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本文 > 第3章 高齢者の人生の再設計 > 第3節 高齢者の生活と社会貢献活動

●活動参加への壁は仲間がいないことや情報の不足

他方で、なぜ社会貢献活動に参加する高齢者は少数派にとどまっているのであろうか。60歳以上の男女にNPO19活動への関心の有無を尋ねたところ、「関心はない」と答えた割合が44.2%と最も多く、次いで「関心があるがよくわからない」が35.7%となっており、「今後参加したいと思っている」は9.5%にとどまっている(第3−3−5図)。これを年齢層別に見ていくと、年齢が上がるにつれて「関心はない」と答える割合が増加しており、60代では38.1%、70代で47.7%、80歳以上では57.2%に達する。

過去1年間に何らかの地域活動に参加しなかった理由を聞いてみると、60代では「家庭の事情(病院、家事、仕事)があるから」と答えた人の割合が高く、70代以上では「健康・体力に自信がないから(年をとっている)」を挙げた人の割合が最も高い(第3−3−6図)。このように、比較的若い60代は日常の仕事や家事などに追われて、地域活動に参加する時間的余裕がなく、70代以上では体力の衰えが目立ち始め、活動に関心はあっても参加すること自体が難しくなっている。また、いずれの年齢層でも「どのような活動が行われているのか知らないから」、「気軽に参加できる活動が少ないから」、「同好の友人・仲間がいないから」といった理由を挙げた者も見られる。

実際にNPO活動に参加している高齢者に対し、活動を知るきっかけとなった情報の入手手段を尋ねてみると、「友人・知人の紹介」が56.3%と最も多く、以下「他の団体等におけるボランティア活動を通じて」が9.1%、「就労活動を通じて」が8.0%などとなっている(第3−3−7図)。これは、参加の決め手となる友人・仲間がいないことから、関心はあっても参加をためらっている高齢者が少なからずいることを示唆している。

第3-3-5図 60代の4割が地域に関わるNPO活動を「関心はあるがよくわからない」と思っている

第3-3-5図 60代の4割が地域に関わるNPO活動を「関心はあるがよくわからない」と思っている

第3-3-6図 活動参加への壁は仲間がいないことや情報が不足していること

第3-3-6図 活動参加への壁は仲間がいないことや情報が不足していること

第3-3-7図 口コミが最大の情報源

第3-3-7図 口コミが最大の情報源
 
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ここでは、継続的、自発的に社会貢献活動を行う、営利を目的としない団体を指すこととする。

●高齢者の参加を促すには、仲間の参加、一層の情報提供が不可欠

それでは、高齢者が社会貢献活動に参加しやすくするためには、何が必要なのだろうか。

60歳以上の男女に、地域のための奉仕的な活動を行うに当たって、実際に活動するための条件を尋ねたところ、「一緒に活動する仲間がいること」が40.3%と最も多く、以下「時間や期間にあまり拘束されないこと」が16.2%、「活動場所が自宅からあまり離れていないこと」が15.9%、「参加を呼びかける団体、世話役があること」が13.0%などと続く(第3−3−8図)。これを男女別に見ると、「一緒に活動する仲間がいること」、「活動場所が自宅からあまり離れていないこと」において、特に女性の回答割合が高くなっている。

このように、社会貢献活動に高齢者の参加を促すには、一緒に参加する仲間の存在、活動内容に係る情報提供が不可欠であり、活動団体側からの情報提供・開示の拡充とともに、高齢者の主体的なネットワーク作りなどが望まれる。

高齢者のネットワーク作りのためには、定年を迎える前、それもできれば早い時期から地域社会など、職場以外でのつながりを構築する機会を持つことが重要であり、例えばボランティア休暇制度などの普及・活用が期待される。ボランティア休暇制度は、従業員数1,000人以上の規模の企業では23.7%において整備されているものの、それ以下の企業規模では10%以下であり、中小企業においても整備・活用されることが望ましい20。個人の側も、こうした制度を積極的に活用することが必要である。

第3-3-8図 高齢者の参加を促すには、仲間の参加や一層の情報提供が不可欠

3-3-8図 高齢者の参加を促すには、仲間の参加や一層の情報提供が不可欠
 
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厚生労働省「就労条件総合調査」(2005年)。

 
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