なイメージを出す予定でおります。そうした中で高齢者の能力を積極的に発揮していくことが重要であるという趣旨を書く予定でおります。

 2.今後の方向性のところでは、1つは年齢にとらわれず社会で活躍することのできる能力発揮システムの確立。もう1つは少子高齢化の中で長期継続雇用といったものがだんだん困難になりますので、1つの企業による長期的な雇用保障から労働移動を前提とした社会全体で雇用を保障していくシステムへと移行することが見込まれるということで、能力を生かした円滑な労働移動が図れる能力発揮システムの確立。そういった2つの柱で整理する予定でおります。

 3.少子高齢・人口減少社会における能力発揮システムの構築に向けての方策では(1)年齢にとらわれない高齢者の能力発揮ということで、従来の賃金・処遇制度は、今後の少子高齢化の下では維持が困難になり、高齢者雇用の制約要因となりかねないことから、こうした制度の見直しも求められるといった指摘をする予定でおります。

 年齢にとらわれずに働くという観点や職業生涯で培った能力を高齢期においても発揮していくという観点からは、高齢者の起業・創業も一つの形態であり、引き続き支援していく必要があるといった点や、あるいは、高齢者の作業適正といった調査、これはミレニアム・プロジェクトの一環として当庁の総合研究所で現在実施されているところでございますが、そういうことも踏まえて高齢者に適した求人の開拓等の雇用機会確保を行なっていくというようなことを書く予定でおります。

 (2)労働移動を前提とした労働市場の機能整備とエンプロイアビリティーの向上ということで、基本的には今後高齢期にいても意欲と能力を十分発揮するように高齢者がなっていくためには、労働者が若年期から自発的に職業能力の向上に努める。それには高齢期に至る前から労働者が多様な選択ができるようにしていくことが必要だ、それが基本的には重要なことだという認識を書く予定でおりまして、まず1)情報提供機能の強化ということで、有料職業紹介とか、インターネットを利用した情報提供といったようなことを考えており、また、特に高齢者への情報提供にあたっては、フルタイム、パートタイム等様々な雇用・就業機会を提供できるよう高齢者の特性やニーズに配慮したきめ細かな対応か重要であるということも入れる予定でございます。

 2)能力開発のところでも、基本的にはこれから能力開発が企業内では従来のようには行なわれにくくなっていくので、個人が自分で能力開発を行なっていく必要がある。それを政策的にも支援していく必要があるという趣旨を書く予定でございまして、最後に高齢者の再就職にあたっては、高齢者自身の能力開発も重要になってくることから、先ほど触れましたけれども、高齢者の作業適正等の調査を踏まえまして、その特性に対応した高齢者の能力開発を行なっていく必要があると書く予定でございます。

 3)労働市場を有効に機能させるルールづくりということでは、年齢や性にかかわらず個人の能力が雇用関係上の基準になるように市場のルールを整備していく必要があるということで、年齢による一律的な取扱いを見直し、労働市場を有効に機能させていくことが求められる。特に年齢については、中途採用時の年齢制限のような年齢による一律的な取扱いを抜本的に改める方策として、年齢差別の禁止という考え方についても検討していくことが求められるということで、提案することを考えております。

 以上、簡単でございますが、ご説明させていただきました。

〔 委員長 〕 ありがとうございました。

 ちょうど今、大臣がお見えになりましたので、ご発言をお願いいたします。

〔 大臣 〕 皆様におかれましては、いつもお忙しい中をおいでいただきましてありがとうございます。

 昨年、「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」(いわゆる「あるべき姿」)というものを出させていただきました。これから10年ぐらいかけて日本がやるべき方針を出したわけでございますが、それを具体化するために、まずアクション・プログラムとして3年程度のものをということで、こういう研究をお願いしたわけでございます。その中で、「IT革命」、「循環型ビジネス社会の推進」、「介護ビジネスの推進」、「少子高齢化社会における能力発揮システムの構築」という4つの大きなテーマをお願いいたしました。

 これから新しい内閣がどのような指針を持っていくべきかということがテーマでございますが、IT革命というのは2年前とはずいぶん考え方が変わりまして、ものすごい勢いで発達をしております。おそらく2年前には想像できなかったようなことがどんどんできてまいりました。それに従ってプロジェクトの方も相当のスピードでやらなければいけないことが今の時代の特徴でございます。

 世の中にはドッグイヤーで進む人間の1年が5、6年の速さで進むものと、タートルイヤーで進む人間の5、6年が1年で進むものとがございまして、大体、最近は、重厚長大のものは進み方が非常に遅くなってきました。例えば、1993年に引退しましたアメリカのニュージャージーという戦艦は艦齢45歳だったのですけれども湾岸戦争で活躍しておりました。戦前は軍艦は10年で古くなったものです。ですから、日清戦争の最新鋭艦は日露戦争で使えない。日露戦争の最新鋭艦は第一次世界大戦のときにはもう博物館に入っていた。そして、第一次世界大戦のときの艦は太平洋戦争では使えないというくらいに早かった。ところが戦後になりますと45年間最新鋭艦でとどまる。

 新しいと思っていたものがどんどん古くなりまして、我々が新しいと思っている宇宙シャトルなんていうのも考えてみるともうずいぶん古いのです。第1号が飛んでからもう20年以上経っているわけです。第二次世界大戦の基準から言うと、第一次世界大戦のときの飛行機を今使っているような話になります。

 その中でITだけがものすごい勢いで進んでいるわけで、これは将来、一体どうなるのか、そして人間生活のどこに影響してくるのか、我々もだんだんわからなくなってまいりました。それで、今回、こういうような方策をお示しいただきまして、これは非常に価値あるものだと思っております。来年ぐらいになるとまた変わっているかもしれませんけれども1つの目処になろうかと思っております。

