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第3章 次代を担う子どもと家族

ボランティアやNPOによる子育て支援活動

これまで公的サービスの充実策についてみてきたが、一時保育や地域子育てセンターなど保育所を中心とした地域の子育ての場づくりの動きに加え、地域で生まれた自発的な協力関係も育ちつつある。前述のファミリー・サポート・センターも、地域の協力関係の上に成り立っているという点で期待は大きい。また、近年ボランティアやNPOの力が評価されつつあるが、子育て支援の場でも活発な動きがみられる。NPOやボランティアの自主的な取組みは、行政の画一的なサービスでは対応できない需要に応えることが可能であり、またさまざまな先駆的な取組みがなされているケースもみられる。

たとえば、50代のスタッフを中心にした子育てボランティアグループがある。地域のリサイクルセンターに設けられたボランティアコーナーで毎月2回の活動を行い、多くの親子が遊び場や友達づくりを求めて集まってくる。スタッフは子育て経験者が多く、さらに、保健所や児童相談所で働いていた専門家も揃っており、スタッフの知識や経験がボランティア活動に活かされている。また、ボランティア活動であることから、スタッフも自分のペースで子育て支援を行うことができる。利用者である若い親子にとっても、スタッフである年配者にとっても、地域による子育て機能の再生と捉えられる動きである。

また、子どもを持つ介護スタッフを支援するために、保育サービスを始めたNPO法人もある。高齢者に対する訪問介護や家事補助の需要は今後も増えていくことが見込まれる。一方、子どもを生んでもヘルパーなどの仕事を続けたいと考える母親も多い。このような需要に応えるために、スタッフの子育て支援を契機として保育サービスも始めることは、地域の助け合いの精神が活かされた好例であるといえよう。このようにNPOが主体となって、地域のニーズに柔軟に対応していくことは、地域の活性化に大きく貢献していくことが期待される。

さらに、障害児の学童クラブを運営しているNPO法人も存在する。運営は、正規の指導員のほか、アルバイト指導員やボランティア指導員によって支えられている。この学童クラブを利用する障害児は、友達や異年齢の集団の中で遊ぶという体験を重ねることができる。障害児を持つ家族が安心して子育てできる環境を整えるには、行政の支援とともに、地域で支えることも重要である。

 

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