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第1章 家族を巡る潮流変化

家族観の多様化

結婚することに対する意識や、子どもを持つことに対する意識をみてもわかるように、近年、若年層を中心として、家族観の変化があるように思われる。そこで、家族観について、性別や世代等によってどのような特徴があるかをみてみよう。

当府「国民生活選好度調査」(2001年)により、結婚観・離婚観、子どもを持つ必要性等、9つの問についての考え方の間の相関関係を調べると、「長男には、ほかの子どもとは異なる特別な役割がある」、「男の子どもがいなかったら家が絶えないように養子をとるのがよい」、「婚前交渉は許されない」、「離婚は極力避けるべきである」、「女の幸福はやはり結婚にあり、仕事一筋に生きるべきではない」といった考え方の間に強い相関関係がみられた(第1−50表)。他方、「結婚しても必ずしも子どもを持つ必要はない」、「本人が納得していれば結婚をしないで子どもを産んでも構わない」、「結婚しなくても、豊かで満足のいく生活ができる」、「結婚は個人間の問題だから、婚姻届を出す、出さないは自由である」といった考え方の間に強い相関関係があった。そこで、因子分析とクラスター分析の手法を用いて全回答者を2つのグループに類型化し、前者の5つの考え方をより強く支持するグループを「伝統重視群」、後者の4つの考え方をより強く支持するグループを「多様性重視群」と名付けた(付注3)。

そこで、この2つのグループにどのような特徴があるかを、1)性別、2)年齢の観点から調べると、以下のようになった。

第一に、性別については、全体では伝統重視群が54%、多様性重視群が46%となっている中で、男性は伝統重視群が60%を占めているのに対し、女性は伝統重視群が48%、多様性重視群が52%と、女性で多様性重視群の割合が高くなっている(第1−51図)。

第二に、年齢については、若年世代では多様性重視群の割合が高く、10代から30代においては男性で6割以上、女性で7割以上を占めているのに対し、中高年世代では伝統重視群の割合が高く、特に70代以上においては男性で9割以上、女性で8割以上となっている。また、どの年齢においても男性のほうが伝統重視群の割合が高いが、特に10〜30代で女性よりも伝統重視群の割合が高い。

なお、この2つのグループと未婚率の関係について調べたところ、伝統重視群の男性は、多様性重視群の人に比べて、特に20代後半から30代前半にかけて未婚者の割合が高くなっている(第1−52図)。

このように、結婚観や離婚観等を含めた家族観について、従来の考え方に必ずしも固執しない多様で自由な考え方を持つ人が若年層に多いことを考えると、家族に関する自由な選択可能性に対する期待が今後高まると考えられる。

 
第1-50表 結婚観・離婚観、子どもを持つ必要性等についての考え方の間の相関関係

第1-50表 結婚観・離婚観、子どもを持つ必要性等についての考え方の間の相関関係


 
第1-51図 中高年世代は伝統重視群、若年世代は多様性重視群の人の割合が高い

第1-51図 中高年世代は伝統重視群、若年世代は多様性重視群の人の割合が高い


 
第1-52図 伝統重視群の男性は未婚率が相対的に高い

第1-52図 伝統重視群の男性は未婚率が相対的に高い


 

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