 次に、今もお話がございました循環型と少子高齢化でございますが、循環ビジネスというのもなかなか難しいものでございまして、この間、新聞にペットボトルの失敗の話が書いてありましたけれども、あれは専門家の間ではかなり古くから言われていたことのようでありますが、リサイクルはなかなか利益にならないという。リサイクルの中でお示しいただいております経済循環の中にどうやって入れていくかという問題。リサイクルの仕組みを作ろうという問題が非常に大きな話になってくると思います。

 しかし、結局はリサイクルというのは資源の使用を全体として減らすことでございまして、資源を減らそうとすれば何かに置き換えなければならない。そうすると置き換えられる相手は人間労働しかありませんから、資源を減らして人間が働くという仕掛けなのです。これは産業革命以来我々が考えてきたことの全く逆をやろうという話ですから、例えば環境のための道具であるとか技術であるとか、いろいろな部分を全部抜きますと、結局、資源を節約するために人が働こうということになるわけです。そうすると資源を使うよりも安くなければいけない。その新資源を使うということは一体どういうことかというと、新資源を使ったものを処理するところまで入れた値段である。こういうことになるのですが、これも従来考えられていたリサイクルのロマンとは全く違った現実がようやく現れてきているのではないかという気がいたします。

 ここで全社会的ビジョンというのを提示していただいておりまして、これがどのようにして実現する、どのような教育、倫理が必要か、これから大いに考えたいというところでございます。

 最後の少子高齢化。これは前回は女性の問題なども加わっていたわけですけれども、今度は高齢者の能力発揮ということを非常に重視していただきまして、我々も既に高齢者でございますので、どうやったら能力が発揮できるか、能力はもともとあまりないのかもしれませんけれども、この少子高齢化の世界で高齢者が長期にわたって能力を発揮できること、これは確かに重要なことだと思います。テレビなどを見ていても、介護の話が出てくると写真を撮っている方のプロデューサーは介護をしている人を映しているらしいのです。ところが我々は介護されている方ばかり見るのです。それで、ああいう介護をされている状態になって幸せかと思うかというと「必ずしもそうは思わない」と言う人が多くて、どうも暗い感じが出ます。したがって、それなりに高齢者なりに能力を発揮できる社会システムというのは本当にどうすればいいのか、これからの重要な問題だと思います。

 ここで、能力開発と労働市場の有効に機能されるルールについて提示していただきましたことは、大変ありがたいことだと思っております。これをいま少し議論を深めて、いかに秋からの、来年からの現実的な問題につなげられるかというところもご示唆いただければありがたいと思っております。大変短時間に何度も会議をしていただきまして、これを現実政策にどうつないでいくかも併せてご教示いただきたいと思っております。

〔 委員長 〕 大臣、どうもありがとうございました。

 お墨付をいただいたような、それともまだ非常にいろいろなご注文をいただいたというような感じもしております。

 それでは、委員の皆様からいろいろとざっくばらんなご意見等をお願いいたします。

〔 委員 〕 それでは数か所だけ。

 まず、6ページの3.(2)利用者本位の仕組みの整備です。ここでいつも思うのですが、他の国で介護ビジネスをスタートさせた民間もかなり参入している国の現状を思いますと、利用者本位の仕組みが確立されるためには絶対欠かすことができないと思っているのが公的な監査システムの確立ということです。日本の今の監査システムというのは、いつ行くよというのを事前に通知しておいて、大体全部が会計監査のようになっております。そういうものではなくて、抜き打ちも兼ねてサービスの質が本当に守られているかどうかを見る公的な権力をバックにした監査というものが是非必要ではないかということで、4つ目として加えていただきたいと思います。

 第4章については、先ほど大臣がおっしゃったように、これからの10年のアクションプランということを考えますと、どうして高齢者だけになってしまったのかなという気がいたします。やはり女性ということも入れる方がいいのではないかと思います。結局、ここに示してあることは幾つかの点を加えさえすれば、男性に比べて多様な就業形態をとっている女性労働者にとっても適用できることだと思います。例えば、高齢者の能力発揮システムの構築ということを前提として議論しますと、ここにまだ示されていない点は、1つは高齢者の就労を阻害しない税制とか社会保障制度、例えば在職老齢年金とかありますが、これは今のところ在職老齢年金制度というのは高齢者の就労を阻害していると思っており、高齢者の就業を阻害しない税制とか、社会保障制度の整備、あるいは高齢者になっても、ここでは何歳から高齢者と考えておられるのかわかりませんが、家族責任を担っている人は当然いるわけです。介護の人もおられるでしょうし、高齢パパになった人などは育児をしているかもしれません。育児とか介護などの家族責任を担う労働者が働きやすい環境ということを作れば、一番初めの提案には、やはり女性ということを書き加えてほしいということ。

 もう1つは、これから10年の人的資源の活用というところを高齢者だけに絞るというところでこれからのご説明で納得のいくものがありましたら、次善の策としては最後の項目にこういった高齢者の能力発揮システムの構築というのは多様な就業形態をとる女性労働者あるいは男性労働者にとっても能力を発揮しやすい環境なのだということを、つまり、第4章では高齢者ということをシンボリックにしながら実は全体の人的資源のことを考えているというようなトーンを書き入れてほしいということです。

〔 委員長 〕 ありがとうございました。ただいまのご意見に対して、どうぞ。

〔 事務局 〕 従来の議論の中では女性の位置づけを考えていたのですが、このまとめ自体が、10年の当面の重点課題のうち、特にこの3年ぐらいの間に戦略的に取り組むという趣旨で、それぞれ重要な点を1つにまとめたというものであります。その趣旨に照らした場合に、もちろん女性の能力開発、あるいは女性が積極的に社会参加できる条件を整えるというのは、高齢化社会の中でもちろん必要なものであります。しかし、さらにもう少し考えてみた場合に、これから急速に出てくる問題というのは高齢者がどんどん増えていくというのが当面の間の問題です。そこで、そこに着目して、増えていく高齢者にいかに社会参画してもらうのかという点に焦点を当てて当面取り組むべき課題として設定した方が、この10年の中の当面ということで位置づけられているわけですが、よりとらえやすいかなということで考えたところであります。

