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本文 > 第1章 若年者の適職探し > 第2節 若年者の適職探しをめぐる壁

●フリーター経験をめぐる企業の認識

企業側の採用行動については、「フリーター経験」があるだけで正社員として採用されにくいという指摘がある。実際に、企業にフリーターの経験を採用の際にどの程度評価するかを尋ねた調査によれば10、評価には影響しないと回答した企業の割合が約6割と多かったが、マイナスに評価すると回答した企業も約3割程度存在する(第1−2−5図)。

さらにフリーター経験を評価しないと回答した企業にその理由を尋ねたところ、「根気がなくいつ辞めるかわからない」と回答した企業の割合が最も高く約7割となっており、「責任感がない」、「職業に対する意識などの教育が必要」とする回答がそれに続いている。ただし、企業規模により差があり、大企業では年齢相応の技能・知識がないとする割合がむしろ高くなっている(第1−2−6図)。

このようにフリーター経験者は、企業から職業意識が欠如しているとマイナスに評価される場合が多い。しかしフリーターが本当に短期間のうちに仕事を辞めてしまうかどうかは、実際にしばらく雇ってみなくては分からない11

第1-2-5図 フリーター経験をマイナスに評価する企業も多い

第1-2-5図 フリーター経験をマイナスに評価する企業も多い

第1-2-6図 フリーターを評価しないのは、いつ辞めるか分からないから

第1-2-6図 フリーターを評価しないのは、いつ辞めるか分からないから
 
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ここで用いている厚生労働省「雇用管理調査」におけるフリーターの定義は「15〜34歳の若年者(学生および主婦を除く)のうち、勤め先における呼称がアルバイト又はパートである者(これまでアルバイト・パートを続けてきた者で無業の者を含む)」である。

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このように、「フリーターは一般的に(統計的に)辞めやすいから、このフリーター経験者も辞めやすいだろう」と考えることは「統計的差別」と呼ばれる。

しかし、本当にパート・アルバイト12として働く若年者の職業意識は低いのだろうか。若年者に対して仕事に関する考え方を問うと「一度就職したら、多少の不満があっても同じ職場で勤め続けたい」という考え方について「あてはまる」と回答した者の割合は、正社員で69.2%、パート・アルバイト(派遣などを除く)では67.5%となっており、大きな差は見られない(第1−2−7図)。さらに、仕事と私生活に関する意識では、「仕事のためには私生活も犠牲にすべきだ」という考え方を持っている若年者の割合を見ても、正社員とパート・アルバイト13ではほとんど変わらない結果となっている(第1−2−8図)。

また、転職して現在正社員として働いている者における転職希望の有無を、前職が正社員の者とパート・アルバイトだった者とで比較しても、統計的に有意な差は現れず、前職がパート・アルバイトであったからといって転職しやすいとは言えないことが分かる(付注1−2−1)。

このように、パート・アルバイト経験者のその後の定着率や職業意識が、パート・アルバイト経験のない正社員と比べて劣るとは必ずしも言えず、そうした企業側の意識が多分に先入見であることは否定できない。

第1-2-7図 多少の不満があっても同じ職場で勤め続けたいと思うパート・アルバイトは多い

第1-2-7図 多少の不満があっても同じ職場で勤め続けたいと思うパート・アルバイトは多い

第1-2-8図 パート・アルバイトの就業に対する意欲は強い

第1-2-8図 パート・アルバイトの就業に対する意欲は強い
 
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ここで用いているパート・アルバイトと上記フリーターの定義は一致しないことに留意が必要である。

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ここで用いている統計上のパート・アルバイトと上記フリーターの定義は一致しないことに留意が必要である。

 
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