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第1章 家族を巡る潮流変化

多様化する高齢者の住まい

高齢者は自分の住まいについて、どのように考えているのだろうか。

当府「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」(2001年)によると、60歳以上の男女に自分の体が虚弱化したときに住まいをどのようにしたいと思うかを聞いたところ(複数回答)、「現在の住宅にこのまま住み続けたい」と回答した人は36%ともっとも多いが、介護施設(公的介護施設12%、民間介護施設3%)やケア付き住宅(公的ケア付き住宅6%、民間ケア付き住宅1%)のように自宅以外に住みたいと考えている人もいる(第1−45図)。

こうした中、従来の有料老人ホーム(常時10人以上を入所させて、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を提供する施設)やシルバーハウジング(生活援助員による生活指導・相談、安否確認、緊急対応等のサービス提供を行うバリアフリー化された公共賃貸住宅)に加え、ケアハウス(身体機能が低下しているか、高齢のため独立して生活するには不安がある者で、家族で世話をすることが困難な者(原則として60歳以上)が利用できる老人福祉施設)、コレクティブハウジング(個人の住宅部分とは別に、ダイニングキッチン・リビング等居住者同士が交流し、支え合う共同の空間を備えた集合住宅)、グループリビング(高齢者の身体機能の低下を補うため、5〜9人の居住者がお互いの生活を共同化・合理化して共同で住まう一定の居住形態)等、家族以外の住まい方が多様化してきている。

ケアハウス等、高齢者の生活支援のための施設や高齢者向け集合住宅は、自分の生活拠点としての自室を持ちながら小人数で暮らせる上、自立支援も受けられ、家族や近隣の人も自由に訪ねられるような住まい方である。小世帯化が進み家族の支援が得られにくい中において、このような、高齢者において暮らしやすい住宅が、今後さらに普及していくことが重要であろう。

 

第1-45図 自宅志向が低下する老後の住まい方

第1-45図 自宅志向が低下する老後の住まい方

 

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