 ご指摘のような点については、うまく女性の観点からもこういうことが重要だという、もう少し広い形で受け止めることができるように、また、ご意見を踏まえた書きぶりをしてみたいと思います。

〔 委員 〕 高齢者もここ2、3年で重要だと思いますけれども、家族責任を担っている労働者が働きやすい環境の整備というのもここ2、3年の課題ではないのかなと思っております。つまり、人口の数のオーダーからみましても、例えば第3号被保険者は1,200万人です。ここでいう高齢者の能力発揮というのは、65歳以上の人口であるとして考えると、100歳ぐらいまで全部合わせても2,000万人ぐらいです。高齢者が働く年齢というのは大体70歳ぐらいまでとしますと、数の上からは潜在的に能力を発揮できる部分というのはむしろ働いていない女性とか、あるいはやむなくパートをして職場の待遇があまりよくないところで働いているような女性の方が数の上でも大きいと思っております。

〔 事務局 〕 もちろん、女性の参画の重要性というのは十分に承知していますし、従来から、政府部内でも男女共同参画のための部局が設けられて取組みもなされているぐらいの位置づけを持ったものであります。しかし、この数年の急速な変化あるいはこの10年間ぐらいの急速な変化という観点からみた場合に、やはり高齢者がこれだけ急速に増えていく、65歳というのは一応例示として出したのであり働くという観点からは60歳以上ということになるかと思いますが、急速に増えていくというところに焦点を当てて方策を考えていくのも1つのやり方かなという感じでおります。

 なお、ご指摘いただいた点は、読んだ時にきちんとわかるよう盛り込んでいきたいと思います。

〔 委員 〕 これがアクションプランということになると、私はここに載っているからということで実際の政策で押せることもあると思うのです。ということは、やはり当面の課題として高齢者も重要なのだけれども、女性のことも並べてもいいのではという気がするのですけれども。

〔 委員長 〕 事務局の方はただいまのご意見もよく踏まえて文章の構成その他よく考えてください。

 さらに、他にご意見があればどうぞ。

〔 委員 〕 では、3,4点コメントしたいと思います。全体の印象としてはタイムリーだという気がいたします。

 「はじめに」のところを見た感じで言うと、せっかくこれだけやったのだから、これは新しいとか従来とは違うということをもう少し言った方が受け取りやすいのではないか。それにはいろいろな言い方があると思いますが、これまでやってきた経済政策は、これは悪いというわけではなくて成功したわけです。それはそれとして、次はこうだとか、段階が新しい段階に入ったとか、逆に言えば今がチャンスだということもあるし、放っておけば大変な危機にもなる。これは特に循環のところのゴミ問題などもそうだと思うのですが、そういう緊急性をもう少し強く訴える。IT革命にしても、これは非常に明るい面もありますが、乗り損なう危険だってずいぶんあるのではないかと思うのです。

 あるいは、少なくとも従来の戦略とはここが違って、ここが新しい戦略なのだということを強く印象づけるような形で、書いていただいた方がいいのではないかと思います。

 また、ここでは序論のところを格調高く書くというのも一案ではないか。それが「はじめに」についてのコメントです。

 次にIT革命については、先ほど大臣も言われましたように、ここにきて非常に大きな変化でして、それはこれにかなりよく示されていると敬意を持って拝見しましたが、一番よくわからないのは料金の問題です。現在、特に接続料というのが非常に大きな課題になっているわけですが、一体どうして接続料がああいうことになるのか、だからどうしなければいけないのかということが誰にでもわかるようにしていただくことが必要なのではないか。新聞で読んだので記憶が間違っているかもしれませんが、例えば接続料についてはアメリカの3倍だという話ですが、なぜそんなに高いのかということがそもそもの問題であって、それは従来であれば長距離で儲けて地域のものは例えば都内3分10円等安く押さえていた、つまり今までは内部補助により支えていたが長距離がどんどん下がってきたので今度は接続料で賄うことにしたのがだめということになってきたということなのか。そうすると、例えば事業者間の競争を通じてということは、具体的には東・西のNTTの規制をもう一度変えるということになるのか。それともそうではなくて、例えば今、光ファイバーを一生懸命やっているという点では日本はかなりよくやっている方なのですが、非常に大きな投資負担をしており、それがどうしても必要なため非常に高いということなのかどうかということなのです。国民全体がそういったことが分かるようであればこの問題についてもアメリカが生意気なことを言ってきてけしからんという感想もよく理解してもらえるでしょうし、逆に、せっかく一生懸命交渉しているのになぜ本当の理由を分かってもらうようにしないのかということも思う訳です。そこが解決しないと、いくら投資をしてもIT化は進まないかもしれない。つまり、ITの問題はむしろ利用の方の問題であると思いますので、料金問題というのは実は大きなものだろうと思っているわけです。また、特に長距離電話がどんどん下がったとかそういうことはあるのですけれども、肝心なことが何となく止まっているような気がするものですから、その辺の書き方を何か工夫できないのかなと思います。それがITについての1つの点です。今まさにその辺で料金のことが話題に出てきますので。

 もう1つは、IT投資の促進に関しては、私自身はIT投資といっても、確かに設備投資をしていただくと需要が増えていいということはわかるのですけれども、むしろ日本の問題は使い方で、投資の量では必ずしもないのではないという気持ちを印象的に持っています。つまり、パソコンの普及率というのはアメリカより劣っていますけれども、ある程度は普及しているわけですから、そうではなくて、それがインターネットにつながっていないというところに問題があったわけです。それと同じように、最近、GDPの統計の中にソフトウェアを入れて、設備投資にソフトウェアを入れるということになっていますが、そういうふうにして計算した情報関連設備投資比率というのはGDP比は日米そんなに差はなく、確か通商産業省の数字だと5.4と5.1ぐらいの差だと思うのです。

