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本文 > 第2章 女性のライフサイクルと就業 > 第2節 女性の継続就業を妨げる壁

●夫の育児参加は進んでいない

平日の日中などは保育所に子どもの面倒を見てもらうにしても、それ以外の時間は夫婦が育児を行なうこととなる。しかし現状では、育児の負担は多くの場合妻に偏っている。夫婦における育児時間の分担状況を見ると、末子年齢0歳時の育児時間は妻が4.2時間であるのに対して夫は0.7時間、1〜2歳時においては妻が2.2時間、夫は0.5時間である(第2−2−12図)。さらに育児は、ある時間に集中して行なえば済むという性格のものではなく、ほかのことをしながらでも子どもを気遣っている時間を含めれば、これよりもはるかに長い時間を育児に費やしていると考えられる。また6歳以下の子どもを持つ夫婦共働きの人へ育児分担の状況を尋ねたところ、47.8%が「ほとんど妻」、26.3%が「どちらかというと妻」と回答し、「どちらも同じくらい」は15.6%に過ぎなかった(第2−2−13図)。

このように育児時間が妻に偏っている要因の一つとして、夫の長時間勤務を挙げることができる。なぜ妻が育児を行わざるを得ないのか尋ねたところ、「夫の仕事が忙しいから」と回答した者が62.3%と一番多く、「妻の役割だと思うから」が26.1%と続いた(第2−2−14図)。つまり、夫婦で役割分担すべきとの意識から妻に育児負担が集中している場合も少なくないものの、夫が物理的に育児を負担できないゆえに負担が妻に集中する傾向にある。

第2-2-12図 小さな子どもを持つ妻の育児・家事時間は多い

第2-2-12図 小さな子どもを持つ妻の育児・家事時間は多い

第2-2-13図 共働き世帯において育児負担をするのは妻

第2-2-13図 共働き世帯において育児負担をするのは妻

第2-2-14図 夫の仕事が忙しいため、妻が育児を主に行う

第2-2-14図 夫の仕事が忙しいため、妻が育児を主に行う

小さな子どもを持つ男性の働き方を見てみると、末子年齢が5歳以下の子を持ち、週に60時間以上働く男性の割合は20代で27%、30代で24%、40代でも20%を超えており、おおむね4人に1人となっている(第2−2−15図)。驚くべきことに、これらの割合は各年齢層とも独身者や子どものいない既婚者より高くなっている。これには、子どもを持つことにより妻が専業主婦となり、夫がより仕事に軸足を置くようになる、あるいは子どもの教育費負担を見越してより働くようになるなどの理由が考えられる。いずれにしても妻の立場から見れば、夫からの育児の手助けを得られにくい状況になっている。

第2-2-15図 子どもがいる男性ほど長時間労働をする傾向にある

第2-2-15図 子どもがいる男性ほど長時間労働をする傾向にある

●子どもを持つ女性の労働環境は厳しい

妻に育児負担が、夫に労働負担が集中する中で、小さな子どもを持つ妻の働き方も余裕のあるものとは言えない。末子年齢が3歳未満の子どもを持つ30〜34歳6の既婚者である正社員が1週間にどの程度働いているかを見てみると、35〜42時間が51.9%と半数程度を占めているが、43〜45時間が16.4%、46〜59時間が22.5%、60時間以上が3.2%と、合計4割以上が残業をしていることが分かる(第2−2−16図)。末子年齢が3〜5歳の子どもを持つ30〜34歳の既婚者である正社員についてもほぼ同様である。

これを子どものいない同じ年齢層の女性正社員と比較してみよう。30〜34歳の独身者または子どものいない既婚者で正社員の労働時間を見ると、35〜42時間が40.6%、43〜45時間が20.1%、46〜59時間が30.5%、60時間以上が5.9%である。末子年齢が5歳以下の子どもを持つ場合と比べると、長時間働く人の割合が高まっているものの、それほど大きな差とは言えない。

このように小さな子どもを持つ女性は、家庭内での育児負担が集中する傾向にある上に、正社員の女性については職場での労働時間も長時間にわたる場合が多い。出産退職した女性の32.8%が「両立の自信がなかった」、23.3%が「就労・通勤時間の関係で子を持って働けない」ことを理由として挙げていることからも(前掲第2−2−7図)、その負担を予想して、また実際の負担に耐えかねて、出産後に離職する女性が多いと考えられる。つまり、このような女性にのしかかる重い負担も継続就業を妨げる壁となっている。

第2-2-16図 小さな子どもがいる女性の4割が残業をしている

第2-2-16図 小さな子どもがいる女性の4割が残業をしている
 
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30〜34歳は、末子年齢が3歳未満の子どもを持つ女性の中で一番多い年齢層に当たる。

 
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