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補論

IV.さまざまな場面での「暮らしの改革」

構造改革は、以上みてきた分野以外でも、さまざまな場面での「暮らしの改革」をもたらす。

たとえば、不動産市場改革・都市再生分野の改革は、ライフステージ等に応じた住宅の住み替えを容易にしたり、人々に職住近接の生活を可能にしたりする。一方、循環型経済社会の構築を目指す改革の推進は、ごみゼロと脱温暖化の社会づくりを進め、自然との共生を図りながら快適な生活を送ることを可能にする選択肢を人々に与える。

また、IT分野における構造改革は、情報の入手や発信のコストを大きく引き下げるなどのメリットをもたらす。これにより、たとえば、働き方の多様化や子育て・介護の負担が軽減されたり、消費生活や余暇といったさまざまな生活場面において、利便性が向上したりし、新しい楽しみが生まれ、選択肢が拡大する。行政サービスについてみれば、電子政府の実現により、申請・届出等の手続のオンライン化がなされ、たとえば、登記簿謄抄本や住民票の写しを請求する場合において、人々の手間や時間を大幅に削減することができることになる。社会保障分野においても、社会保障番号制の導入と、個人に社会保障に関する情報提供等を行うしくみの構築に向けて検討が進められている。また、医療や教育についても、遠隔医療や遠隔教育が普及し、人々にとって質の高いサービス等を享受する機会が拡大する。さらに、ITは人と人をつなぐものとして、人々の間での新たな交流を生み、家族の交流の深まりにもつながり得る。

構造改革の重要な柱である規制改革の推進により、生活の幅広い分野で、生活者・消費者が、安価で質の高い多様な財やサービスを入手できるようになる。たとえば、医療分野の規制改革については、患者情報や医師、医療機関に関する情報の開示・公開等により、患者による医療機関等の選択が容易になり、これまでよりも患者本位の医療が実現する。また、医療のIT化の推進や複数の医療機関による患者情報の共有・有効活用、医療機関経営の規制見直しは、医療サービスの質の向上と効率化をもたらし、人々の医療に対する安心感が増すことにつながる。

構造改革がもたらす国民生活への影響は、以上みてきた例にとどまらず、今後、国民一人ひとりの暮らしをさまざまな場面で大きく改革していくことが期待されている。こうした構造改革による「暮らしの改革」の具体的な姿についても、引き続き検討を加え、明らかにしていくことが必要である。

 

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