高齢者の消費意欲も変化しつつある。一般に、60歳を過ぎると消費水準は低下する(第3−1−11図)。しかし、その低下の程度を過去と比べて見ると、89年時点に比べ99年、2004年の若い世代の方が低下の度合いが緩やかになっている(第3−1−12図)。そこで、年齢が上がるにつれてどれだけ消費水準が変化するかを統計的に調べてみると、89年時点の高齢者と比べて、94年時点、99年時点、2004年時点それぞれにおける「低下の度合い」はだんだん小さくなっている(付注3−1−2)。つまり最近の世代ほど、年齢を重ねても消費意欲が衰えなくなっている。
第3-1-11図 60代以降は、それまでに比べ消費支出は減少する
第3-1-12図 最近の高齢者の消費意欲は年齢を重ねても底堅い傾向
また、現在の50代に、各費目の消費水準が60代になったときにどう変わると思うかと尋ねたところ、食費や服飾費についてはほとんどの人が「変わらない」か「多少減る」と答えたのに対し、旅行、趣味・習い事、健康・スポーツについては4割前後が「大幅に増える」か「多少増える」と答え、「大幅に減る」、「多少減る」とした2割を大きく上回っている(第3−1−13図)。このように、現在の50代は、今後の生活において教養・娯楽的な支出を積極的に行っていく意欲が高い。
このような高齢者の旺盛な消費意欲が、高齢者の就業率を高止まりさせている可能性がある。次節では、こうした観点も含め、我が国の高齢者の就業をめぐる環境を考察する。
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