 だから、「投資をやれやれ」と言うのもいいけれども、日本はこれまでそうやって高度成長をしたのですけれども、もっとこれから使い方を考えてうまく使おうよということをしないと、やはり資本係数はどんどん上がって利益率は上がらないということになる可能性があるわけです。ここは有効需要政策としては投資は大事なのかもしれないが、この勢いでいけばビジネスモデルだっていまに設備投資にカウントされるようになると思うのです。ですから、投資というのはもう少し広い概念で、先行的に支出するというだけのことでいいのでしょうから、あまり投資の促進と言うよりは、むしろそれの使い方、強いて言えば適正な投資の促進なのでしょうか。適正なと言うとあまり促進しないように聞こえますから、むしろもっと正直に表題を使ったらいいのではないか。そんな印象を持ちました。

 あとは、こういうことも参考にという程度の意見になります。

 循環については、大臣が言われたように、資源を節約したら労働にウエイトがかかるというのは事実宿命的だと思います。しかし、ロボットを使うとか、あるいはパイプラインを引くとか、もう少し都市構造というか、インフラストラクチャーの役割もあっていいのだろうという気も多少していて、ここは循環ビジネスの話ですから関係ないかもしれませんが、循環ビジネスにふさわしいインフラというのも実はあるかもしれないと思う訳です。私は投資するのは嫌いですし、あまり人を使うのも勘弁してほしいというところがありますということです。

 介護については、これも同じようなことで、ここに示してあることは特に異論はなく市区町村が主体になる制度ですが、そうするとやはり市区町村のあり方ということがかなり問題になってくるわけです。市区町村でかなり格差もあるし、能力的に問題があるところもあるので市区町村の制度のあり方も併せて見直して法律的なというか力のあるパワフルな地方分権ができるようなことをすることも必要ではないか。これはここだけで要求するわけではないのですけれども、1つの要求する理由になるという観点もあってもいいのかなと、ちょっとそんなことを感じました。ただ、少しメインの議論からずれていると思いますので、こだわっているわけではありません。

〔 委員長 〕 ただいまのご意見についていかがですか。

〔 事務局 〕 料金の問題ですが、基本的には業者間の自由な競争の中で料金の低廉化が図られるということだろうと認識しています。それは結局、例えばCATVでいろいろなビジネスが出てきたり、接続でもADSLといったような新しい方法で準備がされたり、それが非常に安い値段で提供できる。そうすると必然的にNTT自体も料金を下げないと成り立っていかないということになりますので、そこはそういうことで競争が下げていくという認識が基本にありますということです。また、接続料の話はなかなか難しい問題のようであり、長期増分費用方式ということで法律にもきちんと明記して現在国会で審議中と聞いておりますけれども、長期増分費用方式自体については、いわば世界的にも認められた方式のようで、あとは下げるタイミングをどうするかということがアメリカとの間でかなり議論になっているようであります。一方で、突き詰めてどんどん進んでいくと、あれはNTTのローカルのネットワークに接続するときの接続料やアクセスチャージをどういう費用構成でやるかということにつながり、下げていくということが一方でユニバーサル・サービスを課されたNTTにとって負担の重いものになっていくというようなこともある。そこで、接続料金の話をしていくと究極的にはおそらくユニバーサル・サービスをどうするかという話や今度はどこからファンドを持ってくるかという話になってくる問題だろうと認識しております。しかし、接続料がなぜ高いのかというのは、これもNTTのコスト構造がどうかというところもあるのかもしれませんが、長期的には増分費用というようなことで下げるという方向にあるのでその方向は正しいだろう。ただ、その水準がどうかというのはなかなか難しい問題で、ここで直に論ずるのは困難かなと思います。

 光ファイバーもずいぶん整備されてきておりますが、ファイバー自身は非常に能力の高いもので、むしろ光ファイバーが有効に使えるような形でITの技術なり能力なりを活用するような需要がもっと出てこないと、ファイバーが本当の意味で有効に利用できないという状況でしょう。けれども、現在の動向からすれば、アッという間に需要の方が膨らんで、一たん膨らみだせば容量は幾らでも大きい方がいいというふうにおそらくなっていくと思いますので、ファイバー自身、今、直ちには稼働率は高くないようです。しかし、今政府の方針で200何年かを目標にして全国に整備していくということでNTTが中心ですけれどもやっておりますが、それは決して無駄になることではなくて、アッという間にファイバーの容量がこれだけあってよかったなというふうになるのではないかと、私自身は感じております。

 IT投資のところは、おっしゃるような趣旨で内容も考えたいと思いますが、まさにうまくITを使えよというのが趣旨でございます。

 循環のところは都市構造まではここの中で触れることができませんでしたけれども、いわゆる静脈物流というような感じが少し出ていたかなと思います。

 介護については、確かに市区町村が主体になるわけですので、そのあり方が重要というご趣旨はよくわかりますけれども、直ちにどうしたらいいかというのはちょっとわからない状況でございます。

〔 委員 〕 光ファイバーについては1つの賭けみたいなところがあって、本当に必要になるというのであれば、ある意味で日本がIT革命の第一線に踊り出る絶好のチャンスだという見方も1つあるわけです。実際、インターネットはだんだんスピードが遅くなってきてなかなか画像が読めない。混雑しているということがあり、それでADSL等を新しく作って中間に入れようとしているわけです。しかし、あれで解決するかどうかもちょっと難しい面があるということはわかっているのですが、それならそれでなぜ光ファイバーに賭けることが必要なのかということを、本当は国民がもっとみんなで議論した方がいいのではないかと思います。航空母艦が必要な時に戦艦を作っているのではないということをみんなが理解すればそれでいい。間違ったとしても後で間違ったことは仕方がないと割り切る、そういう選択が1つあると思うのです。

