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浜野内閣府審議官記者会見要旨 平成18年8月28日

(平成18年8月28日(月)
15:00~15:33
 於:記者会見室)

1.発言要旨

しばらくお休みをいただきまして、今日から再開ということでございます。
 私の方から申し上げることは特段ないのですけれども、何かございましたら。

2.質疑応答

(問)先週末に、CPIが新しい基準で出ましたけれども、デフレ脱却宣言があるかどうかは別として、デフレを脱却したかどうかの認識について、内閣府として何か変化があったか教えてください。
(答)大臣も会見でおっしゃっていましたけれども、発表されたものを見ると、CPIの水準自体は少し下がりましたが、これまでの推移を見る限りにおいては、デフレ脱却が視野に入ってきているというこれまでの月例などでお示ししてきた認識は、大体再確認されたのかなというように見ています。
 経済、物価の状況については、月例経済報告の場で毎月確認するということになっていますので、恐らく9月の中旬になると思いますけれども、9月の月例において、それまでの諸指標をよく精査して、判断をお示ししたいと思っております。
(問)諮問会議について、9月に1回開くという話で、小泉政権として最後の諮問会議という位置付けだと思うのですが、臨時国会の日程が当初よりも大分前倒しになり、一方でG7や総理のASEMへの出席など対外日程が相次ぎ、もちろん総裁選もある中で、諮問会議の日程を現段階でどのように調整していらっしゃるのか。
(答)前回の諮問会議では、予算の全体像、概算要求基準について御報告があり、少し議論をしたと記憶していますが、総理からもその時に、5年間いろいろなことをやってきたなというご感想は若干ありました。前回が最終回というと、5年間全体のまとめという意味ではちょっとどうかなと事務方としては思っていまして、もう一回ぜひやらせていただきたいと思っております。
 今、御指摘のように、確かに当初言われていた、組閣等のスケジュールが動いていることもあり、まだ具体的に日程を決めるまでに至っていませんが若干窮屈になるとは思いますが、事務方としてはもう一回やる方向で調整している最中であります。
(問)物価の関係ですが、仮にこの9月の月例経済報告で、デフレ脱却の正式な認定があるとした場合、8月までと9月の1カ月間の何の違いによるのか教えてください。
(答)これは、前から申し上げているように何か絶対的基準があって、その基準が満たされれば脱却するというものでは基本的にないと思っています。いずれにせよ、物価の動向とその背景を総合的に十分検討して判断をするということですから、デフレが生じている様々な要因をデータに即しながらチェックするということだと思います。
 それで、ここ数回の月例でも言い方は少しずつ変わっていますけれども、デフレ脱却が相当視野に入ってきて、総じて言えば物価が、水面下から上の方へ向かってきていることは大体お示ししてきたわけです。それが、物価の状況がいつも下がり続ける状況ではなくなって更にもう一つ頑健性といいますか、後戻りしないことを確認することが必要だということです。
 したがって、1次QEや消費者物価といった随時出てくる指標を見ながら、背景を十分見極めた上で判断するということだと思いますので、何か特定の指標がこうなったからということではないのだと思います。
(問)関連で、生鮮食品を除く総合指数で見ますと、確かにプラスになってきているなという感じがよくわかると思うのですけれども、内閣府が出しているコアコアの指数を見ますと、直近で△0.33になっていて、7月、8月の月例経済報告では、石油製品その他特殊要因を除くとゼロ近傍だという表現があります。この部分だけをとらえると、たしか7月の月例でゼロ近傍と言った時は、直近の4月、5月が+0.21、+0.23だったのを踏まえて、上方バイアスを踏まえてもゼロ近傍だということだったと思いますけれども、それが△0.33まで下がってしまっているというわけですが、「特殊要因を除くとゼロ近傍」という表現については、どう考えたらよろしいのでしょうか。
(答)それは、まさに9月の月例の判断なので、今決めているということはありません。確かに今おっしゃったような形で、ゼロ近傍であるということを月例が言っているというのはその通りです。それが、今回のCPIで、御指摘のように+0.2ぐらいが△0.33になったので、ゼロ近傍ではもうないということにはならないのだろうと。結果として9月の月例をどうするかというのはこれからの検討ですけれども、今そこのところを数字が出たからすぐに直さなければいかぬというものでもないだろうなと。それはなぜかというと、いわゆるコアコアの指数が下がった、あるいは消費者物価が下がった要因というのもいろいろなあるわけですね。新しい技術とか規制改革などで生産性が上がったり、新しい商品やサービスが出てきて下がっているという要因、それから石油などに端的に現れているような輸入の要因、それから需給要因とコストアップの要因など、いろいろな要因が総合して最終的な数字になっているわけです。物価の判断をする時に、それぞれみんな一緒にした数字がこうだからというのではあまり説得力がないので、それぞれの要因について掘り下げた分析し、それぞれが今後どの程度、定着すると見るのか、さらに変わると見るのかということを判断するべきだと思います。これからまだしばらく時間がありますので、分析部局を中心に努力してもらいたいと思います。
(問)2次QEの結果というのは、9月の月例に反映させることはできるのでしょうか。日程的に近くて無理ではないかと思うのですが。
