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第2章 家族の働き方の現状と課題

4.家族の働き方と構造改革

現在推進されている構造改革において、その大きな柱の一つとして「生活維新プログラム」が位置づけられている。同プログラムでは、雇用対策や子育て支援等を通じて、性別や年齢にかかわりなく働きやすい社会、住みやすい社会を構築することとされている。

本章の分析では、夫の働き方を就業時間等の点で柔軟化していくことで妻の就業選択の可能性を高めることができることを示した。これは、現在のフルタイム就業の就業スタイルを柔軟化することで、フルタイム就業と、家庭内労働等就業以外の活動との両立を容易にすることができることを意味している。一方、現在、柔軟な働き方を可能としているパートタイム就業については、就労調整の影響等から、フルタイム就業者との賃金格差が拡大している。

こうした課題に対応するため、技能・知識の習得等の個人の努力や、各企業における能力に応じた賃金・就業体系の導入等、雇用システムの弾力化によって、多様な形態で働ける環境を整備していくことが望まれる。その際、ワークシェアリングについても、議論を深めていく必要があろう。

また、経済のグローバル化や技術構造の急速な変化、あるいは人口高齢化等の経済・社会環境変化のもとで、個々の企業が労働者に対して長期的に雇用を保障することが難しくなってきており、労働市場を通じて雇用を保障していく体制が必要となっている。このため、規制・制度改革を通じた新産業育成による雇用の受け皿整備、労働者の職業紹介・能力開発を積極的に推進し、労働移動を円滑にすることによる雇用のミスマッチの解消、広く国民が安心感を持って生活できるよう、雇用のセーフティネットの整備が重要である。

このような取組みにより、国民一人ひとりが自らの個性や能力を十分に発揮できる社会環境を整備することは、国民生活の安心や充実に資するのみならず、さまざまな環境変化にも柔軟に対応する効率的な経済活動の展開や、活力ある高齢社会の構築にも大きく寄与するものと考えられる。

 

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