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全文 > 第2章 地域のつながり > 第3節 地域のつながりの再構築に向けた新たな動き

第3節

地域のつながりの再構築に向けた新たな動き

前節において、地域のつながりは、人々に安心感や充実感を与えるとともに、地域力の向上を通じて地域住民の生活の質を高めることを見てきた。しかし近年、地域のつながりが希薄化する中で、地域のつながりを持ちたくても持てない人が増えるとともに、地域力の低下により生活の質の向上に資する機能を十分に果たせない地域も増えている可能性がある。

地域のつながりの希薄化は、人々の意識や経済・社会環境の変化によってもたらされている部分が大きいと考えられ、この傾向の変化については短期的には期待することが難しい。しかしながら地域のつながりについては、[1]つながりを持ちたいが障壁により断念している人を支援する取組(つながりの障壁を解消する取組)、[2]地域が果たしてきた機能を復活させる取組(地域の機能を復活させる取組)、[3]近年になって地域の果たす役割の必要性が新たに注目を浴びる取組(地域の役割が新たに注目される取組)などがなされており、既に地域のつながりの構築に成果を挙げているものもある。以下ではそれぞれの取組を紹介する。


1.つながりの障壁を解消する取組

(1)一人一人が参加しやすいつながり方

第1節で見たように、地域活動に参加しない人の大きな理由としては、「時間がない」、「情報・きっかけがない」といったことが挙げられるが、土日に地域活動ができる仕組みやITの活用により情報やきっかけを入手できるようにすることで、この壁を解消しようとする動きが見られる。

●小学校を拠点とした土日も利用できるコミュニティルーム

千葉県にはこのような「場」づくりを行っているボランティア団体がある。この団体は、小学校の余裕教室などを「コミュニティルーム」として管理し、土日も含めた午前9時から午後9時まで、この小学校区に住む人または勤務する人に対して、活動の場として提供している。また地域の中で小学校という多くの人が知っている集まりやすい場所を活動拠点として提供することは、地域のつながりを広げることにも役立っているが、学校の休日や平日の遅い時間にも「コミュニティルーム」を利用可能とすることは、受け入れる学校側の負担が大きくなる。そこで、地域のボランティアが、運営・管理について一切の責任を負うことで、このような時間帯における小学校の利用が可能となった。

現在では、工作、陶芸、パソコン、劇団、合唱、スポーツなど35のサークルや団体が登録して、コミュニティルームを利用しているが、平日の遅い時間帯や休日の利用も活発である。また、学校を拠点とすることによって、学校に顔見知りの大人が出入りすることになるため、子どもの安全につながっていると同時に、子どもと大人が触れ合う機会も自然と増え、子どもに対する教育にも貢献している。

●ソーシャル・ネットワーキング・サービスを活用した地域のつながり

情報やきっかけが得られないことも地域のつながりを阻む要因の一つであると考えられるが、近年その利用者が急速に増えているソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)22を利用することで、地域のつながりをサポートする動きが各地で見られる。

千葉県には、「数年でも、住む地域にかかわりたい」という学生が中心になって設立されたNPO法人が運営する地域SNSがある。この地域SNSは、地域住民を対象にパソコン教室を開講したり、市内のショッピングセンターや商店街の夏祭りの運営支援を行うなど、地域での活動を展開していく中で、SNSの‘時間と空間を越えたコミュニケーション’をまちづくりに活かそうと、大学周辺の地域を対象として開設された。

従来、学生の8割が県外出身者ということもあり、その地域には数年しか住まない学生が多く、学生と地域住民の間にほとんど交流がなかった。しかし、このNPO法人が学生や商店会長、店主、主婦などの地域住民と協力して地域SNSを開設したところ、この地域に詳しくない県外出身の学生も、この地域SNSの会員となっている友人からの紹介によって地域SNSを利用したことで、地域の情報を得られただけでなく、地域住民と情報のやり取りが生まれ、地域SNS上での知り合いができるようになった。

