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第1章 家族を巡る潮流変化

格差の大きい高齢世帯の所得

次に、高齢世帯の所得についてみてみよう。

高齢世帯の所得は、世帯類型や世帯構造の違いによって異なり、多様となっている。厚生労働省「国民生活基礎調査」(2000年)によると、全世帯の1世帯あたり平均所得金額(年間)は626万円であるが、これに比べて、高齢者世帯、夫婦のみの世帯、高齢単独世帯、ひとり親と未婚の子のみ世帯は低くなっている。特に、高齢女性単独世帯は193万円ともっとも低く、高齢男性単独世帯より2割ほど低くなっている。一方、夫婦と未婚の子のみ世帯や三世代世帯は高くなっている(第1−29図)。このように、三世代世帯等、有業者の多い世帯での所得額は高い。しかし、すでに述べたとおり、今後は小世帯化が進むと見込まれていることから、こうした世帯は減少していくものと考えられる。

なお、これを世帯員1人あたりでみてみると、全世帯平均220万円に対して、いずれの世帯類型や世帯構造の高齢世帯でも、その差は小さくなっている。

さらに、1世帯あたり平均所得金額の内訳をみてみると、高齢者世帯329万円のうち公的年金・恩給給付は203万円と62%を占めている。ほかに、夫婦のみの世帯や高齢単独世帯も公的年金・恩給の割合が高く、総じて所得額の低い高齢者にとって主要な所得源となっている。一方、所得額の高い世帯は稼働所得が多く、公的年金・恩給の割合が低い傾向がみられる。また、ひとり親と未婚の子のみ世帯は所得額は全世帯よりも低いものの、稼働所得の割合が高いなど、所得額の内訳をみてもさまざまな形態がみられる。

また、同調査により、所得階級別の世帯分布をみると、高齢者世帯の1世帯あたり平均所得金額(329万円)以下の世帯は、全体の3分の2を占めている(第1−30図)。

次に、同調査により、世帯主の年齢階級別に可処分所得金額の格差(ジニ係数)(付注2)をみると、年齢階級が高くなるほど格差が大きくなっており、高齢世帯は所得の格差が一般の世帯に比べて大きい(第1−31図)。

 
第1-29図 高齢世帯の所得と内訳

第1-29図 高齢世帯の所得と内訳

 
第1-30図 平均以下に多く集まる高齢者世帯の所得

第1-30図 平均以下に多く集まる高齢者世帯の所得

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第1-31図 高齢世帯の間で大きい所得格差

第1-31図 高齢世帯の間で大きい所得格差


 

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