 あと、循環や介護のところでほんの付け足しです。特に市区町村は事務組合もできますから、別に個別の市区町村でやっているとは限らないわけです。ただ一方で、市区町村自体の動きとして統合しようという動きもあることはあるのです。それも地方分権のあり方という広い点に関連しているという面があると思います。

〔 委員長 〕 どうもありがとうございました。続きましてどうぞ。

〔 委員 〕 前書きのところは、特に世の中によく理解してもらうという意味からインパクトのある個性的なことにきちっと書くようにした方がいいと思います。

 それから、接続料の問題も当面非常に大きな、特に国際的な政治的問題になってしまったわけですが、2ページの1)ネットワークの高速・大容量化と低廉・定額化というところで、郵政省が出した歴史的費用であるとか、特に長期増分費用方式というのは、一般の人には全然分からないのです。問題はどういうところにあるのだということぐらいは、何か表現を工夫の上で書く必要があるのではないかという感じがしております。

 もう1つは、民間の立場から言うとこれを読んで、例えば個人がNPOとかNGOということで介護とか循環ビジネスとかをなるほどこれは重要だからやっていこうという人がどんどん出てくるのかが重要です。あるいは企業の場合にもコーポレート・ガバナンスというのが出ております。そこで、これでビジネスチャンスがあると私も意を強くしたのですけれども、さあ、これで非常にインセンティブが出てきて、新しい21世紀のあるべき姿の中で、私たちもリーダーシップをとってやっていこうという趣旨が分かるような表現を書き込む必要があるのではないかという、これは僕の全くの印象です。文章化の難しいことはよくわかりますけれども、そんなところです。

〔 委員長 〕 それでは、続けてご意見を。今日は人数も少ないですし、時間の制限もありませんので、どうぞ。

〔 委員 〕 環境のところで1つ考えていたのですが、ここでの本質的なことではないからというので意見を言うのを控えていたのですが、環境の問題をここでは廃棄とリサイクルに絞ってありますけれども、例えば、今、徐々に人間の健康を侵していくと言われているシックハウス症候群をご存じですか。

 日本の新しいマンションや住宅は、断熱材を内部に入れた構造になっています。それに対して、ドイツとかスウェーデンは外部に入れているようです。例えば人間の体で言いますと、寒ければコートを着たような形がドイツやスウェーデンで、日本はそうでない方式らしいのですが、コンクリートにしましても内部に断熱材ですから、外部との温度差がありすぎて結露が起こってダニ等が発生しやすい構造になっているということなのです。それがシックハウス症候群なのですけれども、ここでは結びつかないのではないか、難しいなと思いながら意見を申し上げているのですけれども、暮らしの健康にかかわるような部分は入れられるとしたらどこなのかというのを考えていまして、ただ環境といっても健康のことも兼ね併せたものがあってもいいのではないかと思ったということです。

〔 委員長 〕 ただいまのご意見に対して何かありますか。

〔 事務局 〕 ここは、できれば循環型のビジネスというので一応絞って、今、いろいろな動きが出て、政府もいろいろな法律を作ってこれからスタートするということで絞った形で書いた方がいいかなという感じがしていますけれども。

〔 委員 〕 これから必ず全体的に注目されてくると思っているところです。委員長が何でも言いなさいとおっしゃったので申し上げますと、ITのところですが、ITの分野でも大企業と小企業とに分離されているということが1つあるようです。私が事前に思っていたのは、IT革命がもたらす経済社会の姿というのは、取引及び経営のスピード化とか色々あるのですが、1つの特徴として例えばe-ビジネスでの販売がそのままマーケティングになるのだという特徴もあるのではないかということです。もう1つの特徴は、大企業ではなくてベンチャーのところで書いてあるといったらそれまでなのですが、例えば家庭の主婦とか、消費者とか企業家かまだわからないような主体が非常に参入しやすい側面を持っているということです。

 今、申し上げましたことは感想であり提言ではありません。

〔 委員長 〕 ひと通り皆さんのご意見は出ておりますけれども、政務次官、ご意見がありましたらお願いいたします。

〔 政務次官 〕 皆さん色々とご意見をおっしゃっていただいているのですけれども、ちょっと控えめすぎるのかなと思う時がございます。

 例えば税金の問題などはむしろ政治の場からは言いにくいところがあったりもするので、そういうのをビシッとここで言っていただく方が、国とすればいいのではないかというふうな感想もあります。だけど、あまり目茶苦茶なことは、それは目立つためにやるのではなくて実施するためにやるので、もちろんそこら辺のバランス感覚は当然委員の皆様方にお任せいたしますが、そんな感覚がまず1点です。

 それから、もちろん切り口とすれば高齢者というのは大変重要だと思うのです。けれども、雇用機会均等法という法律ができていてもまだまだ意識面と運用面で十分生かされていない思うので、先ほどの人口のくくりそして女性のくくりというので言うならば、私は女性の方が圧倒的に大きいのではないかと思います。そのあたり、どのような書きぶりかということは、事務局側にもさらに検討していただきたいという気がいたしました。

 最近、おもしろいなと思ったのがITで、この間15歳のアメリカ人のCOOというのが日本に来まして、同じことは時々大企業が子どもを使ってPR用にやるのですがどうもそうではなさそうで、あの子自身が結構ビジネス感覚を持ってやっているのかなと感じました。とすれば、たぶん、あの子は普通のこれまでの金融の中にいれば、起業するにはお金は借りられなかっただろうと思うのです。とすると、ITというのはまさに起業家の側からすれば子どもであろうが、おじいちゃん、おばあちゃんであろうが、女性であろうが、男性であろうが、いいアイディアを出せばいろいろな意味で投資の対象にも十分なり得る。これまでは、人物がどうかというようなことも重要でしたし、これからも重要だとは思いますが、違った切り口のアプローチができるという意味で、いうなればITの部分のところに少し記述してもいいのかなと思いました。これは非常に特徴があると思いますので、その辺は非常におもしろい時代に入ったかなと。