さらに、この地域SNSは、インターネット上だけでは完結せず、現実のコミュニケーションを活発化させることにつながっている。例えば、地域SNSを通じてできた知り合いが参加する地域のイベント情報が掲載されると、従来、地域でイベントがあっても参加しにくかった学生が、「知っている人が参加しているなら行ってみよう」という具合に、学生の地域活動への参加の垣根が下がった。他方で、騒音やマナー違反から学生を疎んでいた住民側も、こうして地域活動を一緒に行うことで、学生に対する見方が変わり、「学生は可能性を持っている。学生を伸ばしていく責任がまちにもある」と考えるようになり、実際の地域のつながりを作るきっかけとなった。

このように、地域SNSは、地域活動に関心があるにもかかわらず、情報やきっかけが得られず参加できなかった人に対して、インターネット上で情報を提供することで、地域のつながりを構築するきっかけ作りになる可能性があると言える。

(2)多世代のつながりにより地域力を向上させる動き

若い世代とのつながりを望みながら、実際にはつながりを持てていない高齢者が多いことを見てきたが、そのようなつながりを促す動きも出てきている。

●多世代が協力し合いながら暮らす賃貸集合住宅

個人の私的部分を大切にしながら、個々の住居空間とは別に食事・庭造りなどを一緒にすることができる共用空間を設け、生活の一部を共有するコレクティブハウスと言われる住居形態がある。そしてこのコレクティブハウスでの生活を通じて、世代を超えた居住者同士がお互いに日常生活の中で協力し合いながら暮らす事例がある。

日本で初めての多世代・賃貸型コレクティブハウスとして誕生した東京都のある集合住宅は、12階建てビルの2〜3階部分がコレクティブハウスになっており、ワンルームから2DKの独立した住居とともに、キッチン、ダイニング、リビング、ランドリールーム(洗濯部屋)、子どもと大人の遊びコーナー、菜園や工作のテラスなどの共用空間が設けられている。多世代が住むことを一つのねらいとしたこのコレクティブハウスは、NPOが専門的に支援して、住まい手が居住空間の設計や暮らしのルールづくりに参加することで自分たちの暮らしそのものを時間をかけてつくっていくという方法によってつくられた。

そして、口コミでコミュニティのある暮らしを望む人たちが徐々に集まって、一人一人が暮らしづくりに参加した結果、多様な人々が自分らしくいられる住居が生まれた。

2007年3月現在においても、このような暮らしを望む子育て家族や夫婦、単身者など0歳から80代までの居住者40人が生活する状況となっている。

ここでは、居住者が16の活動グループに所属して共用空間を自分たちで管理・運営し、生活の共同化、合理化を図っている。その仕組みの一つとして、居住者が2〜3人1組になって当番制で料理を作り、希望する居住者が夕食を楽しむ「コモンミール」が週3回行われており、平日は16〜7人、週末は25人程度が参加している。

いずれの当番も、家族単位ではなく個人単位であり、一人一人がつながりを広げられる仕組みとなっている。

ここに住む居住者からは、「家族の他にも相談できる人ができて助かった」とか、現在育児中の夫婦は、「子育ての先輩である高齢者からアドバイスが得られる」といった声が挙がっており、ここには多世代の居住者によるコミュニティのある暮らしの豊かさがある。

