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全文 > 第2章 地域のつながり > 第1節 地域のつながりの変化と現状(5/5)

(3)単身世帯の増加

●単身世帯の人は地域での交際が少ない

単身世帯の人は、近隣との交際が少ないと一般的に言われているが、隣近所との行き来の程度や町内会・自治会への参加頻度は、他の世帯に属する人と比較して、実際のところどうなっているのだろうか。そこでまず、隣近所の人たちとの行き来の程度を尋ねたところ、単身世帯では「ほとんど行き来していない」と回答した人が34.6%、「あてはまる人がいない」と回答した人が18.8%となっているなど、半数を超える人が、隣近所との関係がほとんどないという状況にある(第2-1-38図)。

 

第2-1-38図 単身者は行き来の程度が少ない

次に、地域活動の代表的な存在である町内会・自治会への参加頻度について尋ねたところ、単身世帯では「参加していない」と回答した人が70.0%となっており、他の世帯より「参加していない」と回答した人が多い。このように単身世帯の人は、隣近所との行き来、町内会・自治会への参加頻度ともに、他の世帯の人より少なくなっている(第2-1-39図)。

 

第2-1-39図 単身者の町内会・自治会への参加度合いは低い

●単身世帯は増加している

ここで、単身世帯の推移を見てみると、過去30年の間にその数および割合がともに増加しており、2005年には一般世帯の29.5%を単身世帯が占めるまでになっている。このような地域とのつながりが少ない単身世帯の増加も、地域のつながりが希薄化していることの背景の一つと言えよう(第2-1-40図

 

第2-1-40図 単独世帯数および割合は増加している

(4)居住環境

●賃貸共同住宅の住民は居住年数が短く、近所付き合いも少ない

地域のつながりの現状を分析した際、賃貸共同住宅に住む人は地域から孤立する傾向にあることを明らかにした。先に見た「地域から孤立している人」の住まいを見てみると、全体と比較して賃貸共同住宅(選択肢では「民間の借家(集合住宅)」)に住む人の割合が高い(第2-1-41図)。

 

第2-1-41図 地域から孤立している人は借家集合住宅が多い

また、5年以上居住している人については、近隣住民との行き来が多く、近隣関係も深いとの傾向が見られることを指摘したが、同じ調査で住まい別の居住年数を見てみたところ、賃貸共同住宅(選択肢では「民間の借家(集合住宅)」)に住んでいる人は、5年以上居住している人の割合が少なくなっており、全体として他に比べて居住年数が短くなっている(第2-1-42図)。このことは、賃貸共同住宅の住民はすぐに転居することが多いため、近所付き合いが少ないと言われることと整合的である。

 

第2-1-42図 賃貸集合住宅に住む人の居住年数は短い

●地域のつながりを持たない傾向にある賃貸共同住宅の住民が増加した

ここで住宅の建て方の割合の推移を見ていこう。80年には借家・共同住宅は12.9%であったが、一貫して比率が高まり続け、2005年には19.9%となった(第2-1-43図)。このように、地域から孤立する傾向にある賃貸共同住宅が増加していることが、地域のつながりを希薄化させていると言われることの背景の一つにあると言える。

 

第2-1-43図 賃貸共同住宅は増加している
【コラム】 賃貸住宅に住む人の意識
   関東・関西の都市圏にて、賃貸集合住宅に住む18歳〜34歳の人を対象に行った「不動産情報ポータルサイトHOME'S調査」によれば、引っ越してきた時に、ご近所のどなたに挨拶をしたか尋ねたところ、一人暮らしの人は「誰にも挨拶はしていない」が51.9%と半数を超える人が何ら挨拶をしていない。他方で、子どもがいる家庭については、「隣の部屋の人」が55.9%、「同じマンション・アパートの部屋全員の人」が37.3%、「上下階の人」が37.0%と、比較的多くの人に挨拶をしている。
   また、ご近所とどんな付き合い方をしているか尋ねたところ、一人暮らしの人は「近所づきあいはしていない」と回答した人が43.1%となっている。また、ご近所付き合いがあって良かった、もしくはあれば良かったと思うことを尋ねたところ、一人暮らしの人については、63.9%の人が「近所づきあいの必要性を感じたことがない」と回答しており、総じて一人暮らしの人は、付き合いが少ないことがうかがえる。

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