 それから、先ほどつらつらと考えていて、女性とか高齢者、それと循環型とひっくるめてリデュース、リユース、リサイクルといったら人口は今のままだったら勝手にリデュースしてしまうので、あとはどうやって人材をリユースしてリサイクルして、女性の場合はもう一度見直すという意味でリコグナイズとか言って何かやればゴロが合っていいなとかいろいろ考えていたのですけれどもちょっと感想でございました。

〔 委員長 〕 ありがとうございました。

 この小委員会は最初から4つの項目ということで絞ってきておりますので、「あるべき姿」のときは財政の問題と、それに絡んで当然、税制の問題をどうするかというのがテーマとしてあったわけですけれども、私の個人的な感覚から言えば財政と税制ということは何か触れておくべきがどうか、この3年ぐらいの間ではどうかなという気がするのですけれども、その辺、いかがでしょうか。

〔 事務局 〕 そこは、今議論していただいております第1部ではなく、第2部の、「あるべき姿」において色々提言したことがどういう現状なのかという中で、触れられる限りにおいて触れていくつもりではおります。

〔 委員 〕 第2部において、財政金融、国際金融に関して触れていくということですね。

〔 委員 〕 財政等は確かに今の問題だと思うのですが、戦略ですからあまりたくさん書けないし、一方で書かない方がいいと思いますし、ITとかそれぞれ非常に大事なものが入っていると思うのです。しかし、では、落ちたのはどうなるのだというのも必ず出てくる話なのです。教育が落ちているではないか、財政金融がとか、どこかでこの4つの戦略を書くと同時に落ちた問題について、第2部があるなら第2部で書いているということでもいいのですが、何か説明があった方がいいのでしょうね。そういう感じを受けました。

〔 委員 〕 ここで1つ気になったのが、先ほどおっしゃった市区町村のことですけれども、今、自治省が全都道府県に合併のシミュレーションをして、今年度中でしたか、地図で線引きまでできるようにということをしておりますので、ああいうことを背景にすれば、市区町村の再編成のことも入れてもべつにおかしくはないのではないかと思います。

〔 委員 〕 国の押しつけがいいかどうかという、その問題もあるのでしょうね。本当の地方分権なら自分で合併もする。

〔 委員 〕 それはあくまでもそうですが。

〔 委員 〕 ガイドラインだと言っていますから。

〔 委員 〕 ところで都道府県によってはもう本当に地図を書いているところもあるのですか。

〔 委員 〕 私は少なくとも2つは知っているのですけれども。

〔 委員長 〕 かなり実現性のあるものですか。

〔 委員 〕 シミュレーション上はいろいろな制約を考えて、生活圏がどうかとかやっております。具体的に例示までしますが、実現性がどうかというのは、1つは地方交付税制度の抜本改革とかいろいろな問題があるので。

〔 委員長 〕 そちらに入ってきますよね。

〔 委員 〕 どうしても踏み込んでくると思うのですけれども、動きがあることはありますので喫緊の課題としては書いてもおかしくはないと思います。

〔 委員長 〕 それは環境とか介護というものに全部関係しているわけですね。

〔 委員 〕 はい。

〔 委員長 〕 その辺はまたよく検討し、事務局と連絡を取りあってください。第2部でフォローアップをきちんとお願いします。

 ところで税制や財政や国際金融といったこれに触れられていない問題は、何かつなぎみたいなことはちょっとやっておいた方がいいと思いますね。

 大臣、いままでの議論をお聞きいただいてさらにご意見があれば是非お聞かせください。

〔 大臣 〕 最後の財政問題ですけれども、これは今の段階でどういうふうに扱いますかね。

〔 委員長 〕 難しいですね。

〔 大臣 〕 今の段階で扱うとしたら、厳しい数字が出るのではないかという気がするのですが、これから景気が立ち直った後、経済新生が成った後の日本の、例えば企業利益率とか、利子率とかというのをどう見るかでずいぶん変わってくるだろうと思うのです。今、書けますかね。

〔 事務局 〕 「あるべき姿」では、日本経済が新しい軌道に乗った後で速やかに実行せよということで。結局、今回もそういう形でしか表現できないとは思っております。

〔 大臣 〕 それ以上は何も言えないでしょうね。

〔 委員長 〕 そうですね、私もいろいろな仲間や何かを見ていても、2つの意見が対立しておりますので。

〔 委員 〕 これまでやってきたことをどの程度くり返せるかというか、その点は何か言えますでしょうか。つまりゼロ金利と赤字国債の増発がいつやむのか、つまり経済新生が成った時にはやんでいるわけでしょうか、それともまだ続くのかという。

 おそらく2%を超える成長になってくれば、ある程度の落差は出てくると思うのです。明らかに出てくるはずなのです。もちろん、今の段階では赤字国債発行は仕方がないということなのですが、いつまで増やし続けるかということでしょうね、短期的に何かあるとすれば。

〔 大臣 〕 ゼロ金利をゼロ金利でなくするというのは簡単な話なのですが、じゃあ、それが3%なのか5%なのかという次の数字はちょっと難しいと思うのですよね。

〔 委員 〕 今、ゼロ金利と言っているから、変えるときに大騒動するからちょっと幅を持った方がいいじゃないかという程度の話で、にわかに低金利政策をやめることは不可能でしょうね。

〔 委員長 〕 現実的でないと。

〔 委員 〕 ないと思います。ただ、いつまでもゼロだという印象を与えないことは確かに大事なことだと思います。

 だから、そういう政策については、いままで非常に大きな効果があったし、逆噴射はできない、悪いけれども橋本内閣のようなことはできないけれども、だんだん時期を探る段階に入ってきていることは確かではないか。