【コラム】 多世代の人が利用する施設が併設されるボローニャ・ポールト地区家畜市場跡
  イタリア・ボローニャ市のポールト地区の家畜市場跡には、高齢者が主に活動する文化レクリエーション社会センター、大学生の寮、小さな子どもたちの幼稚園・保育園といったそれぞれの世代の人が過ごす施設が同じ敷地内に建てられている()。
  このうち、文化レクリエーション社会センターは、高齢者を中心とする900人弱の会員からの会費(5ユーロ/年)と施設内の喫茶店の売上などを基に、高齢者のボランティアによって自主運営されており、ダンスパーティーや体操教室を定期的に開催して、高齢者の楽しみや生きがいの場を提供している。
  また、毎週水曜日には、高齢者ボランティアが料理した揚げパンが0.5ユーロで販売され、幼稚園に通う親子が買いに来るような場面が見られる。このほかにも、子ども向けの劇を上演して地域の子どもたちに見に来てもらったり、敷地内のほかの施設を利用する若者に協力してもらって、敷地内中央の広場で行われる夏のイベント(劇や映画上映)に向けて企画を練ったりするなど、高齢者を中心とした異世代交流が生まれている。
  このように小さな子どもから高齢者までが利用するそれぞれの施設が、同じ敷地内に併設されることは、新たな多世代交流につながる可能性がある。
ボローニャ・ポールト地区家畜市場跡 写真1
ボローニャ・ポールト地区家畜市場跡 写真2
ボローニャ・ポールト地区家畜市場跡 写真3
ボローニャ市ポールト地区の家畜市場跡の敷地図
ボローニャ市ポールト地区の家畜市場跡の敷地図

2.地域の機能を復活させる取組

地域の希薄化により、地域が果たしてきた教育、子育て支援、防犯・治安、防災といった機能が低下していることを見てきたが、地域のつながりによって、これらの役割を復活させる動きがある。以下ではそのような取組を紹介しよう。

(1)地域における教育や子育て支援に関する動き

●子どもの居場所づくり〜異年齢の子どもの交流の場

岩手県には、子どもたちが中心になって、地域に残された旧消防署の建物を子どもの「居場所」に改修して、異なる年齢の子どもが触れ合い、自主性や社会性を育むことができるようにした取組がある。この取組は、青少年育成市民会議が事務局となってはいるが、運営に当たっては、中高生サークルが深く携わっているのが特徴である。

ここでは特に活動プログラムが用意されているわけではないが、一日平均平日は15〜6名、土日は30〜40名の小学生から高校生までの子どもたちが集まってくる。ソファや畳の上でのんびりくつろいで友だちとおしゃべりしたり、バドミントンをしたり、漫画を読んだり、パソコンを使ったりと、子どもたちが自分の好きなことをして過ごせるようになっている。また、年齢の異なる子どもが集うことから、年上の子どもが触れ合いの中で自然と年下の子の面倒を見ることもあり、家族の人数が少なくなった現代においては、貴重な経験ができる場と言えよう。

ただこうした取組は、単に場所を提供しただけでは、子どもたちが利用するとは限らないが、ここでは、運営に中高生自身が携わっており、実際に利用する子どもの意見を聞きながら活動しているため、子どもたちの利用につながっていると考えられる。

このように多くの子どもが集まって過ごすことで、他人に迷惑をかけないといった社会のルールや人を思いやる気持ちが育まれるとともに、中高生自らが運営にも携わることで、自分たちが主役という考えを持ち、自立した青少年の育成にも寄与していると言えよう。

●育児をする者が集える場所の提供

子どもを通じた交流が少なくなっている中で、子どもを持つ親同士が交流できる「場」を作る動きがある。

福井県のある協同組合は、地域の子ども同士の交流や親の情報交換、リフレッシュに役立つよう、店舗に併設した施設などを「子育て中の親」が子どもと一緒に集える「場」として提供している。こうした取組は、日頃利用するお店がサービスの拠点になっていることから、利用者にとって利便性が高く、県内の4店舗で約10,000組(2005年度)もの親子による利用実績がある。

●子どものいる働く親を支援する取組

子育て支援に関して、例えば「子どもを預かってもらうこと」の期待が高くなっていることを前節で示したが(前掲第2-2-9図)、働く親にとっては、この期待は一層大きいものがあるだろう。東京都のあるNPO法人は、こうした子どもを預かる活動の中でも、子どもの熱や軽い病気の時に、安心して預けられる場所が圧倒的に少ないという病児保育問題の解決に取り組んでいる。

