前項では適職探しへ再挑戦する若年者が増加しており、2004年には在学者を除く若年者の5人に1人となっていることを明らかにした。このように適職探しに再挑戦する若年者が増加している理由として、[1]新たに適職探しを始める若年者が増加している一方で、[2]適職探しに成功して「再挑戦者グループ」から離脱する若年者があまり増加せず滞留してしまっていること、の二つを考えることができる。つまり適職を探す若年者の数をプールの水に例えると、新たにプールに入り込む水が増えている一方で、プールから流れ出す水がそれほど増えていない状況にある(第1−1−3図)。以下では二つの要因のそれぞれにつき、その動向と背景を検討する。
第1-1-3図 「適職を探す若年者」グループへの流入と離脱の概念図
新卒時に希望の職に就けず、不満を抱え転職を希望する若年者がすう勢的に増加している。これは新卒時点で正社員として就職したいと考える若年者比率が高水準で安定している中で、正社員として採用される新卒の比率が低下していることが背景の一つとなっている。
まず学歴別に学卒直後の若年層における正社員比率の推移を見よう。大学・大学院卒の正社員比率は92年に88.6%であったものが2002年には66.7%に、また高校卒でも同じ期間で、64.8%から40.4%にそれぞれ低下している(第1−1−4図)。さらに別の調査から新卒者に占める正社員比率3を見ると、94年から2004年にかけて、大卒で98.0%から89.0%へ、高卒では85.6%から64.1%へと低下しており、特に高卒において減少が大きい(第1−1−5図)。
このように正社員として就職する新卒者はここ10〜15年程で大きく低下しているが、これは企業が新卒正社員採用を絞っていることによる。このため新卒後就職して1年以内の者の転職希望率を見ると、パート・アルバイトとして働きながら正社員を希望している割合が、大卒で92年の15.1%から2002年には27.8%に、また高卒でも18.3%から23.8%に高まっている(第1−1−6図)。つまり正社員としての新卒需要が縮小したことで、正社員を希望してもパート・アルバイトとして就職せざるを得ない者が増えた結果、入社時から不満を抱え転職を希望する若年者が増えていると考えられる。
第1-1-4図 新卒のパート・アルバイト採用割合が高まっている
第1-1-6図 正社員を希望する新卒パート・アルバイトが増加
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