(答)2次QEは11日だったと思いますので、いろいろな調整等考えると、確かに月例の日程との関係は微妙ですけれども、ただ中旬というと11日より遅いでしょうから、その結果を見た上で最終的判断をすることは可能ではないかと思っています。
(問)内閣府が物価の判断を見る上で何を基準に考えるかということをお伺いしたいのですけれども、石油製品やその他特殊要因といった様々な変動要因を除いたコアコアの指数を中心に考えられていたかと思うのですが、先日の大臣の会見を伺っていますと、消費者にとってみれば、生鮮食品も石油製品も上がるということは、指標に反映されるべきと。そうすると、総合で判断すべきだというように聞こえますが、その辺は事務方と大臣の間に、何を基調として考えるかというところのずれはないのでしょうか。
(答)ずれはないと思いますが、大臣がおっしゃっているのは、物価全体としてどうかということだと思うので、その場合に、消費者とのインターフェースを考えた場合に、石油やその他特殊要因を除くと、ちょっと全体像を捉えていないのではないかという御指摘だと思います。それはその通りで、総合というものも、もちろんそういう意味では重要な指標だと思いますし、例えば経済見通しなどでは、消費者物価については総合の見通しを出しているわけですね。
 ただ、分析部局が言っておりますのは、トレンドを見ていく時に、例えば生鮮食品等は明確ですけれども、天候要因などでフラクチュエートすると。それから、その他その時々の影響で変動することがあるので、そういうものを除いて見たものがトレンドを見るときには重要なのだと。そこで、コアコアを重視しているということであります。どういうようにその物価指数を使うかということにもよると思いますし、分析部局も、コアコアだけを見ていて、総合や生鮮食品を除く指数は見ていないということでもありませんし、大臣のおっしゃっていることも、コアコアの指標は見なくてよいということではないわけです。したがって、今の御質問に対するお答えは、いろいろなものを見ていると。ただ、コアコアを分析部局が見ていたのは、フラクチュエーションを除いたトレンドを見る場合に一番よい指標ではないかということでだと思います。
(問)消費者物価指数の統計が、事前の予想以上に下振れしたわけなのですが、例えば消費者物価指数は非常に重要で、日銀の量的緩和解除の条件にも、生鮮食品を除く消費者物価指数がある程度プラスになったらというのがありまして、今年3月9日時点で3カ月連続プラスとなったわけですけれども、この新基準で見ると直近の1月はマイナスだったということでもありまして、この消費者物価指数という統計のあり方や、あるいは上方バイアスの見方について御所見があればお伺いしたいのですけれども。
(答)確かに今回の場合は、事前のマーケットの予測が0.2とか0.3の下方修正ということで、かなり収束していたということはあると思います。  ただ、これはSNAやQEなどでも言えることですけれども、やはり事前の予測というのは、実際の数字に比べて情報の制約もありますし、かける労力もありますし、必ずしも正確に予見するというのは難しいところがあるわけです。他方で、マーケットというのはそういうものを予測していろいろ行動するということも、これは一つのファンクションとしてあるわけで、したがって、予測は予測なので、やはり現実の数字というのをよく分析して考えなければいけないということだと思うのです。
 今御指摘の統計の基準の改定に伴って、数字が変わるということは、これは政策の議論をする上では非常に大きな問題であることは事実だと思います。それで、SNA統計なども、そういう意味でこれまでいろいろ試行錯誤して工夫を加えてきて、最近では連鎖方式になって、いわば5年に1度、大きく変わるということではなくて、毎年、より直近のウエートを使う形に改善されてきていますから、指数全体としてそういう努力をしていくということは、これは必要なことではないかというふうに思います。
 ただ、消費者物価についてどの程度どう具体的にそういうことができるかというのは、私も今、直ちに知識はありませんけれども、特に金融政策の一つの非常に重要な参考指標であるということは確かですから、そこのところは私どもも、統計のあり方という意味でこれからも勉強したいと思いますし、総務省にも、引き続きよく御検討いただくようにお願いしたいと思っています。
(問)逆に、今回のCPIを見て、9月の月例の物価の表現が下方修正されるということもあるのですか。
(答)それは、今、全く何も決まっていませんから、下方修正も上方修正もどちらも否定はできないと思います。ただ、最初に申し上げたように、これまでの判断というものと今回の数字というのを見てみると、もうちょっとよく分析してみる必要があると思いますけれども、これまでの判断と違う、これまでのトレンドが上昇してきているということが違うというように見る必要はないのではないかと思っています。
(問)今回のCPIの改定で、毎月ラスパイレス連鎖方式の数字も公表することになりましたが、内閣府としてこの数字を意識的に使うといった考え方は出てくる可能性があるのでしょうか。
(答)そこのところは、統計の連続性や癖といったものをよくフォローしていく必要があるのだと思います。ですから、いろいろ総務省でも工夫されていると思いますので、我々も勉強してどういうものが一番よいのかということを研究していきたいと思いますが、今何か決めているということはありません。
