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第2節
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女性の継続就業を妨げる壁
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第2節、第3節では、なぜ第1節で見た女性が理想とするライフコースが容易に実現されないかを検討する。まず第2節においては「継続就業コース」に焦点を当て、その現状に続いて、育児と就業を両立させたい女性が直面する壁について見ていく。
●M字カーブの窪みは浅くなっているが、乳幼児を抱える女性の労働力率は横ばいである
まず継続就業について、その現状を見てみよう。
年齢層別に見た我が国の女性の労働力率は、20代半ばと50代前後という二つのピークを持ついわゆる「M字カーブ」を描くことが知られている。これは、出産・育児を機にいったん離職・非労働力化し、その後育児が終わってから再び働き出す女性が多いことを反映しており、我が国における継続就業の難しさを示している。このM字カーブを時系列で比較してみると、特に25〜34歳における「窪み」が傾向的に浅くなってきていることが読み取れる(第2−2−1図)。この点のみに着目すれば、女性が出産・育児にかかわらず就業を続けるようになっているようにも見える。
第2-2-1図 M字カーブの窪みは浅くなっている
そこで最も大きな変化が見られる25〜29歳の女性を、[1]独身者、[2]子どものいない既婚者、[3]末子年齢3歳未満の既婚者、[4]末子年齢3〜5歳の既婚者、[5]その他に分け、1987年から2002年にかけて労働力率の変化を調べてみた。結果を見ると、[2]子どものいない既婚者と[4]末子年齢3〜5歳の既婚者の労働力率が15年間でそれぞれ10%ポイント、8%ポイント程度上昇しているが、[3]末子年齢3歳未満の既婚者については横ばいとなっている(第2−2−2図)。このことは、乳幼児を抱えながら働く女性をめぐる環境が依然として改善していないことを示唆している。
第2-2-2図 末子年齢3歳未満の労働力率はほぼ横ばいである
上記のようなグループ分けを行なった場合、87年から2002年にかけて労働力率が最も大きく上昇した[2]子どものいない既婚者でも10%ポイントの変化であるので、個別のグループにおける労働力率の上昇だけでは、全体として15.4%上昇したことは説明できない3。したがって、個別グループの労働力率の上昇に加えて、労働力率の高いグループの占める割合が増加したことが全体の労働力率を更に押し上げているものと考えられる。
87年から2002年にかけての各グループの構成比の変化を見ると、労働力率の高い独身者の比率が37.6%から58.4%に高まる一方で、労働力率の低い末子年齢3歳未満の既婚者の比率が33.1%から20.6%に低下している。このことは、この間の若年層の晩婚化・晩産化を反映している(第2−2−3図)。全体の労働力率の変化を個別グループの労働力率の上昇要因と、グループ間の構成比の変化要因に分解してみると、65%が構成比の変化で説明できることが分かる(付注2−2−1)。
このように、M字カーブの窪みが浅くなっているのは、女性が継続就業するようになったことよりも、晩婚化や晩産化により、独身者や子どものいない既婚者といった労働力率の高い人々の割合が増加したことが大きく寄与している。
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女性のライフサイクルと就業の関係のうち、特に結婚および出産に伴う女性の就業状況の変化に注目してみよう。95年から99年の間に結婚した女性の結婚前後の就業状況を見ると、結婚前には88.5%だった就業率が、結婚後には65.3%まで低下していることから、女性の20%以上が結婚を機に離職しており、その大部分が正社員であることが分かる(第2−2−4図)。結婚に伴い離職した女性にその理由を尋ねたところ「結婚に伴う転居」を挙げた者が4割と多く、本人の希望というよりは、夫の勤務事情などにより否応なく退職していることがうかがわれる(第2−2−5図)。女性の離職は出産後更に進み、結婚後は65.3%であった就業率は、出産後には23.1%にまで低下する。
このように、継続就業を希望しながらも離職する女性は多く、結婚や出産・育児と就業とを両立させるには大きな壁が存在する。以下では、この壁がどのようなものかについてを検討する。
第2-2-4図 結婚、出産を経ることにより女性の就業率は低下する
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