あらかじめ会員登録している利用会員から、NPO本部に病児保育依頼の電話がかかると、本部では、依頼のあった利用会員の近所に住んでいる、または本部で待機している対応可能な「こどもレスキュー隊員」に連絡する。すると、こどもレスキュー隊員は利用会員の自宅に駆けつけ、利用会員から子どもを預かり、かかりつけ小児科医に向かう。受診後は、こどもレスキュー隊員の自宅などで、一日保育を行う。預かり時間は7時半から最大21時半までで、当日の要請にも100%対応するのが特徴となっている。つまり、このNPO法人は、地域で子育ての支援を求めている人と支援できる人をつなげる機能を果たしている。

このこどもレスキュー隊員は、有償(900円〜1,300円/時間)のボランティアで、主に30代〜50代の子育て経験のある女性が務めている。また、家庭内保育士教育を行っている協会の講義や、提携小児科医に併設された病児保育室での実習など、当初2か月間の新人研修や現場に出てからの毎月のブラッシュアップ研修を受けることによって技術向上にも努め、保育の専門性を担保している。

また、働く親にとっては、地域の中で友人や仲間を見つけることが難しくなっているが、同じ働く親同士で仕事と育児の両立のノウハウなどを分かち合えるように、地域に住む会員とこどもレスキュー隊員が参加する交流イベントなども定期的に開催している。

【コラム】 ドイツのサンタクロース23と日本のなまはげ
  ドイツでは、聖ニコラウス祭の日、聖ニコラウスによって良い子はごほうびをもらうが、悪い子は、聖ニコラウスの従者から鞭をもらったり叱られたりする。聖ニコラウスは、家に入ると集まっている人を祝福し、子どもたちに学校の授業の様子はどうか、家の手伝いをしているか、お祈りを覚えているかなどを質問するが、それらができていない悪い子どもの場合は、従者が「ひとふりの鞭=お仕置きするぞという警告」や「じゃがいもの皮」などプレゼントにならないようなものを罰として残していく。この従者は、地方によって様々であるが、共通していることは、村の若者などがその役割を担っていることである。
   同じようなことは、日本の「なまはげ」にも見られる。集落の若者が「なまはげ」になって「なぐ子はいねが」と家々を訪れ、泣く子や言うことを聞かない子を戒めて回る。
  これらは元々は信仰などに由来するものだが、しつけや教育といった役割を地域が果たしていたことの一例と言えよう。

(2)防犯・治安や防災に関する動き

●町内会・自治会における取組

地域の防災に関しては、前節で見たように地縁組織に対する期待が大きい(前掲第2-2-19図)が、この期待に応え防災活動に力を入れている町会が東京都にある。この町会がある地域には、消防車両が入れないような狭い路地が多く、住民の間では、甚大な災害が起きた直後には、市区町村や、消防、警察などの行政機関だけでは、負傷者の救出・救護活動は困難を極めるだろうとの懸念が高まっていた。そこでこのような問題を解決するために、町会で災害時に自分たちで近隣住民の救出・救護を行う「区民レスキュー隊」を結成した。この区民レスキュー隊では、いつ災害が発生しても対応できるように、悪天候や夜間など様々な状況を想定して年10回ほど全体訓練を行っているが、平日に仕事を持つ区民レスキュー隊員も多く参加できるように、休日にも訓練を行うなどの工夫をしている。

なお、区民レスキュー隊員は、子どもを持つ40代の父親が主力となっているが、この背景には、町会長が普段から住民と積極的にコミュニケーションを図っているといった事情がある。具体的には、日頃、地域の公園などで遊ぶ親子連れと交わす何げない会話の中で、防災には日常の危機管理が大切ということや、区民レスキュー隊員になると子どもがけがをした時に役立つ止血方法や心肺蘇生方法も身に付くといったことを伝えていった。このような地道な努力が実を結び、日頃からのコミュニケーションによって信頼関係が醸成されている子育て世代の親からも、会話を通じて区民レスキュー隊に対する理解が得られ、子どもを持つ父親の参加につながった。

