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第4章 ITの普及と家族

若年層のIT利用と家族

野村総合研究所「第6回情報通信利用者動向調査」(1999年)によると、移動電話を保有している人で、自宅にいる相手への通話手段として移動電話を利用する割合が、年齢層が低いほど高くなる傾向がある(第4−31図)。また、従来の固定電話による通話の場合は、電話の相手や内容について漠然と知ることもできていたが、移動電話では個別の部屋で家族に知られることなく会話を行うことが可能な状況になると考えられる。

当府「青少年と携帯電話等に関する調査研究」(1999年)によると、子どもの電話相手を親が把握している割合は、子どもの移動電話の所有の有無で大きく異なっている。子どもの電話相手を「たいがいは知っている」と回答した親の割合は、男子高校生で移動電話を所有していない親の場合47%だが、所有している親の場合32%まで低下する(第4−32図)。女子高校生の親の場合さらにその差は大きくなり、移動電話非所有74%、所有43%となっている。

前述の「ITによる家族への影響実態調査」によると、ITを利用するようになってからの変化として、「時間を気にせず友人と連絡を取れるようになった」と回答している20代以下の割合は66%、「ほかの家族を気にせず友人と連絡を取れるようになった」とする割合は63%とほかの年代に比べかなり高くなっている(第4−33図)。「家族に内緒の話ができた」と回答している割合も16%あり、ITにより若年層の生活が変化していることがわかる。

また、「ITを利用するようになって、家族の行動が個別化し、家族の行動がよくわからなくなるという悪い面があると感じますか」という問に対し、30%の人が悪い面があると感じ(「感じる」+「どちらかといえば感じる」の合計)、特に移動電話を保有する子どもがいる家庭の母親では、45%が悪い面があるとしている(第4−34図)。同調査によれば、悪い面があると回答した人のうち、ほぼ半数が「時代の流れなので仕方がない」と感じ、残りの半数が「切実な問題である」と感じている。

 
第4-31図 若い人ほど移動電話に連絡

第4-31図 若い人ほど移動電話に連絡


 
第4-32図 親が子どもの電話相手を把握している割合は子どもが移動電話を所有している親で低い

第4-32図 親が子どもの電話相手を把握している割合は子どもが移動電話を所有している親で低い


 
第4-33図 ITを使うようになってからの生活変化は20代以下で顕著

第4-33図 ITを使うようになってからの生活変化は20代以下で顕著


 
第4-34図 移動電話を保有する子どもがいる母親でITの利用により家族の行動がよくわからなくなると感じる割合が高い

第4-34図 移動電話を保有する子どもがいる母親でITの利用により家族の行動がよくわからなくなると感じる割合が高い

 

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