人口減少下の経済に関する研究会(第6回)議事概要

1 日時

平成12年6月7日(水)10:00~12:00

2 場所

経済企画庁総合計画局会議室(732号室)

3 出席者

(委員)
橘木座長、井堀委員、岩田委員、小川委員、外谷委員、永瀬委員、伴委員、
(事務局)
牛嶋総合計画局長、永谷審議官、藤塚計画課長、太田計画官、

4 議題

中間報告書について

5 会議経過

事務局より「人口減少下における経済に関する研究会」の配布資料について説明が行われた後、中間報告書の内容についての自由討議を行った。

6 討議の概要

  • 子供を産むメリットを強調しているが、一方では育児のコストもあり、人口急増下においてはそうは言えないことを一言触れておくべき。
  • 人口減少下においては賃金は上昇するとしているが、本当にそう言えるのか。
  • 失業が賃金の下方圧力となり得る点を留保しておいた方がよい。
  • 実質金利は世界全体で一定のレンジに収斂しそうだが、名目金利の格差は生ずる事もあり得る。また、金利が財政にとって過度の負担とならないかがポイント。
  • 女性の就業率が高まるシナリオが示されているが、その方法論が示されていない。日本では就業率と出生率に相関がある以上、何らかのコメントは必要ではないか。
  • 日本は米国と比べ意外と低生産の分野を抱えている点を強調すべき。低生産性の生産部門の生産性が高まるだけでも全体の生産性がかなり高まるものと考える。
  • 外国人労働者の導入には供給側の制約があり、無尽蔵と考えるわけにはいかない。
  • 労働と資本ストックを生産要素とする伝統的な議論だけではなく、技術水準や人的資本も、モデルの中で考慮すべき。
  • 人口減少すると日本の発言権が小さくなるなど、人口の数が減ると何が問題となるのか明記すべき。
  • これらのモデルに人口構造の変化等の生産性への影響は組み込まれていないのではないか。
  • 子供に対する公的な負担だけではなく、女性が子供を持つ機会費用などの私的な費用についても定量化し、ソーシャライズ化の方法等の議論が必要。
  • 人口学の観点からは、基幹労働力を誰が支えることになるのかが、議論になっている。
  • 保育園への入園率はゼロ歳児で10%に過ぎない。彼らを保育園へ全員いれた時のコストを女性の就業率を高めるコストとみなせるのではないか。もし、年齢別の保育費用が算定できれば、コストベネフィット上、何歳から保育園で預かれば、社会的によりサスティナブルかといった議論が出来るものと考える。
  • 基幹労働者とは何の事を指すか。建設等の肉体労働者か、スキルワーカーのようなノウハウを持った労働者かにより、議論が変ってくる。
  • 女性の賃金が上がると、子供を持つための機会費用が大きくなる点等を考えると、出生率が外生でよいのか疑問。
  • NGO、NPOなどGDPで反映されない活動が、今後盛んになる中で、GDPだけを見ていていいのか。

7 研究会の今後のスケジュール

中間報告書は今月中を目途に作成。記者会見にて、発表する。

中間報告後のスケジュールについては今後、決定する。

 なお、本議事概要は、速報のため、事後修正の可能性があります。

(連絡先)経済企画庁総合計画局計量班
鮎澤 大橋(03-3581-1098)