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第2章 家族の働き方の現状と課題

夫の働き方と妻の就業選択

以上のようなことも踏まえ、妻の就業形態選択が、どのように行われるのかを、統計的な手法を用いて分析した。

具体的には、妻が、フルタイム就業するのか、パートタイム就業するのか、非就業となるのかについての選択に対して、妻本人の年齢、学歴、夫の年収、夫の就業時間、末子の年齢、夫婦の親が同居しているかどうか、居住地域の保育所の充足度(市町村別の6歳未満人口に対する保育所定員の割合)といった要因がどのような影響をもたらすのかを、多項ロジットモデルによって推計した(付注5)。

この結果は、これまで述べてきたような事実とおおむね整合的なものとなった。特に、


との関係になっている。

加えて、

との結果も得られた。

さらに、この推計結果を利用して、保育所の充足度を高めることによって、どれだけフルタイム就業選択確率が変化するかについて、夫の就業時間別にシミュレーションを行った(第2−22図)。

これによると、末子が3歳以上6歳未満である35歳の妻のフルタイム就業選択確率は、保育所定員を対象年齢児童数の23%(サンプルの中位数)から50%にまで増加させた場合、以下のようになると推計された。

この結果は、社会的な保育の充実によって、妻の就業可能性を高めることができるが、その効果は夫の就業時間に依存することを意味している。換言すれば、育児等の家事を担うこともできるように、フルタイム就業者の働き方を就業時間等の上で柔軟化させていくことが、社会的な保育の拡充とともに、妻の就業可能性を高める鍵となるといえる。

 
第2-22図 夫の就業時間で異なる保育所整備による妻のフルタイム就業への効果

第2-22図 夫の就業時間で異なる保育所整備による妻のフルタイム就業への効果


 

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