次に[3]職業生活に関するものについて、90年以降の動きを見ると、「やりがいのある仕事や自分に適した仕事ができること」(以下「仕事のやりがい」)、「職業紹介や職業訓練のための施設や内容が充実していること」(以下「職業紹介・訓練」)、「希望する職業への転職が容易なこと」(以下「転職」)についてはいずれも99年にかけて低下し、近年回復しているものの、90年代初頭の水準までは達していない(序−1−5図、付表序−1−5)。また、充足度の水準で見ると、96年以降2005年まで「転職」が最も低く、次いで低いものが「高齢者や心身障害者が希望すれば仕事につけること」(以下「高齢者・障害者の就業」)となっている。
序−1−5図 「転職」、「高齢者・障害者の就業」の充足度が低い
最後に[4]生活と仕事の調和に関するものについて見ると、「保育所が充実していること(時間帯・設備など)」(以下「保育所の充実」)の充足度が90年以降大きく低下するとともに、93年から追加された「安心して子供を生み育てられる環境が整っていること」(以下「子育て環境」)も一貫して低下している。「年間を通じて休みを多く取れること」(以下「休暇」)はほぼ横ばいである(序−1−6図)。
このように、チャレンジに関連する項目の中では、特に90年代初頭に比べて「仕事のやりがい」や「転職」などの充足度が低下していること、「子育て環境」もすう勢的に低下していることが分かった。また、2005年時点の項目別充足度の水準を比較してみても、職業生活に関するものの充足度がおしなべて低く、次いで生活と仕事の調和に関するものの充足度が低い(序−1−7図)。
人生における職業生活の重要性は、改めて言うまでもない。やりがいのある仕事に携わり、成果を出すことの達成感は、人生に大きな充実感をもたらすだろう。一方で、不向きな仕事、苦痛な仕事をすることによるストレスは、日々の生活の質を大きく損なってしまう。また、職業は各人の経済状況を左右することからも、生活全体に対する波及効果は大きい。このように、仕事についての挑戦がどれだけしやすいかは、個人の人生にとりわけ大きな意味を持つ。
生活と仕事の調和についても、これが失われていると、チャレンジ全般に大きな障壁となる。先に紹介した国民生活モニターで、チャレンジに当たって何らかの障害があったかとの問に対し、約半数が「あった」と答えている(付表序−1−6)。しかし「自分の意志が弱い」といったものを除けばその大部分はチャレンジと仕事などとの両立が難しいというものである。
こうした観点から、次節では生活と仕事の調和を含めた、職業・仕事に関わる挑戦のための環境に焦点を当てて検討する。
序−1−7図 職業生活に関するもの、生活と仕事の調和に関するものの充足度が低い
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