〔 大臣 〕 それはそうなのでしょうけれども、時期を探るということを言う時期かどうかという問題があります。

〔 委員長 〕 非常に難しい。

〔 委員 〕 禅問答になってしまう。

〔 委員長 〕 禅問答になってしまうのですね。

 私も財政制度審議会では、立場上だいぶきついことを言っているのですけれどもね。特に当面の問題として、株式市場等も軟調なときであるだけにちょっと確信がないという点は事実かもしれませんね。

 その辺の問題は、まだ時間もありますのでよく慎重に議論してみたいと思いますが、大臣自身としてはちょっと触れようがないのではないかというお考えですか。

〔 大臣 〕 そうですね、触れるとすれば、かなり大胆な仮説になると思うのです。改善するという仮説を置くとしたら、そのときの日本経済の姿を相当はっきりしないといけないようになると思うのです。それはちょっと難しすぎるのではないかという気がするのです。

 現在の不況で、ゼロ金利で、赤字でないということは言えるのですけれども、それでは企業はどのぐらい利益を上げているのか、金利はどのぐらいになっているのか、その金利から税収がどのぐらい上がって、そして国債の利払いがどうなっているのか、この数字はなかなか難しいと思います。

〔 委員 〕 ある程度増税もあり、ある程度は公共投資や財政支出を抑えるという条件を入れれば、つまり、EU基準のまず3%、その次は60%ですけれども、それがいつ頃できそうかという、そういう話ですから、10年というのはちょっと難しいでしょうね、少なくとも60%は難しいと思いますね。

〔 大臣 〕 80年代にアメリカでグラム・ラドマン法などが出ましていろいろ変えておりますけれども、一度も当たったことがなかった。そろそろあきらめかけたときに90年代になったら急にできてしまった。それと同じで赤字財政の段階で将来を見通して、これを削ったら、これを削ったらということは難しいだろうと思うのです。冷戦構造が終わるという前提が、80年代には誰も考えつかなかったことですから。

〔 委員長 〕 それはありますね。逆説的に言うと、アメリカの財政再建を見習えと言うことはいかに難しいかということです。グラム・ラドマン法はレーガン政権時の85年からですからね。ブッシュ政権のOBRA(包括財政調整法)90、クリントン政権のOBRA93ときて、97年が財政均衡法でしょう、ずいぶんかかっているわけです。

〔 大臣 〕 日本の場合も、もしそれをするとしたら、少子高齢化のところで労働化率がどうかとか、それをきちんと出さないといけなくなってくると思うのです。

〔 委員長 〕 問題の難しさはよく分かりますが、4つの分野でこれだけの労作をしていて、じゃあ、当面の財政、税制をどう考えるのですかという質問が必ず出るわけです。そこをどういうふうに対応するか。

〔 大臣 〕 もし、それを深刻に考えるとすれば、EU基準は正しいかどうか。EU基準というのは金利水準をどのぐらいの前提にしているのかよくわからないですけれども、特に累積60%という方は金利水準と非常に関係あるわけです。だから金利が半分なら倍あってもいいのかという議論が残ると思うのです。

 日本は、かなり長期にわたって、ゼロ金利でないにしても低金利国家であろうと思われますから、3%の方はともかくとして60%の方はちょっと無理でしょうね。これから累積債務を300兆円減らすというのはなかなか困難なことだと思います。

〔 委員長 〕 これは主計局のいろいろなシミュレーションでも非常に困難な話ですね。

〔 大臣 〕 そうすると、その次の問題として、名目成長率、つまり物価をどう見るかということに係わってきます。従来の、例えば今のように物価水準が低いというのはこれまた異常で、70年代みたいな時代がまたやってくるかどうかという見通しもあるわけで、最近、ちょっと石油やトウモロコシが上がっておりますけれども、そういう時代が来るかどうかというのが。あの頃、私の記憶では預金の目減りが問題で、名目成長率に金利がとても追いつかなかったのです。その頃、70年代には金利が名目成長率に追いつくことなんてあり得ないという議論が一般的で、それを理論的に何重にも証明してくれる人がいたのですが、今、全く逆になりました。だから、10年先、どうでしょうかね。

〔 委員 〕 物価がインフレ型になっていくということは、実はIT革新の一面を否定することになるわけです。これはとにかく価格をかなり破壊するものなのであって、やはりニューエコノミーというのはグローバリゼーションとIT革命で物価は上がらないのだという要素があったわけです。確かに最近はちょっとおかしくはなっていますけれども、それはどちらかと言えばバブルの方で価格が上がっているのであって、IT革命の本体では物価はそう簡単に上がらないのではないかということがあります。それから、物価も一気に上がるのなら話は簡単なのですが、ジワジワ上がるとやはり少なくとも名目金利は上がってきます。つまり、借金を踏み倒すのなら、借金をこれ以上しないとなってから踏み倒さないといけないので、借金しながら価格をケチっていくと金利はどんどん上がってくるのは当然のことです。ですから、例えばアメリカの70年代は財政が非常に悪化していたと思うのです。金利負担も大きくなるし、メディカルコストのような非常に価格センシティブなものがあるし、インフレになるとみんなインフレーション・インデックスがついてきます。だから、私は調整インフレというのは第二次大戦に成功しすぎたと思うのです。あれで国債が100%あったのを1%まで削ってしまったわけで、ああいううまいことは、やはり統制経済で、封鎖経済で、金利統制していないとできないのではないか。だから仕方がないのかなと。ある程度国債残高は仕方がない。事実アメリカだって国債残高は50年代はずっと100%だったわけです。でも、いいじゃないかという気もするのですが、ただ、一面で逆に言うと、今、我々が考えているいいじゃないかという論理のうちの1つは対外借金をしていない、これはプラスですよ。確かに日本はたくさん国債を持っていますけれども、アメリカから借りてない、外国から借りてない。それはまだ続くと思うのですが、もう1つはネットで日本の負債を見たら大きくないというのは、年金を払い出したらかなり急速にグロスのネットが接近してくるのではないかと思うのです。今、日本はたくさん負債があります、国は借金していますし、郵貯とか年金で全部カバーしていますけれども、やはり年金がどんどん引き出されるのではないか。保険料を上げられなくなったらますます引き出される、スピードが出てきますから。あの論理は将来的にはかなり怪しくなるのではないかと思うのです。