(問)量的緩和の解除にしろ、ゼロ金利の解除にしろ、旧基準のCPIだけを見て判断したわけではなくて、当然、今回の基準改定に伴う下方改定というものも折り込んで判断していたと思うのですが、実際出てきた基準改定の結果というのは、日銀や内閣府が考えていた下方改定より幅が大きかったと。そこで、今回を振り返って考えてみて、ゼロ金利解除、量的緩和解除という判断が正しかったのかどうかという疑問も出てくると思うのですが、それについてはいかがお考えでしょうか。
(答)確かにおっしゃるように、それなりの上方バイアスがあるということで、基準改定があれば若干の下方修正があるだろうと考えてきたのは事実だと思います。
 それで、巷間言われている下方修正の度合いに比べて、若干大きかったというのも、それは御指摘のとおりだと思いますけれども、冒頭申し上げたように、それではこれまでの判断が違っていたかというと、大数観察として、徐々に物価の地合いが強くなってきて、マイナスからプラスを窺うような状況になってきているということ自体は、現在ある数字を見ても、確認されるということだと思います。したがって、これまでとってきた政策や議論が間違っていたかと言われると、そうではないのではないかと。上方バイアスについてのより正確な予測といいますか、そういう工夫、努力は、もちろんこれからもしていかなければならないと思いますけれども、量的緩和の解除やゼロ金利の脱却が間違っていたか、今の数字を見て、判断を元へ戻した方がよいかというと、そうではないのではないかというように思っております。
(問)与謝野大臣がいつも会見などで、大臣個人のお考えと内閣府の専門家の考えはやや乖離があるというような御所見を示されているわけですが、そういう中で、仮に9月の月例でデフレ脱却の正式な認定が出されたとすると、今回ちょうどこのCPIの下振れが大きかったこともあって、外から見ると、やはり小泉政権の最後だったから、大臣の意向もあり、デフレ脱却を正式認定したのだろうというようにどうしても見えてしまうと思うのですが、その場合には、月例経済報告の表現に対して、やや継続的な信頼性が薄れるような部分もあるのではないかという気がするのですが、その辺りはどう考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)まず、大臣がおっしゃっておられるように、政治家としての大臣の御判断と、事務当局、専門家との間で若干の温度差があるということは大臣も言っておられますし、私どもも大臣の御発言を伺っていて、そういう御指摘がされているな思っているのですけれども、それは大臣の事務当局に対する信頼の表れだと我々は思っております。それは逆に言うと、それだけ信頼していただいているので、正確によく目を開きよく耳を澄ませて、経済の動向をしっかりと把握して大臣にお伝えするのが事務当局の仕事なのだろうなと思っていまして、そういう意味で、逆に責任が重いのだろうなと思っています。
 私どもとしては、もちろん今おっしゃったように9月の月例が、いわば小泉内閣としては最後の月例になるので、そういう本来の景気認識とは別のファクターがその判断に入ってくるのではないかというように見られるのではないかということは我々も理解はしますが、私どもとしては分析部局を中心に、最初に申し上げたように物価の動向と背景というものをよく分析すると。そして、その上で的確に判断するということに尽きていて、おっしゃったように、何か月例というもののクレディビリティーが落ちるようなことは我々もするつもりもありませんし、またそういうような御指摘があれば、直ちに事実をもって説明できるという説明責任が非常に重要だと思っております。まだちょっと時間がありますので、今申し上げたようなことを十分やった上で、9月の月例に臨みたいと思っています。
(問)トレンドとして水面下から上方に向かってきたということは今回確認されたと思うのですが、基準が予想より下がって、コアコアが数字の上では水面下になるという状況であり、この水準が下がったということ、及び月例の判断が重視しているコアコアの数字が水面下にあるというときに、デフレ脱却という判断ができるのかということについて、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)デフレ脱却ということの意味なのですけれども、月例でお示しする景気なり物価の判断というものが政府としての見方なので、私どもが考えていますのは、月例において、物価や景気についてどういう表現を採るのが一番適切かということなのです。ですから、いろいろな過去の経緯などからして、どう解釈するかというのはまたもちろんあると思いますけれども、私どもとしては、何か宣言をするとかしないとかということをもって月例を考えるということではないので、物価や景気の判断として、9月の段階で最も適切なものを選ぶという趣旨で検討するということです。ですから、その内容がどういう意味を持つかということは、当然議論されてくるのだと思いますけれども、何か脱却するとかしないということを決めて表現を考えるということではないということですね。
(問)ただ、デフレ脱却の定義というものは公表されて、後戻りしないことというのがあるわけで、やはり世の中としては、それがどうなのかというのは注目していると……。
(答)そうですね。ですから、それはこれまで申し上げているデフレ脱却についての考え方がありますね。それと、9月の月例の判断というのがどういう関係にあるかということは、当然、御説明する必要があると思いますし、それは否定しているわけではありません。これまで申し上げたことの上に立って、9月の時点で景気判断、物価判断をするということだと思います。

(以上)

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