要旨 > 第2章 消費者政策の経済分析 |
第2章 |
消費者政策の経済分析 |
| 消費者被害は後を絶たず、経済分析などに基づく消費者政策の検討が不可欠である。そこで消費者政策の国際的な潮流を振り返るとともに、消費者被害による損失額の推計、執行体制などの計量分析、消費者教育の効果を検証することで、今後の効果的な消費者政策の在り方を検討する。 |
第1節 消費者政策の発展 主要国の消費者政策は類似の発展過程をたどり、食品安全、悪質商法、製品安全、契約、紛争解決とその充実を図ってきた。一方、我が国の消費者被害による損失額は最大3兆円を越えている。また、振り込め詐欺は広報・啓発にも関わらず、被害が再び増勢になっているが、この要因には被害者の判断力への加害者側の付け込みもある。心理学、脳科学の知見も生かしながら、被害の現状や被害者の意思決定にも焦点をあてる必要がある。 |
第2節 これからの行政、消費者団体の役割 我が国の消費者行政部門の職員数は限定的であり、消費者・生活者からの信頼も高くない。特に各国が充実・改良を図っている消費者団体や行政庁によって金銭的救済を行える制度など、被害救済の観点からの手法の多様化の検討や戦略重点化による効果的な法執行が不可欠になっている。 |
第3節 我が国の消費者力 複雑化する社会において消費者・生活者として生きる力を持つための消費者教育の重要性はますます高まっている。しかし、我が国で消費者教育が十分に行われているとは言えず、義務教育で実施された消費者教育についてもその効果は明確ではない。消費者市民社会を構築していくためには、単に知識の習得に止まらず、経済や金融、環境の社会的影響などを正確に理解し、批判的に行動できる力を育てる消費者市民教育が必要である。 |