 一方で、消費税は介護か何かとリンクして上げざるを得なくて、それを上げればまたかなり楽になる面もあるのではないかと密かに思うのですが、いかがでしょうか、無理でしょうか。やはり政治問題になってしまいますね。

〔 委員長 〕 政治問題になると思いますがいかがでしょう。

〔 大臣 〕 政治問題は知れていると思うのです。やはり経済問題になるのではないかと思います。

〔 委員 〕 受けてしまったら必ず何か起こりますね、選択せざるを得ませんから。

〔 大臣 〕 消費税を引上げると、日本ではやはり消費需要が落ちるのではないでしょうか。

〔 委員 〕 なるほど。

〔 委員長 〕 この問題はなかなか難しい話ではありますが、第2部できちっとフォローとして、あとはつなぎをどうするかということですね。

〔 事務局 〕 はい。

〔 委員長 〕 以上特になければ、これで終了とさせていただきたいと思いますが、大臣、政務次官、特に何かご意見ございませんか。

〔 大臣 〕 沖縄サミットをITサミットにしたいというような声が出ておりまして、既にそういうことも言われているのですが、今のままでITサミットにすると接続料サミットになりはしないかという心配をしております。当面のものとして、ITがどういう世の中を作るのかということを示すことが必要だと考えています。

 この間、アメリカに行きました時に思ったのですが、アメリカが好景気だというときにアメリカの街はどのぐらい変わったかということも参考になるのではないかと思います。1960年代の好景気のときには、ニューヨークもロサンゼルスも2年ごとに空が狭くなるくらいにビルがかなり増えた。今でも6番街は60年代のビルがズラーッと並んでいる。ところが最近アメリカが好景気と言われながら、そういう変化はあまり気がつきません。一番変わったところはどこかというと自動車がきれいになったこと、地下鉄がきれいになったこと、特に男性の服装が良くなったことなのです。

 不思議なのは男性の服装が良くなったことなのですが、仕立てのいい服を着ている。あれはコンピュータ裁断が進歩したせいなのか、上等なものを買いだしたのかよくわかりませんが、体に合ったものを着ているのです。IT革命というのは、結局、ビルを作ることでも道路を直すことでもなく、車がきれいになり、服装がピチッとすることなのかなという感じがしたのです。

 相変わらずニューヨークの道路はデコボコでございますが、ホームレスは全然いない、ものすごく減った。地下鉄の犯罪は4分の1になった。そういうところが非常によくなってきて、やはりハードではないのです。コンピュータまでは日本もヨーロッパもかなりアメリカについていったのですが、90年代の後半、最近に至ってネットが出てきてから、また離れだした。

 第二次世界大戦が終わったときに非常に差があったものが、だんだん日本やヨーロッパが追いついて、アジア諸国も追いついて、アメリカとの格差が少なくなって、多角的な世界市場ができるだろうと思っていたのですが、最近は、オンリーワンのスーパーパワーになってしまって、その結果、もうWTOなんかやりたくない、俺、勝手に決めるから嫌だったらいいよなんていうアイゼンハワー時代に戻っている。雰囲気が全くそうです。

 どこが違うかというと、規格大量生産からその次のコンピュータまではソフトウェアだった、つまりモノの使い方技術だった。ITになって使い方技術、モノ対人間ではなくて人間対人間のヒューマンウェア・プログラムに入ってきた。このヒューマンウェア・プログラムというのはすぐに追いつけない何かがあるみたいなのです。

 第1章でITのことを書いていただいておりますが、IT革命が我々の社会にどういう結果を及ぼすのか。人間関係がどう変わるのかというのが1つのテーマだろうと思います。

 ここから次元が急に変わるのですけれども、ITサミットでこういうことをやったらという何かいい提言があったら、また、G7でこういうことをやったらという提言があったら教えていただきたいと思っております。

〔 委員長 〕 どうもありがとうございました。

〔 委員 〕 先ほどおっしゃったことに関連があるのですが、ITが本当にモノの値段を安くすることができるかとか、低価格に結びつけることができるかというのは、1つは企業がITをフルに利用した場合に、いらなくなった人材を自由に、首切りという言葉は悪いですけれども、そういうことができるかどうかというのがすごく大きなカギだと思うのですが、それについてはあまり触れにくい面もある。

〔 事務局 〕 企業が変革することがきちんとできるようにいろいろな制度を労働市場も含めて整備していくということがITの成果を本当に生かすために必要だというのが1つの論点ですが、首を切るかどうかというのは別の問題であると思いますが。

〔 委員 〕 ですから、労働の法律とかも変えていかなければならなくなる可能性が大きいと思うのですけれども。

〔 事務局 〕 労働市場も変わっていかなければやはりなかなか難しいでしょうね。

〔 委員 〕 もし、本当に生かそうとすれば出来ないことはないのではないでしょうか。

〔 事務局 〕 趣旨としてはそういう趣旨で書くつもりです。

〔 委員長 〕 他のご意見はよろしいですか。

 それでは、いろいろご意見をいただきましたので、本日いただきましたご意見も踏まえまして、この小委員会の取りまとめは私に一任いただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

             ( 「異議なし」の声あり )

 ありがとうございます。

 それでは、当小委員会の取りまとめの扱いにつきましては、そのようにさせていただきまして、政策推進部会の方に報告させていただきます。

 本日は長時間、大臣、政務次官、どうもありがとうございました。

 それでは、政策小委員会の審議はこれで終了させていただきます。

 委員の皆様には、本当に短期間精力的なご審議を、早朝、夜遅くとやっていただきまして誠にありがとうございました。

 今後もどうぞよろしくお願いいたします。

以上