[目次]

第1章 家族を巡る潮流変化

相対的に多い高齢世帯の資産

さらに、高齢世帯の資産状況がどうなっているのかみてみよう。

総務省「全国消費実態調査」によれば、貯蓄残高から負債残高を差し引いた金融資産額は、世帯主が60代以上の高齢世帯では、世帯主50代以下の世帯に比べて高くなっており、相対的に多くの金融資産を保有している。さらにこれは、10年前や5年前に比べ増加傾向にある(第1−32図)。

また、同調査により、実物資産(住宅・宅地資産残高)について、金融資産(貯蓄残高)階級別にみると、高齢者では持家世帯が多く(高齢夫婦世帯の持家率は88%)、その持家世帯では、金融資産の少ない高齢者夫婦世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの世帯)においても、実物資産を3,000万円近く保有している(第1−33図)。

このように、高齢世帯は、金融資産を多く保有しており、金融資産が少ない世帯でも実物資産はある程度保有しているとみられる。

そこで今度は、所得と資産の関係についてみてみよう。厚生労働省「国民生活基礎調査」(1998年)によると、高齢者世帯の1世帯あたり所得金額(平均323万円)については、300万円未満の世帯が6割を占めているが、その世帯の保有している金融資産額(貯蓄残高)が300万円未満の世帯も6割となっている(第1−34表)。所得が少なくても、金融資産があれば、それを取り崩しながら生活することができるが、実際は、所得の少ない高齢者世帯は、金融資産の保有額も低い傾向がある。

 
第1-32図 高齢者で高い金融資産(貯蓄残高−負債残高)

第1-32図 高齢者で高い金融資産(貯蓄残高−負債残高)


 
第1-33図 金融資産が少ない高齢者夫婦世帯でも3,000万円近くの実物資産を保有

第1-33図 金融資産が少ない高齢者夫婦世帯でも3,000万円近くの実物資産を保有


 
第1-34表 所得の少ない高齢者世帯は、金融資産の保有額も少ない

第1-34表 所得の少ない高齢者世帯は、金融資産の保有額も少ない


 

テキスト形式のファイルはこちら


[目次]

前の項目に戻る     次の項目に進む