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本文 > 序章 多様な可能性に挑める社会とは > 第2節 仕事についての挑戦のしやすさ
第2節
仕事についての挑戦のしやすさ

本節では、仕事に関わる挑戦のしやすさについての人々の意識を性別・年代別により詳しく見るとともに、転職や再就職のしやすさを表す「雇用の流動性」の現状を概観する。言うまでもなく、雇用の流動性は雇用の安定性と背反する部分があり、流動的であればあるほど良いといったものではない。しかし「人々が職業生活の上で挑戦しやすいか」という観点からは、転職や再就職が活発になされているかどうかは重要な論点である。

1. 挑戦のしやすさについての意識

●若年層は転職、子育ての環境が整っていないと感じている

前節で見た、職業生活に関する項目および生活と仕事の調和に関する項目の充足度を、もう少し詳しく年齢層別に見てみよう。

まず15〜34歳を見ると、職業生活については「仕事のやりがい」についての充足度が低落傾向にあるほか、「転職」が1996年以降、他の項目より際立って低くなったままである(序−2−1図付表序−2−1)。生活と仕事の調和に関する項目については「保育所の充実」が80年代に比べて90年以降大きく悪化し、最近はほぼ横ばいであり、「子育て環境」、「休暇」も近年低下傾向ないし横ばいとなっている。このように、若年層にとって、転職しにくいと感じている人が多く、子育て環境についても整っていないと認識している人が増加している。

35〜54歳の壮年層については、職業生活では「転職」の充足度がやはり低いほか、「職業紹介・訓練」も低くなっている点が特徴的である(序−2−2図付表序−2−2)。また、「子育て環境」とともに「休暇」が2005年に大きく低下しており、長時間労働せざるを得ない労働者の増加などを反映していると考えられる。このように壮年層についても、職業能力の開発や、子育て環境の不足や休暇の取りにくさといった、生活と仕事の調和に不安を持っていることが分かる。

55歳以上の年齢層について見てみると、まず職業生活についての充足度は近年余り大きな変化はないが、この年齢層にとって切実な問題である「高齢者・障害者の就業」については他の項目に比べて低い充足度となっている(序−2−3図付表序−2−3)。また「子育て環境」の充足度が低下しており、自分たちの子育てのほか、自分たちの子ども世代が直面している子育て上の困難を見聞きすることもこうした回答に影響している可能性もある。

以上のように、チャレンジをめぐる環境や社会基盤については、とりわけ若年層における転職環境面での充足度の低さ、若年層・壮年層にわたっての子育て環境についての不安、高齢者層における就業面での充足度の低さが見て取れる。

序-2-1図 「転職」の充足度が際だって低い

序-2-1図 「転職」の充足度が際だって低い

序-2-2図 「転職」に加えて「職業紹介・訓練」の充足度も低い

序-2-2図 「転職」に加えて「職業紹介・訓練」の充足度も低い

序-2-3図 「高齢者・障害者の就業」についての充足度が低い

序-2-3図 「高齢者・障害者の就業」についての充足度が低い
 
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