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第1章 家族を巡る潮流変化

6.まとめ

これまで家族の変化を機能に着目してみてきたが、これらをまとめると以下のことが指摘できよう。

第一は、高度成長期に定着した夫がサラリーマンとして外で働き、妻は専ら育児等の家庭内労働を行う、という夫婦の役割分担に変化がみられることである。すなわち、サラリーマン家庭の専業主婦が減り、パートタイム就業等雇用者として働く妻が増加している。また、サービス経済化、IT化の進展等による産業構造変化の中で、女性や高齢者等の就業インセンティブが上昇している。こうしたことから、女性や高齢者にとっても働きやすい環境が求められている。これは同時に、家庭内において主として妻によって担われてきた家事や育児についても、夫の積極的な参加が必要と考えられるが、そのためにも、フルタイム就業者の就労時間の短縮や柔軟化が求められる。この点については、第2章で詳しく考察する。

第二は、若年層を中心に、自由で多様な家族観を持つ傾向が目立ち、特に結婚することや子どもを持つことを必ずしも必要と考えない傾向がみられることである。これについては、結婚することにより自由が制約されることや育児に対する負担等が影響していると思われる。特に、近年その負担の重さが指摘されている子育てについては、社会全体で支援することが重要である。この点については、子育て支援の現状を中心に、第3章で検討する。

第三は、高齢化の進展により、高齢世帯を中心として小世帯化が進行していることである。こうした中、家族が担ってきた高齢者の介護や扶養の機能は、社会全体で支えるしくみが出来上がっている。今後ともこのようなしくみを持続可能なものとしていくとともに、高齢者が過ごしやすい環境を整備していくことは重要な課題となっている。また、一口に高齢者といっても、健康面、経済面、そして社会参加への意欲の面等で多様となっているため、高齢者を一律に弱者として扱うのではなく、多様なライフスタイルを可能にする高齢期の自立支援が重要と考えられる。あわせて、年齢にかかわりなく働ける社会の実現に向けた取組みを進めるなど、年齢だけで高齢者を別扱いする制度、慣行等の見直しを行うことも重要である。

 

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