●ITを活用した取組

地域の防犯・治安や防災に関する取組は、人々の関心が最も高い分野でもあるが(前掲第2-2-5図)、これに関しては、多くの人がいち早く情報を利用しやすいよう、ITを活用した取組が見られる。

携帯電話は今や普及率が8割24を超えているが、この携帯電話を利用した地域の防災の取組が行われている。岐阜県のある市では、インターネットや携帯電話を利用した防災情報ネットワークづくりに取り組んでいるが、特に携帯電話のメールを利用する人の増加に着目し、災害現場からの情報収集に活かそうとしている。住民は携帯電話から市がウェブサイトを通じて提供する情報を閲覧したり、登録したアドレスに配信されるメールによって情報を入手できる。そしてこの取組の特徴は、住民に対して携帯電話から災害に関する文字情報や画像情報を送信するように呼びかけているところである。これによって、行政は地域住民からいち早く情報を得ることができ、住民の避難や救助などがより円滑に行えることが期待されている。

また、先に紹介した地域SNSの利点を防犯・治安や防災に活用しようとしている事例もある。例えば、不審者情報などがあった場合に、地域SNSの画面上で防犯情報を提供することによって注意を喚起したり、災害時には災害情報専用画面に切り替えて、災害情報の送受信を行い、被災情報や避難情報を提供できるようになっている25。このように地域SNSは、住民の交流促進だけでなく、地域の防犯力、防災力の向上に資する取組としても期待できる。


3.地域の役割が新たに注目される取組

●高齢者福祉に関する地域の動き 

滋賀県にある自治会では、自治会内に福祉部門を設立し、高齢者に近況確認を行う「ふれあいホットライン」や24時間体制の「町内お手伝いボランティア」などの福祉活動に力を入れている。

この自治会がカバーする区域には、2007年3月時点で、約290世帯、約750名が住んでいるが、そのうち70歳以上が154名であり、高齢者世帯が多い。

この地区では、阪神・淡路大震災を契機に、身近に天災が起きたとき、この町は大丈夫なのだろうか、地域の人を助け出すことができるだろうかとの問題意識が芽生えた。そこで、自治会長や福祉委員、民生委員のリーダーシップの下で、住み慣れた地域で、安心して暮らし続けるためには、自治会でどのようなことをすれば良いかと地域で協議し実現したのが、この福祉部門である。

「ふれあいホットライン」とは、70歳以上の希望する人を対象に、毎週木曜日の午前中、自治会から近況を確認するもので、約30名の利用がある。この活動を通じて、一人暮らしや夫婦だけで暮らしている高齢者の孤立を防いでいる。

また、「町内お手伝いボランティア」とは、登録ボランティアが交代で自治会の専用携帯電話を用いて手伝いの申込みを受け付け、ボランティアに駆けつけるもので、いずれも24時間体制で行っている。この登録ボランティアは自治会の住民が基本となっており、日常生活において必要なものの中から対応できることをあらかじめ登録しておき、買い物や大型ゴミの搬出など依頼に応じてボランティアに出かける流れになっている。

このほか、子ども会と連携して、月1回の廃品回収の時に、外出が難しい高齢者宅に子どもが立ち寄り、廃品回収を行うことで、子どもと会話する機会を設けたり、偶数月には自治会内の70歳以上の高齢者のための誕生会を開いて「手作りの昼食」でもてなしたりして、活動が少なくなりがちな高齢者に地域のつながりを通じたコミュニケーションの機会を設けている。

【コラム】 地域のつながりに基づく取組について国民生活モニターから寄せられた事例
  国民生活モニター26に、地域のつながりに基づく取組について尋ねたところ、次のような事例が寄せられた。
[1]地域における教育・子育て支援に関する事例

地域・学校・育友会が連携協力して、子どもたちが文化、スポーツなどの楽しい体験を重ねることで、豊かな心や、生きる力が身に付くようにと「土曜チャレンジスクール」を実施している。伝統的な行事体験として子どもみこし、餅つき、鏡開きなども実施している(70代、女性)。

