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第2章 家族の働き方の現状と課題

第2章 家族の働き方の現状と課題

第1章では、経済社会環境の変化の中での家族の変化についてみてきた。本章では、家族に大きな影響を及ぼすその働き方の現状と課題について、近年のさまざまな経済社会環境変化との関係に注目して考察する。

本章は、おおむね次のような流れとなっている。

高度成長期には、核家族化が進み、夫が家計を支えるために必要な労働(稼得労働)を中心的に担う一方で妻が家庭内労働の大部分を行う形が定着した。こうした夫婦の働き方の現状についてみてみると、近年、パートタイム就業を中心として、雇用者として働く妻の割合が増加している。しかし、夫が稼得労働をおもに担う一方で、妻が家庭内労働の大部分を行っているという状況に変化はみられない。

こうした状況は、夫婦間の就業環境差や稼得能力差等、働き方を巡るさまざまな要因を踏まえた上での夫婦の選択の結果であると捉えられるが、同時に、このような働き方以外を選択することが難しいことを反映しているとも考えられる。

しかし、夫婦が働き方を自由に選択しにくい状況は、近年の経済社会環境のもとで、夫一人の収入に大きく依存する家計の不安定化、稼得労働と家庭内労働を家族の中で分担できない世帯の経済的な困難、結婚や出産等家族形成を選択しない者の増加を通じた少子化の進展等のさまざまな問題を生じさせる可能性がある。

このため、家族の働き方が自由に選択できる環境が求められている。妻の就業選択について分析したところ、それは、夫の働き方の柔軟化や社会的な保育(=保育サービス)の拡充によって就業可能性が高まることが示された。これは、小世帯化や高齢化の進展の中で、誰もが状況に応じて働き方を自由に選択できるようにしていくためには、就業スタイルの柔軟化や家庭内労働の外部化・省力化の選択肢を拡大していくことが重要であることを示している。


 

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