前項において、我が国の高齢者の就業意欲が高水準にあることを見てきたが、こうした意欲に応じた就業機会は、十分に提供されているのだろうか。失業率の推移を見ると、まず、60〜64歳の状況と65〜69歳の状況が大きく異なることが分かる。60〜64歳の失業率は全年齢平均と比べて著しく高いが、65〜69歳では全年齢平均とそれほど違わない水準となっている(第3−2−7図)。しかし通常の失業率に、就業したいが求職活動はしていない人12を加えた潜在的な失業率で見ると、65〜69歳の水準も全年齢平均を大きく上回る。
第3-2-7図 60代の潜在的な失業率は高い
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こうした背景には何があるのだろうか。求職中の高齢者に仕事に就けなかった理由を尋ねたところ、男性では年齢層が上がるにつれ、「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」と回答する割合が増加している(第3−2−8図)。特に、60〜64歳の49.6%、65〜69歳の61.9%が再就職できなかった理由として「年齢があわない」を挙げており、採用・募集時の年齢制限が高齢者の就業機会を狭めていることがうかがえる13 。
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また、就業を希望していても求職活動を行っていない男性にその理由を聞いてみると、60〜64歳では、「探したが見つからなかった」が16.1%、「希望する仕事がありそうにない」が15.8%で、合わせて3割以上が就職環境の厳しさから求職活動をあきらめている(第3−2−9図)。65〜69歳においても、やはり3割程度が同様の理由で求職活動をあきらめている。
高齢者の失業率は大きく景気動向に左右され、特に最近は経済状況の改善に伴い、いわゆるバブル経済期に匹敵する低さを記録している。しかしながら、前述したように、職には就きたいが求職活動をあきらめてしまった人まで含めると高齢者の失業率は決して低いとは言えないこと、また景気が悪化した場合には真っ先に高齢者に対する求人が減ってしまうであろうことを考慮すると、現状では高齢者の働く意欲が高いにもかかわらず、それに応じた就業機会が十分に供給されているとは言い難い。
第3-2-9図 60代男性の約3割が求職活動をあきらめている
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