クリスマスに青年団員がサンタクロースになって、希望者の家庭の幼児に預かったプレゼントを配り、地域のコミュニケーションを図っている(60代、女性)。


[2]防犯・治安、防災に関する事例

最近、子どもたちが被害者になる事例が多く報告されていることや、地域の高齢者を「みまもる」という主旨を踏まえ、町内会・小学校PTA・老人会・防犯・交通安全の関係者を中心に「安全安心みまもりたい」を立ち上げ、空巣、車上ねらい、駐車違反、自転車の無灯火などを防止するために、多くのパトロール員やボランティアが現在活動中(60代、女性)。

小学生の一人下校が禁止され、町区別の集団登下校となった。近くまで先生が送り、地域の人が迎えるという体制である。また、地域の方が結成した「パトロール隊」の関係者は、自転車に「パトロール隊」という看板をかごに付けている(40代、女性)。

学校、地域、民生委員、老人会が一体となった見守隊を立上げ、7:00〜8:00の間に登校見守り、学年に応じて異なる下校時間に合わせ14:20、15:20、16:20に下校見守りを毎日行っている(60代、女性)。

シルバーボランティアが小学校登校時に通学路の要所でお揃いのジャンバーを着て児童を誘導している(60代、女性)。

年に1回防災の日に町内全員を対象とした訓練を行っている(50代、女性)。

自主防災組織があり、防災用具の管理や防災訓練を実施している。男性より家にいる時間の長い女性をメインに消火ホースのつなぎ方の説明なども行う(30代、女性)。

5〜6人ずつのグループで12月末の1週間ほど夜10時に自治区内を回る。防火訓練は消 防署から職員を招き救急時の対応の仕方、心臓マッサージの仕方、消火器の使い方などを実体験する(50代、女性)。


[3]高齢者福祉に関する事例

いきいきサロンを立ち上げ、家から出ない高齢者を連れ出し、食事会、小物作りなどの活動を行い喜ばれている(認知症の予防、病院へ行かない為の予防)。高齢者や一人暮らしの方達へ声かけを行い、元気を確かめ合っている(70代、女性)。

一人暮らし高齢者を集め毎月1回「いきいきサロン」を計画し、毎回朝10時から12時まで、健康管理センターより来てもらい血圧測定や健康についての話をしてもらう。その後、菓子作り、室内ボーリング、室内風船遊び、七夕かざり、折紙遊びなどを実施。高齢者の方々が目を生き生きさせて笑い、会話を楽しんでいる(60代、女性)。

 


22  SNSとは、「友人知人等の社会的ネットワークをオンラインで提供することを目的とするコミュニティ型のインターネットサービスである。」、「SNSの特徴としては[1]会員制、[2]登録者の非匿名性、[3]各種コミュニケーションツールの充実、の3点がある。」(総務省「情報通信白書」(2006年版)より)とされている。ここで取り上げた地域SNSの例においても、会員からの紹介が必要であること、実名制を採用して情報の信頼が高いこと、地域情報をまとめて見ることができる利便性があることといった、SNSの持つ特徴を有している。
23  参考文献:コレット・メシャン著、樋口淳、諸岡保江編訳「サンタクロース伝説の誕生」原書房(1991年)、賀来周一「サンタクロースの謎」講談社(2001年)
24  第1-1-22図より。
25  ITを利用した可能性については、総務省「住民参画システム利用の手引き」(http://www.soumu.go.jp/denshijiti/ict/index.html)に詳しい。
26  国民生活にかかわる政策を始めとした様々な問題についての意識調査に回答するほか、地域における価格調査などを行う。全国で約2,000人に委嘱している。ただし、国民生活モニターは無作為抽出で選ばれているわけではなく、4分の3が女性であり、また、40歳以上が7割近くを占めていることにも留意する必要がある。/td>

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